無個性『筋肉』   作:ベルゼバビデブ

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緑谷の改変に伴い元から苦労人だった相澤先生は更なる苦労人に。そしてキャラは徐々に崩壊していく

そして諸事情から少し今回の話でキリ付けたかった(30話だし)ので1話に詰め込んだら長くなっちゃった


トレーニング30 服はやっぱりタンクトップが1番!

 クラスの出し物はライブに決まった。まぁ後は生徒の自主性に任せよう。授業での動きを見れば芦戸はダンスが上手い。言い出しっぺな辺り耳郎が演奏に関しては何とかするだろう。演出はそれこそ生徒達の自由な発想に任せれば良い。問題は…

 

 壊理ちゃんに着せる服が、無い!

 

 普通の体験をと言っておきながらまだ彼女は入院患者が着るような服しか持っていない。しかしどうする。俺にその手の類に関するセンスは皆無だ。「お困りのようですね!先生!」…緑谷か、実は壊理ちゃんに着せる服が無くて困っていてな。「なるほど!それは由々しき事態ですね!安心してください!僕に考えがあります!」やめろ。この流れだと嫌な予感しかしないぞ

 

「壊理ちゃんには是非こちらのタンクトップを」

「除籍にされたいか貴様」

 

 どこの世界に女児にタンクトップを着せる奴があるかお前。一瞬でもコイツならもしやと思った俺がバカだった。コスチュームがパンイチの男に何を期待していたんだ俺は…!

「ふむ、女性となると…ミッドナイト先生に」

「絶対にやめろ。お前とは別路線で教育に悪い」

 彼女の方向性がそっちにいくのはそっちに行くので不味いだろう。しかし困ったな。リカバリーガールは…流石に歳が離れ過ぎている。…13号はどうだろうか?

「もしもし、13号か」

『あれ?珍しいですね、僕に電話なんて』

「あぁ、実は…」

 …ダメだった。それも当然か、今は学園祭を控えた時期、13号も教師として忙しい時期だ。こうなれば雄英以外の女性に…ミス・ジョーク…?

 

 論外…!!!

 

「外部の女性ヒーローならワイルドワイルドプッシーキャッツの皆さんなんてどうですか?今はラグドールが療養中で活動も抑えているはずですし」

 緑谷…!お前久し振りにまともな事言ったな…!「まともなは失礼ですよ先生」早速電話だ…!

 

『もしもし?我だが?』

 

 ………………………。

 

〜〜〜〜〜 〜〜〜〜〜 〜〜〜〜〜

 

 俺に女性の…しかも子供服のセンスはさっぱり分からなかったので虎のセンスに任せきりになっていたが…。

「ケロ!この子が壊理ちゃんなのね!可愛いわ。それにとっても素敵なおべべね」

「かっ、かっ、可愛ええ…!」

 蛙吹達女子生徒の反応を見るに問題なさそうだ。感謝するぞ虎…!

「壊理ちゃんは今度の文化祭も見にくるからな。お前達のライブで…彼女を笑顔にしてやってほしい」

 …力強く頷いてくれてるな、完全に任せっきりにしているがどうやらうまくやってるらしい。緑谷、お前は歯を見せてサムズアップするな。やめろ。

「ないすばるく…!」

 ほらーーー!悪い影響!!

「っと、電話だ。じゃあ引き続きお前達は練習に励め」

 壊理ちゃんの手を引き、電話を取ると…相手は根津校長か

『やぁ!相澤くん、壊理ちゃんの様子はどうだい?』

「えぇ、文化祭を楽しみにしてくれているようです。…要件はそれだけですか?」

『いいや、違うのさ!君も知っているとは思うけど、今回の文化祭…雄英は特別招待枠や事前審査を通過したOBなど、一部を除いた部外者は入れないことになっている。その事についてまた警察から話があったのさ。』

 確か侵入者が居た場合は文化祭が即刻中止になるんだったか。

「その件は既に話がついたはずでは?」

『先日の死穢八斎會の事件において取り逃した乱波 肩動というヴィランについてネチネチと言われたよ。先日ミルコが襲撃されたらしい。』

 あのミルコが…!?

