通りすがりの幻想です。
先日、舞鶴で行われた機動作戦に参加してきました。
もう少し早く参加を決意してたら、1MYBのライブや、コラボ遊覧船の抽選も参加したけどなぁ…
まあでも、楽しかったです。
それでは、どうぞ。
Weigh Anchor!
祐輔「………」
午後1時。
そろそろ腹が減ってきたので、昼飯を作ろうと思い、クーラーボックスから食材と、段ボールからカセットコンロを取り出した。
のだが…
「……(ジーッ)」
「……(ジーッ)」
祐輔「…今日はあなたたちですか。…一航戦のお二方。」
なぜか俺の隣に、艦隊の正規空母である、赤城型1番艦「赤城」、加賀型1番艦「加賀」の通称「一航戦」のお二方がいた。
鎮守府には、食堂があり、提督や艦娘は基本的にそこで食事をする。
しかし、俺は雇われの身である上に海軍の人間ではない。
そんな人間が、海軍の正式な施設を利用するのはおこがましいというふうに、俺は考えている。
そのため、食事はほとんど自炊で作っている。
ある日の晩、提督が小屋にやってきた。
なんでも、戦艦、空母たちの宴会(という名の飲み比べ対決という噂があるが)に巻き込まれないように逃げてきたとの事。
しかし、まだ晩飯を食っていなかったということで、俺が料理を振舞ったのだ。
その日作ったのは、時間も無かったのでキャベツ、もやし、豚肉を使った焼きうどんだった。
あいつは、旨いと言って全部平らげてくれた。
…ここまでは良かった。
どうやら、俺の手料理が思いのほか旨かったのか、翌日、それを秘書艦だった、金剛型高速戦艦1番艦の金剛さんにそれを話したらしく、その日の昼に、金剛型の4姉妹が俺の小屋を訪れ、昼食をごちそうしてほしいと言ってきたのだ。
無論、タダという事ではなく、後日金剛さんから、最高級の紅茶の茶葉をもらったが。
それからというものの、昼頃、または夜頃に、俺の小屋に艦娘たちが不定期にやって来ては、俺が作る飯を食べる様になった。
そして、今日は一航戦のお二方がやってきたという訳だ。
祐輔(さて、元々パパっとチャーハンでも作ろうと思ったけど…お二人のためにも、もう少しガッツリしたのにしようかね…)
祐輔「お二方、この後お時間は…」
赤城「今日はもう特に用事はありませんが…」
加賀「強いて言うなら、自主鍛錬くらいですね。」
祐輔「…了解です。」
祐輔(…よし、なら「あれ」で行こう。天気もいいし。)
そう思って俺は、元々出していた食材と道具をしまい、別の食材と、
加賀「…これは?」
赤城「暖炉…にしては小さいですが…」
祐輔「こいつはキャンプ道具の一種で、ロケットストーブっていうんです。」
飯盒などのキャンプ道具を取り出した。
祐輔「…いい天気ですし、外で調理しましょう。」
そう言って俺は、外に出て、ロケットストーブと、折り畳み式のテーブルを設置。
そして、付近にあった石で、簡単なかまどを作る。
祐輔「…さて、まずは米を仕掛けましょうかね。」
そういって俺は、お二方がおかわりを頼んだ時のために、少し多めの5人分の米を研ぎ、飯盒に入れて、火を起こしたかまどにセットする。
加賀「…あの、祐輔さん。何を作るつもりですか?」
祐輔「ん?ああ。今回はカレーでも作ろうと思います。」
赤城「カレー…!」
メニューを聞いた瞬間、赤城さんの眼が輝く。
祐輔「…まあ、ちょうど今日が金曜日ってのもありますが。海軍では、曜日感覚を保つために金曜日にカレー食べるって聞きますし。」
そういいながら、俺は持ってきた食材を広げる。
本日用意したメインの具材は、玉ねぎ、ピーマン、豚バラ。
赤城「…ニンジンやジャガイモが無いようですが…?」
祐輔「根菜類は、火が通るのに時間がかかるので。今回は短時間で作るために、使いません。」
赤城「なるほど…」
赤城さんの感心する声を聴きながら、俺は手早く玉ねぎとピーマン、そして豚バラを切る。
それと、ニンニク、ショウガも切り刻む。
祐輔「…さて、メインイベントだ。」
俺は、近くにあった枯れ枝と、提督に譲ってもらった段ボールで先ほどのロケットストーブに火を付ける。
まるで船の機関部の様に、轟々と火がともる。
そして、俺は一度小屋に戻り、段ボールからフライパン……ではなく、中華鍋を取り出した。
赤城「え…え?中華鍋!?…てっきり普通の鍋か、フライパンだと…」
中華鍋を持って戻ると、予想通り赤城さんの驚く声が聞こえた。
祐輔「フライパンは、焼く料理や揚げ焼きの料理に適しているのに対して、中華鍋っていうのは、炒めたり、揚げたりするのに適しているんです。だから、今回みたいに、短時間でサッと、だけどしっかり炒めるには、中華鍋の方がいいってわけです。」
赤城「へぇ~…そうなんですか…」
加賀「…しかし、そうなると、火力は…?」
祐輔「そのためのロケットストーブです。…詳しい原理は省きますが、シンプルな構造をしていて、煙突があるので、炎が集約されて強力な上昇気流が発生します。それによって、高温燃焼が可能になる、というわけです。」
