※ブルーアーカイブ最終章のネタバレを十二分に含みますのでご注意ください。
〜シャーレ内〜
目が覚めた。時計を見ると針は五時を示していた。
今日のやることなど諸々を確認するためにシッテムの箱を起動する。
起動されたシッテムの箱は白い髪で黒い服を着た少女を映し出した。
“おはよう、プラナ”
『おはようございます。先生』
“あれ?今日はプラナだけなの、アロナは?”
『…アロナ先輩はまだ寝ています。起こすのも忍びないので私だけで来ました』
“そっか。プラナは偉い子だね”
『…混乱。急に頭を撫でないでください』
『………困ります』
“え、シッテムの箱を通してじゃなくて
『そんなことは一言も言っていません。ですからこちら側に来なくても…』
プラナが言い切る前にシッテム内に入る準備を終え、私の体は青い光に包まれる。
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〜シッテムの箱内〜
「……来なくてもいいと言ったじゃないですか」
“うーん。その時はもう聞こえてなかったかな”
「………またそうやって…」
“まあまあ、撫でられたいかそうじゃないかで言ったら撫でられたいんでしょ?”
「……………それは、そう…です……けど」
“ね?撫でられたいんでしょ?”
そう言いながら私は対面にいるプラナの頭に右手を伸ばす。
“最近は忙しくてこっちにあまり来れなかったしね”
“君たちに構ってあげれてないなってのは思ってたところなんだ”
プラナの髪は白くて長く、手を入れるとサラリとしていてとても撫で心地がいい。
こちらを向いて撫でられている体勢のままプラナが言う。
「………そうですか。ですがそれならアロナ先輩も一緒の時の方がいいのではないですか?」
“まあ…思い立ったが吉日的な?”
「生徒を盲信して、考えるよりも先に体が動いているような先生にぴったりの言葉ですね」
ジト目になってこちらを見上げてくる。
“うぐっ…プラナは厳しいなぁ…”
「…否定。別に厳しくなどありません」
「色々な生徒やアロナ先輩もそんな先生のことを心配しているはずです」
「…私も心配しているのですよ」
「先生が…私の先生のようになってしまわないか」
“プレナパテスのことか…あの人も別世界線軸の私だもんね”
“叶うならもう一度会いたいよ”
“話したいことは山ほどあるし、何より私の生徒を泣かせた《責任》も取ってもらいたいしね”
“私自身だから容赦はしないよ”
“………まあ私自身だからこそあの人ができる限り頑張ったってことは分かってるんだけどね”
「…はい。先生はとても一生懸命頑張ってくれてました」
「……ですが、最期は…私の…せいで……」
私は撫でるのをやめ、
“どうせ私のことだ、生徒のためと言って独断専行したんだろう”
“だからプラナは悪くないんだよ?”
下を向いて震えるプラナを抱きしめ、背中をゆっくりと手のひらでさする。
徐々に震えが収まりプラナが顔を上げこちらを見る。
「…すみません。取り乱しました」
“全然いいよ。我慢せずに思い切り泣いたらいいよ”
“…まぁこれで
プラナの震えが収まったので少し離れようとすると急にシャツの裾を引っ張られた。
「………私の頭を撫でるのはもう終わりですか?」
“…急だね”
“ふふっ、いつでもそんな風に甘えてきてくれていいんだからね”
再びプラナの頭に右腕を伸ばし撫で始める。
すると、幾許か経たないうちにアロナがどうやら起きてきたらしく、こちらへ向かってくる。
「あぁーー!!!」
「ずるいですよ!プラナちゃん!」
「先生を独り占めしないでください!!」
「…否定。独り占めなどしていません」
「……アロナ先輩は寝ていたじゃないですか」
「誤魔化さないでください!!起こしてくれたらよかったじゃないですか!」
「…私が加わったことによって寝る時間が多くなったアロナ先輩を起こすのは申し訳なくて」
「んもぅっ!気にしないでくださいよ!プラナちゃん!」
「次からは先生が来た時はちゃんと起こしてくださいね!ハリセンでも何でも使っていいですから!」
「……ハリセン…ですか?」
「ハリセンというのはですね、プラナちゃん…じゃなくて!」
「先生!何でそんな我が子を見守るような温かい目でこちらを見ながらプラナちゃんを撫でる手は止めないんですか!?」
「私も撫でてくださいよ!!!」
“ははっ、いや、アロナは元気だなって”
「ええ!今日も元気なスーパーアロナちゃんです!ですから私も撫でてください!」
物凄い勢いでせがまれるので空いている左手でアロナの頭を撫でる。
アロナの短い
せっかく両方同時に撫でているのだからと触り心地を比べてみるが、やはりどちらもA.R.O.N.Aであるため差はなかった。
…まあどちらも触り心地は良いので関係ないが。
「あ!なんか今先生変なこと考えませんでしたか!?」
“え!?いや…特に何も考えてないよ!?”
「…推測。恐らく先生は、どちらが撫で心地が良いのかな、と考えていました」
驚いて私は手を止めてしまう。
“あれ!?なんで分かったの!?”
「そうなんですか!?先生!」
「どちらの方が撫で心地が良いんですか!?」
“んー…どちらも差はなかったかな”
「えー?本当ですかぁ?先生」
「本当のこと言って良いんですよ?先生。アロナの方が撫で心地が良いって!」
「…想定。私の方が撫で心地は良いはずです」
“だから…差はないんだって”
「改めてしっかり確認してみてください!!!」
「…改めて確認を要求します」
その後、どちらの方が撫で心地が良いのかを答えるために数十分アロナとプラナを両手で頭を撫で続けた。
…途中から疲れてきて無心で腕を動かしていたのは内緒だ。
「……ふふっ、先生。こちらの世界の先生もあなたと同じく生徒に振り回されていますね」
「…安心してください、先生。私は今、幸せですから」
まず、このような拙文をお読みいただきありがとうございました。
これが最初で最後になると思います。
元ネタ…と言いますか、とても意識したマンガ作品がpixivにあるので、既視感を覚えた方もいるかもしれません。
私の解釈と違った方、誠に申し訳ありません。
改めてお読みいただきありがとうございました。