転生者が往くブルーアーカイブ マルチversion! 作:よっしぃぃぃい
という事で本編どうぞ。便利屋襲撃とブラックマーケット編です。
「悪かったってばアヤネちゃーん。ラーメン奢ってあげるから機嫌直してよ、ね?」
「怒ってないです…」
「(いつもあの調子じゃ怒るのも無理ないだろ、という顔)」
「なんでもいいけど、なんでまたウチに?」
「丁度いいところにあるからな。」
会議を終え、ラーメンを食べに来ているアビドスと理玖。
そこに。
「あ、あのう…」
「いらっしゃいませ!何名様ですか?」
「…こ、ここで一番安いメニューってお、おいくらですか?」
「え?一番安いのは…580円の柴関ラーメンです!看板メニューで美味しいですよ!」
「あ、ありがとうございます!」
紫色の髪の生徒は一旦外に出る。
「ん?」
すぐに入ってくる。彼女以外にも3人引き連れて店にやってきた。
「えへへっ、やっと見つかった、600円以下のメニュー!」
「ふふふ。何事にも解決策はあるのよ。全部想定内だわ。」
「そ、そうでしたか。さすが社長、何でもご存知ですね…」
「(社長?それにあの制服…ゲヘナだったか?三大校の1つ、トリニティ、ミレニアムと並ぶ…)」
「4名様ですか?席にご案内しますね。」
「んーん、どうせ一杯しか頼まないし大丈夫。」
「一杯だけ…?でも、どうせならごゆっくりお席へどうぞ。空いてる席も多いですし。」
「(ゲヘナ…血気盛んな生徒が多い学校。風紀委員が治安維持をしており、生徒会である万魔殿とは折り合いが悪い…らしい。短期間だったからそこまで調べられなかったが…)」
少し警戒しながら、その場を過ごした。
数刻後。
「校舎より南15km付近で大規模な兵力を確認!」
「大規模な兵力?ヘルメット団か?」
「いえ、傭兵のようです!日雇いの傭兵!」
「傭兵が日雇いで来るんだ…ますます今までの常識とは違うな。」
「傭兵かぁ。結構高いはずだけど。」
「これ以上接近されるのは危険です!先生、出動命令を!」
「無くても行っていいんだぜ?まぁいい、対策委員会、出動だ。」
『前方に傭兵を率いている集団を確認!』
「あれ…ラーメン屋さんの?」
「ぐ、ぐぐっ…」
「誰かと思えばあんた達だったのね!この恩知らず!」
「あははは。その件はありがと。でもこっちも仕事でさ。それはほれ、これはこれってやつ。」
「なら仕方ないな。」
「先生…?」
「いや、公私混同はダメだろ。俺はしょっちゅうしてたけど。」
「…同意を得られるとは思わなかった。残念だけど、公私はハッキリ区別しないと。受けた仕事はキッチリこなす。」
「その仕事ってのが便利屋だったんだ。」
「学生なら他にもっと健全なアルバイトがあるでしょう?それなのに便利屋だなんて!」
「(便利屋みたいな事してたから何も言えねぇ…)」
「ちょっ、アルバイトじゃないわ!れっきとしたビジネスなの!肩書だってあるんだから!私は社長!
