緋弾のアリア -強襲科の狂戦士-   作:南瓜お化け

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 新刊が出るたびに先のシナリオばかり出来上がってしまいます。クソウ、クソウ


第29狂 襲撃

 『ピラミディオン台場』、数年前に日本に漂着した謎のピラミッド型の人工物から着想を得た時の都知事がデザインしたため、巨大なピラミッド状の建物になっている。中は公営ギャンブル場であり、毎日数億の金が動いているとかいないとか。

「いい加減機嫌を直してくれよ」

「死ね、クソごみ色欲魔」

「ちょっとお前の俺に対する認識で相談がある」

 四季と電話で状況報告をしあうキンジ。やはり問題らしい問題は起きておらず、若手IT社長が鹿折利根もナンパしていたらしいことが報告された(金だけ巻き上げたそうだ)。たまにカジノ反対団体がくると聞いていたが、そのような問題もなく、滞りなく進んでいった。アリアや白雪の体たらく、というよりももともと向いていないであろう、コンパニオンの不出来さを見た後なので、四季の報告がすごくよくできたものに聞こえた。

 電話を切ると、キンジは鹿折利根をナンパした若手IT社長とルーレットでを賭けしているという現実に戻った。ディーラーはレキ。どうやら好きなところにボールを入れられるらしく、勝ってしまった。いくら勝っても、金にすらならないので(配当金はカジノに返却する契約だった)、うれしくもなければ、ばれれば追い出されるのでドギマギしていた。

 

「キンジさん、下がってください」

「ああ。気づいている」

 上に、敵がいた。動物の頭に人の体をした『なにか』が複数体いた。四季の報告はないところを見ると、入り口以外から侵入したらしい。曲絃糸を張り巡らしていたが、この瞬間まで探知できなかった。たしかにピラミディオン台場全体を覆っていたので、かなり雑だったが、それでもあの数を探知できなかったとは考えにくい。そしてなによりも……。

「体重が見た目と釣り合っていない。それどころか心臓が鼓動していない」

「人ですらないようです」

 レキはドラグノフ狙撃を、キンジがベレッタを取り出すと客はクモの子を散らすように逃げていった。天井にいた数匹が降りてきて臨戦態勢に入り、両者に緊張がはしる。

 数分ののちに、白雪によって正体が分かり、白雪が倒された。火に強いらしいが、刀を盗まれていたのがまずかった。普段の間合いから外れた場合、いくら鍛えていようとも人はもろい。まして白雪はSSRの人間であり、戦闘訓練は少ないと聞いている。そして遅れてアリアと依存夫婦の旦那のほう、鹿折信濃が来た。客のパニックをいさめていたらしく、キンジとレキを見て信濃は渋い顔をした。恐らく敵ではなく、この二人の銃を見て逃げたと思ったのだろう。そしてそれは正鵠を得ていた。あとが怖くなったキンジは戦闘に集中して信濃のあの犯罪者を見るような目線を忘れようとした。

 

「フンッ!」

 信濃はヒト型の首をぶん殴って砕いた。何という怪力。本当にこの人は諜報科なのだろうか。

「先輩、こいつらに触れるのは危険です!」

「善処しよう」

 キンジの言葉にぶっきらぼうに答えた顔思ったら今度は銃で首を狙いだした。

「なにしてるんですか!? 自分たちも撃ちましたけど……」

 そこでようやく気付く、なぜか信濃に撃たれたヒト型のなにかは動かないどころか、砂になっていた。もうさすがにヒト型がゴーレムだったとかでは驚かないが、なぜだろうか。

「どういうわけか、こういう式神やらゴーレムを作るやつって、ヒト型にするときは『核』となるものを心臓、脳、そして首に置く傾向が強いのよ」

 と、経験の多いアリアの説明でキンジとレキも砂人形の首を狙って打ち出した。人にやったら完全にアウトなのだが、生きてすらいないので問題はない。そうして四人がかりで砂人形を撃退していった。

 

 

「なんかカジノのほう騒がしくない?」

「そうですね。それにしてもお父さんのカジノ通いにも困ったものです」

 はぁ、と憂鬱そうにため息をする利根。お父さんというワードにこめかみに血管が浮き出る。そもそも膝の上に座らされている時点で不機嫌なのに、逃げ出さないように腕を回されてがっちり固定されている。もはや小学生の扱いですらなく、幼稚園生の扱いであった。ここまでくると恋愛感情があるのではと勘ぐってしまうが、四季は身をもって知っている。そんなのみじんもないと。こいつの恋慕の感情はすべて信濃に注がれていることを、毎回聞かされるのろけ話でうんざりするほど知っている。