『まぁ、捕獲こそできなかったが返り討ちにはしたそうだけどね。どうやら乱波というヴィランは俗にいうナイスバルクなヒーローを標的に一方的な戦闘を仕掛け、殺さない程度に殴り合うという犯行を繰り返している。…十中八九彼と接触し、一時共闘をしていたと聞く緑谷くんの影響だろう。まぁ、こちらとしては侵入者がいれば即中止以上の条件は出さなかったのさ!君もくれぐれも緑谷くんには気を付けておいて欲しいのさ、彼は凄まじい筋肉を持つとはいえヒーローの卵だからね。我々がしっかり導かなければ』

 

〜〜〜〜〜 〜〜〜〜〜 〜〜〜〜〜

 

 やぁ、また会ったねリスナー諸君、ご機嫌よう!これから始まる豪傑浪漫…目眩からず見届けよ!私は救世たる紳士の義賊、ジェントル・クリミナル!

 ラブラバには驚かされたよ。まさか私の筋トレビフォーアフターを動画にして投稿するとは。しかし、意外な事に大バズりだ。素直に嬉しい。何よりコメントで緑谷くんから直々にナイスバルクとコメントを貰った。まぁ、その動画は消されたんだが。

「ラブラバ、動画は消されてしまったが鍛えた筋肉は消えない。そうだろう?」

「その通りよジェントル!見事なダブルバイセップスだわ!カッコいい!」

 ありがとうラブラバ、毎日私の筋肉に嬉しい言葉をかけ続けてくれた君のおかげで私の筋肉はより成長したと言っても過言では無い。だからこそ…私は緑谷くんを超える男になりたい。自分よりも一回りほど幼い少年に何を馬鹿な対抗心をと世間は思うかもしれない。だが!関係のない事だ。私は彼に憧れて筋肉を付けた。ここ数週間の短い付け焼き刃だが、それでも筋トレで流す汗は心地の良いものだ。かき込む飯も美味くなる。…紅茶を飲む頻度を抑えなければならないのが少し残念だが、そこはミルクティー味のプロテインで我慢だ。

「ラブラバ、私は偉業を成したい。この筋肉を育ててくれた恩師とも言える彼を…超えてみたい。付き合ってくれるか?」

「勿論よジェントル!」

 聞けば雄英は文化祭を控えている。そしてその文化祭は侵入者がいれば中止になってしまうらしい。ならば!私が侵入を計画していると彼にリークする。優しい彼は私を止めようとするだろう。そして阻止したくば一人で来いと書き、私の筋肉の写真を添えれば彼はこの筋肉に惹かれ一人で来てくれるはずだ。そして私は彼と相対し、感謝を伝えてから雄英へ侵入せんと逃走する。正面からまともにやりあえば私が負けるのは明白、だからこそ逃げ切れば私の勝ちと言う少し卑怯なルールを設定した。

 

 雄英に侵入するにしろ、彼に捕まるにしろ、私はいずれにしろ罪を贖うつもりだ。巷で話題な彼…『オールマイトの再来、筋肉の象徴』と謳われる緑谷くんに勝利する事こそが真の偉業なのだから。

 

〜〜〜〜〜 〜〜〜〜〜 〜〜〜〜〜

 

「…貴方がメールをくれたジェントル・クリミナルさんですね?」」

「その通りだよ緑谷 出久くん。まずは私のような世間で言うヴィランである者の呼び出しに素直に応じてくれた事、感謝しよう。そして、君の動画…素晴らしかった。お陰で私はこれほどの筋肉を得た。そしてコメントも嬉しかったよ。動画は消されてしまったがね」

 …緑谷くんはサイドチェストか、ならばこちらはアブドミナルアンドサイでお答えしよう。

「「ナイスバルク!!」」

 さて、ここからはルールの説明だ。勝利条件を明確にしないのはフェアではない。対等でない勝負の勝利には意味はない。

「私は今、この市街地ど真ん中から行動を開始し、森へと侵入し、雄英へと侵入することを目論んでいる。そうなれば文化祭は中止になる。知っているね?」

「えぇ、しかし一体なぜそんなことを?」

 取り押さえれば良いものを態々話を聞いてくれるとは…優しい男だよ。本当に。

「なに、簡単なことさ。…君を超えるためだよ緑谷 出久くん。男子たるもの自分よりも強い相手を超えたいと思うのは当然の欲求だろう?」

「なるほど、では…全力で阻止させてもらいます!」

 ラブラバ、しっかりと私の…いや、私達の勇姿を記録してくれ!これは恐らく最後の動画になるだろうからね…!

