ケロ…コスチュームである程度緩和されてるけれど、やはり冬場の寒さは堪えるわ。油断してると冬眠しちゃいそう…ところで…
「透ちゃん、冬だけど寒く無いのかしら」
「めっちゃ寒いー!でも頑張るー!」
ほぼ全裸の透ちゃんは風邪を引かないか心配だわ。
「大丈夫だよ梅雨ちゃん!」
私何も言ってないからその発言は心に語りかけてるのと変わらないわ緑谷ちゃん。けれど会話に相応する間を持って話しかけてきたからもう許すことにするわ。「ありがとう!」ぶっ飛ばすわよ。
「葉隠さんも僕みたいに発熱的筋肉を鍛えれば冬の寒さもへっちゃらさ!」
「絶対イヤ!」
…私も発熱的筋肉鍛えた方が良いのかしら…?
「と言うか緑谷ちゃんもコスチュームは変わらずパンイチなのね」
最近この格好が気にならなくなってきてなんだか怖いわ。慣れって恐ろしい。
「アッハッハ!随分とお気楽な会話じゃァ無いか!それとも僕らは眼中に無いって事かい?…とうとう白黒はっきりつけられる日が来たねェA組ィ!!」
ケロ…物間ちゃんは相変わらず元気ね。この前の文化祭で一佳ちゃんにボコボコにされたと聞いてるけどもうその時の怪我は大丈夫そうね。確か全身複雑骨折だったはずだけど。「リカバリーガールに治してもらったんじゃないかな!」リカバリーガール様々ね。あと私に話しかけるな緑谷。
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「…それではルールを説明する!」
ブラドキング先生の説明によると、制限時間は20分でA・B組チームいずれも4名で1チームみたいね。20分経過時により多くの相手を牢に収容していたチームの勝ち、若しくは先に相手全員を牢に収容すればその時点で勝ち…。一見拘束系の個性ならルール上有利に見えるけれど索敵系の個性が居ないとそもそも相手を見つけて拘束する段階まで到達することが厳しく、それらをねじ伏せるパワー系の個性があれば返り討ちに…って事ね、結局チームとしての総合力が問われているわ。私は索敵は苦手だけど拘束やある程度のパワーはあるから上手く立ち回りたいわね。
「チーム分けは終わったな?…ここでルールを新たに追加する」
あら?何かしら
「普通科の心操 人使…彼をメンバーに起用する。」
「よろしくお願いしマッスル」
やめて、軽めのモストマスキュラーをしないで。もうだいぶ手遅れなんじゃないかしら彼。
「ブラドキング先生!それでは一方が5名になり不平等なのでは!?」
あら、飯田ちゃん。それは早計ね、人数が多いと言うことは収容されてしまう人数も多いと言うことよ。相手が広範囲に影響する個性を持っているならコチラの的が増えると言う意味で不利に働くかも知れないもの。それに実際の現場ではお互いの人数が同じなんて保障は無いのだから相澤先生風に言うなら合理的な訓練とも言えるわ。
「その点は俺から提案がある。良いな?ブラド」
「…豪腹だがな」
あら?何かしら
「爆豪と緑谷、お前らは今回の対抗戦には不参加とする。理由は…」
「イレイザー、ここは俺から説明させてくれ。…お前達二人の成績やインターン先での成果を考慮するとだな…。ぶっちゃけお前達がいると訓練にならん。強過ぎる。」
…確かに緑谷はその強靭な肉体による高い機動力と無敵とも言えるフィジカルによる防御力と最強と言って差し支えない腕力による破壊力を兼ね備えているわ。更に鍛え抜いた肉体による振動感知や鍛え高めた聴力に細かい痕跡をも捉える洞察力があるから索敵能力も高い…味方チームからしたら緑谷が強すぎて訓練にならないし、敵チームからしたら緑谷相手に何も出来ず訓練にならないのかもしれないわね。
そして爆豪ちゃんは特別索敵ができる訳じゃないけれど、爆破による範囲殲滅はその気になれば私たちの意識を刈り取るくらい容易に出来てしまうわ…緑谷は除くけれど。正直それくらいの差が出来てしまっているのは私にも自覚がある。
「そして代わりにお前達には別の訓練をしてもらう。…お前ら二人はタイマンバトルだ。他の奴らにプロヒーローのトップ層でも通用する者同士の…本気の戦いを見せてやれ」
