無個性『筋肉』   作:ベルゼバビデブ

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この辺から原作と展開が変わってきます。

え?元から?(殴打)

今回はギャグ回です。多分。


トレーニング53 キャスリーンは僕のメル友さ!

 クソ肉ダルマは気絶した女ヴィランを、クソ肉ダルマヴィランはその辺に転がっていた両腕のない治崎とかいう奴…こいつもダツゴクらしい…を背負い、雄英に向かっていた。

 この際ぶっ倒されたクソ肉ダルマヴィランがクソ肉ダルマに従順なのはもういい。真剣勝負で負けたのだからということなのだろう。そして、そんなヴィランにヴィランを運ばせるのも、この際良い。

 

 何故逆立ちで行く?そして担がれてるほうもよく落ちないな?

 

「愚問だなかっちゃんとやら!筋肉とは常に鍛える事で更に強化される。ただの移動よりも逆立ちでダッシュする方が体が鍛えられるからな!」

 黙れよ。心を読んだ上に馴れ馴れしく呼ぶな。…あ?クソ肉ダルマが微振動してやがる。どうしたんだ…?

「あ、アメリカから筋肉共鳴だ。」

 あぁ、確か同じ筋肉量に近い相手とは声帯や筋肉の共鳴で会話できるんだったか。エンデヴァーがクソ肉ダルマとそれで会話したって話を聞いたことがある。…範囲がアメリカまで有効なのは驚きだがな。

「もしもし?キャスリーン?久し振り!どうしたの?…うん、そうだね!少し日本は騒がしいかも!大丈夫大丈夫、筋肉に不可能は無いからね!もう少し落ち着いたら、うん、また!それじゃあ!…ごめんごめん。アメリカから筋肉共鳴が来ててさ。それにかっちゃん、声をアメリカまで届けるには共鳴現象が減衰するから流石に声に出さないといけないんだ」

 声デッカ、衝撃でひっくり返っちまったじゃねぇか。だが、普通はクソデカい声を出しても普通はアメリカまで届かねえよ。どうなってんだ。

「なんだァ?緑谷ァ!お前並みの筋肉量のヤツがアメリカにも居るってのか!?そいつは楽しみだなァオイ!!」

 お前今から捕まるんだが??

「…で?そのアメリカのキャスリーンとかいうやつはなんだって?」

「うん、日本が今こんな風だから困ってないかって。私で良ければいつでも力になるって言ってくれたよ。」

 へぇ、中々正義感のあるやつらしい。「うん。元々キャスリーンとは筋肉を鍛える道中で知り合ったメル友なんだ。」やめろ。心を読むな。バトった後だからこっちも気ィ抜いてんだよ。「ダメだぜかっちゃんとやら!ヒーローたるもの常に気ィ張ってヴィランとのナイスバルク対決に備えなくっちゃァな!!」お前も黙れよ。

「それでキャスリーンはオールマイトの事も心と筋肉の師として憧れてるみたいで意気投合しちゃってさ。最近はトレーニングとしてアメリカの海岸線10周を日課にしてるらしいんだ。」

 …もはや災害じゃ無いかそれ?いや、目の前のこのクソ肉ダルマも大概だったな…。国境を越えても筋肉に狂った奴ってのは居るらしい。…考えたくもないな…っと、雄英が見えてきた。

 

 そのまま無事ヴィラン3人を雄英に駐在していた警察官達に引き渡することができた。このままダツゴク共を全員捕まえられりゃ良いんだがな…

 

〜〜〜〜〜 〜〜〜〜〜 〜〜〜〜〜

 

 全寮制になる前は通学に使っていたこの道もすっかり荒れ果ててしまっているね。まぁ、この辺の住民は雄英の近くって事でもう避難してるだろうし避難が遅れる人はもういなそうだけれど。そろそろ引き上げるとしようか

「なぁ拳藤」

「なんだ?物間」「呼んだか?」

 

 …。

 

 …?あれ?

「拳藤?」

「だからなんだよ物間」「参ったな。会話にならない」

 …。拳藤が二人いる?いや、明らかに二人目の返答は男の声だ。拳藤のものじゃ無い。取り敢えず振り返るか。ふむ、ガタイの良い覆面男。…いや、誰だよ!?

