リスナー諸君!ご機嫌よう、これから始まる怪傑浪漫…目眩からず見届けよ!私は救世たる紳士の義賊、ジェントル・クリミナル!
『続いてのニュースです。プロヒーロー、サー・ナイトアイにより捕まえられた指定ヴィラン団体死穢八斎會の若頭、治崎 廻の護送中、ヴィランの襲撃を受け護衛していたプロヒーロー、スナッチが死亡しました。また、…』
人殺しなど野蛮な連中だ。全くもってナンセンス!暗いニュースなど見るのはやめよう。さて、早速だが…
動画が伸びない。
何故だ…?ラブラバが凝った編集をしているにも関わらず動画が一向に伸びない。由々しき事態だ。私は歴史に名を残す男になるというのに。
「ジェントル!大変よ!」
おぉ、その声は我が相棒のラブラバ、いつも苦労をかけているが今度は一体どんな事態が?
「動画が伸びないわ!」
それさっきも言ったなぁ…。
「そしてその原因がついにわかったのよ!」
おお!流石はラブラバ!原因を突き止めるところまで行くとは!
「この動画が伸びまくってるから私達の動画が伸びないのよ!」
「ふむ、どれどれ?」
えーっと、確か左クリックで…再生、と。
『画面の前のみんな!今日も僕と一緒にレッツトレーニング!』
うーむ、ナイスバルクと言わざるを得ない…見事なモストマスキュラーだ。そばかすの残る幼い顔、緑の癖っ毛…確か雄英体育祭で暴れ回っていた…そう、緑谷、だったか。パンイチなのは紳士的ではないが筋肉の働きについての解説と効率的なトレーニング方法が分かりやすく動画に纏められている…こんなものを無料で公開して良いものか、許されるなら金を払いたい。…むむ、関連動画にはダイエットメニューやカロリー控えめなスイーツの作り方まで…なんと素晴らしい動画なんだ…!
「はっ…!?いかんいかん、言うなれば彼はライバル…!その動画に魅入ってしまうとは…」
「そうなの!実際このダイエットメニューと手軽に痩せられるって動画を試しに実践してみたら3週間で体脂肪率が3%も落ちたのよ!」
あ、ラブラバ君だいぶ前から実践してたのね。
しかしどうにかして彼を追い抜く素晴らしい動画を考えねば。いや、これほどのクオリティ…簡単に追い抜くのは難しい。何か彼を貶める動画を…だめだ!こんな素晴らしい動画を作る彼を貶すなどそんなものは紳士のする事では…いや、待てよ?
「私がこの動画のトレーニングを実践して鍛えた肉体で雄英に侵入してみたらどうだろうか。私の筋肉は彼が育てたとし、更に私が雄英に忍び込むという偉業を成す。一石二鳥ではないか!」
ただ相手を貶めるのではなく、私の立場で彼に感謝するという流れにする事で貶すことなく世間の風当たりを強くすることができる…!
「早速だが動画作りは一旦やめだ。私は身体を鍛える事にする、完璧な食事を頼んだよ、ラブラバ」
「分かったわジェントル!」
まぁ、この後私の筋トレ前後を比較する動画をこっそりラブラバが使ってたのにはビビったけどね。
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壊理ちゃんは引き取り手がおらず、治崎と活瓶の融合を解除したその個性を普通の施設で預かるのは難しい。しかし、俺が抹消すれば解決するという事なので必然的に俺…というか雄英で保護観察する事になった。まぁ、ヒーローたるものこう言った心に傷を負った子供のケアも出来るべきだろう。…まぁ、気になるのは…
「これがモストマスキュラーさ!」
「もすと…!」
「そしてこれがサイドチェスト!」
「ちぇすと…!」
「更にサイドトライセップス!」
「せっぷす…!」
やめろ緑谷…!幼い女児に何を教えてるんだ…!!
「ないすばるく…!」
ダメだ…早く何とかしないと…!
「緑谷、それ以上壊理ちゃんに変なことを吹き込むな…!」
「変なこと?失礼ですね先生!僕は筋肉の素晴らしさを」
「こんな小さい女児にお前の驚異的筋肉は著しい精神汚染に他ならないんだよ…!!」
クソ…!何で俺がこんな目に…!何か彼女に普通の体験をさせなければ…!
「お困りのようだね相澤くん!」
「校長先生!?」
一体いつ入って来たんだ…!?
「やぁ!こんにちは、私は根津だよ。よろしくね!ハハッ」
「ねずみさん…?」
よし…校長のマスコット性に壊理ちゃんの意識が向いている…!まだ子供らしい関心が残っている証拠だ…まだ立て直せる…!とりあえず緑谷は捕縛布を3つ使ってガチガチに拘束するとして、奴が拘束を破る30秒間の間に何か策を…!
