無個性『筋肉』   作:ベルゼバビデブ

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ちなみに現時点で攻撃を緑谷が受け切ってるので神野の悪夢はまだ起きてません


トレーニング20 殴る!

 緑谷 出久…オールマイトと見間違う程の圧倒的筋肉、さらに頭も筋肉もキレる。いずれは7代目の浮遊以外の個性…生憎ボクは知らないが…をも使いこなすだろう。それは困る。ボクが魔王として君臨する為に彼は邪魔だ。本当は弔とぶつけて弔の成長を促したいところだが、優秀なヒーロー候補なら他にもいる。緑谷 出久である必要はない。

「空気を…」

「見切ったッ!」

 成程早い…!それにもう浮遊を使いこなしている。相変わらず個性発動のための心のトリガーが脚を高速で動かす事なのは少し滑稽だが、いずれは完璧に使いこなすだろう。そうなる前に芽は潰しておかなければ。

「それだけ鍛えてるならコレくらいの殴打でもッ!」

 ボクが奪った個性は他にもある。これは緑谷 出久、君の攻撃が強力なら強力なほど君を傷つける個性さ。

「衝撃反転!」

「なッ!?」

 …まぁ、これはボクが受けた衝撃をそのまま返すだけだからボクもそれなりにダメージは受けるんだけどさ。発条化した金骨や幾つかの増強系個性があれば受け切れないことはない。

「な、なんだ今の…!腕がジーンと痺れた…!?」

 …え?ボク結構今の痛かったんだけど君にとってはそんなもんなの?いや、それもそうか、何せワンフォーオールは歴代の力をストックしているんだ。100%の攻撃でないならば例え反転したところで大したダメージにはならないのも当然なのかもしれない。この個性に頼るのはやめよう。やはりここは攻めるべきだ。

 

 それじゃあ…一気に仕留めるとしよう。

 

 筋骨発条化+瞬発力×4+膂力増強×3+増殖+肥大化+鋲+エアウォーク+槍骨!

「キミは己の筋肉を誇ると良い、緑谷 出久!今からオールマイトを倒す為に編み出した…最高・最適の個性で…君を殴る。」

「一瞬で右手が大きくなった…!?なんて筋肉量だ…!凄い…!ナイスバルク!」

「ナイスバルク!」

 ぐぬぬ…彼のラットスプレッドフロントを見たらついついボクもモストマスキュラーを返してしまった。一体なんなんだこれは…!

「では僕も貴方に対抗して全力で…殴る!」

 この最適化された殴打ならッ!!

「「フンッ!!」」

 

 痛ぁ…

 

 ぶつかり合った拳が凄く痛い。なにこれ…

「どうやら僕の方が優っていたようだね!」

 馬鹿な…!複数の個性を組み合わせた最適な殴打だったはずなのに…!やはりワンフォーオール…オールマイトの力は侮れない…!

「どうやら何故負けたか疑問に思っているようだね!それは…筋肉さ!僕の筋肉はさっきのコンプレスって人に一度圧縮された筋肉だからね!貴方が肥大化させて増殖させた筋肉よりも筋肉量では優っていたのさ!」

 彼は何を言ってるんだ???言葉が通じるのに話が通じないって言うのは奇妙な体験だ。だが、この状況…彼の弱点が見えたな。いまだにドタバタと脚を忙しなく動かしている彼は…蹴りが出来ない。つまり再度殴打を仕掛けるフリをして瞬時に蹴り飛ばす。腕力よりも脚力が強いのは当然。パンチでダメならキックをするまでさ。

 

 まずは先ほど同様に腕を個性で強化する。

 

「む!僕に二度同じ技は通じないぞ!」

「それはやってみなければわからないだろう?」

 まだまだ子供だね、緑谷 出久、自らそれを口にしたことで君はボクの腕に自然と注目してしまうだろう。

「行くぞッ!」

「来いッ!」

 今だ…!

