ある日、私が学校から自宅までの帰り道を歩いていると、不思議なモンスターと出会った。
ケロケロ。ケロケロ。
カエルのような鳴き声で私に昔話をしてきたのだった。

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この小説は、Undertaleの二次創作作品です。

独自設定、独自解釈が含まれております。



カエルもつらいよ。

あ、そこのニンゲンさん。ちょっとこっちに来て欲しいケロ。そうそう、君のことケロ。

 

まずは自己紹介をするケロ。

ボクはフロギー。遺跡に住んでいたモンスターだケロ。

今日は少し、ボクの思い出ばなしをしようと思うケロ。

 

あ、ちょっと待って欲しいケロ。ボクは怪しいモンスターじゃないケロ。だからおもちゃのナイフを振り回さないで欲しいケロ。

 

気を取り直して…これからボクがするお話は、昔のボクのお話と、2番目に落ちてきたニンゲンのお話ケロ。

……つまり、とっても昔の話ってことケロ。

 

その頃のボクは、まだまだ未熟者なカエルだったケロ。今も弱いけど、今より段違いに弱かったケロ。

オタマジャクシだったかって…?なんでそうなるケロ?カエルの子はカエルケロ。

 

その時は生きることに大変苦労したものだったケロ。

とは言っても、優しいモンスターが多かったから、みんな僕が生きる手助けをしてくれたケロ。

 

特に王様の子供たちには感謝してもしきれないケロ…まあそんなことがあって、弱くても幸せに暮らしていたんだケロ。

……いや、まだ終わりじゃないケロ。帰らずに聞いて欲しいんだケロ。

 

とにかく、ボクはこの幸せがずーっと続くものだと思っていたケロ。

 

でも、ある日事件が起こったケロ。

王様の子供の1人が急病によって帰らぬ人となってしまったんだケロ。そして、それに続くようにもう1人の子供も、ニンゲンの手によって帰らぬモンスターとなってしまったんだケロ。

 

王様はそのことに対してすごい怒ったんだケロ。

そして、地下世界に落ちてきたニンゲンは1人残らずその命を奪うという決まりを作ったんだケロ。

…そう、王様は君の知っている通り、アズゴア・ドリーマーのことだケロ。

 

意外と驚かないケロね?前にアズゴア先生から聞いた事がある?…そうケロか。

 

まあ、そんな決まりが出されても、ニンゲンなんてそんなに地下に落ちてこないから、楽観的に考えていたんだケロ。

 

だけど、ある日、僕の前にニンゲンが現れたケロ。

その時は、とっても驚いたケロ。けど、その時のボクはニンゲンを恨んでいたから、逃げるよりも先に攻撃していたケロ。

 

…ボクは今でも、逃げなくてよかったと思っているケロ。

 

とにかく、ボクはニンゲンに対して攻撃していたんだケロ。でも、そのニンゲンは僕の攻撃に対して、逃げることはまだしも、避けることもしなかったケロ。

 

それどころか、僕に話しかけてきたんだケロ。

なんて言ったと思うケロ?

「効かないねぇ…」?…なんでそう思ったケロ、漫画の読みすぎケロ。

 

そのニンゲンはボクにこういったんだケロ。

「スゴイ!」って…ボクはその言葉の意味がよくわかんなかったケロ。

でも、何となくボクのことを褒めてるとわかったんだケロ。

 

その後、照れたボクをそのニンゲンはみのがしてくれたケロ。

僕はその時、ニンゲンにも良いニンゲンと悪いニンゲンがいると知ったケロ。

 

この事がキッカケで、ボクは落ちてきたニンゲンにみのがすという行為について教えるようにしているケロ。

 

そのあとどうなったかって?

そのあと、ボクはそのニンゲンと友達になって、ここに来た経緯を聞いたんだケロ。

 

どうやら、そのニンゲンは妹と喧嘩して、地下世界に降りてきたようなのだケロ。

 

なんで喧嘩したかって?…些細な言い争いと言っていたケロ。

 

まあ、その後、ニンゲンはボクと一緒に暮らすようになったケロ。

毎日のように遊んで、お腹が減ったらお菓子を食べて。

あっという間に時間が過ぎて行ったケロ。

 

あの頃がボクのモンスター生の中で1番楽しかった頃だと思うケロ。

 

…だけど、そんな日々は長くは続かないケロ。

当然ケロよ。ニンゲンの命を奪うっていう決まりをボクはずっと破っていたからケロ。

 

…ここからは、ちょっと暗い話になっちゃうケロ、もし聞きたくないんだったら、聞かなくても……聞く?王様の子供たちが亡くなった話をしておいて何を今更?