 

「これから始まる豪傑浪漫!目眩からず見届けよ!私は救世たる紳士の義賊!ジェントル・クリミナル!!」

 

「雄英高校1年、ヒーロー名デク!仮免保持者としてあなたの犯罪計画を止めさせてもらいます!」

 来たまえ、緑谷 出久くん…!

「それほどの筋肉量なら… SMASCLE!!!!」

 その動き、筋肉の躍動、見ればわかる!本気とは言わないものの、一般ヴィランにはおおよそ出さないであろう出力!私の事をそれほどの相手と認めてくれている!感謝しよう…だからこそ!

「ジェントリー・リバウンド!」

「止められた…!?いや、これは空気が…!?」

 卑怯とは言うまい?個性とは互いに知らぬ状態で始め、闘いの中で互いの技からそれを見抜く事に意義がある…!…む?馬鹿な…私の弾性を付与した空気の膜が…!?

「僕の、自慢は…!人生で…!!一度も…!!!」

 

 つ、突き破られるだとッ!?

 

「リバウンドしたことがない事さ!!」

「ッ!!」

 咄嗟に腕をクロスしてガード出来たから良い物の、モロに喰らえば確実にやられていた…!流石は我が筋肉の恩師…!しかし、まさかジェントリー・リバウンドが突破されるとは…!ここは計画通り逃げるとしよう!

「ジェントリー・トランポリン!」

 高台のラブラバを回収しつつ空中移動で雄英を目指すとしよう。

「まずいわジェントル!あの子追ってきてるわ!」

 ほう、どれどれ?

「うおおおおおおおおお!!!!」

 見事…!右脚が落ちる前に左脚で一旦空気を押し固め、それを瞬時に蹴り飛び上がり、左脚が落ちる前に今度は右脚で一旦空気を押し固めて瞬時に蹴って飛び上がっている…!どれほど鍛えればそんな芸当が可能になるのか分からないが…。

「安心したまえラブラバ。彼のあの動きは見事だが、機動力ではこちらが優位だ。このまま逃走を続けよう。」

「流石はジェントル!冷静な状況分析だわ!素敵!」

 …む?なんだか今背後の空気が一気に吸引された感覚があったぞ…!?

「エアフォース!!」

 これは…!圧倒的肺活量で取り込んだ空気を圧縮的筋肉により肺の中で凝縮し、砲撃的筋肉を用いて窄めた口から発射する空気の銃弾か!?いかん!!

「ジェントリー・リバウンド!!」

 空気の弾丸は空気の防御壁でお返ししよう!

「それを待っていた!!」

 何…!?

 

「SMASCLE!!!!」

 

 さ、先程とは比べ物にならない…これが本気の殴打…!待てよ…?本気でない殴打でも破られたのだ、もしも私の跳ね返した弾丸を殴り付けたのだとしたら…!いかん、遮蔽のない空中では不利だ!頭上にジェントリー・トランポリンを設置して一気に下降せねば…!

 

〜〜〜〜〜 〜〜〜〜〜 〜〜〜〜〜

 

 なんとか森へと辿り着いたが不味い、スタミナが切れてきた…!

「ジェントルと言いましたね、動画見ました。あの短期間にそれほどまでの筋肉量になるとは…ナイスバルク…!でも、大人しく諦めてください。恐らくあなたの個性は物に弾性を付与すること…しかし僕の殴打なら弾性を突き抜けて貴方に攻撃できる…!」

 完全に見抜かれてしまったか、それに見事なラットスプレッドフロントだ。こちらもポージングでお返しせねば…!

「これも全て君の動画があったからこそだよ。…ナイスバルク!」

 モストマスキュラーだ。私はまだまだ力強く君と戦うという意志を込めての、な!

「力強いモストマスキュラー…!だったらこれで!!」

 またあの殴打…!下手に避けても他の攻撃が飛んでくる。ならばッ!その攻撃を上から叩き潰す!!

「ジェントリー・サンドイッチ!!」

 弾性を付与した空気の層を幾重にも重ねて上からぶつけるこの技ならッ!

「いけないわジェントル!避けて!!」

 何を言っているラブラバ、彼は地面に叩きつけられ…

「フンッ!!」

 何!?地面を掘って別の角度から攻撃だと!しまった…避けられない…!!

