そしてあるキャラクターの出番がごっそり消えます。
殴られた所がまだ痛ェ…畜生、あのガキマッチョ許さねえからな…。
「死柄木弔、もうすぐ雄英体育祭の時間ですよ。」
「あ?あぁ…ヒーローの卵どもが友情努力勝利みたいな事やるのはムカつくけど、先生がこれも情報収集だって言ってたもんな…」
俺がテレビをつけるとガキマッチョが画面いっぱいにその筋肉を見せつけていた。テレビを消そうとリモコンを再度手に取ろうとしたら無ェ、黒霧だな…?
「黒霧」
「ダメです弔」
黒霧ィ…!お前の個性がワープじゃなかったら塵にしてる所だよ…!
『…筋肉を見せつけ合うことを誓います!』
誓うなそんなもん。
『良い!』
終わってんなこの学校。
暫くテレビを見ていたが、ただの体育祭にスゲェ金掛けてんな…。デッケェロボを3体も投入…入学金やらでぼったくってんだろうな。
「障害物レース一位はあの緑谷という少年…少…?…少、年…の、ようですね」
「あんだけ鍛えてたら普通筋肉が重くて遅いはずなのにどうなってんだろうな」
やめろ。ゴールしたからってカメラ目線でラットスプレッドフロントすんな。暑苦しいんだよ。
「次は騎馬戦ねぇ…俺が騎手なら相手の騎手を崩壊させて一位だな」
「なら私はワープで貴方の手を別の空間にワープさせます。」
「なんで俺と黒霧が別の騎馬なんだよ」
そんな雑談をしているとあのガキマッチョに挑む爆発頭のガキが目に入る。
「良いなぁ、このガキ…!いかにも凶暴そうだ。なぁ、機会があったらスカウトしないか?」
「雄英生徒から我々に与する者が現れたら確かにヒーロー側へダメージを与えられますね」
「ヒーローからヒーラーへの転向さ!はは、良いなァ…!」
気がつくと騎馬戦は終わり、休憩を挟んでタイマンバトルをやるらしい。チアガールの横でパンイチになり筋肉を見せつけてるガキマッチョなんて俺の視界には入って無ェ。無ェったら無ェ。
「おい黒霧ィ!女が脱いだぞ!」
「落ち着いてください死柄木弔。彼女は透明人間です」
全国中継されてんのに全裸になるって痴女だろ。…あ?おいやめろガキマッチョ!テメェも脱ぐなおい!!
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「エンデヴァー!指名、ありがとうございます!それにしてもいい筋肉してますね、ナイスバルク!」
「爆豪という少年とも迷ったが…まぁ、君の方が向いていると思って君を指名させて貰った。…あのオールマイトに匹敵する筋肉とはな。緑谷…いや、デクだったな。ナイスバルク!」
緑谷と親父がお互いサイドチェストしてお互いを褒めあってやがる。
なんだこれ、地獄か?帰って良いか?マジで。
「では早速焦…ショート、それにデク!お前達2人には今から模擬戦をして貰う」
「僕達とエンデヴァーでですか?」
「いや、違う。ショートとデクとでだ。安心しろ、俺が見ていてやる。全力でぶつかり合うといい」
親父、喋る時に緑谷みたいにサイドトライセップスとかモストマスキュラーとかポージング変えるのやめてくれ。そして緑谷、親父につられてお前もポージングを変えるな。
「安心しろ。このバトルルームは俺の全力にも耐える設計だ。お前達の闘い程度耐えられるだろう」
親父はあんな事言ってるが…緑谷の本気ならブッ壊せるんじゃ無ェか?
「それでは…はじめッ!」
瞬間、俺の眼前に拳が迫っていた。早ェ…!
「おっと、ストップだデク。ショートは俺と異なりあまり頑丈では無い。その速度で殴ればデクの炸裂的筋肉の殴打により顔面から破壊の衝撃が全身を伝わり四肢が爆散するだろう。…まぁ、流石に当てるつもりは無かったんだろうがな」
そんなヤバい殴打放とうとしてたのか?同級生に?正気か?
