無個性『筋肉』   作:ベルゼバビデブ

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筋肉VS個性


トレーニング39 君に勝つために…僕だって成長してるんだッ!!

 先公共には感謝しねェとな。お互い本気でやり合える機会が来たんだからよ。

「かっちゃん、嬉しそうだね」

「当然だ。ようやくテメェをぶっ殺せるんだからよ」

「…そうだね。ようやく僕もかっちゃんに本気で挑めるよ。今日こそ僕は君に勝つんだ」

 …モストマスキュラーか、相変わらずキレてやがる。仕上げてきたってことか。ならよ…

「今日はルールでじゃねぇ、実力でお前に勝つ。」

 俺も…モストマスキュラーだ。今回だけはテメェの流儀に従ってやる。

 

「「ナイスバルク!!」」

 

 じゃァ…やるかァッ!!

「…SMASCIE!!!」「略式ハウザーインパクト!!!」

 クソ肉ダルマの右の大振りを略式のハウザーインパクトで打ち消す!!略式ハウザーインパクトは身体への負担がデケェ、おいそれとは使えないが、最初の一撃を防げりゃ十分だ!!そして…予め用意しておいたコイツを投げつける!

「ほらよォ!!」

「ッこれは…!?」

 小型容器に入れたチャフグレネードだ…!テメェの視界と面倒な筋肉探索を無効化する!

「顔のマスクといい僕対策をしっかりしている…!」

 エンデヴァーなんかも筋肉読心術を使える、ならヴィランだって使えてもおかしく無ぇ、なら対策するのは当然だろうよ!!

「チャフの中ではかっちゃんも僕がどこにいるかわからない、でも大きく動けば空気の動きで位置がバレちゃうな。」

 流石にこっちの狙いが分かってるらしい。だが、無駄なことだ。

「APショット!!」

 これならチャフを殆ど晴らさずチャフの外から一方的に攻撃できる。こっちは撃ってすぐ動けば位置はバレない。

「なるほど、当たらなければチャフの中を貫通するし、僕に当たれば位置がわかる。考えたねかっちゃん…!」

 それだけじゃ無ェ!APショットの狙いはもっと別にある…!!

「…足に何か当たった…?これはさっきチャフをばら撒いてたサポートアイテ…」

 テメェは避けるために細かく動くだろう。だが、チャフの中足元に転がる小さなそれをも避けるのは容易じゃ無ェよなぁ!?

「ッ!?爆発した!?」

 感応式遅延爆破弾…!容器が小さい分爆破は小規模だが、不意に爆破されりゃどうしても反応は遅れる…!!そして爆破で位置を特定できるッ!!

 

「死ねェ!!高速徹甲弾(HVAPショット)ッ!!!」

 

 高速徹甲弾による狙い撃ち…!テメェに何もさせずに殺す為の策だ!!

「ッ!」

 !?躱されただとッ!?クソ…マグレか!?…いや、じっとしてるのは不味い!

「エアフォース!!!…今の爆破音…飛び上がったね?ということは体を浮かせるために掌を爆破させないといけないから溜められない…つまり、さっきの大技は使えないって事だ」

 コイツ…!俺の爆破の用途を音で聞き分けやがったのか…!?

「相手を分析して…対策してるのはかっちゃんだけじゃ無いって事さ!でも…凄いやかっちゃん。あの圧縮された熱量…触れなくても分かる。僕の筋肉すら貫通するであろうことが…!だけど、僕の感知的筋肉を持ってすればあれほどの熱量を持つ攻撃、着弾前にどちらの方向から来るのかくらいわかるさ!!」

 感知的筋肉…九州の時に真っ先に脳無に反応してたのはそれか…!それにさっきまで俺がいたところを何かが凄まじい速さで通り抜けて行ったが…建物が俺の爆破を受けたみたいに崩壊してやがる…!アレは受けられ無ェ…!

「SMASCIE!!」

 チィ…!殴打でチャフが全部吹っ飛びやがった。地上なら高速徹甲弾を喰らわせるチャンスだったが空中じゃそれが出来ねェ…!あいつはそれを分かってやってやがる…!

