無個性『筋肉』   作:ベルゼバビデブ

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ヴィラン側の戦力がもうオールフォーワンとトガ達しか残ってないんですが…。


トレーニング55 たとえ無視されても…やっぱりナイスバルク!

「僕のナイスバルクを跳ね除けるなんて…!僕如きの筋力量では褒め称える気にすらならないと言う事なのかッ…!」

 いや、違うが???改造の成果だが???いや、この際そんなことはどうでも良いか。

『しかしどうするんだ先生?仕留めるつもりで放った不意打ちの殴打を耐えられてるぞ?』

 問題ないよ弔。威力が足りないなら足せば良い。個性と言うのは面白いものでね、黒霧のように複数の個性を組み合わせる事で新たな個性に転じる事もある。

『あぁ…この前はそのせいでやられたもんな』

 うるさいよ弔。更に最近発覚したのは個性に対する解釈による効果の変化だ。ベストジーニストが筋繊維も繊維だと言い張り自分に言い聞かせた事による暗示で個性の枷が外れたように、「やってやれる」と言う考えを持ってすれば案外個性の制限なんて簡単に外れるものさ。

 まだ実用には至っていないがプロヒーローのロック・ロックから奪った個性と時間干渉のクロノスタシスを組み合わせ理解を深めればそのうち世界の時を固定し、止める事だって出来るだろう。

『随分スケールのデカい話だな』

 そりゃぁボクは魔王だからね。この肉体で不死身、不老不死を手に入れたんだ。その次は個性!いずれはこのボクが世界を支配する!

 まぁ、これはそう言うわけで複数の個性を混ぜ合わせ、得た力さ。

 

 『ドラゴン』+『ヤモリ』+『圧縮』!

 

「ッ…!?なんだ…見た目が…!!」

 これが複合個性…『龍形態』だ。魔王なら変身形態くらいないとね。リューキュウから奪った龍化の個性をコンプレスの個性で『圧縮』し、そのイメージをヤモリの肉体ベースに落とし込んだ。

『ドラゴンを人間大にいきなり落とし込むのは無理でも間にヤモリ人間を経由した事で親和性を高めたって事か』

 無理にやるとパワーが落ちるからね。似た個性や解釈の橋渡しは重要なのさ。それにこの姿は姿形が変わるだけじゃない。

 『龍形態』+『氷操』

「ドラゴンブレスッ!!」

「ッ!」

 息を吐くだけで攻撃となる!魔王とは圧倒的強者でなくてはね!!

「危なかった…!」

 なんでこの子凍り付いてないの???

「轟くんとの戦闘訓練で耐寒的筋肉と耐氷的筋肉を鍛えていなければ死んでいた…!!」

 筋肉って本当になんでもありなのか…!?まぁいい、此方だって肉体を増強してパワーは増しているんだ…!!

「フンッ!!」

「ただの殴打ならッ!!」

 馬鹿め、タダでさえ素の身体機能が強化されたマスターピースであるこの体を龍形態でさらに強化し、その上で複数の個性で増強している!いくらワンフォーオールと言えど!!

「ぐあッ!?」

 押し勝ったッ…!勝てるぞ…!!この闘い…!!

「とどめだ…!!」

『…!先生、上だ。』

 

「核 弾 頭 ッ ! !」

 

 ッ!!爆破の…!?馬鹿な…!!

「防ぎやがった…!ざけやがって…!」

「かっちゃん…!」

 おかしい、何故この少年がここにいる…!?まさか、ボクが負けたのか…!?こんな、一つの個性しか持たないただの小僧に!?

「さっさと立ちやがれデク…!俺以外の奴に負けるなんて許さねえぞ…!!」

「…!うん…!」

『どうするんだ先生。もう一人のアンタはやられちまったみたいだぞ』

 少し黙っててくれないか弔。…問題はない、二人ともここでボクが始末すれば良いだけのことだ。魔王はボク一人で良いからね…!

