ハイスクールD×D 〜赤龍帝と主夫な天剣〜 作:ユーカリとコアラ
ちなみに本当ならこの1話だけの更新だったのですが、
「とても…長いです…」
になっちゃったので二つにカットしました。
ちゃんとこちらから読んでくださいね?
「間一髪…だったわね」
「僕も少し冷や汗をかきました」
「間に合ってよかった」
レイフォンの剄が爆発した時、いち早く動いたのはイッセーと木場。他の眷属達を持ち前の速さで引っ掴みリアスのそばに移動した。
次にリアス。滅びの魔力を周囲、半径二メートル弱、高さ二メートルに展開し、半球を作った。周囲が見えなくなるが、ある程度のレベルなら完璧に防ぐ ー もとい消滅させてしまえる防御技だ。『
この三人の咄嗟の判断により、グレモリー眷属は傷一つ無い。
メラメラと旧校舎の残骸が燃えるなかで、レイフォンはずっと憤怒の表情のままだ。
「誰ですか部長、僕のプリンを食べたのは?」
「来客よ。招かれざる客だけどね」
心底嫌そうな顔になるリアス。若干怒りもみえる。
「なぜ…僕のプリンを?」
「ライザー様が出せと…。出せないならと言ってニヤニヤし始め、部長にいやらしいことをしそうになったので渋々ですわ玲斗君」
「僕が作っておいたお菓子が冷蔵庫に入っていたはずですが?」
「実は子猫ちゃんが先に食べてしまっていまして…」
「なるほど…。つまりはそのライザーとかいう来客が悪いと。でもそのくらいでは僕は怒らないんですよね」
そこまで沸点低くありませんし ー と続ける。
「では、なぜ?」
「残してあったからです」
「そう言えば『ふむ…美味いが飽きたな。下げろ』と仰られて私が下げましたわ」
で、その来客のライザーとかいう悪魔はーーと言った直後だった。
バンッ!
燃え盛っていた旧校舎の残骸の一部が弾け飛んだ。
「どこのどいつだぁぁぁぁぁぁ!大事な話をしている時にこのフェニックス家三男、ライザー・フェニックスの服を汚し、あまつさえ瓦礫の下敷きにした狼藉者はぁぁぁぁ!すぐにでも焼き殺してやるぞカスがぁ!!」
件の来客ことライザー・フェニックスが怒り心頭といった風でドカドカと足を踏み鳴らしながら歩いてくる。
それにレイフォンが自分だと言わんばかりに歩いて行く。
ゴツンと額同士がぶつかり合い、
「貴様かぁぁぁぁぁ!!」
「お前かぁぁぁぁ!!」
咆哮がぶつかった。
「そこまでです御二方」
燃え盛る炎のなか、なびく銀髪が美しい。爆発であれ火の粉であれ、傷つけることなど出来ない美貌の奉仕者がそこに居た。
「グレイフィアさん…」
「チッ!」
レイフォンはグレイフィアが出てきたところで冷静になり、ライザーは未だ苛立ちを隠せない。
「ここは学舎です。ここで戦闘を始めては目につきますし、何より無関係な生徒たちを傷付けることになりかねません、おやめください」
「しかしこいつは俺を虚仮にしやがった!フェニックスのプライドがこいつを焼き殺せと叫んでいる。このままでは引き下がれない!」
収まることの無いライザーの激情は炎として体から噴き出ている。
「ではゲームをしましょう、レーティングゲームを」
「「「!?」」」
イッセーとレイフォン以外の眷属は驚いている。
レーティングゲームとは悪魔同士が自分の眷属をチェスの駒に見立てて、戦うゲームのことである。ライザーはゲーム経験がそこそこあり戦績も上々だが、リアスはまだ条件を満たしていないので未経験である。
「結婚の問題もゲームで雌雄を決せばよろしいでしょう。いかがですか?」
「俺は問題無い。そこの小僧を嬲れる上にリアスも手にいれれる。いい機会だ」
「ライザー様、そこの少年はリアス様の眷属ではございません。よってゲームには参加出来ないのですが」
「ではハンデということでどうでしょう?俺はゲーム経験がある上に相手は眷属すらまともに揃っていない。なのでハンデとしてそこの小僧を加え、一週間の期間をくれてやるというのは?」
「ライザー様がそう仰るのであれば。リアス様はいかがですか?」
「いいわ。そのゲーム乗ってあげる」
「成立ですね。では一週か「三日です」
