~兵藤家 一誠の部屋~
一誠「や・・・やっと夏休みの宿題が終わった・・・」
ドライグ『人間も大変だな。』
異世界から帰還して半月後、一誠は全力で夏休みの宿題をし、ようやく終わらせた。
一誠「あ・・・頭が割れる・・・パンクする・・・」
ドライグ『戻って来た事を後悔してるか?』
一誠「いや、全然してないよ。ようやく父さんと母さんに会えたからな…・・・久々に食べた和食があんなに美味いと思ったのは初めてだ。」
ドライグ『向こうでは食事をするのにも苦労したからな。1文無しで転移したのだから』
一誠「そうそう!飲まず食わずってわけにはいかないから冒険者ギルドへ行って冒険者登録したんだよな!」
ドライグ『異世界人の相棒はイッセー・ヒョウドウと登録したよな。』
一誠「向こうじゃ外国と同じで名前が先で家名が後だからな」
ドライグ『疑問に思うのは何故か相棒は向こうの言葉が理解出来た事だ。色んな国の言葉が理解が出来るドラゴンである俺や悪魔、天使、堕天使ならともかく、ただの人間である相棒がだ。』
一誠「ああ~、全部、日本語に聞こえたんだよな。それだけじゃなく文字の読み書きも出来たんだよな。転移した影響かな?」
ドライグ『かもしれんな・・・生前の俺には無かった新たな力も覚醒したしな』
一誠「ドライグ自身も驚いてたよな」
ドライグ『特にあの力はな・・・役に立つのは間違いないがアレを使うとかなりの魔力が消耗してしまう』
一誠「連発出来ないのが弱点だよな~」
ドライグ『冒険者になって旅をしていろんな奴と出会い、仲間も出来たな。』
一誠「俺、戦闘はど素人だったからな。戦いかたも皆に学んだよ」
ドライグ『相棒に戦いかたを教えた奴らは全員、美女だったからな・・・お前はしょっちゅう鼻の下が伸びてたぞ』
一誠「しょうがないだろ!モテない俺が美女にマンツーマンで教えてもらうのなんて滅多にないし!」
ドライグ(本当に鈍いな・・・)
ガチャリッ
すると三希が部屋に入って来た。
三希「イッセー、ちょっと買い物に行ってくれない?食材が切れそうなのよ」
一誠「ああ、わかった。宿題もようやく終わらせたし」
一誠は買い物するために自宅を出た。
一誠「いや~、懐かしいな、この道を通るの!」
ドライグ『相棒にとっては三年ぶりの故郷だからな。そう思うのは当然だ』
一誠「え~っと買うものは牛乳とパンと卵と・・・」
お婆さん「やめて!放して!」
???「うるせぇ、ババァ!」
一誠「え?」
お婆さん「きゃぁぁ!引ったくりよぉぉ!」
一誠が振り向くとお婆さんがバッグを引ったくりの男に奪われていた光景だった。
引ったくり「派手な鞄だ、大事そうに抱えて・・・こりゃあ、貯めこんでるな」
女性「おばあちゃん、大丈夫!?」
お婆さん「あいたたた・・・私はいいの、でも、あの鞄は・・・」
引ったくり「う、うわああああ!」
女性「え?」
ズリズリズリズリ・・・
一誠「引ったくりなんてするなんてとんでもない奴だな」
引ったくり「こ、こいつ・・・何て力だ!」
一誠は一瞬で引ったくりの後ろ襟を掴み、お婆さんのところへ引きずる。
一誠「お姉さん、警察に通報してください」
女性「は、はい!」
引ったくり「く、くそおお!!」
ファンファン!
数分後、警察官が来て引ったくりを連行した。
お婆さん「ありがとうね」
一誠「ケガはありませんか?」
お婆さん「私のことより孫が作ってくれたこの鞄が返ってきて嬉しいよ」
一誠「お婆さん、お婆さんに何かあったほうがきっとお孫さんは悲しむから気をつけてください」
お婆さん「ありがとうね、お兄さん」
一誠「にしても引ったくり犯の動き、遅かったな」
ドライグ『いや、相棒の動きが速すぎるんだ』
一誠「え?」
ドライグ『相棒は向こうで冒険者になって強くなったんだぞ。身体能力も普通の人間よりもかなり越えてるハズだ。』
一誠「ああ~、体育の授業とか手加減しなきゃ駄目だな。」
ドライグ『だが、鍛えるのは続けたほうがいい。神器の所有者は何らかのトラブルに巻き込まれる者が多いからな』
一誠「了解、んじゃ、買い物に行くか」
~兵藤家~
ガチャリ
一誠「ただいま~!」
買い物を終えた一誠は自宅に戻った。
三希「おかえり~、遅かったわね」
一誠「いや~、引ったくり犯を捕まえたから警察の人に事情聴取されちゃって」
三希「え!?」
夏はキツイ・・・