無個性『筋肉』   作:ベルゼバビデブ

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緑谷とギガントマキアの殴り合いにより戦場は大混乱である。


トレーニング44 僕らのミッドナイト先生!

 油断をしていた訳じゃない。地下から巨大なヴィラン…報告では動かないとされていたギガントマキアが現れたことで場は大きく乱れた。幸い骨抜くんは後衛に返した後だったからそこは心配無いものの、建物が派手に壊れたことでその瓦礫が飛来した事で一部のヒーローやヴィランは…。そしてマウントレディや何人かのヒーローがギガントマキアへ攻撃を仕掛けたものの、その剛筋的筋肉により全て弾かれてしまったわ。頼りの緑谷くんもリ・デストロと呼ばれるヴィランとの交戦を強いられ、ギガントマキアに対応出来ていない。そして最悪なのはそのギガントマキアが突如移動を始めた事…その進行方向には蛇腔病院がある。死柄木に合流する気ね。何とか止めないと行けないわ…!

「どこ行こうってのよ!!待ちな…さいよォ!!」

 マウントレディが引き摺られながらも必死にしがみついてギガントマキアを止めようとしているわね…殆ど効果は無いけれど…新人ヒーローが身体張ってるのに私が張らない訳にも行かないわ…!

「マジェスティック!頼みがあるわ!」

「ミッドナイト無事だったか。…確かに君の個性なら何とかなるかもしれないね!」

 私も身体を張るわ…そう…

 

 ギガントマキアの目の前で全裸になるわ!!

 

 私の眠り香を全身から放ち眠らせる、これしか無いわ!マジェスティックの個性で運んでもらい、ギガントマキアに接近する。こっちには目もくれないのはこの際好都合…よし、位置はいい感じね…ここで…

 

 脱ぐわ!!

 

「おっと残念だったなヒーロー、おじさん達の邪魔しちゃァいけないぜ。あと脱ぐのはよしてくれ。美女の裸はおじさんにゃ刺激が強すぎる」

 何この瓦礫…!?ギガントマキアの身体にヴィラン連合が…!?

 

〜〜〜〜〜 〜〜〜〜〜 〜〜〜〜〜

 

 …はッ!?落下して…気絶してたみたいね…。ダメだわ…個性を使う余裕が無い…それに指先すら動かすのがやっと…!何とか…何とかして止める手を…!…生徒達に頼るなんて情け無いけどこれしか無いわね。

 

 …八百万さん…いえ、クリエティなら何とかしてくれるはずね。…あら、何人かこっちに向かってきてるわ。あれは…

「おい見ろ、女のヒーローだ」

「ラッキー、怪我して動けないらしいぜ」

 残念、ヒーローでは無さそうね…。不味いわ…このままじゃ…!動けない私、現れる男性ヴィラン、周りには人影無し、深い森の中…まずい事になるわ!大変な事に!そう!!

 

 エロ同人みたいになっちゃうわね!!

 

「うわぁッ!!」

 …!?いきなり目の前に緑谷くんが着弾したわ!?

「あれがギガントマキア…!僕を吹き飛ばすなんてもの凄いパワーだ…!僕も負けてられないぞ…!ってあれ?ミッドナイト先生!大丈夫ですか!?酷い怪我だ…!」

「何だこのムキムキ野郎は!」

「リ・デストロと戦ってた奴じゃ無いか!?」

 ヴィランがそこまで言った後、緑谷くんは二人のヴィランにビンタをかまして気絶させたわ。流石の手腕、いえ、腕力ね。

「先生、その様子だと動けないみたいですね…失礼します。」

 …この歳で生徒におんぶされるなんて思わなかったわ。…正直怖かったのよね。私、命拾いしたみたい…

 

〜〜〜〜〜 〜〜〜〜〜 〜〜〜〜〜

 

 いきなり脱ぎ出す破廉恥女ヒーローの次にあの緑谷くんが来た時は流石のおじさんもビビったよね。何せ神野じゃ俺の圧縮が原因で負けたみたいなもんだし…軽いトラウマだぜほんと。まぁ流石はギガントマキア、あの緑谷出久を軽く吹っ飛ばすなんて大したもんだ。まぁアレでも死んで無いだろうところは末恐ろしいが。

「主よ…!」

 おうおう、そのまま進めギガントマキア。さっきからズルズルと引きずってるデカい女ヒーローのことはまぁこの際無視でいいだろう。どっちみち俺らじゃ何も出来ないからな。

 …ん?どうしたギガントマキア、何故急に止まった?