「いや、誰だよ!?」

「お前が呼んだ肩動だが?」

 いや、だから誰だよ!?

「へぇ、あんたもケンドウなんだ。私は拳藤 一佳。拳に藤って書くんだ」

「拳か!良い名前だ!!俺は乱波 肩動!肩が動くでケンドウだ!!」

 まさかのケンドウ違い…!?…いや、待てよ?この男確か…逃走中の…!「おう、そうだぜ。俺は俗に言うヴィランよ!いつかデクに勝つ為に今も己を鍛えているところだ。」しまった…思わず気を緩めて筋肉読心術を許してしまった…!

「さて、そう言うわけでだヒーロー!どっちから来る?何なら二人同時でも俺は構わないぜ!!銃でも刃物でも戦車でも戦闘機でも何でもいい!全部拳でねじ伏せてやる!」

 支援に来た米軍の戦闘機を拳で叩き落としたという話もある。一応噂じゃ『殺しはしない』らしいし、ボコボコにされても近くの病院に(物理的に)担ぎ込まれるらしいけど…

「アンタがヴィランだっていうなら…手加減はしないよ!」

「わかってくれたか!?良いケンドウだ!!」

 いきなり拳藤と肩動が殴り合いを始めてしまった。だが、拳藤も伊達に鍛えていない。並大抵の殴打ならその鍛えた動体視力としなやかな身のこなしで躱す事が可能だ。

「ッ!」

 …拳藤に攻撃が掠った…?いや、見間違いじゃ無い、どんどん殴打のスピードが上がっている…!?

「どうしたケンドウ!反撃が無くなってきてるぞ?まだ終わりじゃ無いよなァ!!やっと肩があったまってきたところなんだッ!!」

「早い…!」

 あの拳藤が殴打を受けて吹き飛ばされるなんてね…。

「大丈夫かい?拳藤」

「ダメージはないよ。個性は使わされたけどね」

 拳藤の個性である大拳は拳が巨大化するだけの個性と思われているが、拳が巨大化するに従いその重量も骨量も筋肉量も増大する。つまり硬質的筋肉を拳に集中させる事で拳藤の巨大拳は瞬時に筋肉量を爆発的に増加させられる。故に武器にも盾にもなるのだ。そしてその拳を自在に操れるように鍛えた事で今の強さを手に入れてるわけだけど…その拳藤をもってしても防戦一方を強いられたとは…このヴィラン、強い…!

「拳がデカくなるとは良い個性だ!シンプルな分筋肉を鍛えただけで格段に強くなれるタイプだからな…!因みに俺の個性はこの肩よ!とにかくよく動くし回転が良い。さぁ…互いの個性が割れたところで続きを始めるぞケンドウッ!!」

 折角の個性という情報アドバンテージを捨てた?いや、嘘の可能性は捨て切れない。…よし、ようやく手が届いた。拳藤には悪いが僕らはヴィランとヒーロー、正々堂々と戦う必要はないんだ。相澤先生、個性お借りしますよ…!

「…!肩の動きが鈍くなった?これは…前にも経験があるな。まぁ、関係無いッ!!」

 ダメか、どうやら個性が肩ってのは本当らしいがあのヴィランの強さは個性由来では無く鍛えた肉体による物らしい。厄介だな…。左手はもう少し個性をコピーするのに使いたいから使えるのは右手だけだけど拳藤をアシストするしかないね。

 『トカゲの尻尾切り』+『透過』!通形先輩のブラインドタッチ目潰しだ!!

「目潰し…いや、この指先から振動が返ってこねぇ、ルミリオンって奴が使ったのと同じ技か」

 ッ!?ブラインドタッチ目潰しに全く動揺しない!?

「ぐあっ!?」

 いけない…!抹消の効果が切れて拳藤が吹き飛ばされた…!

「さっきからこそこそと何かしてるのはお前だな?これは勝負だからな、どんな手も俺は受け入れるが気にしないわけじゃ無いぜ!!」

 まずい…!拳藤に避けられない拳を僕が避けられるはずがない…!何とか受けるしか…!

 『スティール』+『頑丈』+『硬化』だ!!

「お?」

 ッ…!これだけの個性を使ってもなおこの威力…!?どうなってるんだ…!

