「あ」
「あ」
久しぶりに有馬かなに会った。
「久しぶり」
「久しぶりね、アクア。最近頑張ってるみたいじゃない」
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A020
「つーかーれーたー」
アイのドーム公演が何事もなく終わった。
何を押しても行きたくはあったが、行くつもりのなかったドーム公演に三人で行ってきた。
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A021下世話な話
現在、アクアとルビーは壱護さんたちの戸籍に移してある。
うちの親の戸籍に移すと言う選択肢もあったが、繋がりは少しでもなくした方が良いだろうという事でそうなった。
つい先日、五反田監督によるB小町のドキュメント映画も上映され、今まで表に出ていなかったアイの根っこの部分が少し表に出ることになった。
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A022
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A023
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A024
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A025
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E001
「お前さ、前から思ってたけどギャグ系だよな」
「うん。私どちらかというとコメディエンヌ適性の方が強いから今のクール系の売り出し方に疑問を覚えてる」
とか言いつつあまり表情は変わらないんだよな。
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E002
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E003
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NEXT is ...
L001お帰りパパ
「ねね、これなんか凄くない? ほらここ、わけわかんないよね!?」
「いや、お前、ほんとお前……いや、確かにこれは凄いな」
子供たちの声が聞こえる。
リビングへの扉を前にして意識が途切れていたかのような違和感。
扉のガラス越しに子供たちが見える。
ガチャリとドアを開ける。
高校の制服姿の子供たちがこちらに顔を向ける。
ルビーが満面の笑みを浮かべて言った。
「お帰りパパ!」
瞬間 頭が沸騰した
のを無理やり抑えつける。
視界が白と黒に明滅し、心臓がうなりを上げる。感情のまま行動する己を夢想する。
しかし、胸のあたりを強く掴み、堪えると、止まっていた呼吸をゆっくりと吐き出した。
渦巻くすべてをねじ伏せ応える。
「ああ、ただいま」
「ほら、お兄ちゃん! 許してくれた!」
「いや、もう、ほんと申し訳ない! 悪気だけはないんです! 最近特にタガが外れ始めているというか、やっていいことと悪いことの区別が付かなくなってると言いますか、私の管理不足により多大なご迷惑をかけてしまい誠に申し訳なく、申し訳なく思っております! ささ、どうぞこちらに座ってください!」
昔見たアニメの記憶をほうふつとさせる喋りと動きを見て気が抜けた。
勧められるままソファーにどっかりと腰を落とし、力を抜いて体を沈める。
目を瞑り、心を落ち着かせる。
「ルビー、アクア。すまないが、姿は元に戻してくれないか? 君たちはアイの子ではあるが、オレの子ではないだろう」
二人の外見は子供たちが育てばこうなっているだろうと想像できる姿だった。
「んー、こっちの方が良いと思ったんだけどまずかった? じゃあ、変えあががががが」
「誠に、ま こ と に 申し訳なく」
兄弟仲は良いようで一安心だな。
「はい、もういいですよ」
聞きなれた、聞きなれないアクアの声に目を開ける。
ルビーはあまり変わりがないな。いやほとんど変わらない。アイの遺伝子が強かったから当然か。対してアクアは少し印象が変わる。
「ああ、思ったよりオレの遺伝子も悪くないのか。さっきの姿と甲乙つけがたく見える。負けず劣らずの様で少しホッとするな」
見かけと言うのは割と大事だからな。本来より格差があると感じてしまうと少し責任を感じてしまうところだ。
「あっちのお兄ちゃん、パーツはお兄ちゃんより冷たい印象あるけど雰囲気がパパみたいに優しげだよね」
アクアは何か言いたげだったが、それらを飲み込んで黙ることにしたようだった。
「パパってば頭いいし、草食系というか聖人系と言うか覚者系と言うか、私が何も言わなくても大体もうわかってるみたいで、大変結構。このまま楽しく会話もいいけど、まずは何か聞きたいことある?」
ルビーに水を向けられる。
いろいろあるが……
「オレはコピーか?」
そうだな。この子がオレの神様なら聞くのはこれだろう。
「ほんとすごーい! 私、頭の出来じゃ完全に負けてるんだけど……どうしようお兄ちゃん」
「ぽんこつが……! ポンコツが治らない……!」
左手で顔の左側を覆い、深刻そうに吐き出すアクア。
