転生者が往くブルーアーカイブ マルチversion! 作:よっしぃぃぃい
一話 「知り合いに同じ名字の奴がいてな。」
『おはようございます先生!』
「あ…?……あぁ、そういえば今日だったな。」
今日からアビドス高等学校に向かう。
事の発端は、アビドスの生徒から送られてきたある手紙だった。
『連邦捜査部の先生へ。こんにちは、私はアビドス高等学校の奥空アヤネと申します。今回どうしても先生にお願いしたいことがありまして、こうしてお手紙を書きました。単刀直入に言いますと、今私たちの学校は追い詰められています。それも地域の暴力組織によってです。こうなってしまった事情はかなり複雑ですが…どうやら私たちの学校が狙われているようです。今はどうにか食い止めていますが、そろそろ弾薬などの補給が底を突いてしまいます…このままでは、暴力組織に学校を占領されてしまいそうな状況です。それで、今回先生にお願いできればと思いました。先生、どうか私たちの力になっていただけませんか?』
アビドス高等学校。アロナが調べてくれた情報によると、どうやら昔はとても大きい自治区だったが、気候の変化によって街が厳しい状況になっているとのこと。ちなみに街のど真ん中で迷って遭難する人がいるくらいらしい。流石に誇張が過ぎるとは思うが…おそらく、一種の比喩だろう、と。そう思っていた。
それが昨日の話。
「はぁ…あれは誇張でもなんでもなかったってわけね…」
街で迷う、というのは比喩でもなんでもなくただの事実だったらしい。一日中学校を探したが見つからず、最早遭難状態になっていた。水や食料はシーカーストーンやプルアパッドにまだまだあるとはいえ、このままでは無駄に時間が過ぎていくばかりだ。
その時、自転車が止まる音とともに声をかけられた。
「…あの…」
思わず振り返ると、そこには狐のような耳が生えている銀髪の少女がいた。
「…大丈夫?」
「ああ、なんとかな。実はとある用事でここに来たんだが、飲食店などそういう店が全く無くてな。」
「こっちの方面は食べ物がある店なんかとっくに無くなってるよ。」
「だからか…」
「…なるほど、この辺は初めてなんだね。見た感じ、連邦生徒会から来た大人みたいだけど…お疲れ様。学校に用があって来たの?」
「その通り。アビドス高等学校って知ってるか?」
「うちの学校だよ。」
「おお!それは良かった。案内してくれないか?」
「いいよ。すぐそこだから。」
「すぐそこだったのか…ちょっと待ってくれ、…ええと、なんて呼べばいい?」
「シロコ。砂狼シロコ。」
「OK。砂狼、10秒待ってくれ。」
そう言って軽い準備運動をする。
「よし、案内してくれ。あぁ、砂狼は自転車のままでいいぞ?」
「でも、あなたはヘイローを持ってないし…」
「その点については問題ない。余裕で追いつく。」
渋々ながらシロコはロードバイクに跨り、走っていく。
「さてと…」
クラウチングスタートの構えをし、ダッシュする。
やがて、アビドス高等学校と思われる校舎に着いた。
シロコに案内されるまま、ある教室に着いた。そこには3人の女子生徒がいた。
「ただいま。」
「おかえり、シロコせんぱ…い?え!?そこの大人は誰!?」
「どーも、アビドス高等学校の生徒のみんな。俺は勇凪理玖。いや、シャーレの先生と言った方がいいか?」
そう言うと、その3人は驚いたかのような顔をした。
「…え、ええっ!?まさか!?」
「連邦捜査部「シャーレ」の先生!?」
「なんでそんなに信用ないのかねぇ…」
「わあ!支援要請が受理されたのですね!良かったですね、アヤネちゃん!」
「っと、そうだな。とりあえず、支援要請の書類だけ書いて欲しい。面倒だとは思うんだが、これだけはやっとかねぇと後々面倒な事になるからな。」
「実感がある言葉ですね…」
「あ、ホシノ先輩にも知らせてあげないと…」
「ホシノ先輩は隣の教室で寝てるよ。私、起こしてくる。」
と、その時。銃声が鳴り響く。