「そう言えば相澤くん、1-Aの出し物は何にするんだい?」
「…そう言えばもうすぐ文化祭でしたか、まだ決めてませんね」
…そうだ、文化祭…!
「根津校長、文化祭に壊理ちゃんを連れて行きたいんですが許可を頂けませんか。このままだと緑谷に汚染されて一生を筋肉漬けで生きていく事になってしまいます!」
「それは由々しき事態だね!勿論オーケーなのさ!」
「文化祭…?」
チッ、緑谷…もう抜け出したか、前よりタイムが縮まってやがる…。
「文化祭!良いですね!壊理ちゃんが楽しめるような出し物にしなくっちゃ!」
まともな事も言えるじゃないか緑谷…!
「そうだ!出し物は」「却下だ」
「まだ何も言ってませんよ!?」
どうせボディビル大会と言い出すに決まっている。「流石ですね相澤先生」コイツ俺の心を…!
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「時間内に決められなければ出し物は緑谷の案である1-Aボディビル大会にする」
あら、飯田ちゃんの眼鏡にヒビが入ったわね。無理もないわ、責任重大だもの。ここは直ぐに助け舟を出すべきだわ!
「飯田ちゃん、出し物はカエルの歌の合唱がいいと思うわ!」
「き、君らしくて良いアイデアだが…相手は同じ雄英生、もう少し対象年齢を上げるべきではないだろうか。いや!済まない!梅雨ちゃんくん!君の意見を否定など!ああくそ!!僕は学級委員失格だ!!!」
やめて飯田ちゃん、教卓に頭を叩きつけないで、怖いわ。
「しっかりしてください飯田さん!無駄に時間を使えばボディビル大会になってしまいますわ!」
必死ね。当然だわ。
「触れ合い動物園なんて、どうかな…!」
あら、口田ちゃんが見た事ないような必死の形相と聞いた事ないクソデカ声で意見を出したわ。余程ボディビル大会が嫌なのね、同意見よ。
「動物はいいかもしれませんが衛生面が…それに動物の確保を口田さんに頼り切ってしまうと負担が大きいですし」
「僕への負担なんかこの際いいよ!!ボディビル大会じゃなきゃ!!!」
キャラが崩壊してるわ口田ちゃん。
「はいはい!ダンスがいいと思う!」
「ダンス…それは良いかもしれないな芦戸くん。」
ようやく黒板に候補としてダンスが書かれたわね。これならボディビル大会にならずに済みそうだわ
「待て、クソ眼鏡…ダンスは全員参加か?」
爆豪ちゃんが口を挟んだわね。どうしたのかしら?
「それは勿論…クラスの出し物である以上全員でやるべきだろう。…まさか爆豪くん!君は自分が踊りたくないから…」
「違ェよクソが!あのクソ肉ダルマにダンスを踊らせる気か!?」
…嫌な予感がするわね?
「アイツは確かに動けるしステップもそつなく熟す。リズム感も悪か無ェ、体の使い方が上手いからキレのあるダンスとダイナミックな手足の動きは見るやつを魅了するだろう」
「そんな…褒めないでよかっちゃん…!」
何この惚気タイム…?
「だが!コイツが踊った後は台風通過後より悲惨な末路が待ってんぞ!!!」
そんな事ある????…いや、あり得るわ。緑谷ちゃんの暴風的筋肉によるダイナミックなダンス…ブレイクダンスでもしようものならそれはまさしく未曾有の大災害、周囲に甚大な被害を及ぼしかねないわ。
「なら…蛙吹の意見を少し変えて音楽系ならどうだ?」
あら、珍しく轟ちゃんが意見を出したわね。あと梅雨ちゃんと呼んで?
「確かに歌うだけなら緑谷くんの………いや、どうなんだ爆豪くん」
「…コイツの歌声は別に不愉快なものじゃねぇ。どっちかっていうとまぁ…悪かない。が!」
あぁ、やっぱり「が」とか「しかし」とか「だが」が付くのね。何となく察してたわ。
「コイツの声量をモロに喰らえば漏れなく鼓膜破損だ。」
「クッ…!歌もダメ、ダンスもダメ…!どうすればいいんだ俺は!!」
「落ち着いてください飯田さん!」
あら、響香ちゃんが手を挙げたわ?
「ラ、ライブ…!演出アリの…ライブなら…どう…!緑谷は裏方で…!そしたら誰も死なない…!!」
「「「「「それだッ!!!!!」」」」」
相澤先生による鬼畜的脅迫により耳郎自らライブを提案する世界線になりました。