そしてこの作者11月まで休載してたのに全然書き溜めてないのである
前は師匠にお礼を言う為だったけど、避難なんて目的で雄英に再び訪れる事になるなんて思わなかったな…。
「あ、師匠!お久しぶりです!」
「その声は…洸汰くん!久し振り!無事でよかった!」
今日もキレのある筋肉に身を包むみんなの憧れ、僕の師匠だ…!この寒さでもパンイチなところはやっぱりすごい!対寒的筋肉や発熱的筋肉を鍛えているからこそできる事だろう。僕程度ではタンクトップに短パンで耐えるのが精一杯だ。
「プッシーキャッツ達と一緒に沢山の人を避難させにきたんだ!僕も沢山の困ってる人達を助けたんだよ!僕はまだヴィランとは戦えないけど…できる範囲で沢山お手伝いしてるんだ!」
もちろんこの筋肉でね!
「そっか!頑張ったね!それに…」
「「ナイスバルク!」」
「…洸汰くんの将来が楽しみだ!っと、ゴメンね洸汰くん、僕校長先生に呼ばれてるんだ!じゃあね!」
「うん!」
僕の未熟なアブドミナルアンドサイなんかとは比べ物にならないキレキレのサイドトライセップスだった…やっぱり師匠はちがうなぁ!
「ねぇそこのボク。ちょっと良いかな?」
…?声を掛けられて振り返ってみたら紫とピンクの派手な髪の女の人が立ってた。どうしたんだろう?
「ちょっと私困ってて…少し手伝ってくれない?」
「困りごと?…どうしたの?」
確かに僕は鍛えてるけどまだまだラグドールをなんとか持ち上げられる程度にしか鍛えられていない。ピクシーボブは無理だった。(そして何故か引っ叩かれた)…この人、露出してる腕を見た感じ結構しっかりとしてるから力仕事なら僕が役に立てそうには無いんだけど…
「狭いところに大切なものを落としてしまって…。君なら手が届くかなって」
なるほど、力仕事ではなく閉所作業か、確かにこんな時に大切なものを無くしてしまったらとても悲しい気持ちになってしまうだろう。ヴィラン退治は出来ないけれど、それくらいの人助けなら僕にだって出来るはずだ。師匠も幼い頃はお母さんの手伝いや海浜公園の清掃といった出来る範囲のことからやっていたと言うし。
「うん、良いよ!案内して!」
「…ありがとうね。」
〜〜〜〜〜 〜〜〜〜〜 〜〜〜〜〜
…随分と遠くに物を落としたんだなぁ…。
「…着いたわ。…ごめんね」
…?一体どうして謝って…!?なんで…この男がここに…!?
「誘拐なんて任せちまって悪かったな…俺じゃあ流石に怪しすぎるからよ。…あ?誰かと思えば久し振りだな坊主。」
パパとママの仇の悪マッチョ…!?なんでコイツが…!!
「僕に…何する気だ!パパやママみたいに殺すのか!?」
「あ?…あー…もうそう言うのは止めたんだ。…別にとって食ったりしねーよ。お前には人質になってもらうんだ、ヒーローには戦う理由がいるだろ?俺は緑谷と戦いてーんだ。」
「まぁ、そう言う事。傷つけたりしないから大人しくしててね。それと…ごめんね」
このお姉さんもグルだったのか…!
「そんなに睨まないで…。騙して悪かったけど、コイツは一応私の命の恩人だから協力しないわけにも行かなかったのよ」
命の恩人…コイツが?
「それにしても…身体鍛えてるみてぇだな。まだまだ弱っちそうだが…悪かねぇ。…俺に言われるまでも無い事だろうが…その筋肉は精々正しいことに使うんだな。…あー…なんだ、その、あれだ…この際だから言っておくが…お前の両親のことは…その、悪かったな。」
…は?なんだ?いきなり…そんなので…
「待て待て、安心しろ。別に許して貰う為に言ってるんじゃねぇ。タルタロスにぶち込まれてたが俺は現に脱獄してる。罪を償ったとは言えねえし償ったところで許して貰えるとも思ってねぇ。それに緑谷との戦いが終わったら結果に関わらず俺は大人しく刑務所に行く予定だ。刑務所側が受け入れ可能かは知らねえがな」
なんだよコイツさっきから勝手な事を…!