 

〜〜〜〜〜 〜〜〜〜〜 〜〜〜〜〜

 

 クソ肉ダルマが殴り合いで負けてるとはな…。だが、テメェはこんな雑魚ヴィランに負けるようなヤワな奴じゃねぇだろ。

『おい、クソ肉ダルマ…そのまま黙って聞け』

『…!かっちゃん、いつの間に筋肉共鳴を習得してたの…!?そうか!かっちゃんはよく叫んでるから喉の筋肉が普通の人よりも鍛えられてたんだね!』

 叫ばざるを得なかったのは誰のせいだと思ってんだぶっ飛ばすぞ。

『黙ってろ。俺の出せる最大火力を野郎は防ぎやがった。』

『さっきの核弾頭って技だね?流石かっちゃん、回転による遠心力に腕力、更に三重の爆破を放つ上に重力加速度まで上乗せするなんて』

 だからなんでコイツは一目見て俺の技の仕組み全部理解するんだよ気持ち悪ィな…!『これが、筋肉読心術さ!』やめろ…!!マスクしてんのに心を読むんじゃねェ…!!

『取り敢えず俺だけの力じゃ奴の守りを抜けねぇ。そしてそれは』『僕も同様、I・アイランドの時みたいに協力するって事だね』

 ま、そういうこった。癪だがな。…これ以上は筋肉共鳴で伝える必要すらねぇ。テメェなら全部理解できんだろ。『信頼してくれてるんだね』…まずは俺が撹乱するッ!!

「チャフグレネードッ!!」

「これは…目眩し…?なるほど、道理でボクが負ける訳だ」

 速攻で空気を押し出してチャフを晴らしたか、だがそんなもんは想定通りよ…!!

 チャフグレネードを投擲した後直ぐに投げておいた…感応式遅延爆破の…閃光弾だ!!

「ッ!」

 この隙が欲しかった…爆破をチャージするためのなァ!!

「ふん、無駄だよ。どこから攻撃が来るか分からないなら全方位を守れば良いからね。」

 

 一気に爆破で飛翔し、既に空中に居たクソ肉ダルマを掴む。爆破装甲による回転を加えて全方位バリアなんて雑魚技かましてるクソ雑魚ヴィランに向けて…!!

「爆破式カタパルトォォォオオオ!!」「筋肉爆発ッ!!」

 汗を放出することにより更に加速したか、だが、これじゃまだ足りねェよな。もう耐えられるだろうからぶちかましてやる。テメェの背中をまた、蹴っ飛ばしてやるよォッ!!

「HVAPHEショットッ!!」

 これでかませや…!!

 

 『爆破式カタパルト』+『HVAPHEショット』+『筋肉爆発』+重力加速度+! アイツの筋力ッ!!

 

「1,000,000…いやッ!100億%… SMASCLE!!!!!」

 

 相手の直上からブチかますこの技ならこの前みたいに逃げられたりはしねえ…!

 

〜〜〜〜〜 〜〜〜〜〜〜 〜〜〜〜〜

 

 合わせ技をしてくるとは、これだからヒーローは厄介だ。だが、此方だって伊達に防御に徹した訳じゃない。防御を突破され、肉壁諸共ガードした両腕が捥げたが再生の個性があればすぐに元に戻る。

「…ふふ、残念だったねヒーロー」

 あれだけの合わせ技、一度使われれば二度使われるような隙は見せない。

「チィ…耐えやがったのか…!」

「僕たちの連携をも防ぐなんて…ナイスバルク!」

「ダブルバイセップスしながら言ってる場合か!採れたてで新鮮なメロンみてェな肩しやがってよ!!」

 おや、仲間割れかな?