爆豪ちゃんは緑谷に対抗し得る唯一の存在…。下手な援軍は彼の爆破の邪魔になりかねないから妥当な判断なのかしら。兎に角…凄いことになりそうね…。
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第一試合は私、上鳴ちゃん、口田ちゃん、そして心操ちゃん。相手は茨ちゃん、宍田ちゃん、鱗ちゃん、円場ちゃんよ。
「手短に話そう。俺の個性は洗脳だ。洗脳したいと思った相手に声を掛けて反応されたら洗脳が完了する。んで、このペルソナコードがあれば声を変えられる。」
「うぇー!わかっちゃいたが滅茶苦茶強い個性だなー!何も知らねーヴィラン相手だったら速攻洗脳からの確保ができっから滅茶苦茶ヒーロー向きじゃんよ!」
「お、おう…ありがとよ。みんなの個性は体育祭で大体把握してるから作戦を決めて欲しい。この中なら…蛙吹、頼めるか?」
「あら、私?そうね…索敵は口田ちゃんの動物にやってもらえば何とかなるかしら。拘束は私の舌か心操ちゃんの洗脳ね。火力は上鳴ちゃんの電撃があるけど…このチーム、純粋なパワーという点では少し欠けてるかしら。あと梅雨ちゃんと呼んで?」
心操ちゃんともお友達になりたいわ。あとできる事なら緑谷に毒される前に救い出したいとも思ってるのよね。
「そうだね。僕もあんまり殴るのは得意じゃ無いし…」
「そうなると茨ちゃんも怖いけど宍田の方が純粋に怖いか…俺の電撃もどれくらい効くかわかんねーから調整難しい、指向性を持たせるにはまずこのサポートアイテムを当てなきゃならねぇ。咄嗟にやるならやっぱ無差別放電になっちまうからよ」
円場ちゃんは言っては失礼だけどサポート特化タイプ、鱗ちゃんは遠距離攻撃ができるとは言え劇的な火力があるとは思えない、そうなるとやはり広範囲攻撃の茨ちゃんと純粋にパワーのある宍田ちゃんが脅威ね。
「単独行動をすれば宍田ちゃんに勝てない、かと言って纏まりすぎると茨ちゃんに一網打尽にされかねない。この試合難しいわね。ここは口田ちゃんの索敵を活かして相手の位置を見てから詳細を決めましょう。茨ちゃんは機動力は無いと思うからまずは固まって行動するとして…とりあえず私はチームの先頭を行くわ」
「梅雨ちゃんが?なんか女の子に前行かせるのは気が引けんなぁ…」
それは女の子を相手にして言ってるならまぁ悪い気はしない気遣いだけれど、同じヒーローを相手にはあまり褒められた言葉では無いわね。…どうせ上鳴ちゃんのことだから深くは考えてないんでしょうけど
「多分蛙吹…梅雨ちゃんさんは索敵の口田や実践経験の少ない俺、火力ソースであるお前を温存するために前行ってくれるんじゃないか?」
「その通りよ心操ちゃん。それに私最近カエルっぽい保護色で背景の色に馴染めるから襲撃はされにくいと思うわ」
それに壁張り付きで移動すれば茨ちゃんの攻撃を躱しやすいはずだもの。
『第一試合スタート!』
あら、始まっちゃったわ。結局どう戦うかまで決めきれなかったわね…。
「さぁお行きなさい羽ばたく者達よ。」
後方での索敵は口田ちゃん、先鋒は私、中堅を後の二人にやってもらう事でこちらの布陣は決まったけれど、あちらがどう動くかは詰めきれていないわ。
「なぁ梅雨ちゃん。敵チームどう動くかな?…ってあれ梅雨ちゃんどこだ?いやマジで見えねえ」
「正直向こうにも固まって動かれたら詰みじゃねぇか?宍田に掻き乱されて茨攻撃されたら対抗できないぞ」
確かにそうね、上鳴ちゃんの電撃と違って敵味方を識別して攻撃できる茨ちゃんの茨ならそれも可能…。
「…ふむふむ。どうやら茨さんは単独行動みたい」
「マジ?ラッキーじゃね?」
「いや、怪しく無いか?向こうだってチームの強みはわかってるはずだろ」
この場合は心操ちゃんの個性を警戒しているのかしら?いや…種が割れていれば心操ちゃんの発言に反応しなければ対応できてしまうからそこまで警戒は必要ないはず…であるなら…私達の裏をかこうとしている?…例えば…機動力を活かしての速攻…
「ッ!」
「おっと!躱されましたか!流石の身のこなしですぞ!!」
宍田ちゃん…!?こちらに考える時間を与えないように機動力とパワーを生かして単独突入してきたって事ね…!
