鴉と人形   作:ダイヤモンド傭兵

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 未来の武器と過去の武器。
 戦ったらどんな結果になるかなぁ?




第92話 鴉と共に

 1枚のタロットカードが、テーブルの上に置かれた。

 

 置かれたカードは正位置の世界(ワールド)であり、カードを置いたのはマジシャンだった。

 

「ふむ、中々に興味深いですね」

 

 

 

 マジシャンがいるのは、コーカサス社のとある基地の中であり、 テーブルの上には他にもタロットカードが並べられているため、何かの占いをしているようだった。

 

 そこへデビルが現れ、マジシャンの向かいに座る。

 

「あれ~、占いなんかやってるの~?」

 

 デビルはいつもののんびりかつ、おっとりした様子で話ながら頬杖をついてタロットカードを眺める。

 

「ええ。試しに翔・ニールセンそのものと、翔・ニールセンを生かすか殺すか、この3つを占ってみましたが・・・中々興味深い結果になりましてね」

 

 マジシャンはワールドのカードを手に取り、そのカードを眺める。

 

「翔・ニールセンそのものを占うと、何度やっても正位置のワールドが出るんですよね。少なくとも10回は試しましたが、全て正位置のワールドが出たんですよ」

 

 呆れた様子のマジシャンは、テーブルの上にワールドのカードを投げ出し、それをデビルが拾って眺める。

 誰かが細工した訳でも、カードが不良品という訳でも無い。

 

「ふ~ん、なんか不思議ね~」

 

 念のため山札の中身も確認するが、そこにも問題は無かった。

 

「・・・で、翔を殺すとしたら何が出たの~?」

 

 デビルの問いに、マジシャンは1枚のカードを出した。

 

「翔を殺すとした場合ですが・・・必ずアクシデントが起こり、カードの中身を見れなくなるんですよ」

 

 良い結果か悪い結果か、どちらでもなくそもそも見る事さえできない。

 それがどういう事か、2人には推測できないでいた。

 

「・・・まあ、所詮は占いだし、気にせず行こうよ」

 

 デビルはそう言って部屋を去っていった。

 

「・・・だと、良いんですがね」

 

 静かに呟いたマジシャンはカードを片付ける。

 

 ザラリとした謎の不快感を感じながら・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 推奨BGM『Gravity』(ACVDより)

 

 

 

 ランポルドは、404小隊を見据えていた。

 

「さて、私の相手はお前達か・・・遠慮せずに殺す気で来い。私も殺す気で行く」

 

 ランポルドは1発、45に撃つ。

 45はすぐに回避し、マンティコアの装甲すら貫く弾丸は地面を穿つ。

 

「本当に殺せる位置に撃ってきたわね・・・いいわ、やってやるわよ!」

 

 404小隊の射撃を、ランポルドは両手のライフルを連射しながら回避していく。

 ブースターと身体操作の緩急を付け、不規則に動き続ける。

 

 ネイト達との戦闘で消耗したとは思えない程、その動きは的確だった。

 ランポルドの服を見れば、ほとんど被弾していない事も判る。

 

 ランポルドは417に接近すると、417に張り付くようにして戦い始める。

 

「お前が417か・・・なるほど、確かに私に近い戦闘スタイルだな」

 

 ナインと416が417を左右から援護しようとする。

 だがランポルドは唐突に45にQBで接近すると、45に銃口を向ける。

 

「させないよ!」

 

 G11による射撃でランポルドは45から離れたが、そのままナインに向けて射撃する。

 

 ランポルドはブースターを最大で吹かし、QBと同等のスピードで404小隊の周囲を回るように高速移動し、射撃していく。

 そのスピードに、404小隊は1度回避に専念する。

 

 しかし、ランポルドが時折高速移動をやめて通常移動になり、再び高速移動をするのを見て、45はほくそ笑んだ。

 45はランポルドが高速移動をやめた瞬間に射撃し、ランポルドの左肩と左太ももに弾を掠らせることに成功する。

 

「あなた、そのスピードを出すにはインターバルが必要みたいね」

 

 それを鼻で笑ったランポルドは、左右斜め前方にQBしながらナインに接近する。

 しかしナインへ接近させまいと、416がグレランで榴弾を放つ。

 

 ランポルドはそこから再び高速移動し、距離を話ながら射撃していく。

 45は攻撃を避けつつ、インターバルに入った瞬間にスモークを投げる。

 

「煙幕か・・・いや、これは!?」

 

 煙幕に包まれるランポルド。

 しかしそれはただの煙幕ではなく、青く放電していた。

 煙幕として蒔かれた物質による放電で、ランポルドはダメージを受ける。

 

 更に416が榴弾を放ち、ランポルドは爆煙に包まれる。

 45は再びスモークを投げ、その隙に404小隊は駆け出した。

 

 

 

 404小隊はアヴェルヌスの外壁の中へ入り、そのまま内部へ入ろうとする。

 

 しかし、ナインの足元に黄色い筒状の物体が突き刺さった。

 

「何これ?」

 

 筒状の物体の傾きを考えると、ちょうどランポルドのいる方向である事が判る。

 

 その物体は傘を開くようにして、大きな羽と小さな羽が3つずつ開き、青いランプが点滅しだす。

 45は反射的にその物体を破壊したが、その瞬間・・・

 

「そこか」

 

 もう1本の筒状の物体が、404小隊の近くの壁に突き刺さると同時に、壁越しに次々と弾丸が放たれる。

 

 外壁の開いた穴からランポルドが現れる。

 だが、ランポルドは服を纏っておらず、代わりに、首から下を全て赤と黒の装甲で覆っていた。

 