「三日で十分だと言ったんです」
「ちょっとレイフォン!勝手なこと言わないで。私達はただでさえゲーム経験がないのよ?わざわざ期間を縮めなくても」
「ゲーム経験が無くとも大丈夫です。僕達は強い」
もう…と半ば呆れ気味にリアスはため息をはいた。どうやら一応レイフォンの言を渋々ながら了承したようだ。
「ではそのように。ゲーム盤はこちらで用意させていただきますのでグレモリー眷属の皆様は学園の部室へお越しください。修復は全てこちらでやっておきますので」
かくしてグレモリー眷属とフェニックスのレーティングゲームが決まった。
三日間の特訓が終わった。やることは朝の特訓と大差なく、レイフォンの料理はいつにも増して手がこんでいていたくらいだ。
「部長。俺は部長を守ってみせます。絶対あんなやつに渡したりしません!」
「イッセー…」
ガタッ
「誰!?」
「あぁ!すみません!お二人を邪魔するつもりじゃ無かったんですが誰が話してるか気になって…」
レイフォンが連れて来た魔術等に詳しい『しゃちょー』さんだ。その界隈では結構偉いらしい。
「イツキ、人様の恋路は邪魔するものじゃなくてよ」
「あ、アディリシアさん。探してくれたの?」
「な///いいから行きますわよ!」
しゃちょーさんは引っ張られて行ってしまった。
ちなみに二人は恋路という言葉に敏感に反応して顔が真っ赤だった。
「うるさい…ぐぅ…」
また安眠を妨害されたレイフォンだった。
〜レーティングゲーム当日〜
「さぁ、みんな準備はいいかしら」
リアスの問いかけに頷く眷属の面々。決意と覚悟、そして若干の緊張を漂わせている。
「私達はライザーのようにゲーム経験はないわ。でもだからって負けていい理由にはならないし、非公式とはいえ勝てば箔が付く。何よりあの調子に乗った馬鹿な駄鳥は気に食わない。私達で消し飛ばしてあげましょう!」
「はい!」
転送用魔法陣が輝いた。
「ここは…」
「駒王学園…そのレプリカかな?」
『ここは次元に作られたレーティングゲームの会場、駒王学園を模したゲーム盤となっております。ルールは基本的な公式ゲームと同じですので説明させていただきます』
どこからかグレイフィアのアナウンスが響き、ゲームの説明を始める。
「ーーー以上で説明を終了させていただきます。ではリアス・グレモリー眷属対ライザー・フェニックス眷属のゲームをただいまから開始いたします。開始」
ゲームの開始が告げられた。
「部長、僕は本拠地で部長を守りつつみんなの支援でいいんですね?」
「ええ。でもどうやって支援をするか聞いてないわ。どうするの?」
「まぁじきに分かりますよ。レストレーション02」
レイフォンが神器を使う時に言う独特な復元言語を発する。同時に柄だけの刀身の無い剣が手元に現れる。イッセーは知っているし、木場はどうやらすぐに気が付いたようだ。他は不思議そうな顔をみせている。
「いいわ。じゃあみんな作戦通りに動いてちょうだい」
ザッと音を立てて散った眷属たち。それを見送るレイフォンとリアス、アーシア。
「行ったわね。みんな大丈夫かしら?」
「大丈夫ですよ、この三日間で結構強くなりましたし。それに実を言うとこのゲームは僕一人だけでもおそらく勝てます」
「じゃあなぜあなたはここでじっとしているの?」
「それはですね、僕一人ではいずれ限界が来るからです。仲間とフォローしあってこその戦いだと思うんです。それにみんなの成長を見たいですしね」
なによりーー
「昔怒られた気がするんです」
「誰に?気がするって…?」
困ったように頬をポリポリとかいてしまう。
「それが分からないんですよ…記憶には無いんです。ただなんとなく『お前は出しゃばり過ぎだ。もっと私達を頼れ。でなければ何が仲間か!私達はお前に頼られたいんだ。仲間でありたいんだよ、レイフォンーー』そんな言葉が脳裏をよぎるんです」
「記憶に無いのに?」
「ええ、記憶に無いのに、です」
「不思議なことね。でもその言葉をあなたに言った人がいたなら、その人はあなたや仲間をとても大切にしている実直な人のように思うわ」