「流石はエンデヴァー。しかし僕を止められるなんて流石ですね」
「伊達にNo.2ヒーローなどと名乗っていない」
俺は今、生まれて初めて親父が凄え奴なんだなって思ったよ。
「良いか焦…いや、ショート。ヴィランの中にはタガの外れた者がいる。そいつらの攻撃を受けて耐えられるなどと考えるな。一撃一撃が必殺だと思え。」
「そうだよ轟くん。僕なんて中学生の時いきなりヴィランに身体の中に入り込まれたんだから。まぁ、その時はくしゃみで弾き出したけど」
コイツらの話、なんか次元が違くないか?
それから…俺は膨冷熱波を放ち、それを緑谷は正拳突きで相殺、なんか自信無くすな…。親父に左のコントロールが甘いと叱られた。それに咄嗟に出るのはいつも右の氷結だと指摘を受けちまった。長年の癖は抜け無ェな…。
「そうだ…聞きそびれていたがデク、お前の個性はなんだ?職業体験とはいえこの俺のところに来たのだ。お前にも何かしら得るものが無ければ俺の面子が立たん。」
「?無個性ですが…?」
あぁ、そういや緑谷って無個性だったか。あまりにも異常な筋肉すぎて忘れてたな。
「?お前は何を言っている?」
「ですから無個性です。」
「済まないショート、わかるように翻訳してくれるか?」
「諦めてくれエンデヴァー。緑谷は無個性なんだ。でもオールマイト並に筋肉がある」
すげぇな緑谷、親父の目が点になってるぞ。
「…そうか、筋トレだけでその域に達しているのか…見事と言わざるを得ないな。ナイスバルク!」
「エンデヴァーもナイスバルク!」
今日はもう帰って良いか?明日はサボってやろうか「「サボりはダメだ」」やめろ…俺の心に同時に話しかけてくるな…!
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今日はヒーローの職業体験としてパトロールをしている。父親としての親父は褒められるところなんて無かったが…。ヒーローとしては一流なんだなってのがよく分かった。
「むっ!」
「むむっ!」
緑谷とほぼ同時に駆け出し、ほぼ同時に現場に到着、即座に連携、スピード解決。俺はその間追い付くために走るので精一杯だ。畜生…なんであんなに息ぴったりなんだ。いや、泣き言なんて言ってられねぇ…!この際親父や緑谷から技術を盗ませて貰う…!
「デク、お前異変を感知する速度が速いな。卒業したらウチに来ると良い。」
モストマスキュラーをする親父と…アブドミナルアンドサイをする緑谷…あれだな、近づきたくないな。
「ええ、筋肉探索のお陰で」
ダメだ。参考にならねぇ。「大丈夫だよ轟くん!轟くんも僕みたいに鍛えれば!」どこが大丈夫なんだ。そしてしれっと心の声に話しかけてくるなよ。
「待てデク、今からショートがお前レベルまで鍛えるのは現実的では無い。」
コイツ本当に親父か?まともな事言ってるぞ「父親に向かって失礼だぞ焦凍。」五月蝿え。やっぱりお前もまともじゃねぇ。
「ショート、俺が何故常に炎を出しているか知っているか?」
「あ?格好つけじゃねぇのか?」
「そんな訳がないだろう。この炎の揺らめきにより周囲の微細な変化をキャッチしているんだ。」
…知らなかった。炎にはそんな使い方があったのか。
「更に俺の筋肉が周囲の変化を察知する。これら二つを組み合わせる事でその精度を高めている」
「凄い!炎にそんな使い方が!」
一瞬でも尊敬した俺が馬鹿だったよ親父。
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結局、親父の言ってた炎の揺らめきによる探知は学校で自習しろという事になり、俺達は今保須市に向かっている。移動中常に筋トレしている親父と緑谷に合わせて俺もやっていたが…無理だ。体力が保たねぇ。なんだコイツら。
しかし、保須市で事件が起きた。
「…む!なんだこの気配は…!」
「この感じ…脳無!?」
「脳無だと…?ヴィラン連合なるチンピラが連れていた改造人間とやらか…?」
雄英襲撃時に緑谷が倒したという脳無とかいう化け物の発生だ。
「ついて来い、ショート、デク…ってデクはどこだ!?」
「え?」
…本当だ。緑谷の奴居ねぇ…。
「親父、俺が探してくる。アンタは現場頼んだ。」
緑谷…無事だと良いんだが……………
…。
いや、緑谷なら問題ないか。
筋肉に侵食された結果、エンデヴァーが脳筋属性を会得しました。
多分この轟くんは氷と炎と筋肉のハイブリッドにされようとしたと思います。
そしてグラントリノは出番が失われました。