 その装甲は武骨で、細く、だが脚部は丸みを帯びている形状で、左膝には小さな丸い盾が付けられていた。

 

「せっかくの服が燃やされるとはな・・・随分と良い腕をしている、だが・・・」

 

 ランポルドは自身の額を指差してトントンと叩く。

 

「ちゃんとここを狙わないと、私は倒せないぞ?」

 

 その顔に笑みは無く、淡々としていた。

 その目は404小隊を見据えていた。

 

 

 

 そこからランポルドの動きは大きく変わった。

 

 頭部へ被弾する時は回避するか装甲で受け、そうでない攻撃は回避せずに動き続ける。

 ランポルドの装甲は弾丸が一切通じないが、404小隊には数的有利がある。

 

 地形的にも、アヴェルヌス内部へ入った404小隊の方が有利だと思われた。

 しかしランポルドは同様の地形で、ネイト達を相手にほぼ被弾していないため、誰もこの状況を有利だと思っていなかった。

 

 ランポルドの背後に回り込んだ416と、斜め後ろに飛び出した417が同時に射撃する。

 放たれた弾丸はランポルドの頭部に向かうが、ランポルドは斜め前に飛び出す。

 

 弾丸は先程ランポルドがいた場所でクロスする。

 その後ランポルドは弾の通らない位置から再び高速移動を始め、遮蔽物の裏で通常移動に切り替える。

 

「ナイン!」

 

 45が叫び、ランポルドがナインの方を向く。

 その瞬間、ランポルドの足元にスモークを投げ、再びランポルドは放電によるダメージを受ける。

 

「残念、嘘よ」

 

 45とG11は煙幕が出る直前の光景から、ランポルドの位置を予測して射撃する。

 更にナイン、416、417も射撃してランポルドは集中砲火を受ける。

 

 ランポルドはQBで煙幕から逃れるが、頬に掠り傷があった。

 

「全く、やってくれる」

 

 ランポルドはスライディングで柱の陰に滑り込みながら射撃し、G11の左肩を掠める。

 

「あ"あ"あ"あ"あ"っ!」

 

 掠めただけでG11の左腕は吹き飛び、G11は倒れる。

 すぐに416がG11を遮蔽物に隠し、ナインと417の援護の元で急いで止血をする。

 

「45姉、これっ!」

 

 ナインは45にスタングレネードを投げ渡し、45はランポルドはスタングレネードを投げ、逆方向にスモークを投げる。

 左右を塞がれたランポルドは、動きが止まった。

 

 そこに、416が榴弾を発射する。

 同時に、ランポルドは45とナインに向けて引き金を引いた。

 

 榴弾による爆煙でランポルドの姿は見えなくなる。

 45はあとほんの数ミリのところで回避でき、ナインは右足を吹き飛ばされた。

 

 

 

 その直後、爆煙の中からランポルド飛び出した。

 

 その顔は焼け爛れ、唇や瞼が焼失し、眼球と歯、筋繊維が剥き出しになっていた。

 

「やってくれたなぁ!」

 

 416に突撃したランポルドの前に417が立ち塞がるが、ランポルドに蹴り飛ばされる。

 45が援護に加わるが、ランポルドの射撃により45のSMGが破壊される。

 

「おおおおおっ!」

 

 417が45の前に出ると、机や壁を蹴りながら飛び回り、射撃していく。

 ランポルドは417に狙いを変更し、正面からの撃ち合いを始める。

 

 その時のランポルドの表情は、どこか笑っているように見えた。

 

 416とナインは417を援護し、45はHGを取り出して援護に入る。

 G11は這って移動し、壁にもたれ掛かって片手で射撃していく。

 

「撃って!撃ち続けて!」

 

 45が叫ぶ中・・・

 ランポルドは弾丸を装甲で受け、受けきれない弾丸は回避しつつ、ナインとG11に同時に射撃する。

 

 ナインはSMGを破壊され、G11はギリギリで回避するも、細かい瓦礫がG11に降り注ぐ。

 

 416はランポルドの目の前に榴弾を放ち、45はランポルドの背後にスモークを投げる。

 ランポルドは左へQBして回避するが、45は時間差でスモークを投げていた。

 

 スモークの放電が、ランポルドの剥き出しになった筋繊維に直接ダメージを与える。

 

「があっ!」

 

 ランポルドはすぐさまQBでスモークから抜け出すが、そこには417がいた。

 

「食らえぇぇぇぇ!」

 

 417の放った弾丸は、ランポルドの眉間に当たるかと思われた。

 しかしランポルドはギリギリで回避し、417のRFへ射撃してRFを破壊する。

 

 更にランポルドは417を蹴り飛ばし、45と416へ射撃して45の左腕と416の左脚を破壊する。

 

「417!」

 

 倒れる直前、416は417に自身のARを投げ、417はランポルドへ駆ける。

 ランポルドは417へ射撃しようとするが、45がHGでライフルへに向けて射撃し、ランポルドが右手に持つライフルの銃口が417から外れる。

 

 ARの弾丸はランポルドの左目に命中し、ライフルの弾丸は417の右腕を削るように飛んでいった。

 

 

 

「相討ち、か・・・フッ、それも良い・・・」

 

 ランポルドは後退り、瓦礫の上に座った。

 

「よく、ここまで強くなったな・・・」

 

 ランポルドはそう言うと立ち上がり、どこかへ去っていった。

 だが去り際に一言・・・

 

「これなら、未来を任せられるかもな」

 

 




 読んでくださり、ありがとうございます!

 毎度遅くなっており、すいません・・・

 今回は404小隊とランポルドの戦闘でしたが、どうだったでしょうか?
 感想や高評価、お待ちしています!
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