「ねえ、何か問題があったんじゃないの?」

「だとしても彼らでだいたいのことは事足りるでしょう」

 それよりもこの混乱に乗じた犯罪を止めなきゃ、と言って利根は横を通った男を叩きのめした。腹を殴ったため胃の中に入っていたものが出てきたが、さっと靴が汚れないように足をあげた。

「はっあ~い、ポケットに入ってるのはなにかな、なにかな?」

「お薬関係の法律変わってね。承認以外の薬は全部非合法になったんだよ」

 取引に訪れたであろう男は睨み付けるが、そんなものにひるむ武偵などいてたまるか。いや中空知などいるにはいるのだが、強襲科や諜報科にはいない。いないと信じたい。

 そしてエントランスには非合法の取引をしに来たであろう人間がちらほらといた。これが一人や二人ならば、いつも道理のたまたまですまされるのだが、ここまでとなるとなんらかの情報があったと見たほうがいい。

「う~ん、どちらかというと皆さん今日この騒動が知らされていたみたいね。ざっと見ただけでも数も多いし」

「で、僕たちはここにくぎ付け。カジノの警備員は混乱に乗じてコインをひったくった客の確認にくぎ付け」

「つまり、自由に動けるのは中の五人だけ、と」

 手際よく売人を取り押さえつつ、状況を確認する二人。戦姉弟だけあって連携は抜群であり、容赦が全くと言っていいほどなかった。特に利根のほうは逃げられないように四肢の骨をしっかり折る徹底ぶり。手錠などの拘束器具もあるのだろうが、めんどくさいからかそれとも趣味なのかは四季でもわからない。

 四季は仲間を信じて、利根は旦那を信じて犯罪者を蹂躙していった。

 

 

「おら起きやがれ、色欲魔!」

「……四季……?」

 ドゴォ、と俺は容赦なく桟橋で倒れていたキンジの腹を踏みつけた。完全に冷静さをなくしていることだけは理解できたがもうやけくそだ。周りに諫められるが、依存夫婦が二人ともいないこの状況で俺を抑えつけられる奴はいなかった。

「ゲホッ、ゲホッ、て、てめえ!」

アリア(・・・)は何処だ!?」

 騒動が一段落して連絡をしあったとき、キンジとアリアには連絡がつかなかっ桟橋で倒れてた。だが、アリアの姿はどこにもなく、ダイバーたちが水中を探していた。

 そしてキンジはキンジは俯いて消え入るような声で、攫われたといった。その言葉を聞いて俺はナイフを両手にとった。わかっている。キンジとここで争ったところで何も進展しない。でも、考えるべきだった。俺と利根をエントランスに縛り付ける策を練っていた相手が、信濃やキンジ、レキ、アリア相手に何らかの策を練っていたと考えるべきだった。もう少し焦っていたら、アリアを助けることができたはずだったんだ。

「もう一度聞いてやる。アリアは何処だ!」

「四季。学校に帰るぞ」

 ぐわん、と視点が一気に高くなったと思ったら、信濃に襟首をつかまれ猫のように持ち上げられた。帰るだと? ざっけんな!

「アリアを探すのが先だろうが!」

「俺らの仕事は終わった。ここからはアリア個人の問題だ」

 この野郎! と言ったがどこ吹く風で出口に向かう信濃。キンジや白雪は信濃をにらんでいるが、何も言えない。きっとこいつの戦いぶりを見たんだな。

 それに、信濃は正しい。武偵は金で動く、いや、金で動かなきゃいけないんだ。そうしなければ武偵は職業として成立しなくなってしまう。

「冷静になれ。ここで駄々をこねて何になる? 攫ったということは目的があるということだ。そうやすやすと殺せない理由がな」

「そうですよ。海に向かって逃げられたんじゃ、今の私たちにできることは何もありませんし」

 その通りだ。アリアとの関係性が薄いだけに冷静に状況を言い並べる二人。あともう一つ、学校に戻るとわかることがある。アリアをさらったのは状況から考えてイ・ウーの人間だ。例の死神だとするとその場に死体が転がっていないうえに、騒ぎにすること自体不自然だ。そしてイ・ウーの人間なら詳しい人間が一人いる。通称『怪盗』トランプ、匂宮絵札だ。




 結構有名な話なのですが、零崎の命名ルールは『本名の下の名前+一文字且つ4文字』で『男性なら識』、『女性ならば織』らしいですね。なにが言いたいかというと魔法少女サイコ☆マキ……。

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