鴉と人形   作:ダイヤモンド傭兵

107 / 107
 未来の武器と過去の武器。
 戦ったらどんな結果になるかなぁ?




第92話 鴉と共に

 1枚のタロットカードが、テーブルの上に置かれた。

 

 置かれたカードは正位置の世界(ワールド)であり、カードを置いたのはマジシャンだった。

 

「ふむ、中々に興味深いですね」

 

 

 

 マジシャンがいるのは、コーカサス社のとある基地の中であり、 テーブルの上には他にもタロットカードが並べられているため、何かの占いをしているようだった。

 

 そこへデビルが現れ、マジシャンの向かいに座る。

 

「あれ~、占いなんかやってるの~?」

 

 デビルはいつもののんびりかつ、おっとりした様子で話ながら頬杖をついてタロットカードを眺める。

 

「ええ。試しに翔・ニールセンそのものと、翔・ニールセンを生かすか殺すか、この3つを占ってみましたが・・・中々興味深い結果になりましてね」

 

 マジシャンはワールドのカードを手に取り、そのカードを眺める。

 

「翔・ニールセンそのものを占うと、何度やっても正位置のワールドが出るんですよね。少なくとも10回は試しましたが、全て正位置のワールドが出たんですよ」

 

 呆れた様子のマジシャンは、テーブルの上にワールドのカードを投げ出し、それをデビルが拾って眺める。

 誰かが細工した訳でも、カードが不良品という訳でも無い。

 

「ふ~ん、なんか不思議ね~」

 

 念のため山札の中身も確認するが、そこにも問題は無かった。

 

「・・・で、翔を殺すとしたら何が出たの~?」

 

 デビルの問いに、マジシャンは1枚のカードを出した。

 

「翔を殺すとした場合ですが・・・必ずアクシデントが起こり、カードの中身を見れなくなるんですよ」

 

 良い結果か悪い結果か、どちらでもなくそもそも見る事さえできない。

 それがどういう事か、2人には推測できないでいた。

 

「・・・まあ、所詮は占いだし、気にせず行こうよ」

 

 デビルはそう言って部屋を去っていった。

 

「・・・だと、良いんですがね」

 

 静かに呟いたマジシャンはカードを片付ける。

 

 ザラリとした謎の不快感を感じながら・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 推奨BGM『Gravity』(ACVDより)

 

 

 

 ランポルドは、404小隊を見据えていた。

 

「さて、私の相手はお前達か・・・遠慮せずに殺す気で来い。私も殺す気で行く」

 

 ランポルドは1発、45に撃つ。

 45はすぐに回避し、マンティコアの装甲すら貫く弾丸は地面を穿つ。

 

「本当に殺せる位置に撃ってきたわね・・・いいわ、やってやるわよ!」

 

 404小隊の射撃を、ランポルドは両手のライフルを連射しながら回避していく。

 ブースターと身体操作の緩急を付け、不規則に動き続ける。

 

 ネイト達との戦闘で消耗したとは思えない程、その動きは的確だった。

 ランポルドの服を見れば、ほとんど被弾していない事も判る。

 

 ランポルドは417に接近すると、417に張り付くようにして戦い始める。

 

「お前が417か・・・なるほど、確かに私に近い戦闘スタイルだな」

 

 ナインと416が417を左右から援護しようとする。

 だがランポルドは唐突に45にQBで接近すると、45に銃口を向ける。

 

「させないよ!」

 

 G11による射撃でランポルドは45から離れたが、そのままナインに向けて射撃する。

 

 ランポルドはブースターを最大で吹かし、QBと同等のスピードで404小隊の周囲を回るように高速移動し、射撃していく。

 そのスピードに、404小隊は1度回避に専念する。

 

 しかし、ランポルドが時折高速移動をやめて通常移動になり、再び高速移動をするのを見て、45はほくそ笑んだ。

 45はランポルドが高速移動をやめた瞬間に射撃し、ランポルドの左肩と左太ももに弾を掠らせることに成功する。

 

「あなた、そのスピードを出すにはインターバルが必要みたいね」

 

 それを鼻で笑ったランポルドは、左右斜め前方にQBしながらナインに接近する。

 しかしナインへ接近させまいと、416がグレランで榴弾を放つ。

 

 ランポルドはそこから再び高速移動し、距離を話ながら射撃していく。

 45は攻撃を避けつつ、インターバルに入った瞬間にスモークを投げる。

 

「煙幕か・・・いや、これは!?」

 