こんな状況になっても人生を謳歌しているようで何より。思ったよりも悪くない状況のようだ。
「こほん。パパはコピーだよ。ただあっちにいるパパと魂を含めて何一つ違いのない完全に別のパパだね」
干渉をする気は無しか。いじりたくないならこうなるのも妥当なのか。
「ルビー。君がオレをパパと呼んでくれるなら、これは守りなさい」
『二度と知性あるもののコピーは作成しないこと』
「ルビー。普通の人は、生きて、そして死んでいくものなんだ。感覚がずれてきているようだから気をつけなさい」
言ってしまった後でこれは人の言い分だなと気が付いた。ちらとアクアを見ると頷いてくれたので、神としても別に問題がある言い分ではないのか。
神の常識なんてオレにはわからないからな。
「はーい。二度としません」
他は、追々だな。
返事は軽いが、言ったことは守ってくれるだろう。随分と神様らしくなってしまったものだ。
それに比べてアクアの方は感性がほぼ人間のままらしい。
アクアに目を向けるとおずおずと口を開いた。こちらはオレに対しかなり引け目を感じているようだ。
「あの、まずですね。今あなたが存在する以上望まない限り消す気はないことをここで宣言しておきます。私があなたのことを知ったのはつい先ほどなのですが、あなたも私たちのことを認識していなかったと把握しているのですが……現状を、どのくらい把握なさってますか?」
「そうだね。君たちが神と呼ばれるに足る力を手に入れたアクアとルビーだということはわかった。私はルビーがなんとなく放り込んだ人間で、思った以上に成果を上げたから試しに呼んでみたと言うところか」
「違いますー。私たちにもパパがいてもいいかなって思ったから呼んだんですー」
「何となく放り込んだ方を否定しろよ」
兄弟仲は良さそうで何より。
「んーそっちはママに一番合いそうな人をかなり探したんだよ。思った以上にあいすぎて、『え、なんでこの人が私のパパじゃないの?』って思ったんだけど」
「いや、それはさっきオレも思ったけどな!」
「ママの理想のお婿さん探してたら、理想のパパだったとか私もびっくりだよ」
「アクアもお父さんと呼んでくれてもいいよ。少なくともオレは君たちを実の子として対応しよう。あっちにはオレがそのまま残っているようだしな」
「本当に、ほ ん と う に 申し訳なく」
「いーだだだだだだ」
オレのこめた嫌味を正確に受け取ったアクアがルビーのこめかみをぐりぐりしている。
やはり力があるだけで感性的な部分はほとんど人間と変わらない。これだけの力があれば人の心を読むことも問題なくできるだろうに、おそらくしてきていない。
少し笑みがこぼれる。
うちの子たちと根の部分は変わらないようだ。
「いいよ。オレはルビーの行いを許そう。だからアイも連れてきた方が良いなんて考えないように」
「んーあのママなら同じように呼んだ方が良いと思うけど……まあ、ママはママだけど、私たちのママはママだけだし、約束もしたからパパが言うならやめとくね」
「まあそうだな。だけど知らなければわからないことだよ。あっちにいる私が知らないように」
「知ったら怒ると思うんだけど」
「話を戻そうか。とはいっても基本さっき言った通りなんだが……ああ、ルビーがオレを連れてきている可能性は一応想定していた。この世界には神がいて、人が神になれるのなら、ルビーがそうなることを否定する要素なんてないからな」
「ふえーやばいよお兄ちゃん。既に容疑者だった。あ、ならお兄ちゃんも?」
「アクアがしてるとしてたら、もう完全に壊れてる感じだっただろうし、アクアでなくてよかったよ。ルビーなら割と順当と言うか……オレが知っている原作でも話の流れ的にもメタ的にもラスボスはルビーと言う流れだったし……ルビーに直接言うのは少し気が引けるが、外見は母親似だけど内面は父親似っぽかったから……あまり考えたくない仮定ではあったが、一番縁もゆかりもある仮定でもあった」
「失礼な! 自覚あるけど!」
「そうだよな。お前結局あいつのことを許したというより、アイが許せと言ってるし、オレ以外は割とどうでもよくなってたから受け入れてただけだもんな……」
「え、何? ここにきて断罪系???」
断罪する気はないが、割と断罪されてもおかしくない所業だと思うわ。
だがオレは許そう。
だから神がルビーだと確定してないオレから向けられる嫌悪は甘んじて受けてくれ。
「これからでもいいから少しは反省しなさいという話だよ。別に反省したら力がなくなるというわけでもないんだろう?」
「ふぁーい」
さて。
さて?
右肩に手が置かれる。
首を回して右後ろを見るとそこにはアイがいた。
目線をずらしてルビーを見ると手を横に振って自分ではないと示している。
アクアはさっと顔と目線をそらす。
「ルビーがやってしまった以上他に選択肢が……」
そうだよなぁ! お前お母さんっこだもんなぁ!!!
「テルくん。テルくんってそういうとこあるよね」
こわ。いや、こわ。
「待て、話せばわかる」
話したらわからないからこその選択だったんだが。
「うん。わかるよ」
笑顔。
こわい。
「でも、納得できると思う?」
小刻みに横に首を振る。
「だよね。ほんとアクアは孝行息子よねー」
おお、もう。
後ろからルビーの笑いをこらえる音が聞こえる。
まるでだから言ったのにとでも言いたげな。
いや言ってたけどな。でもオレだってこんな即行で後ろから刺されるとか想定してないわ!