 

「動け…無い…!何故…!!」

 

 …は?あの緑谷 出久すら跳ね除けたギガントマキアが!?

「その答えが聞きたいかヴィラン。それは…筋肉だ」

 ベストジーニストだと…!?…いや待ってくれ、すまん、今なんて言った?筋肉?路線変更か??

「メディア等でも公開されている…今更隠す必要もないだろうが、私の個性はファイバーマスター…自分の衣服だけでなく離れた場所の繊維すら操る個性だ。」

 それは知っている。だが、ギガントマキアは服を着ていない。股間すら不思議なパワーで隠されているぐらいだ。ではどうやってベストジーニストはあのヴィランの動きを止めた…?

 

「筋肉とは即ち…筋"繊維"…!繊維なのだから私が操れないはずは無い!」

 

 …あー…多分そうなんだろうな。うん、ベストジーニストご本人がおっしゃってるのだからそうに違いねぇ…現に出来ているし。もしかして個性って意外と解釈で伸びるもんなのか?例えば…俺の圧縮は基本的に対象の空間を球状に飲み込み圧縮するもんだ。ビー球くらいの大きさに。んでもってあんまりにも大きな物は一部を削る様にして圧縮する。これを利用して壁や地面を掘ることなんかもできる。

 …例えば…俺が黒霧の座標指定のワープゲートではなく、黒ヘドロの転送みたいに対象選択できる様になったらどうだ?大きさは関係無くなるかも知れない。ま、男は度胸!ギガントマキア程の筋繊維すら操るベストジーニストだ。その気になりゃ俺らの筋繊維を操ってすぐに確保出来ちまう。仮に失敗してもギガントマキアの身体をほんの一部削っちまうだけだ。

「それ!圧縮!!」

 あ、なんか出来たわ。解釈ってすげぇな。

 

「何!?ギガントマキアが消えた…!?」

 

 さぁ、内側から突き破って『圧縮された筋肉のギガントマキア』になれ!

「主よォォ!!」

 なんか…えらく縮んだな…。3mくらいになっちまった。

「無駄だ!どんな姿になろうとも筋繊維は存在する!私のファイバーマスターならば…!」

「フンッ!!」

 

 圧縮されたギガントマキアが空間を殴った瞬間、ベストジーニストは吹っ飛んだ。だが、流石はプロヒーロー、自らの衣服を操作し木々に対して引っ掛かることでなんとか戦線離脱は防いだらしい。

「カハッ…!?」

 が、腹に穴が空いてんな。重症…というか致命傷だなありゃ。

「ま…だ…だ!まだ…!」

 あの腹の傷でまだ動こうとするなんて大した胆力だ。いやほんと、おじさん感心しちゃうね…。

「…!まずい…来るわ!」

「どうしたマグネ何が来るって…」

 

「僕が…来た!!」

 

「彼よ…。私としたことがギガントマキアという圧倒的筋肉の存在のせいで接近されるのに気が付かなかったわ…!」

 緑谷 出久か、だがこちらには俺の圧縮でパワーアップしたギガントマキアがいるからななんとかなるだろう。

「ベストジーニスト…!お腹が…!」

「私の…事は、気にするな…!君はヴィランを…!」

 げっ…!?身体が…!?ベストジーニストの奴…あんな致命傷でも個性使ってくるのかよ…!身動きが取れない…!…うん?なんか急に影が…?

 

「キャニオン…ダイブッ!!」

 

 マウントレディ…!?しまった忘れてた…!くそ、ギガントマキアは…

「「ナイスバルク!!」」

 ダメだ!!緑谷とサイドチェストVSサイドトライセップスの対決してやがる!!