 煙幕に包まれるランポルド。

 しかしそれはただの煙幕ではなく、青く放電していた。

 煙幕として蒔かれた物質による放電で、ランポルドはダメージを受ける。

 

 更に416が榴弾を放ち、ランポルドは爆煙に包まれる。

 45は再びスモークを投げ、その隙に404小隊は駆け出した。

 

 

 

 404小隊はアヴェルヌスの外壁の中へ入り、そのまま内部へ入ろうとする。

 

 しかし、ナインの足元に黄色い筒状の物体が突き刺さった。

 

「何これ?」

 

 筒状の物体の傾きを考えると、ちょうどランポルドのいる方向である事が判る。

 

 その物体は傘を開くようにして、大きな羽と小さな羽が3つずつ開き、青いランプが点滅しだす。

 45は反射的にその物体を破壊したが、その瞬間・・・

 

「そこか」

 

 もう1本の筒状の物体が、404小隊の近くの壁に突き刺さると同時に、壁越しに次々と弾丸が放たれる。

 

 外壁の開いた穴からランポルドが現れる。

 だが、ランポルドは服を纏っておらず、代わりに、首から下を全て赤と黒の装甲で覆っていた。

 

 その装甲は武骨で、細く、だが脚部は丸みを帯びている形状で、左膝には小さな丸い盾が付けられていた。

 

「せっかくの服が燃やされるとはな・・・随分と良い腕をしている、だが・・・」

 

 ランポルドは自身の額を指差してトントンと叩く。

 

「ちゃんとここを狙わないと、私は倒せないぞ?」

 

 その顔に笑みは無く、淡々としていた。

 その目は404小隊を見据えていた。

 

 

 

 そこからランポルドの動きは大きく変わった。

 

 頭部へ被弾する時は回避するか装甲で受け、そうでない攻撃は回避せずに動き続ける。

 ランポルドの装甲は弾丸が一切通じないが、404小隊には数的有利がある。

 

 地形的にも、アヴェルヌス内部へ入った404小隊の方が有利だと思われた。

 しかしランポルドは同様の地形で、ネイト達を相手にほぼ被弾していないため、誰もこの状況を有利だと思っていなかった。

 

 ランポルドの背後に回り込んだ416と、斜め後ろに飛び出した417が同時に射撃する。

 放たれた弾丸はランポルドの頭部に向かうが、ランポルドは斜め前に飛び出す。

 

 弾丸は先程ランポルドがいた場所でクロスする。

 その後ランポルドは弾の通らない位置から再び高速移動を始め、遮蔽物の裏で通常移動に切り替える。

 

「ナイン!」

 

 45が叫び、ランポルドがナインの方を向く。

 その瞬間、ランポルドの足元にスモークを投げ、再びランポルドは放電によるダメージを受ける。

 

「残念、嘘よ」

 

 45とG11は煙幕が出る直前の光景から、ランポルドの位置を予測して射撃する。

 更にナイン、416、417も射撃してランポルドは集中砲火を受ける。

 

 ランポルドはQBで煙幕から逃れるが、頬に掠り傷があった。

 

「全く、やってくれる」

 

 ランポルドはスライディングで柱の陰に滑り込みながら射撃し、G11の左肩を掠める。

 

「あ"あ"あ"あ"あ"っ!」

 

 掠めただけでG11の左腕は吹き飛び、G11は倒れる。

 すぐに416がG11を遮蔽物に隠し、ナインと417の援護の元で急いで止血をする。

 

「45姉、これっ!」

 

 ナインは45にスタングレネードを投げ渡し、45はランポルドはスタングレネードを投げ、逆方向にスモークを投げる。

 左右を塞がれたランポルドは、動きが止まった。

 

 そこに、416が榴弾を発射する。

 同時に、ランポルドは45とナインに向けて引き金を引いた。

 

 榴弾による爆煙でランポルドの姿は見えなくなる。

 45はあとほんの数ミリのところで回避でき、ナインは右足を吹き飛ばされた。

 

 

 

 その直後、爆煙の中からランポルド飛び出した。

 

 その顔は焼け爛れ、唇や瞼が焼失し、眼球と歯、筋繊維が剥き出しになっていた。

 

「やってくれたなぁ!」

 

 416に突撃したランポルドの前に417が立ち塞がるが、ランポルドに蹴り飛ばされる。

 45が援護に加わるが、ランポルドの射撃により45のSMGが破壊される。

 

