一部独自設定や解釈を含み、特にオチもありません
私の個性「新秩序(ニューオーダー)」…触れて名を呼ぶ事で新たにルールを設定することができる。一見神の如き個性ではあるが、色々と制限のある個性である。
制限その1「触れて名を呼ぶという工程が必要」
アメリカNo. 1ヒーロー…スターアンドストライプとして毎日活動を行い、怠る事なく体を鍛えてきた。しかし、どれだけ筋肉を鍛えてもこの制限の撤廃は叶わなかった。絶対に触れ、そして名を呼ばなければならない。まぁ、鍛え抜いた結果、圧倒的脚力で即座に距離を詰め一瞬で触れると言う芸当が可能になったし、そもそもフィジカルで大抵解決するのでこの制限はあってないような物であるのだけど。ついでに言うと発達した握力と肉体強度が増した結果デフォルトでレーザーを掴むことが可能になったのだがここではその話は割愛する。
制限その2「設定できるルールにも限度がある」
簡単にいえば「キャスリーン・ベイトのパワーはイズク ミドリヤを小指で弾いただけで全身複雑骨折に出来るくらいになる」などの逸脱したルール設定はできない。主に人体への強化幅は自分自身であっても大体10倍くらいが限度。まぁ、筋肉を鍛えた結果10倍パワーであれば全力で殴れば脱力しているイズクを部分骨折させられるくらいなので、強化される側を鍛えれば良いだけの話なので私も余り気にしていなかったりするけど。
制限その3「1つの対象には1つしかルールを設定できない」
例えば、「大気は私の10m先に存在できない」と「大気は私の100倍の大きさで固まる」というような二つのルールを同時に「大気」には付与できない。1つ目の大気へのルールを2つ目の大気へのルールで上書きしてしまうからである。
だが、この制限にはある抜け道が存在する。例えば紙袋に触れてルールを設定する場合「紙袋は伸縮する」とルールを設定する。その後「紙は燃えない」とルールを設定する事で伸縮性に富む燃えない紙袋が完成する。このように物質Aとその構成要素など、解釈によっては実質的に1つの物に2つのルールを設定することが出来るのである。
制限その4「一度に設定できるルールは2つまで」
イズクの友人である個性「コピー」のネイト モノマが筋肉を鍛えた結果一度にコピーできる対象数が増えたと聞いたとき、私自身もその可能性があると筋肉を鍛えた。しかし、すでにこの世に存在する個性を一時的に複製し使用可能となるコピーに対し、一度新たに設定したルールは解除するまで持続するという性質上、いかに筋肉を鍛えても元の能力が強力過ぎたためか個数制限は増やせなかった。
但し、これにもルールの抜け穴が存在した。そう、それは…
筋肉…!やはり筋肉は全てを解決するのである!
「いかに強力な個性であっても個性は身体機能の一つ…つまり、私の個性による肉体への強化幅の上限である10倍までなら新秩序のキャパシティを増やせてもおかしくはないはずよね?」
これは解釈や認識として逸脱した範囲ではないはずだ。私は重力が100倍になっている特別なトレーニングルームでスクワットをしながらイズクに疑問を投げかけた。
「そうだね、でもキャスリーンの個性は元々が強力だからなぁ…。例えば僕が前に話した物間くんのコピーは時間制限があるんだけど、キャスリーンの新秩序はそれがない。キャスリーンはいつも半ば無意識的に範囲の制限をかけているけれど、その気になればアメリカに居ながら地球の反対側にさえ影響を及ぼすことが出来る個性だ。つまり元々人間一人が扱うにはかなりギリギリレベルの個性と言えるよね」
イズクはこの負荷の中逆立ちして小指一本で腕立てしていた。流石ね。確かに私が範囲を決めず「大気は10倍の密度になる」とルールを設定してしまった場合、全世界の大気が10倍の密度になり世界を大混乱に陥れてしまうだろう。
「…個数という制限を取り払うなら…今まではなかった新たなる別の制限を付けるのはどうかな?それこそ時間制限とか、範囲とか…例えば…」
「そうか、筋肉ね!」
イズクのアドバイスによって私は新秩序のルールの抜け穴をつくことが出来るようになった。
「『新秩序は私に対するもののみとなる代わりにキャパシティが10倍になる』…これでどうかしら」
元々のキャパシティの内1つを使用し、新秩序にルールを設定する。そして残りのキャパシティ1つを10倍に増やす。制限3を適用すればそもそも私自身には1つのルールしか設定できないので一見無意味な制限に見えるが、その制限の穴をつけば良いのだ。まずは私は私自身に触れる。体のどこでも良い。
「『キャスリーン・ベイト』は筋力が10倍になる」
まずは私自身に対するルール。全身の筋力が漲り体が膨張するのを感じるわ。次に…そうね、上腕二頭筋を触ろうかしら。
「私の『筋肉』は密度が10倍になる!」
次に私の筋肉に対するルール。私と私を構成する筋肉は別物、ということね。この辺は認識と解釈によらところである。漲った筋力はそのままに膨張した体が引き締まったように感じるわ。最後に腹筋に触れる。
「私の『腹直筋』は10倍の硬度になる!」
私の筋肉のうち、さらに詳細な部位をピンポイントに指定する。これでうまくいけば元の10倍の筋力が10倍に圧縮され、更に高度も10倍になった圧倒的超硬質的筋肉の腹筋が完成する。私の元の筋力を考えればおそらくイズクの殴打にも耐えられるはず。
「イズク、頼めるかい!」
「オーケー!…フンッ!!」
イズクの左ストレートが私の腹筋に突き刺さった。あまりの衝撃に私はトレーニング室の壁に激突するが腹筋自体は無事だ。
「…どうやらうまくいったみたいだね」
「えぇ。イズクのおかげね!」
今までは足りないパワーをさまざまな工夫で補ってきたけどそれももう必要無さそうね…いや、違うわね。より高まった筋肉で更に効果的に使えるようになったわ。
…まぁ、そもそもこんな力が必要になる相手はどこにもいないのだけれどね!
「イズク、今の殴打…素晴らしかった!」
「ありがとうキャスリーン!それにしてもいくら個性を使ったといっても僕の殴打に耐えられるなんて…」
お、イズク…見事なダブルバイセップスね!ならばこちらはアブドミナルアンドサイで!
「「ナイスバルク!!」
多分パーフェクトオールマイトや緑谷と組み手してる。