「社長…ここでそういう風に言うと余計薄っぺらさが際立つ…!」
「誰の差金…いや答えるわけないか。力尽くで口を割らせる。」
シロコはそう言いながら銃を構える。
「総員、突撃!」
「よし、じゃあ俺は指揮に回る。いいな?頼むぜ!」
「まだ返事してないけど!」
「そこ!」
「ぐあっ!」
「よし、上々だな…しかし銃弾が少なくなってきているな。いざとなりゃ俺が出る事も…」
キーンコーンカーンコーン。
何時だかは知らないが、チャイムが鳴る。
「あ、定時だ。」
「今日の日当だとここまでね、あとは自分たちで何とかして。みんな、帰るわよ。」
「…え?」
「は、はぁ!?ちょ、ちょっと待ってよ!」
社長が何を言おうとも、傭兵達はさっさと帰って行った。
「こりゃヤバいね、まさかこの時間まで決着がつかないなんて…アルちゃんどうする?逃げる?」
「こ、これで終わったと思わないことね!アビドス!」
「アルちゃん完全に三流悪役のセリフじゃんそれ。」
「なんとかなったか、」
第六感、もしくは勘が警鐘を知らせる。
「…?」
どこからか見られている気配がした。
「今のは…?」
「…、先生?どうしたの?」
「ん、あぁいや、なんでもない。」
「気のせいか…?」
「おやおや、まさか気付かれるとは。」
その場に似合わない黒いスーツの男が独り言のように話す。男は異形の姿をしており、顔にはひび割れている。
「流石先生…連邦生徒会長が選んだだけの事はありますね。」
クックック、と男は笑う。
「では、見つかってしまう前に撤収しましょうか。」
神秘の探究者が鼓動し始める。
「ここがブラックマーケット…」
「あんまし治安悪いようには見えないが…まぁそれを言ったらキヴォトス全域そうだしな。」
翌日。先日来た便利屋68、そしてセリカを襲ったヘルメット団の黒幕を探しにブラックマーケットに来た。
ブラックマーケット。所謂闇市場であり、違法な取引は当たり前、転売、盗品は日常茶飯事。そんな危険な区域に現在足を運んでいた。
「ん。小さな市場かと思ったら街一つくらいの規模だったなんて、連邦生徒会の手が及ばないエリアがここまで巨大化してるとは思わなかった。」
「今後の課題だな…いつかはブラックマーケットを解体して学校に行けてない生徒達をどうにかしたいな。」
それは偽りない理玖の本音だった。不良、チンピラ。その他の生徒達は未だに各地に潜んでいる。それをどうにかしたかった。
「うへ〜、普段私たちはアビドスにばっかりいるからねー。学区外は変なところが多いよ。」
「ホシノ先輩、ここに来たことがあるの?」
「…いんやー、私も初めてだね。でも、他の学区にはへんちくりんなものがたくさんあるんだってさー。ちょーデカい水族館もあるんだって。アクアリウムっていうの!今度行ってみたいなー。魚…お刺身…」
「食べる目的で水族館行くなよ!?」
『皆さん、油断しないでください。そこは違法な武器や兵器が取引される場所です。何が起こるか分からないんですよ。何かあったら私が…』
と言いかけたその時だった。銃声が響く。
「銃声だ。」
「だな、気をつけろお前ら。」
「待て!」
「うわああ!つ、ついてこないでくださーい!」
「そうはいくか!」
こちらに走ってくる身なりがキチンとしている生徒、その後ろに数人の不良生徒。
「…あの制服、たしかトリニティのだな。」
「トリニティというと、お嬢様学校の、」
「わわわっ、そのどいてくださーい!」
「…ふむ。迎撃するぞ。」
「いいの?」
「あぁ。作戦がある。」
「何だお前ら、どけ!アタシたちはそこのトリニティの生徒に用があるんだ。」
「奇遇だな。俺たちも用があるんだ。」
「え?」
「もしかして同じ目的か?悪いな、こっちが先なんだ。」
「順番なんぞ、ここでは無いようなもんだろ?」
「なら…」
と言い、トリニティの生徒を追っていたチンピラ達は銃を向ける。
「そう来ると思ったぜ。お前ら、ソイツ連れて逃げてくれ。後で追いつく。アヤネ、援護頼む。」
『わ、分かりました。先生は…』
「ちょっとお灸を据えてやるよ。」
「相談は終わりか?」
「あぁ…そうだな。そして…お前達に指導を施してやるよ。」
ドカーン!ダダダダ!ドーン!
「ははははは!大混乱だな。」
「よし、そろそろいいだろ。よいしょ…っと。」
女装…淑女の服からいつものスーツに着替える。ブラックマーケットを混乱させ、見事に撒くことに成功した。
「アイツらは…あそこか。」
「なぁ、待てよ。」
「チッ…撒けてなかっ…お前は…!?」
「よっ。久しぶりだな、理玖。」
「…出流?」
そこにいたのは、転生者仲間である佐藤出流だった。
佐藤出流。転生特典は超高校級の才能。全てのことにおいて一流になれる、もしくはそれ以上に。人間の可能性を詰め込んだとも言える。
