最初は戻ってきた連中を見てたったこれだけかよと思ったけど…まさかな!いや、最高だ!こんなに良い気分なのは久しぶりだよ全く!
「でかしたぞコンプレス!いやぁ、最高の気分だな。あのガキマッチョがこんな小さなビー玉にっ…ってあ?おい、トガも一緒に入ってんぞ」
「あぁ、うん。その余裕がなくてね…。おじさん纏めて圧縮しちゃった」
…まぁトガはクソ生意気で気に入らないガキだったしこの際良いか。爆豪って奴を連れ去るのは無理だったがそれ以上の成果だ。このガキマッチョさえいなきゃオールマイトをぶっ潰せる!
『弔、ムーンフィッシュや血狂いマスキュラーといった優秀な駒を失い脳無まで失った。それに目標の少年も誘拐できなかったのに随分と上機嫌だね?』
「当たり前だろ先生。あのガキマッチョを封じ込めたんだぜ?勝ったも同然だろ!」
前回の雄英襲撃も、ステインもこのガキマッチョにやられたんだ。だが、コイツさえ抑えちまえば残りのヒーローなんて雑魚だろう。
『それは甘いよ弔。オールマイトは未だ健在だ。…ん?』
…あ?なんだ?今の何かがひび割れるような音…。俺の…手の中…か、ら…?
「フンッ!!」
「わぁ!出られました!凄いねェイズクくん!凄いねェ!」
なっ…!?
「おいコンプレス!!なんで個性解除してんだ!!」
「いや違う!勝手に中から出てきやがった!」
はぁ!?そんなことが可能なわけ…「可能さ!!」こ、コイツ俺の心を勝手に…!
「何故なら筋肉に不可能は無いからね!!」
畜生…!見事なモストマスキュラーしやがって…!肩にトガを乗っけてんじゃねぇ!!クソ!!なんでこうなるんだよ!!
「黒霧!コイツを叩き出せ!」
「それは無理だね」
なっ!?黒霧が腹パンされてるだと!?…死んで無いよな?
「これでワープは封じさせて貰ったよ。」
サイドチェストしてるがいつもみたいに白い歯を見せびらかすムカつく笑顔じゃねぇ…!こいつマジだ…!
『…ふむ、緑谷 出久と言ったね?画面越しでも伝わる素晴らしい筋肉だ。ところでそこに居るサングラスの彼女…マグネと言うんだが彼女の筋肉をどう思う?』
先生!?こんな時に何言ってんだ!?
「ヴィランながらナイスバルク!」
!?この状況でアブドミナルアンドサイだと!?
「「今度は全身じゃなく手脚を圧縮してやる!」」
…!いいぞ!アイツがポージングを決めてる間にトゥワイスの個性で増やされた合計二人のコンプレスがガキマッチョに襲いかかってやがる!
「動かないで下さい」
更にさっきからずっとガキマッチョにくっついたままのトガが割れた瓶を首元に突き付けてる!これで動きは鈍るはずだ!
「「圧縮!」」
よし!勝っ………
なっ!?
「フンッ!!」
圧縮されてない!?
「ば、馬鹿な!確かに圧縮したはず…!」
「何故圧縮されないって?その答えは…筋肉さ!!…しかしなるほど、森の中でどうやって僕の背後に回ったのか不思議だったけど誰かの個性で増やした自分に自分を圧縮させ、ビー玉状になって僕の背後に潜むとはね。道理で僕の筋肉探査に引っかからないわけだ!敵ながら見事だね!」
うぜぇ!ラットスプレッドフロントしやがってうっぜえ!!
「まさかこの短時間にトリックを見抜かれるとはね、おじさん困ったな。…というか!さっき全身圧縮したのになんで…ま、まさか!?一度圧縮されたことでお前の筋肉は圧縮された筋肉となり、その圧縮密度は限界となったことで圧縮的筋肉が犇く圧縮マッチョとなり、二度目の圧縮をこれ以上圧縮出来ないから不可とはねのけたってのか!?」
今何回圧縮って言った?
『これは手に負えないね弔。』
ふ、ふざけんな…!こんな馬鹿なことがあってたまるか!!
『ここは退却しよう、弔。今の彼を相手にするにはこちらの戦力が足りないようだ』
…ゴボッ!?な、なんだこの…臭ェ…液体ッ!
「…!逃がすかッ!」
〜〜〜〜〜 〜〜〜〜〜 〜〜〜〜〜
「…プハッ!?ど、どこかしらここ…工場…?」
突然口からクサい液体が込み上げたと思ったら隠れ家のバーからどこかの工場に来ていたわ…?黒霧くんはまだ気絶しているところを見ると彼とは違う個性によるものみたいね。
「いやぁ、残念だったね弔。でも大丈夫、またいくらでもやり直せば良い。その為にボクが居る」
「先生」
先生…あの工場地帯見たいなマスク男が先生なのね。それにしても良い声、惚れちゃいそう!
