オトナになった八幡が今こそやり直す!!
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八幡は三十歳になっても独身だった。
それは、この歳までナンパや出会い系アプリなどチャラチャラした悪だと決め付けて来たからだ。
しかし、この歳まで彼女無しは人間としてヤバいと気付いた八幡は、出会い系アプリを始めた。
幾つかの出会い系アプリを同時並行で始めた。
一つ目は『ヤットル』。
ヤットルはユーザー数の多さと、本人認証済ユーザーの多さが人気のアプリだ。
しかし、ヤットルで八幡が“いいね”をした相手は誰も八幡に“いいね”を返してくれない。
ヤットルは互いに“いいね”を送り合わないとメッセージの送り合いも出来ないのだ。
八幡はこれまでしょうもないゲー厶やアニメグッズにしか課金してこなかったお金を、ここぞとばかりに注ぎ込んだ。
大手通販サイトのクレジットカードは、八幡に無限の資金があるように勘違いさせてくれた。
八幡が色々な相手に片っ端から“いいね”を送り付けていると、ふいに見知った顔が見付かった。
『ワイワイ 30歳
弁護士の彼と同棲中なので、本気の方はお断りです。
遊びで良いならどうぞ』
雪ノ下雪乃。
八幡が学生時代に好きだった女性の名前だ。
八幡は急いで“スペシャルいいね”を送って、メッセージも送った。
『八幡です。
もしかして雪ノ下?
逢わない?』
その返信は来なかった。
一週間経っても来なかった。
…未読のまま、だった。
マッチングアプリの世界でさえ、結局は顔なのである。
八幡は、一週間後には『ラッッキィーメェール!!』に手を出した。
焦燥感を誤魔化す為だ。
そこには外国人モデルの様な女性が多くいて、しかも八幡の“いいね”に“いいね”を返してくれていた。
八幡は喜んでメッセージを送ったら、続きはトークアプリ『ルイン』でという話になり、八幡は喜んで『ルイン』で会話を始めた。
女の子の側から『ルイン』のIDを教えてくれた事も警戒心を解かせた。
八幡の側からIDを教えるのは、彼にはハードルが高かった。
『ルイン』の中で、女性は一万五千円でヤりませんか?と聞いてきた。
八幡はお金目当てかとガッカリしたが、一般的なソープより安くて、これだけ美人の写真なら期待出来るとオッケーした。
八幡が女性との待ち合わせ場所に行くと誰もいなかったが、そこで八幡の『ルイン』に連絡が入った。
『服装は何ですか?』
八幡は全身黒色だと返信した。
その後八幡に近付いて来たオバさんがいた。
八幡はまさか…!! と思ったが、そのまさかだった。
ハーフ系美人とは似ても似つかぬ婆さんだった。
今は不況とホスト人気の全盛により、風俗務めを選ぶ女性が増えた事によって、風俗店も女の子を選べる側になって厳選出来るようになった。
その結果、切られた元風俗店勤務の女性が、マッチングアプリで個人営業を始めているのである。
そんな事は知らない八幡は、正直後悔まみれだったが、それでも断る勇気も無く、ラブホテル代とオバさんへの一万五千円の合計二万円を支払い、気持ちが沈んだまま行為を終えた。
オバさんは直ぐに脱げて直ぐに着れるワンピースを、行為を終えると、部屋に入った時同様に着込むと速やかに帰っていった。
八幡はオバさんだけを返すと、ラブホテルの利用時間が終わるまで憂鬱な気持ちで再度身体を洗い直した。
「やっぱ三十超えてマッチングアプリするのは遅いんじゃね?
あと、リアルでモテねー奴はアプリでもモテねー」
二十歳の時にマッチングアプリで結婚した戸部はそう言った。
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