「僕も空中戦の手段を手に入れたけど…まだまだかっちゃんのスピードと小回りには劣るんだよね。」

 

 ところで…なんでこいつ…ずっとスクワットをしてんだ…!?

 

「だからさ、こう考えたんだ。負けてるなら鍛えれば良いって…。スクワット100回分なら十分か……な!!!!」

 ッ!?アイツの筋肉によるスピードは…ずっと側で見てきたから体感分かっているつもりだった…だが…なんだこのスピードは!?避けられねぇッ!?

 …そうか!アイツが会話で種明かししつつ時間を稼ぎ、何故かずっとスクワットしていたがその理由はコレの為か…!!瞬間的に蓄積的筋肉に大量の反復動作を行わせる事により一時的に筋力を爆発的に増加させやがった…!コイツ、まだこんな隠し玉を持ってやがったのか…!?

「捕まえたッ!!これで爆破は封じたよ!!」

 両腕を掴まれた…!これじゃ爆破で攻撃が出来ねェ…!

 

「僕だって君に勝つために…成長してるんだッ!!」

 

〜〜〜〜〜 〜〜〜〜〜 〜〜〜〜〜

 

『俺は凄い!俺は強い!なんでもできる!無個性のデクはダメだ!デクは弱い!デクはいっちゃん凄くない!』

 ずっと、ずっと前に俺はコイツにそう思ってた。だが、現実はどうだ!?入試、体力テスト、訓練、体育祭、実技試験にI・アイランド…俺はずっとこいつに負けていた。ルールとして勝ったなんてのはどうだって良い。結局俺の全力をぶつけてもコイツは怪我一つしなかった。

『この前俺の中学生の兄貴が高校生のヤンキーグループにカツアゲされそうになってたんだけど、緑谷がヤンキーグループ全員をボコボコにして助けてくれたんだ!ヤンキー達全員二度と病院から出られないんだってよ!』

 俺が小1の頃、4年生2人に喧嘩で勝てて良い気になってた時に知ったのがそれだ。いつの間にかデクの周りには人が溢れてやがった。

『緑谷は凄い!緑谷は強い!筋肉でなんでもできる!頭もいい!あとナイスバルク!』

 

『爆豪?あぁ…確かに凄い奴だけど緑谷には 劣 る よ な ぁ 』

 

 中学になって言われた言葉だ。自分よりも下だと思ってた人間がいつの間にか俺よりも遥か上にいやがった。俺の人生で最初で最後の挫折だ。だが…そこで止まるのは…俺のプライドが許さなかったんだ…!

 あのオールマイトだって常に圧勝してた訳じゃねェ…!ピンチの時だってあった…それでも負け知らずだ…だから…今までずっと負けてても…今から勝てりゃそれで良い!!

 

 俺は…最後には必ず勝つヒーローになる…!!

 

〜〜〜〜〜 〜〜〜〜〜 〜〜〜〜〜

 

「だったら俺はお前を超えるスピードで成長する…そしてお前を超えるッ!!」

 

 この前の九州の一件で…俺は俺自身で自分の可能性を潰してきたのではないか、と思い始めた。

 あの時エンデヴァーが見せた『プロミネンスバーン』。全身から放熱する大技だ。再生能力を持つ脳無諸共に俺の爆破でも到底消し飛ばせないほどの質量であるビルを丸ごと消し飛ばした。圧倒的な火力の超範囲攻撃。対して俺は掌を爆破させるだけ。ずっとそういうものだと思っていた。掌が特別なのか?そうじゃ無いはずだ。汗だ。俺の個性は汗の方だ。掌からだけでなく、全身の汗を爆破させることができれば…!!

 そう思って試したら出来た。だが、まだまだ火力は大した事無ェ、更に爆破に対して肌が慣れて無いから使ったら俺がダメージを負う。でもなァ…!!

「テメェの不意を突くにゃ十分だァなァ!?」

「ッ!?腕が…爆発した!?」

 

 爆破装甲(リアクティブアーマー)…!!これならッ!

 

「しまった…拘束が…!」

 まずはコイツをくらいやがれ!

