凡人探索者のたのしい異世界紀行   作:レトルトところてん

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実はこれ書くのに6時間くらい掛けてます。

設定をなるべく遵守しようと原作様を見に行くんだけどさぁ!
面白くてずっと読んじゃうんだよねぇぇぇ!

はい。これを見た皆さんは是非なろうに原作様がありますので見ましょう。


TIPS€ 2話 お前は失敗した。

 

 

 

 

 

 

「聞かせろ。俺は今どこにいる?」

 

 

 山積みとなった骨の塊。

 

 

 折られ、削られ、砕け散ったその骨たちの残骸は弄ばれ、片手でぷらぷらと遊ばれる以外の役目を果たせない。

 

 味山は問題なく、竜牙兵を粉々にしていた。

 

 

 

 TIPS€ お前は異世界に転移した。

 

 

 

 ある夏の出来事の報酬。

 

 おぞましく、恐ろしく、醜悪な何度でも立ち上がる“耳の化け物”との死闘の報酬に、味山には出来のいい耳が備わっていた。

 

 老人のようであり、若々しい青年のようであり、幼女の甲高い声のようであり、落ち着いた女性の声のようでもある。

 

 味山はそんな奇妙な声を、クソゲーライフを攻略するための世界のヒントを聞き分ける。

 

 

 TIPS€ この世界の防衛機構である抑止力は滅亡の危機にお前を異なる世界から呼びよせた。

 

 TIPS€ 魔術王ソロモンから独立した人理焼却式ゲーティアが行った人理焼却の危機からこの世界を救わなければお前は元の世界に帰ることはできないだろう。

 

 

 通るべき道筋も、これから明かされていく驚愕の真実も、その運命の全てを無視し、味山は世界の真実を聞くことが出来る。

 

 ただ、耳を傾ける。

 

 とんだバランスブレイカーな力だが、この力を持ってしても元の世界を生き抜くのは難しい。

 

 

 TIPS€ 人理焼却のために用意した7つの特異点。その1つにお前は居る。

 

 TIPS€ 人類の歴史の分岐点(ターニングポイント)を台無しにすることで人理焼却式ゲーティアは人類の歴史の抹消を行うつもりだ。

 

 TIPS€ 人理焼却は既に行われ、人類は滅びた。

 

 TIPS€ お前は人理焼却式ゲーティアの用意した人類の歴史の特異点の7つを修正し、世界を救わなければ元の世界に帰ることはできない。

 

 

 TIPS€ 飛んだお笑い草だ。役違いにも程がある。

 

 

 

「……へー。ソロモンにゲーティアねぇ。そいつはどこにいる?」

 

 

 

 味山は理解不能の状況を、理解しないままどうにかすることに慣れていた。

 

 俺たちは今までそうしてきた。そしてこれからも同じだ。

 

 とりあえず元凶をぶっ飛ばし、さっさとアレフチームへと帰還する。今味山の脳にあるのはこれ一つ。

 

 

 TIPS€ ゲーティアの存在する冠位時間神殿は虚数空間に存在し、今のお前では辿り着くことはできない。

 

 

 

「……はぁ。とりあえず、探索と行くか」

 

 

 

 サクサクと行かない現状に、味山はげんなりしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 歩く。

 

 

 歩く。

 

 

 歩く。

 

 

 何処まで歩いても目に映るのは滅びた街並みだけ。そこら中から火が燃え盛る街に、味山は無感動な視線を向ける。

 

 寝起きに誘拐され、気分が悪い味山にポストアポカリプスの世界を楽しむ余裕はなかった。

 

 

「……なーんか見覚えあるんだよなあ」

 

 

 既視感(デジャヴ)。どこかで、これと同じような光景を見たような……感覚。

 

 間違いなく体験していないのに、いつか、どこかで見聞きした覚え。

 

 特に襲われることもなく、何かイベントが起こる訳でもない。運命から見放された凡人に、劇的な運命など期待できるわけもなかった。

 

 

 

 ただ、あるのはとんでもない悪運だけ。

 

 

 

「アチッ……!」

 

 

 

 懐に入った“知らせ石”が、赤熱化していた。

 

 “知らせ石”。バベルの大穴から獲得した、正真正銘味山の、味山による、味山のための不思議アイテム。持ち主に強い危険が迫れば迫るほど、その心臓のような造形は脈打ち、赤熱化する。

 

 どこだ? 何が来る。

 

 

「あら、あらあら。こんな夜中に、人がいらっしゃるなんて」

 

 

 

 影。

 

 街灯から伸びる影はその先に人影を同乗させていた。

 

 

 声の響く方向に顔を向ける。

 

 女だ。紫色の長い髪に体のラインが透けて見えるほど露出度が高い服を着ている女が、街灯の上に立っていた。

 

 金の瞳が味山を見つめる。

 

 

「あのー、すいません、ここって一体何が「異邦人。せめてもの情けです。優しく葬って差し上げましょう」……話の通じないパターンね……はぁ……

 

 

 TIPS€ それは少なくともお前の10倍は強い。

 

 TIPS€ “耳男”を使用するか?