そうかもしれませんねーーとレイフォンは笑った。
「あ、どうやらイッセーと小猫ちゃんが交戦に入ったみたいです」
ー 小猫 side ー
私たちが体育館に入っているのが監視されているのは分かっていた。でも作戦的にはなんら問題無い。
「敵ですイッセー先輩」
「おう」
イッセー先輩もなんとなくは分かっていたんだろうけど、戦闘可能な範囲に入ったので一応警告。
「そこにいるのはわかっているわよ、グレモリーの下僕さんたち!あなたたちがここへ入り込むのを監視していたんだから」
(しってます)
正直そう言いたかった。
女性悪魔が四名、コートに立っていた。チャイナドレスと双子、そして棍を持った女の子。『兵士』三、『戦車』一ですね。
「ブーステッド・ギア、スタンバイ」
『Boost‼︎』
イッセー先輩も準備オッケーみたいですね。
「……イッセー先輩は『兵士』をお願いします。私は『戦車』を」
「それなんだけどさ小猫ちゃん」
「なんですか先輩」
「全員俺が相手しちゃダメかな?」
「…え?」
「いやー、ちょっと新技を試してみたいんだ。もし討ち漏らしたら小猫ちゃんにお願いしたいんだけど……ダメかな?」
真剣な顔で問いかけてくるイッセー先輩。なんだかうさんくさいです。
「………………分かりました。やってみてください」
「うっし!」
先輩はガッツポーズをしている…大丈夫でしょうか。
どうやら相手側にもこの会話が聞こえていたようで、なにやら怒っている。
「あなたごときが私たち四人を相手?舐めすぎじゃないです………かっ!」
いい終わる直前からダッシュでこちらに攻撃を仕掛けようとしてくる棍使いの女の子。
『exprosion!!』
機械音声が響いた。ふと隣を見るとイッセー先輩はいない。かわりに棍使いが勢い余ってずっこけていた。
(先輩はどこに…)
いた。コートの端にいました。こころなしか顔がニヤついている、きもちわるいです。
「勝負有り、だな」
イッセー先輩が呟いて、パチンッと指を鳴らしたその瞬間ーー
パッ!
敵の四人の衣服が全て飛び散った。『すべて』だ。
「「「???」」」
どうやら理解してないみたいです。理解できないというのが正しいでしょうか?
ちなみにイッセー先輩はというと
「…………」
無言でガン見していた。
たっぷり十秒の思考停止ののち四人はハッとして己の恥部を隠した。
「「「キャー!!」」」
「ドン引きです…」
酷い…本当に酷い。
(こんなことなら私一人でやるんでした)
「小猫ちゃん、俺やったぜ!」
「近寄らないでください……この性犯罪者」
「ぐはっ!」
一応パンチをお見舞いしておきます。
「うぐぐ……それより小猫ちゃん、離脱だ」
「わかっています」
私たちは体育館から離脱した。後ろから「待てーーー!」とか「絶対に許さないからなーーー!」とか聞こえます。イッセー先輩にかわって謝っておきます、ごめんなさい。
「はい!俺も小猫ちゃんも無事です!つーか今のところいい感じです!」
部長と連絡をとりつつ体育館から離れる私たち。
カッ!
一瞬体育館の上の空が光ったかと思うと、
ドォォォォォオオオオオンッッ‼︎
轟音と共に巨大な雷の柱が体育館へ降り注いだ。
雷が止んだとき、そこにあった体育館は根こそぎ消失していた。
「
朱乃さんの声です。
振り返れば、ニコニコ顔の朱乃さんが翼を広げて空に浮いていた。その右手はいまだパチパチと帯電している。
『ライザー・フェニックスさまの「
審判役のグレイフィアさんの声がフィールドに響く。
「小猫ちゃん!やったな!」
「……触れないでください……」
「ハハハ、だいじょうぶだよ。俺、味方には使わないから」
「……それでも最低な技です」
イッセー先輩が敵じゃなくてよかった。あの技が私に…と思うと背筋がゾッとします。
ドォンッッ‼︎
「えっ…」
「くっ!」
油断していた。敵の存在に気付いた時、私達はは爆発をくらってしまってました。
イッセー先輩は直前で気付いたみたいで、私に当たるはずだった爆発の大部分をその身に受けていました。
ドォンッッ!