閃光弾(スタングレネード)ッ!!」

「それは前見たッ!!」

 だろうな!だが、幾ら慣れたと言えどお前は前にも増して眼も耳も発達している。だから一瞬は目が眩んだはずだ。その一瞬が欲しかった。少しでも溜める時間がッ!!

 この距離なら高速徹甲弾は避けられない。…が、空中じゃ圧縮する余裕がない。だからッ!

 

「超極大爆破ァッ!!」

 

 反動は…肘を爆破させて緩和させるッ!!

「やるね…かっちゃん!」

 無傷…当然だ。I・アイランドでぶっ放したのにピンピンしてやがったからな。だが、安全に地面に降りるにはこれが必要だった!腕が限界だとほざいてやがるが今は無視だ…!アイツを超える…今日こそ俺はァッ!!

「狙撃はさせないよ!筋肉濃霧(マッスルミスト)ッ!!」

 ッ!?コイツ…全身の膨大な汗腺を圧倒的筋肉によって刺激し、更に爆熱的筋肉によって瞬間的に加熱させ水蒸気にしやがったのか!?なるほど、チャフと違ってコッチはアイツが見えないが、あっちからは筋肉探索で位置が把握できるって事か…!

 だが、テメェさっき自分で言ったよな…!熱量で感知出来るってよォ!!これほどの水蒸気を発生させたが故に、テメェの身体は熱を持ったままだ!!俺だって普段から爆破を繰り返している…熱の感知だってやってやれるはずだ!その気になりゃァなァ!!アイツがほざいてやがった感知的筋肉…筋肉であるならば俺だってそれなりに鍛えれていてもおかしか無ぇ!…微かに、微かに肌で感じる!濃霧の先に佇むアイツを…!!またスクワットしてやがる…次で決めるつもりだな…!?

 奴はこっちが攻撃できないとタカをくくっている…つまり今がチャンスだ…!確実にぶっ殺せる高速徹甲弾に感応式遅延爆破を搭載した対クソ肉ダルマ弾…!!

 

高速徹甲榴弾(HVAPHEショット)ッ!!!」

 

「言ったでしょ!熱で感知すれば当たらないって!」

 お前がこれをも避けるのは最初から分かってることだ。そもそも、当てられないだろうことを見越して放った技だ。だが、コイツは着弾したら爆発する。当然熱も出る!つまり!!

「!?着弾地点で爆発した…!?不味いッ!これが狙いか!!」

「遅ェッ!!」

 高速徹甲榴弾の爆破は熱の囮だ!これが本命の…高速徹甲弾だ!!

「ッ!エアフォース!!」

 

 クソ肉ダルマの…腹に…風穴ぶち開けてやったぜ…!!まぁ、もう腕が限界だからよ。アイツの攻撃も避けらん無ェけどな。…爆破装甲で少しだけ威力は緩和させたが…ダメだ。意識が…。

 

〜〜〜〜〜 〜〜〜〜〜 〜〜〜〜〜

 

「…………はッ!?勝負は!!どうなった!!」

「引き分けだよ。かっちゃん。」

「あぁ!?」

 引き分けだと!?なんだァそりゃァ!!って…珍しいな。クソ肉ダルマがベッドに寝てやがる。

「最後の攻撃…あれがもし着弾時に爆発するやつだったら僕負けてたね。多分内側から爆散して死んでたんじゃ無いかな」

「…あれは連発できる技じゃ無ェ、もしもなんてねぇんだよ。」

 チィ…まだ手が痛みやがる…。

「肉体を内側から焼かれたことなんてないから僕も思わず気絶しちゃった。普段から肉体が強靭すぎて筋肉痛以外の痛みと無縁なのが逆にダメだったみたい」

「…そうかよ。」

 つまり次は同じ技を使っても痛みに慣れてやがるから効かねェってことか。また何か技を考え無ェとな…「かっちゃん…まだ新しい技を生み出すの?対応する僕の身にもなってよ」うるせえ、だったら大人しく死んどけ。