 

 

「答えはノーだクソッタレ。ただでさえこっちは寿命少ねぇってのに」

 

 

 

 飛来。

 

 女の髪から伸びる鎖が視認すら難しいほどのスピードで味山目掛けて飛んでくる。

 

 

 TIPS€ 不死殺しの鎌ハルぺー。その鎌に傷付けられたものの傷は癒えることがない。

 

 

「メタでも張られてるんか俺。鬼裂先生え!」

 

 

 突如、味山の才なく、力なく、素早さもない身体が突き動かされる。

 

 かきん。

 

 遥か古代の反英雄により飛来する鎖は、あろう事か凡人の手繰る斧によって撃墜された。

 

 平安の世、遍く怪異が蔓延る世を物見遊山に見物した最恐の鬼狩り。

 

 雷すら斬る“神仏狩り”の鬼裂の業は、容易く鎖を叩き斬った。味山の体にはかつて存在した“神秘の残り滓”、神秘の友人たちが棲んでいる。

 

 

「……無駄なことを。あなたからは何故かはわかりませんが非常に嫌な予感がします」

 

 

 ドクン。

 

 懐の赤熱化した知らせ石が強く脈打つ。

 

 不味い、何かとても不味い気がする。

 

 

 

 “耳”を相手にした時のような、“嵐”を相手にした時のような____________そんな理不尽に会う予感。

 

 

 

 

 TIPS€ 3秒後、聖杯に犯された反英霊メドゥーサは“石化の魔眼”(キュベレー)を使用しようとしている。

 

 

 焦りだけが積もっていく。どうする、どうすればいい。

 

 

 しかし、味山はどこまで行っても凡人だった。

 

 

 “52番目の星”であれば、すぐさま槍を投げ、そのまま打ち倒せたかもしれない。保有する號級遺物である“嵐の裁定者”(ストームルーラー)で反撃出来たかもしれない。

 

 

 

 “グレイウルフ”であれば、優れた反射神経と人間離れした膂力ですぐさま距離を詰め、白兵戦に持ち込めたかもしれない。

 

 

 

 “女史”であれば、ダンジョンに満ちる酔いの中でも銃器を使用することが許された銃所持許可者(ガンスリンガー)の特権を生かし、発砲して注意を逸らせたかもしれない。保有する“遺物”1歩手前の探索者道具である虹の紐(コードオブレインボー)で拘束出来たかもしれない。

 

 

 

 

 味山は、“特別”ではない。

 

 

 

 

 故に、何の抵抗も出来ず。

 

 

 

「石になりなさい!」

 

 

 

 

 TIPS€ 警告 “石化の魔眼”(キュベレー)の発動

 

 TIPS€ 技能“神秘の友人”での対抗ロールを開始、失敗。

 

 TIPS いかん、アジヤマ! 異なる世にて我らは本調子ではないぞ!

 

 TIPS キュキュ?!!

 

 TIPS ぼおおおおう!!!

 

 

 

 

 

 TIPS€ 今のお前に石化に対抗する術はない。

 

 

 

 

 

「ギャアアアあアアあ!!!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 沈黙。

 

 その身体は、容易く石へと変えられた。

 

 

 

 

 

「……愚かで、馬鹿な人間でしたね……」

 

「……ただの人間に()()()()を覚えさせられたのも癪に障りますし……砕いておきましょう」

 

 

 

 英霊の力で味山の死体が崩される。壊される。

 

 石化され、もはや動くことも出来ない石となった味山はその亡骸すら破壊され、砕かれた。

 

 

 

「さて、イレギュラーはありましたが……人類最後のマスターとやらを殺しに行って差し上げましょう……ふふふ」

 

 

 

 砕かれ、地べたに転がった、肉片。心臓は粉々に、脳漿はもはやその形を保つことはなく。

 

 

 血は吹き溢れ、内部に残った僅かな血肉。

 

 

 

 それが味山の最期だ。

 

 

 

 まがいなりにも“英雄”を相手にしたツケ。そのツケは容易く味山の命を奪った。

 

 なんと無惨で、無意味。

 

 これからメドゥーサは人類最後のマスターを殺しに行き、そして“主人公”に負け、この特異点は修復されるだろう。

 