加賀「なるほど。……ずいぶん詳しいのですね。」
祐輔「いや、俺も本で読んだだけですけどね…」
そういいつつ、俺は、中華鍋にオリーブオイルと、先ほど刻んだニンニクとショウガを入れて、軽く炒めつつ油に香りを移す。
ここからは、常時強火なので、時間との勝負になる。
香りが移ったら、まずは豚バラ、次に玉ねぎ、ピーマンを入れて炒める。
赤城「…これで食べていいですか?」
祐輔「何言ってんですか?ダメに決まってますよ?」
そんなやり取りをしつつ、肉に火が通ってきたら、今回の料理の決め手の調味料を入れる。
加賀「…それは?」
祐輔「甜面醤(テンメンジャン)っていう、中華料理の調味料です。」
加賀「なるほど。隠し味ですか。」
赤城「…あ、あの、カレーを作ろうとしているんですよね?」
祐輔「ん?そうですが…」
加賀「赤城さん、どうかしましたか?」
赤城「い、いえ…この調理方法…まるで回鍋肉(ホイコーロー)を作っているみたいで…」
さすが赤城さんだ。
祐輔「ええ。今回作るのは、カレーはカレーでも、中華風の味付けをした豚バラカレーなので、途中までは中華料理っぽい作り方になるんです。」
赤城「中華風、ですか…。」
祐輔「これでも、結構旨いんですよ。甜面醤入れたので、コクと香りが出ますし。」
そう言いながら、今度はカレー粉をたっぷり入れる。
まんべんなく混ざったら、オイスターソースや醤油、砂糖、鶏がらスープの素、水を入れて一煮立ちさせる。
最後に、水溶き片栗粉を入れて、とろみが付いたら完成だ。
祐輔「…さて、これで完成です。…ちょうどごはんも炊きあがったので、早速食べましょう。」
キャンプチェアを3つ、テーブルの前にセットしたところで、ふと思い出したことがあって聞いてみる。
祐輔「あのぉ…今更なんですが、一人当たりの量は少なくなるのですが…よろしいでしょうか…?」
この二人(二人に限らず、艦隊に所属する戦艦、空母等の大型艦)、かなりの大食いである。
彼女達がいつもの量で食べようとしたら、必然、当然、俺の分が無くなってしまうレベルだ…
赤城「あら、大丈夫ですよ。さっき食堂で昼食は食べてきましたので。これは、あくまでもシメです。」
祐輔「…シメがカレーってのもどうかと思いますが…まあ、お二人が大丈夫ならいいです…」
そうこぼしつつ、3人分のコップに水を用意し、お二人の皿にもカレーとご飯を盛り、すでにキャンプチェアに座ってワクワクしながら待っている二人の前に置く。
…珍しく、普段ポーカーフェイスの加賀さんも、そわそわしている。
そして、自分の分も盛って、チェアに座り、
祐輔「…では、冷めないうちにどうぞ。……一応、多めに作ったので、おかわりも出来ます。量によりますがね…。」
赤城「はい。いただきます。」
加賀「いただきます。」
赤城さんが、カレーをスプーンですくい、一口食べる。
…すると、赤城さんの動きが止まった。
そして、パクパクと一心不乱に食べ始める。
祐輔「……どうでしょう?お味の方は…」
一言も発さなくなった赤城さんに恐る恐る聞くと、食べながらコクコクと頷いていた。
加賀「…おいしいです。…気分が高揚します。」
加賀さんも、笑みをこぼし、スプーンを進めている。
どうやら、お二人の口に合ったようだ。
赤城「カレーの中に、かすかに感じられる回鍋肉の様なまろやかさ…通常のカレーとは一味違った風味…なるほど、これはまさに「中華風」ですね。」
祐輔「ふう…気に入ってもらえて良かったです。」
赤城「…あの、おかわり良いでしょうか。」
加賀「…私もです。」
祐輔「…へ?もう食べたんですか!?…まあ、分かりました。」
俺がまだ半分も食べていないうちに、二人の食器は空になっており、おかわりを要求してきた。
俺は若干驚きつつも、すぐに二人の分をよそった。
…結果として二人は、俺が食べ終わるころに、そのおかわりもすぐに完食していた。
食器を軽く片付けた後、3人で食後のコーヒーを飲んでしばらくのんびりしたところで、赤城さんが口を開く。
赤城「…祐輔さん、噂通りのおいしい料理、ごちそうさまでした。」
加賀「ええ。大変美味しい料理でした。こういう料理なら、またごちそうになりたいです。」
祐輔「そうですか。…まあ、またいつでも来てください。」
俺のその言葉に、二人はぺこりとお辞儀をして、帰っていった。
料理自体はあまり得意ではないが、誰かにおいしいと言ってもらうのは悪い気はしないな、と思う、今日この頃だった。
いかがだったでしょうか。
一昨日終わった夏イベの期間限定海域は、最終的にE6-2のゲージ破壊作業の途中で終了しました。
…あそこの旗艦、丁作戦でも、マジで硬すぎた()
基地航空隊2部隊の集中攻撃に、支援射撃をもってしても、破壊できないとは…
まだまだ戦力不足、ということか…
今後とも精進しようと思います。
それでは、また。