「…そういえば腕が爆発したのは意外だったよ。」

「あれか…エンデヴァーの真似したらなんか出来たんだよ」

「プロミネンスバーンだね。…僕も全身の爆破的筋肉を使えば衝撃波くらい出せるかな?」

 味方にも被害が出るからやめろ。

「それもそうか。あとまさかかっちゃんも僕ほどじゃないけど感知的筋肉が使えたのは完全に油断だったね」

「お前に出来ることが俺に出来ねェはずねぇんだよ。…今度効率のいい発汗的筋肉と耐熱的筋肉の鍛え方教えやがれ」

 爆破装甲をプロミネンスバーンは無理だとしても全身の爆破を応用して掌を使わずとも空中移動ができる程度にしておきてぇ

「勿論いいよ!僕も負けないように更に鍛えないとね!怪我が治ったら上鳴くんに頼んで耐電的筋肉を鍛える予定なんだ。この前は芦戸さんのお陰で耐酸的筋肉が鍛え終わったし」

 耐熱、耐電、耐酸だと…?お前は何を目指してるんだ。「何ってそりゃかっちゃんと同じでナンバーワンヒーローさ。」クソが、勝手に言ってろよ。

「次は負けないよ、かっちゃん」

「次も負けねぇぞ、出久」




VS爆豪は真面目な回なのでネタおふざけ成分0です。(?)

〜オマケ オリジナル技等紹介〜
・筋肉濃霧"マッスルミスト"
全身の汗腺を刺激し、膨大な量の汗をかいた直後に全身の筋肉を高熱にすることで汗を水蒸気にして濃霧を発生させる。緑谷は霧の中から筋肉探索をすることで相手の位置を把握することができる
「あれは6代目の煙幕か…!」byAFO

・感知的筋肉
全身の感知的筋肉を研ぎ澄ますことで視覚聴覚振動で感知できないものを感知する。熱等や電気は勿論、殺意や害意も察知できる。
「あれは4代目の危機感知か…!」byAFO

・蓄積的筋肉に対する反復鍛錬
肉体の一部に短時間に連続した運動を行うことで瞬間的に鍛えられ出力が上がる。急激かつ部分的トレーニングのため効果は一時的に留まる。
「あれは3代目の発勁か…!」byAFO

・爆発装甲"リアクティブアーマー"
掌以外の肉体部位を任意で爆破する。但し、掌程の火力は出ず、肌が爆破慣れしていない為使用すると使用部位にダメージを負う。
掌からの爆破時に肘を爆破させる事である程度の衝撃を緩和することができる。
「汗腺的筋肉と耐熱的筋肉を鍛えりゃもっと出力が上がるはずだ」

・略式ハウザーインパクト
通常は数回の爆破を経てトップスピードの回転を得て使用するハウザーインパクトを無理矢理一度の爆破で行う技。当然肉体への負担が大きい。
「掌を爆破させてしまう以上溜める爆破が出来ないからクソ肉ダルマ相手だとどうしても決め手に欠けるんだよな」

・チャフグレネード
専用の小型容器に汗とチャフを詰め、爆破させることでチャフスモークを展開し、相手の視界と筋肉探索を妨害する投擲型グレネード。基本的に対緑谷専用兵装。
「俺が相手も見失うようじゃ意味無いんだよな。…耐チャフ的眼力でも鍛えるか…?」

・感応式遅延爆破
溜めて放つ事を意識し始め会得した。通常は掌で爆破させるものだがこれは衝撃が加わった時に爆破する。感応式遅延爆破弾はチャフグレネードと同じ形の容器に詰めたもの。
「全身からこの汗を分泌すれば常に相手の攻撃に対してカウンターの爆破をお見舞いできるようになるな…」

・高速徹甲榴弾(HVAPHEショット)
HVAPショットに感応式遅延爆破を搭載したバージョン。高い貫通性を持ちつつ着弾時に大爆発を起こす。因みに普通の人間に当たった場合、漏れ無く内側から大爆発で爆散して死ぬ。ヒーローのやることでは無い。表皮を貫通した後に人体を内側から爆破する為、熱耐性のあるエンデヴァーでも当たりどころによっては死ぬ。(手足に着弾した場合は強靭な体で爆破を堪える為手足が吹っ飛ぶ程度で済む)
「…次は当てられるようにしないとな。」
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