「エアプリズン!!」
「 」
宍田ちゃんの背に居るのは円場ちゃんね?だとすれば口田ちゃんは空気の壁の中に閉じ込められてしまったということかしら、まずいわね…!
「特製の牢屋だ!プレゼントマイク先生から聞いてるぜ!虫をけしかけられるのはイヤだからな!!」
「ガハハ!!流石ですぞ円場氏!!ところで…」
まずい…宍田ちゃんの狙いは場慣れしてない心操ちゃんだわ!
「心操氏!普通科ながら鍛えられたその肉体、ヒーロー科への編入は生半可な覚悟でないとビンビン伝わりますぞ!ナイスバルクですぞ!!!」
そう、宍田ちゃんもそのタイプなのね、はいはい、ダブルバイセップスダブルバイセップス。
「ありがとよ。素直に嬉しいぜ。アンタもナイスバルク!」
心操ちゃんはサイドチェストを返してるわ。もうやだこの人たち。
「ガハハハハ!自分からナイスバルクを仕掛ける事で心操氏からの回避不能の洗脳ナイスバルクを封じる完璧な策ですぞ!!」
「…しねぇよそんなこと…」
拘りでって事かしら?捨ててほしいわ、今すぐ。
『っしゃぁ!蹴散らせ宍田ァ!!』
「任されまし…………………」
「おい宍田!今の俺じゃねぇぞ!?くそ…!あいつ俺の声を!エアプリズン!!」
心操ちゃんまで閉じ込められちゃったわね。でも…
「最近ヤオモモから勉強教えて貰っててよ…空気って最強の絶縁体らしいじゃん?でよ、空気を固めた壁ってことはよ、絶縁体としての力もより強力なんじゃね?」
「ッ!しまっ…」
「どこにいるか見えねーけど梅雨ちゃんは俺なんかより頭良いんだからきっと距離取ってるはず!行くぜ無差別放電…130万ボルトォ!!!」
一応この後のことがあるからアホにならない程度の放電だけど、それでも強力な電撃には違いないはずだわ
「ぎゃあああああ!!!」
よし、今のうちに円場ちゃんを確保よ!
「ケロォ!!」
「ナイス梅雨ちゃん!まずは一人確保ォ!」
私が居ない方が上鳴ちゃんは戦いやすいはずだし、茨ちゃんがこちらに来てもおかしくはないわ。まずは確実に一人を収容して戦力を削ぐわ!
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いやー!俺と梅雨ちゃんのコンビネーション決まったわ!やっぱ俺凄くね?
「…これしきの…電撃ッ!吾輩には…効きませんぞォッ!!」
ウェ!?マジ?ヤバくね!?
「フンッ!!」
あぶねッ!なんとか避けれたけど…いつまでも避けれるとは思えねえ、助けて梅雨ちゃん!…いや、最初の梅雨ちゃんへの攻撃見てたけどもっと素早かったよな?手加減?いや、そんな訳無くね?…電撃が効いてるな?本当は麻痺ってるのを強がってんだ…!なら梅雨ちゃんが帰ってくるまで耐えればなんとかなるんじゃね?