「ガードも出来るのか!お前、良いな!!」

 まずい、躱せないから受けるしかないが…!

「まだまだ耐えられるよな!?肩はあったまってるんだ、俺はもっともっともっと!拳を打ち込んで肩を鍛えたいからよ!!」

 透過を使うか…?いや、そう言えば通形先輩がこの個性をコピーして練習させてもらう時に言われていたような気がする…!

 

『透過って確かに調整が難しいですが正直無敵の個性では?』

『それがそうでもないんだよね!調整は勿論そうだけど、実は2度ほど負けてるんだ!』

 

 一人目に挙げられた緑谷くんの攻略法には驚いた。ピッタリと呼吸器官に重なるように動く事で透過時に何もかも…それこそ酸素までも透過してしまう事を逆手に取られて呼吸困難になって気絶することになったと。そして二人目が目の前にいるコイツだ。

 

『最初は順調だったんだけどね!どんどん攻撃のスピードが上がっていってサーナイトアイと二人がかりなのに俺が常に全身透過をしなければならないレベルで…絶え間なく反応し切れない速度の殴打が飛んできたんだよね!』

 

 この男がそうなのだろう。だとすれば僕と拳藤で同じ事をしても必ず負ける。通形先輩は緑谷くんとたまに組み手をしてもらっているそうだが、その際に緑谷くんは全身の筋肉を振動させ、振動の反射の有無で透過を見破るマッシブソナーという技を用いれば一定量の筋肉相手には透過の有効性が薄れると解説していた。これだけの筋肉量の相手だ。僕程度の透過の練度では簡単に透過の穴を突かれ逆に肉体の内側へと攻撃されかねない。故にここは…!

「拳藤、援護する」

「分かった」

 拳藤の援護だ。まぁ片手はトカゲの尻尾切りで飛ばしているから片腕だけど拳藤のアシストくらい個性を駆使すれば出来るだろう。先生や先輩の強力な個性も良いけれど、やはり見慣れ、使い慣れているクラスメイトの個性が組み合わせやすい。

 あの筋肉は防御力も高いはず、恐らく生半可な切断攻撃は無効化されるだろう。つまり貫通力の高い攻撃か、圧倒的な打撃しか有効打にならない。勿論僕程度の大拳ではほとんど効果はないから力を借りるよ鉄哲、鱗。『スティール』+『鱗』!

「食らえ徹甲芽飛鱗群ッ!!」

 鱗の個性で生じる鱗をスティールで覆うフルメタルジャケット弾だ。

「飛び道具か!」

 …上手いな、籠手で上手いこといなすか叩き落とすか弾いている…しかも適度に弾く事で拳藤を牽制するなんて…!

「物間!」

「分かってる」

 アシストするつもりが脚を引っ張ることになるとは。ここは他の手を使うしか無いな。片手だが拳藤と同時に突っ込んで接近戦を仕掛けるしか無い。

「次は殴り合いか?良いな!どんどん来い!!俺は逃げも隠れもしないからなッ!!」

 片手で拳藤の両腕を捌き切ってるのを見ると僕程度の格闘術が決まるとは思えないけど…

「拳藤!」

「了解!」

「…なんだ?」

 拳藤とは半年以上仲良くさせてもらってるんだ。流石に僕が何をする気かわかってるらしい。この状況で拳藤以下の体術で片手しかない僕がやる事なんて姑息な手しか無いに決まっているのさ

「閃光弾ッ!!」

 嫌なやつかと思ったがコピーすることに関して全く嫌がらないどころか聞けば爆破のやり方を口こそ悪いが丁寧にわかりやすく説明してくれた爆豪くん。曰く彼自身自分の個性の仕組みを理解すればその分個性は発展するとか。確かにプロヒーローのベストジーニストでさえ最近服の繊維だけではなく筋肉も筋繊維なのだからファイバーマスターで操れるという解釈をする事で個性が発展したとも聞く。僕は彼のように全身を爆破させたり遅延させたり溜めたりは出来ないが基本的な使い方は大体できるようになった。

「目眩しかッ…!」

「そこだァッ!!」

 拳藤の両拳…しかもインパクトの瞬間に拳を巨大化させる事で衝撃を増幅させている。決まったな…!