「そうだな。勝手だよな。別に憎んでくれて構わねぇぜ。俺を懲らしめるってならいつでも相手してやるから掛かってこい。…っと、おしゃべりは終わりだ。レディ・ナガン、しっかりそのガキ見張っとけ」
「一番危ないのはあんたの攻撃だろ。…悪いけどボク、抵抗しないでね。」
師匠…と、もう一人…確かあの人はバクゴーって人…。
「居たぞクソ肉ダルマ!ガキと…クソヴィラン共だ!!」
「あれは…血狂いマスキュラー…!相変わらずの…いや、前に会った時よりも更に鍛えられている…!それに洸汰くんを抱えているのはレディ・ナガンじゃ無いか…!」
師匠ならあの時みたいに悪マッチョをやっつけてくれるはずだ…!
「よぉ!緑谷、会いたかったぜ。それに悪かったな、あのガキを誘拐だなんて周りくどいことしちまってよ!安心しろよ、終わったらちゃんと無傷で返すし俺も大人しく捕まるからよ。」
「…その筋肉の躍動…嘘は言っていない…?それに殺意や狂気、害意も感じられない…。一体何が目的なんです!」
流石は師匠!鍛えた感知的筋肉でそこまで分かるなんて凄いや!
「…おいクソババア、変な動きしたらブッ殺す。さっさとガキ置いて死ね」
「それは出来ない。あの二人の決着がつくまではね。…それにあんまり軽々しく殺すとか、ヒーローが言う物じゃ無いよ。ヒーローによる殺害は…君が思ってるより重い行為だ。…あと私はババアじゃ無い、まだ、たぶん…」
なんだか…お姉さんが精神的なダメージを受けている…主にクソババアに反応して。
「俺の目的はただ一つ!お前との再戦だよ緑谷ァ…!お前もあの時より強くなったんだろ!?互いに鍛えた肉体をぶつけ合おうぜ!なぁ!!」
「本当に僕が戦えば洸汰くんを無事に返してくれるんですね?」
「当たり前だ。この俺の筋肉を見ろよ…!!」
くそ…!悔しいけどあのダブルバイセップスを見せられたらアイツがいかに悪人でも嘘を言っているだなんて思えない…!
「ついでに大人しく捕まるってのも本当だぜ。安心しろ、ちゃんとお前が気絶してる間に自首してやるし暴れもしねえ。」
「…わかりました。でも僕が気絶することはないのでそこは安心して下さい」
「言ってくれるぜ…!」
師匠が…構えた…!
「だがよ…嬉しいぜ緑谷。ダツゴクの俺の言葉を信用してくれるなんてなッ!!」
悪マッチョも構えてる…!
「「ナイスバルク!!」」
「…なぁ、アンタの連れっていつもあんな風なのか?」
「…大体いつもあんな感じだ。」
「…苦労してんだね」
「…テメェもな」
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俺のポージングは…もちろんモストマスキュラーだ…!
「そういや忘れてたぜ…緑谷…俺はもう『血狂いマスキュラー』じゃねぇ。俺は…『モストマスキュラー』だ…!!」
さぁ!見ろ!!俺のこの腕を!胸を!!筋肉を!!!そしてお前も見せてくれ!!!
「な、なんて力強いモストマスキュラーなんだ…!この僕が一瞬気圧されるなんて…!本当はマナー違反だけど…そんなモストマスキュラーを見せられたらこっちも対抗せずにはいられない…!」
ッ!?こ、この俺をビビらせるほどの猛々しいモストマスキュラーだと…!?やっぱ最高だな…!肩にデッカい重機を乗っけてるのかと思ったぜ…!!
