無個性『筋肉』   作:ベルゼバビデブ

1 / 67
n番煎じの筋肉的二次創作ですが楽しんでいただければ幸いです。


トレーニング01 逆立ちで砂浜をダッシュは散歩の範疇ですよ?

 私の名前は八木俊典、最近この辺りに引っ越して来たヒーローだ。ヒーロー名は皆様ご存知オールマイト!

 

 …まぁ、今はトゥルーフォーム…見た目は骸骨ってところかな。朝の散歩は気持ちが良い。特にこの公園は海が綺麗だからね。

「…おや、またやってる」

 散歩をしているといつもの男性を見かけた。砂浜を逆立ちでダッシュしている緑髪のゴリマッチョ、うん、私の全盛期と大差ない見事な仕上がりとキレだ。素晴らしいな。彼は突然止まったかと思うと何かを拾い上げた…空き缶かな?

 

「フンッ!!」

 

 突如巻き起こった突風に思わず目を閉じ、再び目を開くと…そこにはSDカード程の大きさになった空き缶だった物が摘まれていた。

 

 なんで?

 

 そうはならんだろう。すると、こちらに気が付いたのだろう、彼はお辞儀をして来た。礼儀正しい人のようだね。まぁ、お辞儀の勢いで吹っ飛ぶかと思ったけどね。

「おはようございます!」

「あ、あぁ、おはよう。今日も精が出ますね」

 声デッカ、鼓膜破れるかと思ったよ。しかし…すれ違いざまに挨拶をすることはあったがマジマジと見てみると…顔が幼いような…?

「朝のお散歩ですか?良いですね!僕も散歩中なんです!」

 そう言って白い歯を眩くチラつかせてくる彼に疑問を抱いた。散歩…?逆立ちしてダッシュは散歩とは言わない。

「あぁ、うん。綺麗な海を見ながらの散歩は気持ちがいいからね」

 すると彼は突如サイドチェストのポージングをとった。どうした?いきなり。

「そうですよね!この気持ちが良い海岸線、掃除した甲斐がありました!」

「あぁ、さっきも空き缶を拾っていたものね。素晴らしい心掛けだと思うよ。」

 綺麗な砂浜を守る気持ち、とても素晴らしいものだ。世の中にはヒーローに憧れるものは多いが、こう言ったゴミ拾いなどの行為も立派なヒーロー活動だと思う。

「えぇ、冷蔵庫やトラックが置いてあった時を考えれば見違えましたね!」

 …ん?きっと聞き間違いだろう。

「冷蔵庫…?」

「はい、ここはもともと海流の影響でゴミが漂着し易く、それに便乗した不法投棄が後を絶たなかったんです。まぁ、全部僕が1人で片付けましたけどね!身体も鍛えられて一石二鳥でした!」

 成程、不法投棄された家電なども運んでいたならここまで鍛えられても不思議………だな、普通はここまでにはならないと思う。

「鍛えて…そうだね、確かに素晴らしい筋肉だ。」

「いえ、僕なんてまだまだ…憧れのオールマイトに比べたら!」

 うっ…この姿の時にオールマイトの話をされるとドキリとするなぁ…

「オールマイトみたいに空が飛べるようになりたいです。まだ水の上を走るくらいしか出来ないので!」

 水の上を走る?何を言ってるんだ彼は…?

「あ、そろそろ行かないと学校に遅刻しちゃうので僕はこれで!」

 …。学校?学生…?学生!?あれが!?嘘だろ!?

 

〜〜〜〜〜 〜〜〜〜〜 〜〜〜〜〜

 

 ヒーロー活動を終え、街を歩いていると筋肉学生を見かけた。驚いたな、マジで制服着てるな…ちょっとパツパツだけど…。確かに私も学生時代に鍛えていたが水の上を走るなんて不可能だったし、そもそも無理だろう。

「あれ、貴方は…」

「やぁ、奇遇だね少年」

 手を挙げてニコリと挨拶をすると、突如マンホールからヘドロ状の何かが現れた。

「大きめの隠れ蓑発見!」

 このヘドロ…ヴィランか!マッスルフォームになれば風圧で吹き飛ばせるが、近くには筋肉学生が居る…!

「君!早く逃げ…」

「危ない!!」

 制服の上からでもわかる筋肉隆々な背中が私の前に立ちはだかった。なんと言うことだ、彼は私を庇おうとしている…!私が迷ったばかりに…!

「苦しいのは一瞬だよ。すぐに楽になるからねぇ」

 あぁ、なんと言うことだ!彼の口の中にヘドロヴィランが!直ぐに助けなければ…!

 彼は圧倒的筋肉でもがいているが、掴めている様子はない…!やはりそうか…!

「無駄だよ、流動的なんだから」

 こうなれば直ぐにマッスルフォームになって彼を掴みつつ思い切り空間を殴って風圧で吹き飛ば…

 

「ハックショイ!!」

 

 それはまさに圧倒的暴風だった。口や鼻に入り込んだヘドロヴィランという異物に彼の肉体が反応して起こしたただの生理現象、だが…うむ、彼ほどの圧倒的な筋肉であれば殺人的肺活量があっても不思議では無い…の、かも…しれない。なんだ、殺人的肺活量って。…兎に角、圧倒的筋肉と殺人的肺活量が齎したくしゃみは一瞬、その一瞬何者をも吹き飛ばす暴風を引き起こしたのだろう。知らんけど。私も吹っ飛んだしね。驚いたよマジで。

 そして…吹き飛ばされて地面に激突したせいだろうか、流動的肉体でありながらヴィランは完全に気絶していた。なんてこった。

「と、取り敢えずペットボトルに閉じ込めよう。」

「手伝います。」

 こうして私と彼でヴィランを回収し、私はそれを警察に届けることにした。どうやら彼もついてくる気らしい。

「警察に届けて書類出すだけだから地味だし退屈だよ?」

「ヒーローになった時の参考にしたいので」

 真面目な…ダブルバイセップスフロントのポージングさえしていなければだが…態度で言われれば私も断れない。しかしヒーロー志望か、私…いや、オールマイトに憧れているのだから当然なのかな。ゴミ拾いという慈善活動に咄嗟に私を庇った優しさ、そしてどんな個性かは知らないがヴィランに打ち勝ったタフネスとパワー、いずれもヒーローの素質は十分だな。そういえば助けられた礼を言ってなかった。いけないいけない。

「そうそう、忘れてたけどさっきは助けられたよ。ありがとう。」

「どういたしまして!」

 うん、モストマスキュラーはいいから、いちいちポージング取るのやめな?

 

 




緑谷のイメージは首から上が原作で首から下はオールマイトですね。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。