…キミは強い子だケロ。

 

その日は、いつも通りニンゲンと一緒に隠れんぼをして遊んでいたケロ。

ボクが鬼で、ニンゲンが隠れることになったケロ。

 

数え終わった後、ボクはニンゲンを探しに言ったんだケロ。ニンゲンは隠れんぼが強かったケロ。

ボクが隠れてもあっという間に見つけちゃうし、僕が探そうとしても、時間切れまで隠れちゃうんだケロ。

 

……その日のボクは、本当に愚かな事をしちゃったケロ。どうしてもニンゲンに勝ちたかったボクは、友達の手を借りることにしたんだケロ。

 

まあ、友達と一緒に探しても遂には見つけることが出来なかったケロ。

僕の負けということでニンゲンに隠れてた場所から出てきてもらったケロ。

 

毎回、変な場所に隠れてるなと思ってたら、ボクの友達が、急に大声で叫んだんだケロ。

 

「人間だ!!人間がいるぞ!!!」

 

…その叫び声の後、色んなモンスター達がやってきたケロ。

 

ボクもニンゲンもその場から動けなかったケロ。

…ニンゲンがモンスターの魔法を受けて傷ついたのを見てやっと体が動いたケロ。

 

ボクはみんなに必死に言ったケロ。

そのニンゲンは良いニンゲンなんだと、何度も何度も言ったケロ。

でもみんなは聞く耳を持たずに、ニンゲンに魔法を放ったケロ。

 

たくさんの魔法が向かっているにもかかわらず、ニンゲンは避けようとしていなかったケロ。

 

10体ほどのモンスターの魔法の雨が止んだあとでもニンゲンはまだ生きていたんだケロ。

……笑顔で。

 

周りのモンスターは、その異様な光景に動けなかったケロ。

ボクも、動けなかったケロ。

 

その時、ニンゲンがボクの名前を呼んだケロ。

ボクは慌ててニンゲンに近づいたんだケロ。そして、ニンゲンは、ボクに最期の言葉を残したんだケロ。

 

その後、ニンゲンは力尽きてしまったケロ。

ニンゲンのタマシイと遺体は王様の元に運ばれ、ニンゲンの持っていた遺品は、ボクが貰ったケロ。

 

……これが、2番目に落ちてきたニンゲンのお話ケロ。

 

どうして、この話をキミにしたかって言うと、キミはそのニンゲンにそっくりだったからだケロ。

 

キミは、忍耐強くボクのお話を最後まで聞いてくれたケロ。最近の若い子は、話を聞かずにどっか行っちゃう子が多かったりするケロ。

 

……最期の言葉は何だったって?

 

あれは……ボクが言ってもいいケロか…

 

…キミのひいおばあちゃんはまだ、ご存命ケロか?

…!!……それは良かったケロ。

じゃあ、ひいおばあちゃんに伝えて欲しいケロ。

 

「勝手にショートケーキ食べて、ごめんね、大好きだよ」

 

……これが最期の言葉だケロ。意外と普通の言葉ケロ。あのニンゲンは、ずっと妹に謝りたかったみたいだケロ。

 

本当は伝えようかずっと迷ってたケロ……でも、君にはこの言葉を知る権利があるケロ。

 

……多分、あのニンゲンの遺体は、王様が遺族の元に返したと思うから、どうか、墓参りをしてあげて欲しいケロ。

 

…休日なのにこんなお話を聞かせちゃってごめんだケロ。ボクは話すことも下手だから、キミは満足してくれなかったかもしれないケロ。

 

 

じゃあ、ボクはこの辺でおさらばするケロ。

また、ケロ。

 

……ボクは、ちょっと長く生きすぎたケロ。

ニンゲンの言葉を伝えるという「ケツイ」で無理しすぎちゃったケロ。

きっと、あの子とはもう二度と会えないケロ。

 

カエルも辛いよ。


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