「「ナイスバルク!!」」
さぁ…行くぜッ!!
「緑谷ァッ!!!汗ッ!!見せろやァッ!!!!」
まずは…個性を使わず己の筋肉のみでッ!!
「フンッ!!」
「ぐッ…!!」
どうだ…!俺の右ストレートは!!
「まさか個性未使用でこのレベルだなんて…!それならッ!」
こい…!お前の右ストレート…耐えてみ°ッ………
「…はッ!?一瞬意識が飛んでいた!?」
「うおおおおおぉぉぉおおおおおおお!!!」
ッ!不味い、追撃は…上かッ!!そうだよな、タルタロスの中じゃ自重トレーニングしか出来なかった、アイツはもっと密度が濃くて、負荷の高い濃密なトレーニングをしていたはずだ。素の俺なんかじゃ太刀打ちできるはずがねぇ…!筋肉を前面に集中ッ!!
「フンッ!!」
「負けるかァ…!!」
よし、己の個性が『筋肉増強』であることを今ほど感謝した事はねぇぜ…!なんとか耐え切れた…!!
「なんて分厚い防御なんだ…!勢いが殺されてる…!!」
敢えてある程度貫かれる事を想定し、弾力的筋肉を前面に展開し衝撃を殺し、多重の装甲的筋肉によって受け止めた。今までの俺は主に攻撃をメインに鍛えていたからこう言った防御の工夫は疎かだったからな!そう簡単にはやられねぇ!!
「肉露鞭ッ!!」
「ッ!?これは筋繊維によるワイヤー!?」
そうだぜ緑谷、俺をも超える圧倒的筋肉量を誇るお前だが、あくまで用いれるのは素の筋肉がゆえにこう言った搦手は用意できねぇだろ!!
「甘いぞモストマスキュラー!脂汗皮膜"スウェットベール"ッ!!」
何ッ!?肉露鞭の拘束から逃れただと!?まさか発熱的筋肉により体温を上昇させ、刺激的筋肉で汗腺を刺激、汗の分泌を促すことで大量の脂汗を発生させ摩擦抵抗を軽減させたってのか!?筋肉だけでなく汗をも武器にするとは…流石は緑谷…!あくまで筋肉に拘っていた俺とは着眼点が違うッ…!!
だが、考えてみれば当然か、俺の筋肉増強は筋繊維は増やせるが皮膚が増えるわけじゃ無い…汗腺は増やした筋繊維にうまっちまうからな…!俺は引き続き筋肉や筋繊維を柔軟に使っていく方向でいくとして、だ。問題は目の前の緑谷だ。圧倒的筋肉量の他に汗を用いた戦術、まだ他に俺の予想しない攻撃を隠し持っているかもしれねぇ…ヤベェな…
ワクワクしてきやがる…!!これだよ!!強い相手、互いにある程度の手札を知った状態での殴り合いに読み合い!!
あぁクソ!この左目を持っていきやがったあのヒーロー夫妻…殺さなきゃよかったな…!次戦った時はもっとすげぇ技を見せてくれたかもしれなかったのによ…!!
「貫手や手刀は使わないのか?マスキュラー!!」
っと!会話しつつキレのあるストレートか、当たる訳にはいかねぇな…!以前披露した超高速回転式筋肉貫手と超高速微振動式筋肉手刀の事か…コイツ、分かって言ってやがる。
「お前に二度も同じ手が通じるかよッ!!」
何度か打ち合って感じた事だが、コイツの筋肉は見た目以上に密度が濃い。言うならば圧縮された筋肉だ。それが俺とコイツがほぼ同じ体格、筋肉量に見えても俺が押されている要因だ。そんな相手に今更手刀や貫手が効くとは思えない。
「流石に誘いには乗らないかッ!」
「甘く見るなよ緑谷ァ!!」
つまり俺がすべきは奴のガードの上から奴にダメージを与えられる圧倒的な殴打!!行くぞォ!!