「お前…本物か?」
「本物だっての。」
「証拠は?」
「あー、なに言おうか?」
「…俺たちの組織の名前は?」
「リィンカーネーションズ。8人いたな。」
「あとは…そうだな。俺たちをクラスで分けるとしたら?」
「お前がセイバー、俺がアサシン。創真はライダーかルーラー。琴葉はキャスター、星奈はフォーリナー、絵留はプリテンダーで結菜は…キャスターか?楓は…バーサーカーだな。」
「…本物だな。にしても、お前いつからここに…というかどうやって…」
「後で話そうぜ。お互い今は忙しそうだしな。」
「…分かった。暇があればシャーレに来てくれ。」
「了解。また今度な。」
「そういやお前何しに来た?」
「ぶっ飛ばすぞテメェ!警告だよ、警告。心配いらないだろうが、銃の1つや2つ、持っておけよ。いざという時使うかもしれないからな。」
「今戻った。」
「お、来た来た〜。」
「改めて会ったな、トリニティの生徒。俺は勇凪理玖。シャーレの先生をやってる。」
「あ、ありがとうございました、先生…。私は阿慈谷ヒフミです。よろしくお願いします。」
「おう…で、早速だがトリニティの生徒がなぜブラックマーケットに?今来ている俺たちが言うことではないが、治安悪いだろ、ここ。」
「それはですね…探し物がありまして。もう販売されていないので買うことの出来ない物なのですがブラックマーケットでは密かに取引されているらしく…先生はモモフレンズって知ってますか?」
「モモフレ…?いや、すまんが知らんな。どんなやつだ?」
「これですね⭐︎私も好きなんですよ!」
ヒフミとノノミの2人からスマホをズイッ、と見せられる。その画面にあったのは、何とも言えない表情をした、目がイっちゃってる鳥?だった。
「この…何?これが…モモフレンズってやつか?」
「これはペロロ様です!」
「うん…?モモフレンズの中のペロロ様…って事か?」
「はい!ペロロ様の他にもミスター・ニコライさんとか、」
「分かった!今度聞くから、な?」
「…というわけで、グッズを買いに来たのですが…皆さんがいなければどうなっていたことやら。…ところで先ほど聞きそびれたのですが皆さんは何をしに?」
「似たようなもんだよ。探し物があるんだ〜。」
「そう、今は生産されてないけどここにあるって聞いた。」
「ま、とりあえず歩きながら話そうぜ。いつまでも屯ってても意味ないしな。」
「賛成!」
歓楽街。そこはラーメンや焼きそば等の飲食系の出店やスナックやバーも点在している。
「この辺りまで来ればさっきみたいな人達に狙われなくて大丈夫ですね。」
「…ここをかなり危険な場所だって認識してるんだね。」
「えっ?当然です。連邦生徒会の手が及ばない場所のひとつですし…ブラックマーケットだけでも学園数個分の規模ですし、決して無視はできないかと。それにさまざまな企業が違法な事柄を巡って利権争いをしているという噂も…さらにここ専用の金融機関や治安組織もあるほどですし…」
「…!それってカイザーみたいな大企業もいるのか?」
「先生…?」
「…?はい、そうです。」
「なるほど…」
法外な借金。何年もの借金か分からないが、9億なんて何十年あっても普通は到達しないだろう。普通は。つまり、カイザーが何かしらしていると言っても過言じゃないだろう。
「さっき言った中でも特に治安組織、治安機関はとにかく避けるのが1番です。無いとは思いますが、万が一騒ぎを起こしてしまったら第一に身を潜めるべきです。」
「ふーん。ヒフミちゃん、ここのことに詳しいんだねー?」
「えっ?そうですか?危険な場所なので事前調査をしっかりしていたせいでしょうか…?」
「…その危険な場所に1人で来た挙句、不良生徒に絡まれていたのは誰だ?」
「あ、あはは…」
「よし、決めたー。」
「…?」
ホシノが悪い笑みを浮かべる。
「助けてあげたお礼に私たちの探し物が手に入るまで一緒に行動してもらうねー?」
「え、ええっ!?」
「いいアイデアですね⭐︎」
「なるほど、誘拐だね。」
「はいっ!?」
「誘拐じゃなくて案内ね。もちろんヒフミさんが良ければ、だけど。」
「あ、あうう…」
「俺からも頼む。俺たちはそこまでここに詳しくないし、事前調査である程度知っているヒフミがいれば俺たちも助かるんだ。」
「…私なんかでお役に立てるかは分かりませんが、皆さんにはお世話になりましたし喜んで引き受けます。」
「よーし。じゃ、ちょっとだけ同行頼むねー。」
…それから数時間。
「つ、疲れた…」
「もう数時間は歩きましたよね…」
「これは流石におじさんも参ったなぁ。腰も膝も悲鳴を上げてるよー。」
「えっ…ホシノさんはおいくつなのですか…?」
「ほぼ同年代!」
「だが流石に休憩するか。」
