「古鷹のお腹を撫でたい」
「……はぁ?」
この提督は頭がおかしくなってしまったのかと、秘書艦の加古は思い、同時に我が姉の古鷹を守らねばとも、考えた。
「いやぁ、別に無理矢理する訳じゃ無いぞ……あぁ、頼むからさぁ20.3cm連装砲を向けんのは辞めてくれないか? ……俺人、ユー艦娘、我くらうと死んじゃうオーケー?」
「……おーけー提督、言いたいことはそれだけなのね……加古スペシャルをくらえ!!」
執務室に轟音が響き渡った。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「加古がすみませんでした、きっとあの子も反省しているでしょうから……」
【計画通りだ!】
完璧だな、加古の古鷹が何かされないかという不安を煽り何か問題行動を起こさせて、秘書艦を古鷹にチェンジする計画は上手く行った、問題なしです。
さぁ、こっからどうしよっかなあ?
お腹を撫でる? 触らせてもらう? それとも? うーむ、難儀なもんだな、やる前はアレやるコレやると言ってもいざ成功したら、どっちにするか悩むにゃしいとなっているなぁ。
「へっクチ! いま何か言われたような?」
どうしよぉぉぉぁぉぁぁあああ!!!
何する、どうする、やばいなぁ何も思いつかばない、否、思いつくが、実行する勇気がない!!
これじゃせっかくここまで頑張ったのに意味がなくなってしまう。
よしっ……!!
おれはやるぜ……おれはやるぜ……やるんだ..!!
今っ此処で……!
「古鷹……」
そう何時もよりも、低く弱弱しい口調で話す。
古鷹は心から心配そうな目付きで私のことを見ている、これから私が言う事はその心配を砕いて、純粋で温かきその心を裏切るというのに....
「すまないが……お腹を撫でさせてくれないか……」
言った、言ってしまった。 何と私は言われるのだろうか、もう何もかも受け止める覚悟で顔を下げる.……「提督」
あぁ、駄目かな..やっぱりそうなるかなぁ。
「顔を上げてください…」
「……!」
顔を上げ、古鷹の方を見る……そこにはいつも通りの温かい眼をした古鷹がいる。
「否定しな「否定なんてしませんよ」
手に暖かなものが上から覆い被せられる……それは確かに古鷹の手であった。
とても……ぬくもりがある。
「提督は…この眼を怖がったり、気味悪がったりする事なく…逆に綺麗な眼だと言ってくれたじゃ無いですか....私っ色んな鎮守府に居たけど..そんな事は..初めてで....嬉しかったです」だから....
そう言う古鷹はの口調と眼からは、嘘なんてなく、ただひたすらに感謝の気持ちだけが見えた。
「だから……触っても良いですよ……提督♡」
古鷹の顔は少しの羞恥心と期待にその肌を赤くさせており、とても可愛らしかった。
「さ、触らせていただきます」
ゴクリと息を呑む
古鷹は執務室のベッドに横になって、服を少し捲り、その温かそうなお腹を無防備にも程があるといった感じに見せていた。
そして、その無防備なお腹を触った。
んっ、と声が古鷹から出る、その姿がどこか扇情的でつい興奮しそうになるが、そこは理性で押し止められた。こんなに良い思いをさせて貰っているのに、さらに良いことをするなんて、良く無いことであると思ったからだ。
古鷹のお腹は想像していたものよりも、断然柔らかくて、温かくて、クセになる感じだった。
握ってみたり、撫でてみたりする。
お腹の肉が呼吸により上下に少し動く感覚と、内の暖かなものが手に、確かに、感じとれた。
古鷹が手を私の背中に回してくる、そしてそのまま私の顔をお腹に寄せて、こう言った。
「古鷹の良いところ、もっと知ってくださいね」と。
私はそのまま古鷹のお腹の温かさで、眠気がやって来た、執務室での業務は終了したし時刻は20:00(ニーマルマルマル)丁度いい。
そのまま古鷹のお腹の上に頭を乗せ、眠りにつくことにした。
頭を古鷹に優しく、ゆっくりと撫でられる。それの気持ちよさと言ったら、もう、成仏出来るぐらいであった。
だんだん目が重くなる..おやすみ、古鷹....
「おやすみなさい、提督」
その言葉を最後に、私の意識は夢の中へと消え去った。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
古鷹に昨日は甘やかされた。
いつも辛い日々である提督業であるが、たまにはこのような事もあってもいいだろう。
時たまの平穏が人を形作る。
あぁ、やっぱり古鷹は天使だ。
こんなやつにも平等に愛を授ける。
慈愛の心で、慰める。
純粋な……心で…………。
この子を守りたい、愛したい。
そう、私に出来ることを考えれば。
……天使が汚れぬように、穢れを取り除く。
……そんな事だった。