「なんだ…!」
「カタカタヘルメット団のようです!」
「手紙で言っていた奴らか…」
「あいつら、性懲りも無く…!」
「…とりあえず、いくつか弾薬を出しておく。この際だ、書類が面倒などと言ってる場合じゃないからな。」
「先輩連れてきたよ!寝ぼけてないで起きて!」
「むにゃ…まだ起きる時間じゃないよー…」
瞼を擦りながら教室へと入っていく。
「ホシノ先輩!ヘルメット団が再び襲撃を!あと、こちらの方はシャーレの先生です。」
「ありゃ、そりゃ大変だね…で、そっちが先生?」
「そうだ。自己紹介でもしたいがそれは後にしよう。」
「うん。先生のおかげで弾薬と補給品は十分。」
「はーい、みんなで出撃です☆」
と外へと出ていく。残った生徒はオペレーターを担当すると言い、窓から様子を見ている。
「…よし、俺も支援しよう。…えーと、名前だけでいいから誰が誰か教えてくれないか?」
「分かりました。まず…」
全員分の名前とポジションを把握する。
「…OK。アロナ、行くぞ。」
『はい先生!任せてください!』
「カタカタヘルメット団残党、校外エリアに撤退中!」
「みんな強いな。よし、残党に注意して戻ってきてくれ。色々と話がしたい。」
数分後、全員の帰還を確認する。
「いやぁ、まさか勝っちゃうなんて。向こうも相当覚悟して仕掛けてきたみたいだけど。」
「まさか勝っちゃうなんて、じゃないですよホシノ先輩…勝たないと学校が不良たちのアジトになっちゃいますよ…」
「先生の指揮がすごかった。私たちだけの時とは全然違った。これが大人の力…すごい量の資源と装備、それに戦闘の指揮まで。大人ってすごい。」
「…まぁ、そう言ってくれると助かる。…さて、改めて自己紹介しておく。連邦捜査部シャーレの先生をしている、勇凪理玖だ。好きな呼び方で構わない。」
「はい、先生。少し遅れちゃいましたけどこちらもご挨拶します。私たちはアビドス対策委員会です。私は書記を担当している1年の奥空アヤネ。こちらは同じく1年の黒見セリカ。」
「…どうも。」
「2年の十六夜ノノミ先輩と砂狼シロコ先輩。」
「よろしくお願いします〜、先生。」
「そして、こちらが委員長の、3年の小鳥遊ホシノ先輩です。」
「いやぁ、よろしく、先生。」
「小鳥遊…よろしくな、みんな。」
「…どうかしたの?」
「いや…知り合いに同じ名字の奴がいてな。まぁ名字くらい被ることもあるだろう。ま、それはいい。対策委員会とは?生徒会ではないのか?」
「そうですよね、ご説明いたします。対策委員会とは、このアビドスを蘇らせるために有志が集った部活です。」
「うんうん!全校生徒で構成される校内唯一の部活です!といっても、私たち5人しかいないんですけどね。」
「…それは。」
「なので、シャーレからの支援が無ければ今度こそ万事休すってところでした。」
「だね。補給品も底をついていたし、さすがに覚悟したね。なかなかいいタイミングで来てくれたよ、先生。」
「いや、もっと早く来ていれば良かったんだがな。こちらも着任してすぐだから確認が遅れた。申し訳ない。…ところで、今度こそ、か。という事は以前から、ヘルメット団が来ていたのか?」
「はい。」
「なるほどな。…なら、いっそのこと奴らの拠点を潰したほうが早いのかもしれないな。誰でも構わないが、奴らの拠点がありそうなところに心当たりはないか?」
「おおよそ、ですがありますよ。」
「まさか今から反撃されるなんて夢にも思ってないだろうでしょうし、この勢いでやっちゃいましょう☆」
「善は急げ、ってことだね。」
「よし、そんじゃ行きますか。…っと、そうだ。流石に俺も攻めに行きたいんだが、なにせ一撃一撃が致命傷だからな。申し訳ないが後方支援で勘弁してくれ。」
流石に俺がやられるとは思えないが、全部やると今後のアビドスのためにならないだろうし、と心の中で呟く。
「じゃ、案内してくれ。」
相変わらず戦闘描写は苦手な模様。小説書き始めてから2年半。おかしいなぁ。