「おおおおおっ!」

 

 417が45の前に出ると、机や壁を蹴りながら飛び回り、射撃していく。

 ランポルドは417に狙いを変更し、正面からの撃ち合いを始める。

 

 その時のランポルドの表情は、どこか笑っているように見えた。

 

 416とナインは417を援護し、45はHGを取り出して援護に入る。

 G11は這って移動し、壁にもたれ掛かって片手で射撃していく。

 

「撃って!撃ち続けて!」

 

 45が叫ぶ中・・・

 ランポルドは弾丸を装甲で受け、受けきれない弾丸は回避しつつ、ナインとG11に同時に射撃する。

 

 ナインはSMGを破壊され、G11はギリギリで回避するも、細かい瓦礫がG11に降り注ぐ。

 

 416はランポルドの目の前に榴弾を放ち、45はランポルドの背後にスモークを投げる。

 ランポルドは左へQBして回避するが、45は時間差でスモークを投げていた。

 

 スモークの放電が、ランポルドの剥き出しになった筋繊維に直接ダメージを与える。

 

「があっ!」

 

 ランポルドはすぐさまQBでスモークから抜け出すが、そこには417がいた。

 

「食らえぇぇぇぇ!」

 

 417の放った弾丸は、ランポルドの眉間に当たるかと思われた。

 しかしランポルドはギリギリで回避し、417のRFへ射撃してRFを破壊する。

 

 更にランポルドは417を蹴り飛ばし、45と416へ射撃して45の左腕と416の左脚を破壊する。

 

「417!」

 

 倒れる直前、416は417に自身のARを投げ、417はランポルドへ駆ける。

 ランポルドは417へ射撃しようとするが、45がHGでライフルへに向けて射撃し、ランポルドが右手に持つライフルの銃口が417から外れる。

 

 ARの弾丸はランポルドの左目に命中し、ライフルの弾丸は417の右腕を削るように飛んでいった。

 

 

 

「相討ち、か・・・フッ、それも良い・・・」

 

 ランポルドは後退り、瓦礫の上に座った。

 

「よく、ここまで強くなったな・・・」

 

 ランポルドはそう言うと立ち上がり、どこかへ去っていった。

 だが去り際に一言・・・

 

「これなら、未来を任せられるかもな」

 

 




 読んでくださり、ありがとうございます!

 毎度遅くなっており、すいません・・・

 今回は404小隊とランポルドの戦闘でしたが、どうだったでしょうか?
 感想や高評価、お待ちしています!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

インフィニット・ストラトス ─蒼狼と黒鉄の霞─(作者:ダブスタ親父)(原作:インフィニット・ストラトス)

 ルビコンにて戦友であったレイヴンとの闘いに敗れたラスティ。そんな彼は死を覚悟していたものの、目を開けると別世界に来てしまう。▼ そこで一人の少女と出会い、平和の為にもう一度闘争に身を焦がす。


総合評価:563/評価:8.67/連載:26話/更新日時:2026年08月02日(日) 09:04 小説情報

魔法少女だけが戦う世界で、男が生き残る術とは? A.映画ボスを集めます(作者:異星人アリエン)(オリジナル現代/冒険・バトル)

『魔法少女マギアイリス』。それは人気がすこぶる高いアニメとして、名を馳せていたアニメタイトルであった。▼話としては、至極単純世界征服を目指す組織《ディスナンド》が、ミラクルパワーとかいう力を操る魔法少女によって倒される。そんな分かりやすい物語。▼だけど、そんな世界で生きることとなった身としてはたまったものではない。▼そんな世界に転生した男、須佐八雲は男である…


総合評価:13634/評価:8.06/連載:50話/更新日時:2026年09月14日(月) 12:02 小説情報

FPSのUIが現実に見える俺が、いつの間にか殺し屋になるまで(作者:鳥獣跋扈)(オリジナル現代/冒険・バトル)

大学を出てから定職にも就けず、倉庫仕事とFPSゲームばかりの生活を続けていた青年・二階堂 恒一(にかいどう こういち)。▼彼の人生は、ある日を境におかしくなった。▼ゲームを終え、ふと顔を上げた瞬間――現実の世界に、FPSのHUDのような感覚情報が重なって見えるようになったのだ。▼他人の視線や足音の方向。▼危険が向かってくるアラート。▼――そして、銃を持った時…


総合評価:46107/評価:9.16/連載:67話/更新日時:2026年09月15日(火) 19:03 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>