さらに二回目の爆発。放心していた私を直撃しました。爆発で飛ばされて、こちらに走り出していたイッセー先輩も間に合いません。
「あぐぅっ!!」
「小猫ちゃぁぁぁぁぁんっっ!」
かなりダメージを受けてしまいました。服もボロボロです。きっとイッセー先輩には私のパンツ見られました…。
「………イッセー先輩、朱乃先輩…すみません。……もっと部長たちのお役に立ちたかったのに…」
「白ッ…あ、謝ることなんざねぇさ!俺らは仕事をしたんだ!問題ねぇ!待ってろ、アーシアが来ればすぐに回復ーー」
(頑張ってください、イッセー先輩。みんなーー)
私は最後の力でイッセー先輩におまじないをかけた。
ー 小猫 side end ー
『リアス・グレモリーさまの「戦車」一名、リタイヤ』
「小猫ちゃんがやられたみたいですね」
「……そうね」
ギリッと歯を鳴らす部長。眷属思いな人だからかなり悔しいんだろう。
「そう言うあなたは随分と落ち着いているわね?」
僕は落ち着いていた。理由は、
「分かりましたからね、小猫ちゃんが消える前にイッセーに何かしたってことが」
「何かって?」
「それは僕にも分かりません。ただ、小猫ちゃんの意思はイッセーに託されたってことですよ。今一番心配なのはイッセーです。目の前で小猫ちゃんがやられたので暴走してるんじゃないかと」
「それなら心配ないわ。きっと朱乃がイッセーを祐斗と合流するよう促してくれるわ」
なるほど、姫島先輩ならイッセーも言うことを聞くかな。
「まぁ…朱乃もキレてるでしょうけどね」
「えっ…」
「朱乃もキレてるでしょうけどね」
「二回言わなくても聞こえてます!…でも、あの姫島先輩が…?」
「ええ。あの子はああ見えてかなりの家族思いなのよ?」
「な、なるほど」
少しどんな顔をしたらいいか分からないので苦笑いで返した。
(ん…?)
「あ、部長。ちょっと厄介なのが居るみたいなんで僕も行ってきます。いいですか?」
「いいけど…厄介なのって?」
「おそらくフェニックスかと。ライザーとは別の」
「危険ね…今すぐ向かいなさい」
「はいっ!」
僕は旋剄で駆け出し…、戻ってきた。
強風が吹き、部長のスカートがめくれ上がる。
「きゃっ!?」
黒だ……真っ黒ッ!
「もし危険になったらこの糸を引っ張ってください。息を吹きかけるだけでも結構ですので」
目を凝らすとギリギリ見えるレベルの糸を部長に手渡す。
駆け出す僕。
「あ、部長、可愛いのはいてますね!見ちゃってすみませー」
ちゃんと最後まで聞こえただろうか?
「もう!待ちなさいレイフォンーーー〜!!」
すみません部長。眼福でした。
ー 木場 side ー
(小猫ちゃんがやられたか…)
『ライザー・フェニックスさまの「兵士」三名、リタイヤ』
(小猫ちゃんの分まで僕が頑張らないと…!)
とりあえず二人は倒した。もう一人は玲斗君が倒したんだろう。あと相手は九名…やはり多い。
考え事をしていると視界に人影が見えた。最初は敵かと思ったけどイッセー君だった。僕には気付いてないみたいだ。仕方ないーー
グッ!
「!?!?!?………ってなんだ木場か」
「うん」
「すまん木場。小猫ちゃんは……」
「知ってる。無念だったろうね。今回は張り切っていたし、森のトラップを作る時も一生懸命だった」
「……勝とうぜ」
「もちろんだよイッセーくん」
お互いに拳をコンと当てあう。
「小猫ちゃんの分まで頑張ろうぜ!」
「そうだね」
「んじゃ、女子が見て興奮するようなコンビネーションでも展開してみっか?」
「ハハハ!何が『んじゃ』なのかは分からないけど、僕が『攻め』でいいのかな?」
「バカ!『攻め』なら俺だ!って違ーう!やめろホモホモしい!」
そのとき、勇んだ女性の大声が聞こえる。
「私はライザーさまに仕える『
これは…
「名乗られてしまったら、『騎士』として、剣士として、隠れてるわけにもいかないか」
騎士として、剣士として、僕にもプライドがある。
「あのバカ!」
イッセーくんも来てくれるみたいだ。
「僕はリアス・グレモリーの眷属、『騎士』木場祐斗」
「俺は『兵士』の兵藤一誠だ!」
ふふっ、と相手の騎士が、微笑む。
