ハイスクールD×D 〜赤龍帝と主夫な天剣〜   作:ユーカリとコアラ

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閑話①(9話)

 僕は今、しごかれてした。

 誰に?

 グレイフィアさんに。

 なぜ?

 わからないよ。

 どうしてこうなった?

 なりゆきとしか…、うん。

 

 〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「もっと集中してください」

 

「はい」

 

 僕は座禅を組んでいた。

 場所は近所の空き地。人通りはあまりなく感じられる気配はほぼ無い。ブルーシートを敷き座禅を組み、隣にはいつものメイド服を着たグレイフィアさんが正座で瞑目している。

 

「まずは心を静めます。流水はやがて小さきせせらぎとなり、波紋無き湖畔へかわる」

 

「はい」

 

「あなたは水の動きをほぼ体得していらっしゃる。心を静寂へと移すのは容易だと思います」

 

「ええ」

 

 そもそも剄とは血液のようなものであり、身体を巡る水でありエネルギーであり炎である。そのコントロールはよほどのことが無い限りは完璧に支配下においている。殺剄はまさに静の剄であり心を静める鍛錬無しには習得はできない。静の心は余裕だ。

 

「心に水を携え、時に激流となり、時に清流となり、時に水面へとなる。これは無への入り口でもあります」

 

「無?」

 

「はい。あなたは何を使って闘いますか?」

 

「剣です」

 

「そう、剣ですね。剣とは金属であり、打ち合えば響く。鞘に収まったままであるなら静謐の限りであります」

 

「つまり?」

 

「それはつまるところ剣であれ水であれ同じなのです。特にあなたの剣はまさに心そのもの。心の昇華は剣の昇華に他ならないと私は考えます」

 

「わ、わかるようなわからないような…」

 

「分かってください」

 

「はい…」

 

 レイフォンは困り顔で頬を掻く。割と有無を言わさない感じのグレイフィアさんの口調というか語気というか…そのあたりのフィーリングがプレッシャーのような形で重量と共にレイフォンへのしかかりチクチクと若干痛い……ような気にさせる。

 

「水も剣も心持つ人間も悪魔も天使も堕天使も、観測されなければただの'無'でしかありません。仮にそこに存在していたとしても、存在を認識されなければ皆等しく 無 なのです。」

 

「…」

 

「あなたは心を剣に変え、水とし炎とし雷として操る。置き換えながら戦闘している。本来ならば置き換えて闘う必要性はないのです。すべからく無であり、無限であるのだから」

 

「…」

 

「武道でも剣道でも無の極致へ至るを究極とするのはそのためなのです。限りを突破する…人間という殻、有限ではなく全てという無限への昇華を経て心をある意味人間では無くすことに意味がある。………聞いていらっしゃいますか???」

 

「…」

 

 反応がない。

 ただの屍にしては血色が良く気持ち良さげにしている。

 つまるところこれは寝て…

 

「フゥッ…」

 

「ホワァァァ!?」

 

 ビクゥッ!!と跳ね上がるレイフォン。耳に息を吹きかけられました。ええ。ただグレイフィアさんの顔を見ると笑みを浮かべはいらっしゃるが背後に阿修羅だか鬼だか、はたまた悪魔の場合は魔王なのか…そのようなものが見えるのはきっとレイフォン・アルセイフの気のせいであろう。(まぁ魔王が見えてもこの人の夫なのだが……。というか妻の方がよっぽど恐い)

 

「もう一度言って差し上げますので今度はご就寝なされないようにしてくださいね?でなければ別の意味での睡眠を私が与えて差し上げますので…ね♡」

 

(それは俗に言う永眠というやつでは?)

 言わずもがな、である。

 ・

 ・

 ・

 修行?特訓?言い方はままあるが自己の鍛錬は朝の10時から始まり、昼の休憩を挟んで今は午後5時半。休憩時に一悶着(他人から見ればイチャイチャ以外の何物でもない)があったのだがまぁいいだろう。

結果は、

 

「はぁ…」

 

「やはり初日ではさすがに難しかったようですね」

 

 習得ならずだ。

 ただ、全く収穫がなかったのかと言われればそれはNoである。最後の10分間、寝かけの時に小指の先くらいは突っ込めた…ような気がする。た、たぶんね!

 

「今日はもう帰りましょう。晩御飯の支度もあるでしょうし」

 

 そうグレイフィアさんが言い歩き出し自分も後に続こうとした、その時だ。

 コッ、コッ、コッ、コッ、

 断続的に足音が聞こえる。どうやらグレイフィアさんはそれに対して足を止めたようだ。

 道路の向かい

 自分達が進もうとした方向から少女が歩みを進めてきている。あれは…ごすろり?ファッションには疎いレイフォンだが、弟からのアレな知識がたまに入ってくる故に少々なら知っている。

 その少女はこちらに向かってきて………そのまま通り過ぎようとしていた。

 一応グレイフィアさんに倣って止まっていたレイフォンだが、

 

「ねぇ君」

 

 声をかけていた。自然と。

 

「………?」

 

 小首を傾げる少女。かわいい。

 

「これ、食べる?」

 

 レイフォンから差し出されたのは

(昼の休憩の時のレイフォン特製かしわ餅ですか…レイフォンさん、あの存在が何か分かってないのでしょう…。凄いことをしますね)

 ゴスロリ少女は差し出されたかしわ餅をジーッと眺め、

 

「はむっ」

 

 レイフォンの手ごと食った。

 手ごと!!

 

「手ごと!?!?!?」

 

 モッキュモッキュと頬をリスのように膨らませながらかしわ餅(レイフォンの手)を頬張る少女は10秒ほどで食べ終えたのか、ちゅぽんっとレイフォンの指を吸い上げて離れました(ただしかしわの葉も食べております)

 次にぺろぺろと指先を舐めて無表情にレイフォンを見上げました。

 

「甘い…」

 

「………………はっ!?」

 

 少し間を置いてレイフォンは意識を持ち直した。

 

「そ、そうだね。和菓子は結構甘さが強いものが多いんだよ。はい、これ飲んで」

 

 レイフォン特製の緑茶が注がれ渡される。

 少女はくぴくぴと飲んでため息をつきました。

 

「はぁ…」

 

「おいしかった?」

 

「おいしかった。甘かった。」

 

「でも緑茶ですっきりしたでしょ?それに緑茶の香りと、少しだけ残るかしわの香りが絶妙で気持ちいいはず!」

 

 少女は鼻をすんすんと鳴らし、

 

「うん。我すっきり」

 

 その答えにレイフォンは満足顔である。

 

「頑張ってたご褒美、すっきりしたご褒美」

 

「ん?」

 

「我と繋がろうとしたご褒美。食べ物くれた…お礼も。」

 

 懐をゴソゴソとしたかと思うと、なんだかウネウネした黒細いやつが入った瓶を渡そうとしてくる。

 

「ははは…それは遠慮しとくよ」

 

 苦笑いで返すレイフォン。

(魔術師の子供かな?)

 

「足りない?」

 

「ちがうよ。君がおいしいって思ってくれたなら僕は満足なんだ」

 

 自然と少女の頭に手が伸び、撫でる。

 

「んっ」

 

 しばらくレイフォンに撫でられ見上げているだけだった少女はレイフォンの頬に口付けし手を両手で握ってペロッと舐め、

 

「またレイフォンの甘いこれ食べにくる」

 

 そう言い残しフッと消えた…。




メガ、ヒサッシー!
誰か読んでくれて…くれて…たらいいなァ!!!
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