そして今回筋肉少なめです。
「なぁ、心操!1-A見に行こうぜ!」
「…良いけど、なんで?」
「そりゃお前、敵情視察だよ。お前の個性ならヒーロー科をギャフンと言わせられるかもしれないしよ!」
…俺の個性は洗脳。問いに答えた者を洗脳する。ヒーロー科の入試じゃぁ相手がロボだったのと、開始直後に何故か吹き飛ばされたせいで何も出来ずに終わっちまった。でも、体育祭で活躍すれば俺だってきっと…!そう思っていると1-Aが…というか、1-Aの前に凄い数の生徒達が集まっていた。
「おい心操!見ろよ、凄い人集りだぜ…!」
「そうだな…」
恐らく皆俺達と同じ敵情視察なんだろうな。まぁ、無理もない。ここで活躍できればヒーロー科編入だって夢じゃないんだ。そうじゃなくても何かと話題の1-Aをこの際見ておこうと思うのは普通の反応だろう。
「はいはい、みんな並んでね。筋肉は逃げないからね。どこを触りたい?胸筋?上腕二頭筋?遠慮しないで、さあ!」
「大腿二頭筋で!」
なんだあのクソ肉ダルマ。…いや、見覚えがある。入試の時に俺達を吹っ飛ばした奴だ。…しかし、凄い筋肉だな。肩に机でも乗っけてんのか?
「…やあ、もしかして君も握手がしたいのかい?」
その一言を言う間にポージングをアブドミナルアンドサイ→モストマスキュラー→ダブルバイセップスと変えてるのはなんなんだ?やめろよ。
「い、いや…体育祭で負けないぞっていう宣戦布告をしに来たんだけど…」
こんな筋肉野郎に負けてたまるか…!ビビらずに立ち向かえ…俺…!
「そうか。お互い怪我せずベストを尽くして頑張ろう!」
眩しい奴だな…
白い歯が
〜〜〜〜〜 〜〜〜〜〜 〜〜〜〜〜
そして迎えた体育祭。ヒーロー科主席のゴリマッチョが…ピッチピチの体操服でマイクの前に立っていた。もっと他に相応しい奴いなかったのか?
『宣誓!我々、生徒一同は!』
出だしは普通だな。ポージングがサイドトライセップスであること以外は。
『スポーツマンシップに則り!正々堂々…』
うん、お決まりのセリフだな。ポージングがラットスプレッドフロントであること以外は。
『お互いの筋肉を見せつけ合うことを誓います!』
いや、見せつけ合わねえよ。おい脱ぐな。やめろ!ミッドナイト!あんたも止めろ!!
「良い!」
興奮すな!!!!!!
第一競技は障害物競走らしい。さて、どうするか…。
「「「「心操!ここは俺達に任せろ!」」」」
声をかけてきたのは同じクラスの連中だった。
「正直言ってヒーロー科の奴らに勝つためには俺達普通科同士で足を引っ張り合うのは愚策だと思うんだ」
「そして毎年決勝はタイマンで何かするのがお決まり」
「つまりだ!タイマンでヒーロー科の連中を倒し得る心操をなんとしても決勝まで勝たせねばならん!」
「故に、俺達がお前の足になる!体力は温存しててくれ!そしてライバル達の個性を分析するのだ!」
「お、おう」
こうして俺は…なんか4人に神輿のように担がれた訳だ。…これ大丈夫?逆に速度落ちない?
『スタート!』
合図と同時に凄まじい冷気が襲ってくる。前の奴らの反応を見ると地面と脚が凍ってるらしい。
「あ、危ねえ、俺達後ろにいたからギリギリ凍って無いぞ…」
「早速俺の出番だな」
確かコイツの個性って…。鼻、摘んでおこう。
「俺の個性、『放屁』なら…最大出力の放屁のパワーでここから出口まで移動するくらい訳無いぜ!しかも後続の奴らはあまりの臭さに身動きが取れないって戦法よ!」
なんて言うか…あれだな。酷いな。マジで。ようやく入り口を抜けたが…流石にトップとは差をつけられちまってるな。
「あ、すまん。もう無理だわ俺。腹がやばい」
そう言ってアイツは担ぐのを辞めてコースを逸れていった。多分トイレだろう。多分1時間は出れない筈だ。
…ってクソ肉ダルマが全身氷漬けにされてるじゃねえか。氷漬けにされてるのにサイドチェストのポーズしてんのはムカつくが…全身氷漬けってそこまでやるか?…いや、やるな。俺ならやる。寧ろよくやってくれたと褒めてやりたい所だ。
「フンッ!!!」
!?いきなり氷が中から砕けた!?
「轟君も酷いな。こんな全身氷漬けにして…」
流石のコイツもこの仕打ちにはキレるのか?