ヤバくなったら最大出力で相打ちにするか、足手纏いになっちゃうからあんまりやりたくねーけど…!
「そこですぞッ!」
ッベェ!!
「ちょこまかと逃げ回っても無駄ですぞ!」
ダメだぁ!さっきより早くなってる!麻痺がもう切れかかってんのか!?ヤベェ!こうなったら…
『奥の手の2000億万ボルトぶち込んでやるぜウェ〜〜イ!!』
そうそう奥の手の2000万億…いや2000億万ってなんか単位変じゃね???
「2000億万ボルトでもなんでも……………」
あれ?止まった?ていうか…
「洗脳?マジ?どうなってんのこれ?」
「悪ィ、口田のことも助けてたら時間かかっちまった。『ついてこい
』」
「…」
いやー…助かったわ。あれ?でもどうやってエアプリズンを突破したんだ?口田が中で割と暴れててもビクともしなかったと思うんだけど
「上鳴くん、心操くんがどうやってエアプリズンを突破したか疑問に思ってるみたいだね?」
「うぇ!?なんでわかったんだ!?口田…まさかお前も筋肉読心術か!?」
「いや違うよ、上鳴くんが考えそうな事だと思って」
俺馬鹿にされてる?
「その答えは…筋肉さ!」
なんで口田がドヤ顔キメるんだよ。
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円場ちゃんを収容してから引き返してたら洗脳されて大人しくなってる宍田ちゃんを連れてる上鳴ちゃん達と合流したわ。やっぱり強力な個性ね
「宍田!?お前までやられちまったのか!?嘘だろ!?」
「悪いなB組!この試合俺らの勝ちですぞ〜!」
「宍田の真似なんかしやがってこの野郎…!」
上鳴ちゃん、相手を煽るのは良くないわ。それにまだ勝負はついてないもの。茨ちゃんはまだここまできてないとはいえ徐々に近付いている…鱗ちゃんは合流地点と思われる場所に留まってるとはいえ何があるか分からないわ。
「『この中に入れ』」
「…」
あら?洗脳されてる宍田ちゃんが牢屋手前で止まったわ?
「…ん?…まさかッ!?」
「ガハハハハ!!まんまと吾輩の策略に騙されましたな心操氏!これは洗脳されたフリですぞッ!!」
ッまずいわ!心操ちゃんを助けないと!
「ケロォ!!」
「他者を慮る蛙吹氏ならそうくると思いましたぞッ!!」
読まれてた…!?しまった…舌を掴まれたわ…!
「これで上鳴氏の電撃は使えませんぞ!軟派な上鳴氏では蛙吹氏を巻き添いにする電撃は撃てませんからなぁ!!ガハハハハ!!」
不味いわね、舌を掴まれた上に身体を腋に抱えられてしまったら私の個性では対抗できないわ…!
「それではさらばですぞッ!!」
「ッしゃあ!頑張れ宍田ァ!」
「梅雨ちゃん!!」
情けないわ…!私はここで終わりみたい…。でも、まだ希望はある…私見たもの。
私が宍田ちゃんに捕まった瞬間に心操ちゃんが口田ちゃんを連れてどこかに移動していたのを。
AB対抗戦の原作との相違点
①緑谷と爆豪は強過ぎるためチーム戦不参加。代わりにタイマンバトルあり
②第一試合の切島は作者の都合で外され別試合に。
③心操が鍛えてるためエアプリズンを己の拳で突破可能
④但し宍田が一度洗脳された事で対洗脳的筋肉が発達、緑谷ほどの筋力では無いものの自らの筋肉が織りなす肉体への衝撃で洗脳が解除可能になった。
⑤アイヤー!ワタシ鱗 飛龍アルヨ!宍田モ円場モ遅イネ!何カアッタアルカ〜?
⑥梅雨ちゃんが黙示録の獣に捕まりました。美女と野獣かな。