「弔くんの先生、でよかったかしら?貴方が私達をここに連れてきてくれたの?助かったわ、ありがとう」
「礼には及ばないよマグ姉。さっきは君と彼との筋肉を讃えあう儀式を悪用して済まなかったね」
やはり狙ってやってたのね…。そこは許せないけれど、アタシ達を助ける為にきっと致し方無いことだったに違いないわ。
「この工場…。脳無はここで作ってたのか」
「おっと!勝手に触るのはよしてくれないかスピナー。彼らはまだ未完成なんだ。」
「うげぇ、気持ち悪いです」
トガちゃんの意見には同意ね…。ナイスバルクではあるけれど…。
「悪いねトガヒミコ。でも暫くは熱りを冷ますためにここで潜伏してもらうよ。なに、心配はいらない、ここは誰にも知られていないからね」
…それにしても沢山の脳無がいるわね。ナイスバルクな脳無が…沢山…。
?沢山のナイスバルク…?嫌な予感がするわ。
「ナイスバルク!!!!」
ッ!この声!あのナイスバルク!それに天井を突き破ってくると言うこの凶行、間違いないわ!!
「おや、まさかここがバレてしまうとはね。これは困ったことになった。」
「先生!心配いらないんじゃなかったのかよ!?」
まさかこの大量の脳無のナイスバルクに引き寄せられて来たっていうの!?
「まずはマグネさん、ナイスバルク!」
あらやだこんな時でも律儀なナイスバルク!見事なサイドトライセップスね!私もモストマスキュラーで対抗よ!
「ナイスバルク!」
「…挨拶は済んだかい?仕方が無いから彼はボクが抑えよう。君達は逃げるんだ弔。」
「させない!」
恐ろしく早い攻撃…!緑谷って子、いきなり先生を狙ったわね、容赦無いわ!
「空気を押し出す」
「ッ!?」
凄いわ!先生ったらとっても強いのね!あの緑谷って子の突進を押し返すなんて!
〜〜〜〜〜 〜〜〜〜〜 〜〜〜〜〜
ふむ、間違いない…ただの少年とは思えぬこのパワー、9代目の継承者は彼か…!
「今の攻撃…手を翳しただけであんな衝撃波を…一体どうやって…!」
「それを君に言う義理は無いよ緑谷 出久くん、精々あのオールマイトを引き摺り出すためのエサになってもらおうか」
筋骨発条化+瞬発力×4+膂力増加×3…この組み合わせで…
「空気を押し出す」
「フンッ!!」
おや、流石はワンフォーオールの9代目後継者と言ったところか、こちらの攻撃を見て直ぐに相殺する殴打で対処するとはね。
「その攻撃のカラクリが見えたぞ!」
「ほう?」
それが本当なら筋肉だけじゃない。中々の観察眼だ。こう言うタイプとの長期戦は良くないな、早めに決着を付けるとしよう。
「まさか圧倒的鍛錬によって筋骨を発条化させるなんて…それに凄い膂力と瞬発力だ…!」
え、怖。なんでそこまでわかるの…?
「これだけの威力を出すのに相当な鍛錬と修練を積んだに違いない!ナイスバルク!」
なんでこの子はこんな状況でダブルバイセップスしてるんだ?アホなのか?
「ナイスバルク!」
…???何故ボクは今彼のナイスバルクに反応してサイドトライセップスしてるんだ????
「先生何してんだ!」
ボクにも分からないよ弔。
「それじゃあ次は僕の番だ!」
っと!ワンフォーオールの後継者の殴打をまともに喰らうわけにはいかないなぁ。
「エアウォーク!」
「っ!?宙に浮いた!?」
さて、この距離からまた空気を押し出すか。さっきよりも増強系を増やすとしよう。
「す、凄い!僕の目でも捉えきれない爆速的筋肉で超高速で空中を蹴ることで宙に浮いているに違いない…!僕でも水の上を歩くのが精一杯なのに…ナイスバルク!」
この子さっきからボクの個性を全部鍛錬による筋肉だと思ってないか???やめてくれ、そんなキラキラした眼差しをボクに向けるな。ボクは魔王だぞ。そしてなんで一々モストマスキュラーするんだ。
「ナイスバルク!」
そしてなんでボクも彼に反応してアブドミナルアンドサイするかなぁ…?
「いや、僕も虎師匠の元で鍛えたんだッ!今の僕なら!うおおおおおお!!!」
超高速で脚をばたつかせてなにを…なっ!?空中に浮いて…!?いや、そんなわけが無い。幾ら体を鍛えても空に浮けるはず…。空に浮く…浮遊?…これはまさか7代目の浮遊!?そうだ…何故気が付かなかった…!ワンフォーオールは個性を渡す個性と力をストックする個性の複合個性、つまり歴代継承者の個性も受け継がれているということ…!恐らく緑谷 出久はそれに気が付いていない。だが筋肉で浮くと言うイメージとワンフォーオールの中の浮遊のイメージが合致し、個性が奇跡的に発動している…!?
「君は危険だ。緑谷出久、ここでボクが殺すとしよう。」
緑谷の筋肉に盛大な勘違いをかますオールフォーワン。しかしながらオールマイトよりも先に歴代継承者の個性も使えると言うことに勘違いで気がつけてしまうという謎な事態に。
そして数々の肉体増強個性を奪ったことで緑谷のナイスバルクに体が反応してポージングを無意識に返してしまう難儀な肉体になってしまいました。なんで???
なお、オールフォーワンは顔面を工業地帯マスクで隠しているので筋肉読心術で心を読まれません
感想で「筋肉を圧縮してパワーアップ」とか「内側から圧縮を打ち破る」とか
筋肉読心術の使い手がちらほらいますねぇ