「今のは中々効いたぜ…!やっぱ殴り合いは一番良いなァッ!!俺もやっと…」

 なんだ…!?さっきまでと構えが違う…まるで四足歩行の獣のような…

「身体があったまって来たんだッ!!」

 

 ッ!個性で肩が強化されているから四つ足移動が並の速さじゃない…!

「拳藤!」

 まずい、拳藤が吹っ飛ばされた…!僕よりよっぽど頑丈だから死んではいないだろうが…!

「拳女は…まぁ死んじゃないだろう。だがしばらくは立てないだろうな。次は…お前だキザ男!」

 来る…!拳藤に避けられなかった攻撃を僕が避けられるはずがない…!だからここは…!『シュガードープ』+『スティール』+『頑丈』+『硬化』+『鱗』+己の腹筋…!

「止めた…!?お前、良いなッ!!」

 シュガードープにより己の筋肉を増強する事で個性同時使用数の上限を増加させるッ…!まぁ、これ…個性に負担がかかるから制限時間を一気に消費しちゃうんだけどさ…!でも、この一瞬があれば良い!!

 爆豪くんは発生するリスクをリスクのまま捉える必要があり、そこからリスクが少なくなるように鍛えた。だが僕は違う。そもそも鍛錬できるコピー時間に限りがあるから一つの個性を極めるようなことはできない。でも、僕には僕の強みがある!それは複数個性の組み合わせによるリスクの踏み倒しさ!

 当然痛みは感じるし、体力だって使う。でも失うのはトカゲの尻尾切りで切り離している手だけだ。この程度は擦り傷!僕だってヒーローさ。

「擦り傷が怖くて…ヒーローが出来るかよ!」

「お前…良いなッ!」

 

 『トカゲの尻尾切り』+『大拳』+『爆破』!掌を巨大化させ汗の分泌量を増加させたリスク踏み倒しの…

「超・極大爆破だッ!!」

 至近距離での超・極大爆破だ。流石に倒せているはず…

「なぁ!俺は思うんだ。」

 …嘘だろ…?使った僕の手が消し炭になるほどの爆破だぞ…?トカゲの尻尾切りとはいえどそんなすぐに失った部位は再生しない。個性をコピーさせるために雄英に飛ばしている手も戻ってくるには時間がかかる…!

「勝負は死んじまったら意味がねェってな。殺したり殺されたら再戦が出来なくなっちまう。」

 拳藤と違って個性による強化なしに素の筋肉だけであの爆破を耐えたってのか…!僕なんかとは鍛え方が違う…!!

「その点お前達二人は良かった…!俺との殴り合いに食らいつく拳女に何してくるか分からなくてワクワクするキザ男!」

 それに…不味いな…流石にトカゲの尻尾切りで手を飛ばし過ぎた…体力が尽きかけてる…!

「…見た感じキザ男も限界そうだな。じっくり休んで怪我があるなら治してからまた再戦しよう!どちらかが寿命でくたばるまで何度でも!」

 …それは流石に勘弁願いたい…。

「とは言え俺も…む?この筋肉は…」

 

「物間くん!拳藤さん!無事!?」

 

 …!緑谷くん…!助かった。彼なら…!

「…あれ?乱波さん?」

「久しぶりだなデク!」

 …知り合いなのか…?しかも随分と親しげだ。

「デク、再会を祝して殴り合い…!と、行きたいところだが俺も流石に肩が上がらなくてな。拳女の良いパンチとキザ男の爆破で流石に限界だ。悪いな」

「かっちゃんが隣に居たのに爆破が見えたから飛んできたんだけどなるほどね。…怪我を治すなら雄英に来ませんか?」

 いやいや、彼はヴィランなんだが??

「なら世話になるとしよう。どのみちこの腕じゃ何もできないからな。」

 大丈夫かなぁ…

「安心してよ物間くん。警察の人とも話したんだけど、筋肉系ヴィランはより強い筋肉に従う傾向があるから僕がいる間は再犯の恐れはないからって減刑されるらしいんだ」

 

 そんなことある????????




キャスリーンは俗にいう原作のスターアンドストライプちゃんですね。
本物語では恐らく本編以上にムキムキなナイスバルク系女性ヒーローとなり新秩序抜きでもドチャクソ強いことになっていると思います。

…なんで拳藤と乱波が戦ってるんです??
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