「あら、あそこにたい焼き屋さんがありますよ。あそこで休憩しましょう⭐︎私がご馳走します!」
「いや、俺が払うよ。好きなの買ってきな。」
ノノミが何か言いたそうだったが、お前も行ってこい、と促した。彼女は苦笑しながらも分かってくれたらしい。
数分後、各々たい焼きを食べながら休憩していた。
「美味しい!」
「ちょうど甘いものが欲しかったんだよね〜。」
「あはは…いただきます。」
「アヤネちゃんには戻ったらちゃんとご馳走しますね。私たちだけでごめんなさい…」
『あはは、大丈夫ですよ。私はここでお菓子とかつまんでますし…』
「…よし、ちょっと待ってな。」
人目がつかないような物陰に隠れる。そこでシーカーストーンの機能、ワープマーカー…ポケットワープポイントを起動する。座標はここ。そしてプルアパットを開き、そちらのワープマーカーを選択する。
「1分くらいで戻る。それまで休憩してろ。」
「えっ?先生は…?」
「ワープしてくる。」
そう言って、アビドス高校に転移する。座標は屋上。
「…アヤネー。たい焼きの配達だぞー。」
「え、えええっ!?先生!?さっきまでブラックマーケットに…!?」
「ワープだよ。限定的だが使えるんだ。」
『先生そっちにいるの!?急に消えたんだけど!?』
「驚かしてすまないな。ついでに水分補給のためのペットボトル持って行ってやるよ。」
『助かるよ先生〜。』
「じゃあそういうことで。アヤネ、お前も適度に休めよ。」
「それにしても、ここまで情報が無いとは…妙ですね。皆さんが探している戦車の情報…絶対どこかにあるはずなのに…販売ルート、保管記録…誰かが意図的に隠しているような…そんな気がします。いくら大企業でもここまで徹底してブラックマーケットを統制することは不可能なはずなんですが…」
「そうなのか?」
「はい。不可能、というより普通そこまでやりますか?という感じで…ここの企業はある意味開き直って悪さをしてますので隠すのが逆に不自然というか…例えばあそこのビル。あれがブラックマーケットに名を馳せる闇銀行です。聞いた話だとキヴォトスの犯罪の15%の盗品があそこに流されているようです…」
「ひどい!連邦生徒会は何をやってるの!」
「…色々あるんだよ。日夜行われる不良たちの騒動、各地の行政の管理、犯罪者の管理…書類もあるし、リンも…役員もあまり寝れてないって言ってたし。簡単に言えばブラック企業だよ。それに連邦生徒会と言っても各行政地区に手を出せないのさ。下手に出すとそれはそれで色々と法に引っかかる。」
実感が伴っているため、生徒達は何とも言えない表情をしている。
「現実は思った以上に汚れているんだね…」
「そう。だからお前達も気をつけて、」
『お話中失礼します!そちらに武装集団が接近中!』
「…チッ。皆隠れろ。」
舌打ちしながら隠れるように促す。
「うわぁ!?あれはマーケットガードです!」
「マーケットガード?」
「先ほどお話ししたここの治安機関の中で最上位の組織です!」
タッタッタッ。物陰に隠れた俺たちはそのまま覗き見ることにした。
「あれは…パトロール?護衛中のようですが…」
「トラックを護送してる。現金輸送車だね。」
「あれ…あっちは…」
トラックが向かった先は、先ほど話題に出た闇銀行であった。銀行の名前は…
「…あぁ、そういうことか…」
「先生?」
「悪いニュースがあるんだ。聞くか?」
「…怖いけど聞くわ。」
「あそこの闇銀行。カイザーローン、だってさ。」
「カイザーローンですか!?」
「何か知ってるのか?」
「知ってるも何も…カイザーローンと言えば、かの有名なカイザーコーポレーションが運営する高利金融業者です…」
「面倒だな…カイザーは表立って犯罪はしていないが何かと悪い噂は絶えない企業だ。ま、その噂も本当だったんだろうが…」
「はい。生徒達への悪影響を鑑みて『ティーパーティー』も目を光らせています。」
「『ティーパーティー』…あのトリニティの生徒会が、ね。」
全員が沈黙する。
「…さて、どうする?お前達が借金を返しているカイザーローンが目の前にあるが。」
「…じゃあ何、私たちはブラックマーケットに、犯罪資金を提供してたって事!?」
『ま、まだそうハッキリとは…』
「十中八九そうだろうな。ここまで来て無関係な方が確率が低い。」
「…あ、さっきサインしてた集金確認の書類…それを見れば証拠になりませんか?」
「…さすが。」
「おお、そりゃナイスアイデアだね、ヒフミちゃん。」
「…それが実質不可能ってことに目を瞑ればな!」
「そ、そうですよね…」
「いや、そんなことはないよ。」
シロコが断言する。
「は?不可能に決まって…。……!おい待て、お前、もしかして…!」
「うん。」
そう言ってシロコは青い布を…『2』と描かれた覆面を被る。
「銀行を襲う。」