「ぐはァッ!?」

「ジェントル!」

 こ、これが彼の殴打…!咄嗟に硬質的筋肉を最大限まで高めて防御したがそれを易々と貫く圧倒的腕力…!鍛える前の私では一撃で即死し、四肢と内臓が爆散し、その余波でラブラバも爆散していただろう…!

「立てる程度には加減したはずです。」

 流石の…見事な殴打だ…!頭は割れるような痛さだし、吐き気もする…!鍛えたはずの両脚がプルプルと震えまるで子鹿のようだ…!おおラブラバ、そんな顔をしなくても平気さ。

「安心したまえ…まだ、私は…立ち上がれるよ!ラブラバ…!」

「…ナイスバルク」

 ふっ、今の私を慮ってサムズアップだけで済ませてくれるとは、優しい男だ。ふふ、ナイスバルクを返す気力すら無いとは不甲斐ない。

「ひとつ聞きたい、私は…君の記憶に残る男かね」

「えぇ、ナイスバルクな相手はみんな覚えています」

「そうか…」

 違う、そうじゃない。それではダメだ。その程度では偉業を成したとは言わない…!

「力を貸してくれ、ラブラバッ!!」

「分かったわジェントル!!」

「…!?」

 力が溢れる…高まる…!驚愕したかな緑谷くん。私が…私一人で君を超えようとしたのは私の我儘…所謂男の意地さ。しかしそれは予想通り失敗した。だが、私達なら!君を超えられるかもしれないッ!!

「説明しておこう。これは私の力ではなくあそこにいる私の相棒、ラブラバによるものだ。…卑怯かもしれないが」

「言わないよ、そんな事…!その肉体の状態、急激な筋肉量の増加は相応に肉体に負担が掛かる…!それを受けてなお平然とできるということは普段からその状態に耐えるトレーニングをしていたと言うこと!つまり…実力に他ならない…!ナイスバルク!!!」

 モストマスキュラーか、ありがとう。本来ならばマナーとして異なるポージングを取るべきだが、ここはあえて!君への挑戦の意味を込めて!このポージングでお返ししよう!!

「ナイスバルク!!!」

 モストマスキュラーだ!!

「それでは…行くぞッ!!」

 自身の背面にジェントリー・リバウンドを展開!

「弾性を付与した空気の壁を蹴って機動力に…!?」

 ラブラバの愛の力と私の筋力、そして弾性力!三つの力で私の力は…100倍だ!!!

「早い…!!」

「これが愛と筋肉の拳だ!!受け取りたまえ緑谷くん!!」

 ッ!こちらの右拳に対して左拳を…!?ならば!!

「左の拳も受け取ってくれたまえ!!」

「フンッ!!」

 拳で弾かれたか、だが!弾かれた腕の…肘部分にジェントリー・リバウンドを展開!君に弾かれた分、ジェントリー・リバウンドで跳ね返され私の拳は加速する!!

「緑谷くん!これが私と!ラブラバと!そして君による!私の全力だ!これで私は君を超える!!そして君のその記憶に!唯一残る男になる!!」

 まだまだ拳は加速する!彼も反応して拳をねじ込んでくるところは流石と言える!…いや…馬鹿な…一段と加速した!?いけない…!肘部のジェントリー・リバウンドが耐えられない…!?

「僕はもうッ!!負 け ら れ ないんだァッ!!!」

 拳を弾かれてからの…これは…!

 

「SMASCLE!!!!!」

 

 頭突き、だと…!…ここまでしても…超えられなかった…か。力が抜けていく…ラブラバ、君の愛を受けてなお超えられぬほどに…

 

 彼は偉大だったよ。




・この世界でのエアフォース→簡単に言うと空気を吸い込んで吐き出す空気砲。指を弾いてとかは指向性が難しいためこのようになりました。
・この世界のジェントル→なんか鍛えたらムキムキになった30代。素で原作ラバーモードジェントルくらいのマッチョになってる。

〜ちょっとしたオマケ「本日のNGシーン」〜
 蛙吹達女子生徒の反応を見るに問題なさそうだ。感謝するぞ虎…!『礼には及ばぬ』…!?!?!?!?


はい、というわけで作者の諸事情により一時更新を中断させていただきます。

グラブルの…古戦場なんだ…!!

再会は10/1からの予定です。
どうしても筋肉成分が不足して辛いという場合は作者の別作品に完結済みの筋肉二次小説があるのでそちらを読んでみてください。作者のノリがわかるかと思います()
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