『いや、甘いな先生。ありゃボディビルで行われる掛け声…。つまり応援みたいなもんだ。まだまだ何してくるか分からないぜ』

 ふん…何をしたって無駄な事だよ。

「うおおおおぉぉぉぉぉ!!!」

 なんだ?次はやぶれかぶれの特攻か?哀れだな。

「大胸筋が走りやがってよ!背中に鬼神まで宿らせやがって!」

「フンッ!!!」

 この程度の殴打なら龍形態ならば個性を使わずとも対処できるな。

「くっ…!やっぱり僕一人の力じゃ…!」

 一旦距離を取っての仕切り直しか。だがそうはさせない!

 『龍形態』+『火を吹く』!

「ドラゴンブレスッ!!」

「火ィ吹きやがった…!」

「ッ…!脂汗皮膜ッ!!」

 む、炎を掻き消されたか。何の個性の力だ…?

『あれは己の肉体から大量の脂汗を分泌しただけだな。なんでも個性だと考えるのは先生の悪い癖だぜ』

 いや、普通にボクのドラゴンブレスを無個性で弾く方が想定外の案件だからね???

「おい!クソデク!!こうなったら…アレやるぞ!」

「アレ…?アレって何!?」

「決まってんだろ…合体だ!!」

 

 ………。

 

 …………????

 

 彼は絶望的状況過ぎて気でも触れてしまったのかな?

『いや…まさか…!』

 

「爆速ターボッ!!」「+筋肉爆発ッ!!」

 …!爆破の少年を肩車する要領で…!

「かっちゃん!」「言われなくても合わせるッ!」「フンッ!!」

『殴打のタイミングで緑谷の肘を爆破する事で爆風を上乗せしてるのか』

「くっ…!」

 この程度の攻撃問題はない…!素の力だけでなく個性を使えばッ…!!

「デク!」「分かってる!…そりゃッ!!」

 ッ!?緑谷出久の拳が爆発した!?

『さっき爆豪が緑谷の手に触れていたからな。おそらくそれが原因だろう』

 クソ…!あんな滑稽な見た目でこんな…!

「爆速ターボッ!!」

 く…!また来る…!

「圧縮トレーニング完了!シュートスタイルだッ!!」

 …ッ!!

『瞬時に出したものとは言え、肉壁を吹き飛ばされる威力とはな。』

 発勁か…!厄介な個性だ…!だが、発勁は一度使えばまたチャージが必要になる…!

『ダメだ先生!すぐに防御しろ!!』

 えっ?

「脚はもう一本あるッ!!」

「ッ!!」

『だから言ったのに。モロに食らっちまったな』

 この、程度…!再生すれば問題ない…!!

「このまま押し切るぞ!」「うん!」

 脚に発勁をやらさないように牽制さえすればッ!

「行くぞォ!!」「フンッ!!」

 ッ!?さっきよりも殴打の威力が上がっている…!?くそ、再生だ…!再生をして耐えれば良い!

『…まさか…!!』

 

「まだまだァ!」「フンッ!」「もう一丁!!」「ハァッ!!」「そらよォ!!!」「ていッ!!!」

 

 な、なんだ…!?何故どんどん威力が上がっている…!?こ、このままでは防御が追いつかない…!!

『先生、このままじゃ負ける。再生の個性を停止させろ』

 何を言っている弔!そんなことしたら大ダメージを回復できずに負けてしまうだろう!!

『違う!再生をするのが間違いなんだ!!』

 くそ、弔まで錯乱してしまったようだな…

 

「これでェ!!!!」「とどめだァッ!!!!」

 

『…俺の身体だ。返してもらうぞ』

 なっ…!?ダメージのせいで身体の主導権が…!

 

〜〜〜〜〜 〜〜〜〜〜 〜〜〜〜〜

 

 まずは再生の個性を停止、そして…

「緑谷出久…この俺の身体を追い詰めるとは…ナイスバルクッ!!」

 サイドチェストだ!

