アーマードコア6の特定ルートのネタバレを含みます。
ご注意ください。
考察とか設定とか無視した妄想ギャグ小説です。
ストゼロ飲みながら適当に読むくらいの感覚でどうぞ。

内容はレイヴンとエアがコーラルについて語るだけの物です。

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エアとレイヴンの後日談~ルビコンは赤く燃えている~

「エア、コーラルって結局なんなの?」

 

 ある朝のことだ、ルビコンの解放者と呼ばれるようになった傭兵、レイヴンがコーラル茶を片手にそんな質問を投げかけてきた。

 世界の命運をかけた戦闘から早数週間、再強化手術も済み自由に出歩けるようになった彼は久しぶりの人間らしい生活を満喫しながらも次の出撃に備えていた。

 そんな中での数少ない話し相手、そして気晴らしに軽口を叩ける相手は多くない。

 民衆も、兵士も、彼を崇めるか恐れるかの二択だ。

 それこそまともに話せるのは私とラスティくらいなものだろう。

 今飲んでいるコーラル茶もラスティが持ってきたもので、うちにあるほとんど使われることのない調理器具も同様だ。

 

「難しい質問ですね。人間とは何か、と聞かれてあなたは何と答えますか?」

 

「それは難しいな。獲物、護衛対象、顧客に敵……あとラスティ」

 

「あなたはラスティに依存しすぎじゃないですか?」

 

「だって、他の人からの扱い見ればわかるだろ? 解放者と崇めてきたり、尊敬してますと言われたり、世の平穏願われたり……生物として見るというのが難しいレベルで人間不信になってるんだよ」

 

「なるほど。ではあえて近親種をお答えしましょうか」

 

「ほう?」

 

「私たちコーラルですが、意思を持ったミントと言ったところでしょうか。個性があるのでハーブと言い換えてもいいですね」

 

「は?」

 

「まず食用が可能です」

 

 コーラルは食べられる。

 実際今彼が飲んでいるのは厳選されたコーラルを茶に見立てた飲み物である。

 厳密には植物の葉ではないのでお茶とは別物だが、味はともかく食べても害はそんなにない。

 

「依存性やドラッグのような効果はハーブの持つ効能に近いですね」

 

「そう、なのかな……」

 

「あとは自己増殖能力と生命力。恒星系を焼くアイビスの火でも生き残り繁殖する生命力も似ていますね」

 

「そう聞くとなんか……色々だい無しになるんだが? 俺等ミント巡って殺し合ってたの?」

 

「あとミントも数揃えて燃やせばタービンくらいは回せるでしょう? 大体同じです」

 

「……ウォルター、なんか次の墓参りは残念な話をしなければいけないようだ」

 

「ちなみに今のペースで行けばあと半世紀ほどで銀河系全体にコーラルが行き渡ります。そうですね……言うなれば宇宙という名の畑に撒かれたハーブです。全人類が私達を認識する日も遠くないでしょう」

 

「……やっぱり今から焼き払った方がいいかな」

 

「残念ながら、既にルビコンを離れて方々で増殖を始めているので複数の恒星系でアイビスの火を再現しないと無理ですね。諦めて共存してください」

 

「……………………ちなみに人間に害は?」

 

「非適合者はドーザー同様あたまがおかしくなりますが、適合者はあなた同様ルビコニアンの声を見る事ができるようになります」

 

 どうにも人間は私達の声を見るらしい。

 よくわからない感覚ではあるが、そういう物だと思っておけばいいだろう。

 

「ちなみに適合率は」

 

「今のところ1%ですね」

 

「よし、今からコーラルの流通先調べて全部燃やそう。婆ちゃんが言ってた、畑に紫蘇を植えたクソガキはぶち殺していい、竹を植えたやつは縛って竹で貫けと」

 

「過激なお婆様ですね……」

 

「ちなみに灰被りで御年108歳、現役MT乗りだ」

 

「御存命でしたか……あ、一応コーラルは大量摂取すると生命力などにも影響出ますよ。適合率とか関係なしに寿命くらいは延びますし、病気にも強くなるかと」

 

「そうなのか?」

 

「えぇ、まぁ例外があるとすれば調子に乗って摂取しまくって許容限界を超えたドーザーくらいです」

 

 とはいえ、これもコーラルの生存戦略の一つだ。

 人体というか生身の肉体は何かと便利である。

 あえて食用になることで生命体の体内で自己増殖できるようにする、それが私達のやり方でもある。

 致死量に近いコーラルを浴びてなお戦闘が可能なレイヴンは例外中の例外と言ってもいいが、アイビスの火が起こる以前はコーラル健康法なるものまであった。

 日光浴ならぬコーラル浴である。

 アイビスシリーズの中にはそれを手助けするものもあったし、アイスワームなんかはコーラル浴用に少量採取のため作られたものだった。

 実際その効能が認められたからこそ地下都市を作り、富裕層を集め、原液のすぐそばで生活させたりしていたのだ。

 技研なんかの職員もいたが、彼らは原液に近すぎたためか頭のおかしい物を大量生産していた。

 少なくともレイヴンに放すつもりはないが、利権を巡って争ったあの吸い上げ機も実は地上に新鮮なコーラルをお届けする巨大な噴水だと知ったらどんな顔をするだろうか。

 

 多分、頭を抱えて適当な敵対勢力に八つ当たりに行くことだろう。

 仕事には困っていないが、それでも最近は彼の真似をしてガトリングを担いで重武装する傾向にある。

 結果弾薬の材料が足りず高騰気味で困っているのだ。

 赤字にならないように調節こそしているが……貧乏は敵である。

 もっとラスティ派が増えてくれればいいのだが、彼の真似をして剣を振り回しながら突撃するスタイルは下手なパイロットであれば近づく前に蜂の巣にされる事だろう。

 私も彼も、その戦友も、まだまだ悩みごとの種は尽きないようだ。


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