 

 筋骨発条化+瞬発力×4+脚力増強×2+エアウォーク+増殖+肥大化+鋲+槍骨!

 

「蹴り!?」

 まだだよ緑谷 出久!ボクにはまだフリーになった両腕があるからね。

「空気を押し出す!」

「ッ!ずっと攻撃に使ってきた技を機動力に…!」

 よし、手応え有り…!血狂いマスキュラー、君のおかげだ。類稀なる緊縮的筋肉による筋肉止血で出血を止めているようだけれど、そこに強い力を加えればッ!!

「ぐああああぁぁぁぁぁ!?」

「流石の筋肉量、咄嗟の攻撃に筋肉を更に硬質化してダメージを抑えているのか?ははは!無駄な事だ、ダメ押しに足先から、空気を押し出すッ!!」

「カハッ…!?」

 おっと、流石に勢い余って吹き飛ばし過ぎたかな。工場の壁を突き破るほどとは。なんで壁一面が吹っ飛んでるのかは考えないでおくことにしよう。

「さて、それじゃあ………むっ?」

 

「SMASH!!!」

 

 この緑谷 出久に匹敵…いや、それ以上の殴打は…!?

「なんという…なんと言う事だ!緑谷少年…!君を巻き込んでしまうとはッ!」

 エサにするとは言ったが少し不味いな、連戦は流石に分が悪い。

「許さんぞ…オールフォーワンッ!!」

 しかし一体どうやってここを突き止めた…?

「工業地帯のようなマスクで顔を隠すことで筋肉読心術対策とはな。敵ながら用心深い…だが!私はお前の考えていることくらい簡単に想像がつくぞ!その答えは…筋肉だ!!」

 筋肉読心術…?なんだそれは?いや、ふふ…もう理解するのはやめよう。時間の無駄だ。

「緑谷少年の放つ圧倒的筋肉から齎される筋肉の波動は私のところまで良く届いたよ。だが、まさかお前に辿り着くとはな!!」

 よく回る口だ。まずは街を破壊してオールマイトの体力を削るか。

「空気を押し出す!」

「フンッ!!」

 なっ…!?パンチで相殺された…!?

「お前の考えていることなど想像が付くと言っただろう?オールフォーワン。大方街を破壊し、街に被害を出すことで怪我人や助けを求める人を作り出し、私に気兼ねなく戦わせない魂胆だろう。そうはさせんぞ!これ以上誰にも手出しはさせん!!」

 戯言を…!

「貴様はここで終わるのだ!オールフォーワンッ!SMASH!!」

 距離を詰めての殴打…先ほどの威力を見れば受けるのは得策じゃ無い。だが、さっきの動き…全く衰えていなかった…避けられはしないだろう。だから…

 

 オールマイト、君の一撃で君の可愛い後継者にトドメを刺すといいさ

 

「転送」

 出来たての個性、転送距離は酷く短い上にボクから送るか、ボクに持ってくるかしか出来ない個性だ。だが、ボクの元へ…盾にするために緑谷 出久を持ってくることくらい造作もない!哀れだなオールマイト!

「緑谷少年ッ…!?」

 よし、動きが鈍…

「カハッ!?に、鈍らない…!?何故!?」

「済まない緑谷少年、君の腹に空いた穴を少し広げることになってしまったが…!!」

 な、なんだと…!?緑谷出久に開けられた腹の風穴ッ…!そこをブチ抜く事で勢いを殆ど殺さずボクへと殴打を…!?

 いけない、すぐに…

 

「逃しはしないぞ」

 ッ…!?オールマイト…!既に背後に回って…!?まずい、既に腕を振りかぶって…いや、まだだ!まずはアブドミナルアンドサイで!

「オールマイト!相変わらずナイスバルク!」

「むっ!宿敵ながら貴様もナイスバルク!」

 ダブルバイセップスか、よし…!このよくわからん謎の反射行為はオールマイトもしてしまうらしい。これで隙が出来た…!このままエアウォークと空気を押し出すで…!