 誰にも知られることはなく、元の世界に帰ることもなく、ただ終わる。

 

 

 味山の死は、世界に何も残さない。この結末は何の意味もない。

 

 生きていようが、死んでいようが、世界の行く末には何の影響も与えない。

 

 当たり前で、忘れがちな、ただの人。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……粉々に砕かれ、微かに肉片だけが散らばっている。

 

 

 

 肉が、血が、そこらにぶちまけられている。

 

 

 

 

 その命を終え、もはや動かぬ味山の()()________。

 

 

 

 

 

 ピコン。

 

 

 

 

 

 

 TIPS€ お前は“耳の部位保持者”だ。

 

 

 あの夏を経て、味山だけが勝ち得た探索の報酬。何も世界から与えられることがなく、“運命”も“宿命”も持たないが故に馴染んだ力。

 

 無意味に生き、無価値に殺す、人の悲鳴を愉しみ嗤う“耳”の怪物との死闘の報酬。

 

 

 味山には“耳”の耳糞が埋め込まれている。

 

 TIPS€ 本当の意味での異なる世でもまるで力を喪わないとは……ゲテモノめ。そら、どこへなりとも行くがいい。そして二度と帰ってくるな化け物め。

 

 

 

 

 

 

 TIPS€ “耳の血肉” 発動。

 

  カウント1

 

 

 

 

 

 TIPS€ “耳の部位保持者”は“耳”が持つ権能の一部を扱うことが出来る。

 

 射ても焼いても潰しても、身体の大部分を消失しても再生する“耳”。

 

 無意味に生き、無意味に再生する真正の怪物。

 

 その化け物は“嵐”を討った大英雄の投擲ですら殺しきることは出来なかった。

 

 

 TIPS€ “耳の血肉”。肉体を完全に再生させることが出来る。どんな状態からでも元の肉体に戻ることが出来る。“耳の血肉”カウントが100を超えると技能“耳の化身”が発動し、その肉体は“耳”へと変貌する。

 

 

 味山が居た世界の未来。本来辿る世界の行く末。

 

 

 日本神話の死の頂点、ヨモツオオカミですらこの男を殺しきることは出来なかった。1000回殺してなお死なず、一神話体系の頂点である死を司る神ですら殺しきれなかった男を、どうして型落ちし、劣化したメドゥーサが殺すことが出来ようか。

 

 

 

 

 じゅるり。

 

 

 

 

 その生を終えた血肉が蠢き、集まり始める。

 

 肉片が集まり1つの塊へ。石化し灰色となった体表から飛び出る真っ白な骨。

 

 骨が飛び出し、神経が絡まり、肉が身体を象っていく。

 

 

 

 

 

 

 

 TIPS€ 起きろ。そして殺してこい。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぎゃは、ギャはハ……」

 

 

 

 

 TIPS€ 死んだら死ぬのが人間の最低条件だろうに。全く、おぞましい。

 

 

 

 

「ギャハハハハ!」

 

 

 

 

 

 声が響く。

 

 終わった命は戻らない。

 

 そんな尊く、古より存在する世界のルールをぶち壊し、おぞましく、醜悪で、なんの意味も無く生き返る凡人。

 

 

 

 

 

 

「ギャーッハッハッハッハッハァッ!」

 

 

 

 

 

「ふっかぁぁぁつ! あのアマぁ! 人様を問答無用でぶち殺しやがって、ぜってー殺す。確実に殺す。決めた。決めたぜ。あの女は恐怖だ。敵だ」

 

「俺はよー、模範的な社会人だからよお! 借りっぱなしは気分がわりぃんだぜえ!!!」

 

「ぶっ殺してやらああああ!!!!!」

 

 

 

 

 

 異なる次元、異なる世界。

 

 

 しかし、どこへ行こうと味山の本質は変わることはない。

 

 問答無用で殺され、心の奥底に存在した現代を生きる人間としての枷は問答無用で剥ぎ取られた。

 

 元いた世界で、“星”も“神”も凡人の怒りに触れぶちのめされた。

 

 故に、これから始まるのはただひとつ。

 

 

 大バカによる蹂躙である。

 

 

 

 

 

 

 

 ()()()、世界を滅ぼし、人類を3割にまで減らした男の怒りが、メドゥーサに向けられた。

 

 明らかに世界を救うどころか滅ぼす側の人間である。

 

 阿頼耶は1度メディカルセンターで頭を受診してもらうべきだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 TIPS€ 寿命3日消費。

 

 

 TIPS€ 残り寿命1ヶ月と2日。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





本当ならこんなの書いてる暇じゃないんだけどさぁ!
やっぱおもしれぇのよ!

考察すらままならねぇしなぁ!
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