「ッ…!これまでの闘いの中で鍛えられたことでどうやら僕の筋肉を認めてくれるようになったということか…!改めてナイスバルク!!」

「クソ!この土壇場でナイスバルクによる攻撃モーション中断だなんてセケェ真似しやがる…!!」

『いや、中断せず攻撃続行すれば良いんだよ。なんで律儀に攻撃止めるの君達。アホなのか?まぁいい、さぁ弔、早く傷を再生させるんだ』

 いや、再生はしない。

『何故だ!?』

 それは…筋肉だ!

『??????????』

 筋肉とは鍛錬し、筋繊維が破壊され、超再生によって回復してより強靭なものとなる。だが、個性による再生では破壊された筋繊維は元の形状にしか回復しない。つまり、これ以上強くならない。反面、再生の個性を持たず筋肉で攻撃してくる緑谷達は攻撃すればするほど筋肉が鍛えられ強化されていく。最初は防げる攻撃も攻撃を防がれないようにと更に攻撃することでどんどん威力を増していく。更に今の奴等は攻撃時に爆発を受けることで負荷が掛かっている…つまり爆発的効果のあるトレーニングをしているのと同様だ!

『すまない、意味がわからないが???』

 …いい加減煩いな先生は。…消えろ!

『なっ…!?』

 

 …。静かになったな。

「…さっきはお前のナイスバルクを無視して悪かったな。…ここからは真剣勝負だ。」

「雰囲気が変わった…!油断すんなデク…!!」「うん…!それにさっきまで身体を急激に再生させていたのに今は筋肉による再生だけに留めているのも気になる…!」

 流石は緑谷出久…。そこまで見抜いてくるか。

「…行くぞ!緑谷ッ!!」

「来いッ!死柄木ッ!!」「おい!俺を無視してんじゃねェッ!!」

 




○マスターピース(本作)…本来の設計思想とは少し異なり、個性に身体が追いつかないなら追いつくレベルで鍛えた肉体を用意すれば良いというドクターも若干脳筋な代物。故に体を組み替えるのではなく、圧倒的に鍛錬し完成された肉体で相手をねじ伏せるイメージになった。AFOは不服そうである。

○魔王(龍形態)…ドラゴン化を人間大に圧縮しパワーアップする魔王の第二形態。素の身体機能が上昇する。

○ドラゴンブレス…龍形態の魔王が放つ燃え盛る龍の息吹。組み合わせる個性によって様々な種類の効果を孕む。龍形態により肉体性能が増している為、組み合わせの個性が弱個性でも関係無く一般レベルにおける致命傷を引き起こせる。息を吐くだけで発動可能でありモーションの隙が少ないのが特徴。なのだが、やはり圧倒的筋肉の前には火力不足である。火を吹く個性…?

○100億%SMASCLE…相手の直上に陣取ってから爆破式カタパルトで真下に投擲し、重力加速度を得つつ、背後に筋肉爆発をして勢いを増し、そこから更に背後からHVAPHEショットによる爆破によよって加速して圧縮トレーニングによって強化した腕で相手をブン殴る爆豪と緑谷の合わせ技。

○合体…爆豪が自身の脚の力だけで緑谷にしがみ付き、爆速ターボによる機動力上昇や攻撃時に爆風を上乗せしたり、感応式遅延爆破の汗を緑谷の拳に付与することで爆発する殴打をさせたりすることで破壊力上昇を行う技。見た目こそ滑稽で爆豪のプライドに大ダメージが入るが、何よりも『勝つ』為に必要であれば爆豪は迷わずにやる。爆速ターボによる移動で緑谷は脚を使わず移動ができる為両脚で圧縮トレーニングキックが出来るなど、見た目に反して非常に強い。

○個性「再生」の弱点…個性の再生による傷の回復はあくまで「傷が付く前の状態に回復」であるため、鍛錬によって傷付けば傷つくほど鍛えられ強化され続ける筋肉の前ではいずれ突破される運命にある。やはり筋肉。筋肉は全てを解決する。
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