 

「オール…マイト…ナイス、バルクッ!!」

 

 なっ…緑谷 出久…!?その腹の傷で動けるはずが…!それにしてもなんと言うモストマスキュラーだ…!

 

 ッ!しまったッ!見惚れていた!?ボ、ボクの方が隙を…!

 

「緑谷少年!わかっているな!?遠慮は要らんッ!!」

「わかり…ました!オールマイトッ!」

 

「ユナイテッド!!」「ステイツオブ!!」

 

 前後からの…同時攻撃…!これは………避けられないッ…!

 

「「SMASCLE!!!!!!!!!」」

 

〜〜〜〜〜 〜〜〜〜〜 〜〜〜〜〜

 

 オールマイトとイズクくんのダブルラリアット…凄まじいのです。

「おいおい、なんで緑谷ってボウズはあの怪我で動けたんだよ…!」

「コンプレスくん…それはね、筋肉よ!オールマイトの活力的筋肉が腹にブチ空いた風穴から肉体内部を通じて直接全身に流れ込んだ事で全身に活力が漲り、そこに2人のナイスバルクに反応して復活を遂げたのよ!」

 なるほどなのです。先ほど先生に吹き飛ばされた後に近づいた時は確かに心肺停止していたので疑問解決なのです。あれ、黒霧くんも起きたみたいですね。

 

〜〜〜〜〜 〜〜〜〜〜 〜〜〜〜〜

 

「む…私は一体何を…?ここは?」

「黒霧!今すぐワープゲートを出せ!!」

「わ、わかりました、死柄木 弔」

 オールマイト達は先生を倒した後も私達を追わなかったのはすこし不思議だけれど…無事に逃げ出せたことは喜ぶべきかしら。

「…あら?トガちゃんその血どうしたの?」

 いつのまにかトガちゃんが待っている血のストックが増えてるわね。あんなにウットリした顔で見ちゃって…女の子がはしたないわ!

「先程イズクくんから貰ったのです。」

 なるほど、先生の攻撃で傷口が広がった時にくすねてたのね、なかなか抜け目がないわね。

 

 それからテレビを見て…オールマイトのニュースを見て驚いたわ。

 

〜〜〜〜〜 〜〜〜〜〜 〜〜〜〜〜

 

 宿敵、オールフォーワンを倒した。一般市民への被害は無く、建物への被害も工場の壁が吹っ飛んだ以外は無かった。何故なら吹っ飛んだ壁は私が粉微塵に破砕したからね。…一人ではここまで被害を抑えて奴を倒すことはできなかっただろう。

「緑谷少年…ナイス、ファイトだ。」

 ヴィラン連合…本当は彼らも捕まえたかったが、正直もうその力は残されていなかった。辛うじてこの…マッスルフォームを維持するのがやっとだ。緑谷少年は…流石だな、私のせいで広がった腹の穴は既に筋肉止血しているようだ。

「オールマイト、助けに来てくれてありがとうございました。」

「いや、元はと言えば君を攫われてしまった我々学校側に責任がある。生徒を守る為に教師が最善を尽くすのは当然の事だよ。」

 駆けつけた塚内くんにオールフォーワンを引き渡し、緑谷少年と二人で病院へと向かった。この距離ならば我々が直接向かった方が早いが、緑谷少年に無理を言って救急車で向かうことを了承してもらった。緑谷少年の腹の穴は全治1日とのことだ。まぁ、彼程の筋肉量であれば良質なタンパク質を摂り寝れば筋肉の超再生で傷は塞がるだろう。

 

 …筋肉の超再生ってそう言う意味だったか…?

 




オールフォーワンは原作通り敗北しましたが、マスキュラー戦の怪我ありとはいえ、現時点で唯一戦闘力で緑谷に勝利した存在になっています。
 こう書くと緑谷に勝てたのはマスキュラーのおかげのように見えますが、緑谷はコンプレスによる筋肉圧縮ありなのでそれがなければもっと圧勝しています。

もしかして:戦犯はコンプレス
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