「流石にあの大きさは私にも止められないわ!」

「流石に躱しきれないのです。」

「万事休すか、ステイン師匠…済まない…!」

「クソ…ホークスの奴、俺に見せたベストジーニストの死体は偽物だったのか…」

 頼れる仲間たちの目がみんな死んでる…!ここはおじさんがなんとかするしかない…!そうだ!地面を圧縮して削り取って穴を掘って…いや、ダメだ…!筋繊維を操作されてるから地面に手を付けない…!何か手は…!

「!マグネ!俺とマウントレディに磁力を付与してくれ!!」

「何をするのかわからないけれどコンプレスくんを信じるわ!」

 体は動かなくても個性は使える!このまま俺とマウントレディの体がくっついた時に手で触れることができれば…

「圧縮ッ!」

 よし…!出来た…!マウントレディそのものを対象にした圧縮だ!これでみんな助か…………

 

 なんだろうな。凄く嫌な予感が…また戦犯をやらかしてしまった様な気がしてきたぞ…!ものすごく…!!

 

「いきなり…何すんのよォォ!!」

 やっぱり!!俺の圧縮…中から突破されすぎじゃない!?しかも…なんか良い感じの…3.2mくらいの大きさに縮んでるし…!!

「なんか体が変な感じだけど…まぁ良いわ!散々やられた借りを返してやる…!」

 まずいな…あの3.2mの体が巨大化時のパワーを圧縮した物だとしたら…!

「キャニオンカノンッ!!」

 あ、おじさん死んだわ

「コンプレスくん、平気かしら?」

 マグネ…!?今どうやって移動を…!?

 

〜〜〜〜〜 〜〜〜〜〜 〜〜〜〜〜

 

 アタシはマグネ…本名は引石 健磁。アタシは所謂…

 

 オカマッチョよ。

 

 身体を鍛えるのは好き。でも同時に男の人が好き。それに可愛い物が好きよ。そしてアタシ自身のことも好き。当然よ、自分ですら自分が嫌いだったら誰にも好いて貰えないはずだもの。でも…アタシはアタシの個性が嫌い。

 アタシはオカマッチョ…心は女のつもりよ。子供の頃はそれでいじめられることもあったわ。…全員鍛えた筋肉でボコボコにしてあげたけどね.。

 アタシがアタシの個性が嫌いな理由は…アタシに付与される磁力がS極であるという事。アタシの個性は女性にはN極を、そして男性にはS極を付与する。アタシの心はアタシを女だと言っているけど…アタシの体はアタシが男だと言っている。それが嫌いだったわ。でも…

 

「キャニオンカノン!」

 

 コンプレスくんを狙ったマウントレディの攻撃…筋繊維を操作されて体は動かないけど個性なら使える、今だけは…アタシに付与されるのがS極でよかったと思えるッ!!アタシがコンプレスくんを…みんなを守るッ!!

「コンプレスくん、平気かしら?」

 なんて破壊力…!磁力で引力が発生していなければ確実に吹き飛ばされていたわ…!

「マグネ…お前自分には個性使えないって…」

「いやねコンプレスくん。女は平気で嘘を吐くものよ」

「そう言うものかねぇ」

 本当は自分に磁力なんて付与したくなかったんだもの。そのための嘘よ。

「くそっ!離れなさいよ…!」

 なんとか…みんなを逃さないとね…!一度磁力を解除し、トガちゃんに磁力を付与!そしてみんなにも磁力を付与する事でみんなをひとまとめにするわ!

「!逃げる気!?させないッ!」

 そうはいかないわ!再度磁力を解除してアタシとマウントレディ引っ付ける!

「また邪魔をしてッ…!」

 やめて暴れないで!ヤダ!サングラスが吹っ飛んだじゃないの!!

「みんな!一塊になってて!」

「マグ姉…?マグ姉はッ!?」

 ごめんなさいトガちゃん。アタシは行けないわ。コンプレスくん、トガちゃんをお願いね。

 

 トガちゃん以外の連合のみんなと…ギガントマキアに磁力を付与ッ!!反発して…飛んでいきなさいッ!!

 




マグネ生存させてるんだからミッドナイトが生存していても問題ない。良いね?

でもなんかベストジーニストが死にそうなんだが?
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