「だからわかるよね」
首を小刻みに縦に振る。
「お」
「お?」
アイがかわいく首をかしげる。
「オレたちの戦いはこれからだ」
ぱーーーん!
思いっきり頬を張られた。
これにて完結です。r
ここ一年ほど続きを書こうか書くまいか悩んだ結果、そもそもあと少しで終わる予定で、気になる点と言えばアイの選択ぐらいだったので諦めました。
期待していた方には申し訳ない。筆が進まなかったんだ。
まあなんもかんも書くよりも想像の余地があった方が良いともいえるし、いや、端折った本人が言うなよって話なんですが。
ここ一年でエンディングなんかは書きかけのがあったけど中途半端だったので出せないです。
続き書くのを諦めて、このラストも書くべきか迷ったんですが、オリなら蛇足すぎて絶対に出さないですけど、二次なら逆にこのラストを出すのは必然かな、と思い久しぶりに筆を執った次第です。
読者的には急展開かと思いますが、ご容赦を。二次創作たるもの設定のネタバレは完遂しなければならないと思い書き上げました。
実質本編には関係ありませんし、神様とか転生を扱う二次創作あるある系の設定だと思います。
自分がぱっと思いつくのだと、濁流の――とかダークサ――とかですかね。
(この二つを自力で探し出せる人はとっくに読んでるだろうし、できないなら以降も読めないだろうという判断からネタバレですが上げさせてもらいます)
まあ、あまり言うと歳がばれる。でもああいうの大好き。
ちょっと一年前なのでよく覚えてないのですが、設定上役割のみあって配役を決めていなかった神様と言う位置にルビーが入ってきた感じなので、当初とはキャストの変更とか起きてます。
そもそも最初は匂わせるだけ匂わせて、本当に匂わせるだけの奴があるかよと言う流れを想定していたので。
筆休めてる間に、キャラのステータスとか出てきてたので、あー、やっぱ電子上の世界で神様は上位管理者とかそういう扱いなのね、そりゃコピー&ペーストも権限次第で対価なしだわと一人で納得してました。
まあ本当にそうかはまだわからないんで、作者がそう思ってるだけなんですが。
ちなみにルビーラスボス説は作者的にずっと思ってます。
アクアがアカネと物別れした時点でアクアラスボス説はほぼ消滅した感じです。余りにもストレートすぎる。
最近の原作読んでてもずっとミスリードしつつ、ルビーの描写を省いてるなと思ってるので、実際にラストとして描写するかはともかくとして、そのルートを想定はしてるはず。
だって、あの状態のルビーがアクアとカナのカップリングを認めるはずないじゃん。絶対ラスボスだよ。()
元々主人公の片割れ、主人公の前世に恋心を抱き続けている妹が、本人だと知ったのにそれを許すわけないだろ。いい加減にしろ。絶対添い遂げる気だよ。バーロー。
と言う感じですね。作風としては少女漫画系列だと思ってるので間違いないですよ。
最近の原作展開、と言うより筆が止まってからの原作展開については、面白いかどうかは割と賛否あるので自己判断に任せますけど設定的にはあまり乖離する点はないようになっているかと思います。
というよりも、書いていた内容は基本的に設定が固まってる部分だけで作り上げてるので、よっぽどのどんでん返しがない限り破綻しないようにしてるためです。
そういう部分は全部オリ主君の想像と言う形で書いてきましたしね。既に想像が違っている部分は出ていますがその辺はライブ感もあったから……ヨシ!
さすがにここからのちゃぶ台返しはなかろうて(慢心)
さて、読まれた方はわかるかと思いますが、このラストは本編に生きてるオリ主くんには何ら影響は与えないし、そのまま彼らの生活は進んでいきます。
コピられた方も死ねるかどうかはともかく、そのまま先に進んでいくという感じですね。
本来は本当に最後までノータッチの設定だったのですが、つい最近考えを覆したためそれならと筆を執り書いた次第です。
こんな結末なら見とーなかったと思われる方もおられるかもしれませんが、書きたかったのでごめんね!
ちなみにアイさんは途中でアクアにコピられて、舞台裏でアクア分身の説明を聞きながら皆の会話を聞いてました。これはぐーぱんものですよ。
ジェバr
品質がいいとは言えませんが、久しぶりに楽しんで書けたと思います。
頭の中ではできてたから一晩でやってやったぜ。
一年ぶりですが、こんな前書きも後書きも長い作品を読んでくださりありがとうございました。
またどこかで会えたら嬉しいです。
あ、あとその時どう思ったとかあるのであまり手は加えてないですけど、後書きでちょっとどうかなと思ってた部分は今回出すにあたり変えてます。
今回の前書きのはほぼ去年書いてたやつの残骸ですね。
うちのアクアくんは今回の前書きからわかるかもしれませんが、王者フリルとくっつく予定でした。ヒロインレースが始まる前にかっさらう形ですね。フリルさん大勝利。
ちょっと返信はできるかどうかわかりませんが以上となります。
ではでは。
お久しぶり & またね
20240916