「せっかく暖めた身体が冷えちゃったじゃないか!」
もういい。無視して進もう…いや、待てよ?コイツの後ろに着けば障害全部破壊してくれるんじゃ無いか?…いや、ダメか、早すぎる!さっきまで氷漬けにされてた上にまだ体のあちこちが凍ってるのにスゲェ早い…!
「こうなったら俺の個性を使う!」
確かコイツの個性は…っと!なんて速さだ…!だが、これで追いついた…!
「…む?凄いな君達、本調子じゃ無いとは言え僕に並走できるなんて」
「だろ?なんてったって俺の個性は『並走』だからな!視認した物と並走出来るのさ!!」
「逃げるヴィランに必ず追いつける良い個性だね!」
クソ肉ダルマはコイツの個性を誉めつつ…妨害しようとしたロボットをデコピンでぶっ飛ばしながら…笑っていた。だが、ロボットゾーンを抜けた途端に俺達の速度が落ちた。
「くっ…す、すまん…脚が限界だ…!俺に構わず先に行ってくれ!!」
あのクソ肉ダルマと並走など普通に考えて脚が保たない、コイツはここで離脱だろう。お前の頑張りは無駄にしない…!
「次は…大穴か…?」
底が見えないほどの大穴…ロープがあるってことはこれを渡れってことか…
クソ肉ダルマは圧倒的筋肉が産み出す超人的跳躍であっという間に対岸まで行きやがった。流石にアイツに追いつくのは無理だな。となると前の方に居る髪の長い女子みたいにローブにしがみついて進むか、綱渡りするかだな
「綱渡りか…ここは俺に任せろ!しっかりしがみついておけよ!」
俺ともう1人がしっかりしがみついているのを確認すると、一気に駆け出した。ロープが揺れようが、お構いなしに。コイツの個性は『直立』。確かに綱渡には相性が良いのかもな。
「はぁ…はぁ…すまん、俺もスタミナ切れだ。…後から必ず追いつく。先に…行ってくれ、ぐふっ」
…よし、ここからは普通に走ろう。
最終関門は地雷原、ずーっと先の方を見ると地雷原をなんの遠慮もなく駆け抜けるクソ肉ダルマが見えた。多分一位だろうな。因みに、アイツが走った後はアイツ自身の踏み込みによる物であろう足跡で完全に崩壊しており、とてもじゃ無いが進めるような状態にはなっていない。地雷を踏み抜いてぶっ壊すって何???
「どうする、普通に走るか?」
「いや、それじゃ既に前を走る奴らを追い抜いて順位を上げると言うのは難しいだろう。」
確かに、見てみれば途中から氷の道ができている。恐らくクソ肉ダルマが走り抜けた事で後続を気にして居られなくなった奴がやったんだろう。
「俺を信じて地雷を集めてくれ、心操」
言われた通り集めると何故か地雷を一纏めにし始めた。…まさか!?
「行くぞ心操!」
「おまっ…」
コイツ…地雷の爆風で一気に前に吹き飛ぶつもりか!?いくらコイツの個性が『頑丈』だからって…!
吹き飛び、着地も頑丈なこいつが身を挺したお陰でかなり順位を上げられた。だが、あくまで頑丈なだけ、地雷の爆発と着地の衝撃で最早立っていられるような状態じゃ無いだろう。
「行け…心操…。へっ…燃え尽きたぜ…真っ白にな…」
俺は振り返らずに走った。お前達4人の犠牲で俺はここに居る…!
「必ず…必ず決勝まで行ってみせる!だから…見ててくれよ!!」
シナリオは原作通りの内容やってるのに記載内容がほぼオリジナルな件。
〜オマケ〜
●オリジナルキャラ紹介●
・尻野 風太郎(しりの ぷうたろう)
個性:放屁
放屁の勢いと匂いがもの凄く、本人の意思で放屁できる。本気を出せば空も飛べる。
但し、放屁を行い過ぎると抗いようのない下痢になる上、本当に匂いが酷い。非殺傷なので相手の動きを止められるのではと一部のヒーローは思ったらしい。
・隣出 走(となりで はしる)
個性:並走
視認した物と並走できる。但し、速度に応じて脚部に相応の負荷が掛かる。
緑谷同様に逃げるヴァランに追いつけるのではと一部のヒーローは思ったらしい。
・竜田 貧富(たつた ぴんと)
個性:直立
腰から上、首から下が地面に対して常に垂直になる。因みに個性は解除出来ないタイプ。
一部のヒーローは寝る時どうするのだろうと思ったらしい。
・願成寺 空武(がんじょうじ それだけ)
個性:頑丈
身体が頑丈だぞ!そこそこの盾にも、そこそこの矛にもなる!
一部のヒーローは同じ系統でもっと凄い個性のやつが2人ほどいたなと思ったらしい