ユアン・メイシーちゃんカムバーック!
第1狂:お説教
任務の途中、なのか終盤なのかはわからないが、俺が正気に戻った時には時すでに遅し。後悔するも後悔先に立たずというかなんというか、兎に角、殺っちまう直前で正気には戻れたが、俺はすぐに意識を失うだろう。味方からの攻撃によって……---。
意識を戻したら見知った天井だった。俺---
「あ、意識戻りましたか。いやーいつもどおりでしたね」
「はい、キンジにやられました」
ちなみに俺が見知った天井は救護科の病棟の天井。いつもどおりに遠山キンジに気絶させられてここに担ぎ込まれた。遠山キンジは
「キンジさんは厳しいですねー。まあ、武偵が人殺そうとしちゃダメなんでしょうけど」
「なんですか、そのちょっと武偵業界にも詳しい一般人みたいな発言は……。あんた武偵だろうに」
ちなみにこの治療をしてくれている人も武偵高の救護科の生徒。ちなみに俺があまりにも入院しているので個人契約した。名前は
「よっこらせっと、じゃあ、キンジに謝ってくるわ」
「教務科にも行ってくださいよー。私まで怒られちゃいますからー」
「りょーかい」
「えーと、西条四季……全くお前はよお……はぁ……」
教務科は武偵高3大危険地域の一つに挙げられており、ここに呼び出された生徒は、どんな問題児でもたちまち更生するという恐怖の蟲毒の壺だ。うん、マフィアとか殺し屋とかなんか危険な人ばっかいるよ。教育学部の人たちがかわいそうなぐらいに。
そして目の前にいる教師が綴梅子先生。危険人物の一人というか筆頭候補だ。尋問に限れば日本でも5本の指に入るという武偵で、ネットで調べたら表彰の記録がいっぱいあった。そんな危険人物すら呆れるほどの問題児がこの俺である。HAHAHAHAHA。
「お前のその戦闘狂はどーにかなんないのかねえ……」
「え、えーと、母と会ったことがある人物いわく母も
「そんなこと知るかァ。こっちは死なれるだけで困るっつーのに、加害者になって帰ってこられちゃ困るんだよ」
ちなみに俺は、いろんな先生をたらい回しにされた挙句、この綴先生がお説教係になったから、始めっからこの程度にはまじめに話をしてくれているのだが、キンジはものすごく驚いていた。タバコ吸っていないとか、なんとかで。
「自分でも気をつけているんですけど、授業中の睡魔みたいで気がついたら……」
「例えは悪くないがよぉー。そんなんだから《闇鬼》だなんて名前で『二つ名』登録されんだよ」
頭を書きながら資料を見る綴先生。二つ名ってそんな珍しいことなのかな。キンジは一年生の頃に《エネイブル》って二つ名貰ってたし。
「強襲科二年の切り札。実力だけならSランク相当。ただし殺人衝動に似た戦闘狂の気を持っており、それを制御するためにSランク武偵の同伴が必要なためCランク止まり。銃を使おうとしないが銃が効かない。獲物は基本的に重くて派手なナイフ二本に、様々な形の刃物。二つ名は『闇鬼』。解決した依頼の数、質ともに学年トップクラス……おまえなぁ……」
正直、依頼に関してはキンジやレキの功績がでかいし、Sランク相当なだけSランクと同等なのかと言われればそれは否定せざるを得ない。Sランクは他のランクと違い人数制限がある。何を基準にしているのかは分からないが、年を追うごとにSランク武偵の実力は向上してきている。なにせ、弱い奴は省かれて強い奴が入るのだから、強くなって当たり前といえばあたりまえだ。
「えーと……、いろいろとすみません?」
「なんで……、えーと、ああ、あれだ……そうそう疑問符。なんで、疑問符なんだぁ?」
「……」
「……」
互いに結構な時間を沈黙で過ごした。そしておでこにジュッ、と根性焼きをされた。
「うおあっち!?」
「まあ、殺してないよぉだしぃ? 今回も大目に見といてやるけどよぉ……」
「あ、ありがとうございます」
いつもこんなかんじで終わっている。俺自身この狂化(理子命名)を抑えられるものじゃないし、実際に殺したことはないからなのだろうけど、これで本当にいいのだろうか? いや、絶対にダメだろ。
「ああ、そうそう。火野ライカってわかるか?」
「ええーと、中等部の期待の星ですか?」
たしか今年からこっちに進学してくるらしいが……。徒手空拳に限れば相当強い女子で、俺の目測だと推定Bランクぐらいだったような気がする。よく記憶が混合してしまうから確信は持てないけど。
「期待の星ねぇー。まあ、そう思うのは自由だがよぉー。お前に来年度の戦兄契約してきたぞぉー」
「……マジっすか?」
「大マジ。良かったなぁー、パシリできてぇ」
そういう制度じゃないだろうに。
「まあ、これはどうでもいいとしてぇ」
「どうでもいいんですか。じゃあ、これにて失礼させてもらいます」
「明日ぁ、強襲科体育館でぇ、神崎・H・アリアと遠山キンジの決闘がある」
正直聞かなかったことにしたい。
西条四季
性別 男
学年 二年
学科 強襲科
二つ名 闇鬼
武偵ランク C
背はやや小さく痩せているが体重は重い。髪は緑がかった黒で散切りにしている。
基本的に重くて派手なナイフを好んで使うが、刃物ならなんでもいい。
Sランク相当とか言われていますが、この主人公、たとえ狂戦士になったところで、理性吹き飛んでいるので、いいとこ理子ぐらいの強さにしかなりません。さらには超能力にも強くはないので、結構弱いです。徐々に成長していくつもりなので、生暖かい目で見守ってくれると光栄の至りです。