〜〜〜〜〜 〜〜〜〜〜 〜〜〜〜〜
「おいクソババア」
「…クソは許すからババアはやめて欲しい」
「じゃあクソアマ」
…この子本当にヒーロー志望よね?口悪過ぎない?まぁババアよりはマシよね…
「もうこのガキはいいだろ?さっさと解放しろ」
「…まぁ確かに今更あの二人が殴り合い止めるとは思えないわね」
なんか最初は駆け引きある感じの殴り合いだったのに今や二人とも足を止めてお互いがお互いを1発ずつ殴り合う形式に移行している。見ているだけで暑苦しい。今冬なのに。
「…怖い思いさせてごめんね?ボク、さ…帰りな」
「…お姉さんも自首してね」
…お姉さん、自首するわ!ついでに治崎も持っていこう!騙して連れて来た子が帰るのを小さく手を振り見送るが、口の悪い彼は私を睨んだままだ。
「…何?そんなに睨んで…」
「テメェはクソヴィランなんだから監視してるに決まってんだろ」
まぁ確かにヒーローの立場的には私は何をしでかすか分からない存在だろう。チラリと筋肉馬鹿二人を見ると何故か腕相撲対決に移行していた。もうアンタら仲良しだろ。何してんだ筋肉の塊二人がマジで。
「アンタは…あの連れとどう言う仲なんだい?」
「答える義理はねぇ黙ってろ。」
腕相撲を制したのはどっちかわからないが今度は普通の相撲になっている。わざわざ瓦礫を退けて円を書いてどすこいどすこい言いながら互いのパンツをホールドして筋肉が犇めいているのを見ると…なんかもう逆に笑えなくなってくるな。
「…アレとライバルな割には…少し線が細いね?」
彼の性格からして共に行動しているのは彼に負けんとする想いからに違いない。つまりはライバル…だが、それにしては線が細すぎる。どんな個性かはわからないがアレと対等に戦えるようには思えない。逆に対等だと言うなら見てみたい気もする。
「よし、決めた。私を倒してみなよ坊…」「爆殺真拳ッ!!」
ッ!言い切る前に仕掛けて来るなんてとんでも無いヒーローだね!?
「チッ…躱しやがったか」
なるほど、身体を爆破させる感じの個性か、私のと違って自身へのダメージはなさそうだ。羨ましいね。
「テメェをボコって拘束する。それが望みなんだろクソヴィラン。」
「さっきの反射神経、常に気を張り続ける集中力、なるほどねぇ、あの子のライバルは伊達じゃないって事だね」
軽い気持ちで言ってみたけどこれはやばいかも…?
と言うわけで始まる緑谷VSマスキュラー戦(2回目)
原作だと呆気ないリベンジマッチでしたが本作では素の筋力では負けるものの筋肉増強すれば圧縮筋肉の緑谷に対抗できるレベルまで鍛えていたマスキュラーは善戦します。
最初は緑谷がオールフォーワンを倒した後にダツゴク後ずっと鍛えていたマスキュラーがラスボスとして現れる展開も考えましたが没になりました。
ちなみに幼少期の緑谷の海浜公園の清掃は原作のあの公園です。洸汰くんが思ってるよりもハードそうですね。
脂汗皮膜(スウェットベール)…脂汗を分泌し摩擦抵抗を軽減する事で拘束から脱出する技。地中移動時等でも活躍する。
自爆…レディ・ナガンがオールフォーワンによって与えられていた『爆髪』の本当の名称。髪の毛以外も自らの意思(またはAFOによる遠隔起爆)で爆発させられるが、爆豪のように汗を爆破させるのではなく、肉体そのものを内側から爆散させるため、使うと漏れなく致命傷になってしまう。マスキュラー戦でオールフォーワンにより遠隔起爆されかけたが、マスキュラーが肉体を外側から押さえつけた為、爆散を防ぎ、死なずに済んだ。ちなみに、今もたまに遠隔起爆されかけるがもう慣れたので内側から爆散する事はない。…治崎?その辺に転がってます。多分