「このように堂々と正面から出てくるなど、お互いに正気じゃないな。だが、私はおまえたちのようなバカが大好きだ。さて、やるか」
「騎士同士、尋常じゃない斬り合いを演じようじゃないか」
「よく言った!リアス・グレモリーの『騎士』よッ!」
僕らは斬り合いを始めた。
ギンッ!ギンッ!と何度も打ち合いくっついては離れるを繰り返す。戦闘音から、どうやらイッセーくんも他のライザー眷属と戦い始めたようだ。
ー 木場 side end ー
(さて、あの子がフェニックスかな)
試しに切ってみよう。
「せいっ!」
「!?」
僕が斬った少女は何事もなかったかのように炎を出して復活する。
「ちょっ!?なんですの、いきなり私に斬りかかるなんで!」
「正々堂々とは嫌いなんじゃないのかな?」
先ほど自分がイッセーに放った言葉を聞かれていて、それのことを言われているのだとわかってフェニックスの少女 ー レイヴェル・フェニックスは図星をつかれたかのようなかたちになった。
「違います!そこではなく、一人の少女を…ましてやこのフェニックスたるレイヴェル・フェニックスを不意打ちで斬りかかるなんて恥を知りなさいと言いたいのですわ!」
「そっか」
むきーーー!となんだか悔しそうにしている。
ちなみに、背から炎の翼を広げて宙を飛んでいるのでー
「あの…パンツ見えてますよ?」
「きゃあぁぁぁぁぁぁぁ‼︎」
バッとドレスのスカートを抑えて地に降りてくるフェニックスの少女、もといレイヴェルは、ちょっと半泣きになりながら怒っている。
「これはドロワーズです!パンツじゃないので恥ずかしくありませんのよ!」
「なるほど、ドロワーズって言うんですね。勉強になりました」
デリカシーの無い男、レイフォンである。
「それはそうと、君は僕と闘ってもらうよ。フェニックスは厄介で、他の眷属にはちょっと荷が重いから」
途端に冷徹な目になるレイフォン。
「ひぃ!?わ、わたくしはあなたとは闘いませんし、他の方とも闘いません!高みの見物に徹しているのでその物騒な物をこちらに向けないでください」
涙ながらに言うレイヴェルだったが、次の瞬間、
ザクザクザクザクッッ!!
この一帯が剣の森と化していた。
特大サイズの剣が数百本、地面から生え、レイフォン・木場・イッセー以外を刺し貫いていた。三人共が安全圏だったのではなく、木場とイッセーだけが安全圏だった。レイフォンはというと、
「危ないなぁ…」
生えた剣の一本の先に、爪先立ちしていた。
「ライザー・フェニックスさまの「兵士」二名、「騎士」二名、「僧侶」一名、リタイヤ』
「ごめんね玲斗くん。 まさかイッセーくんの譲渡の力がここまでとは思ってなくて…。それに玲斗くんなら大丈夫かなって」
「ハハ…ハハハ…」
乾いた笑いしかできないレイフォン。
どうやら特訓した木場とイッセーの譲渡の力が合わさって、ここまで凄まじい剣の乱立になったらしい。
「一度ならず二度までも〜!!いい加減にしてください!」
復活したんだろうレイヴェルが怒り心頭である。
ドォンッ!
不意に爆発が木場を撃った。
倒れ、消える木場。
「『騎士』、撃破」
ニヤニヤとしているのはライザーの女王。が、そのニヤけ顔も長くは続かなかった。
「シッ!」
レイフォンが短く息を吐いた時、ライザーの女王イザベラから血飛沫が飛び散った。
剣身に収束させた剄を斬線の形のまま放つ剄技。
それがイザベラの腹部を派手に斬り裂いていた。
『ライザー・フェニックスさまの「女王」リタイヤ』
「僕は一足先に部長とアーシアさんの所へ行く。なるべくイッセーも早く。いいね」
「お…おう」
イッセーもリアスの元へ向かおうとする。
「ちょ、ちょっと!私を無視!?どうせ負けるのですから、ここで私とおしゃべりしていた方が健全で安全ですわよ!?」
「うっせー。俺は行かなきゃならねぇ…部長の兵士として。この勝負、どうなるかはわかんねぇけど…また今度ライザーと女王以外のやつらでうちにこいよ。みんな良いやつっぽいし。レイフォンがうまい料理作ってくれっから。当然お前もな」
そしてイッセーがレイフォンを追いかけて行き、しばらくの間、後方からイッセーをじっと見つめるフェニックスの少女がいた。
次話であとがきをかきまする。