キングダムハーツ3の光と闇の戦いの後。
敗北したゼムナスとアンセムがその後ベルとリリルカの心にお邪魔した的なやつ。
ベル君はキーブレード使いに、リリルカもいつかキーブレード使いになるんやろなぁという妄想。
ベルに恋をするんじゃなく対等な友達としてみているリリが見たくて書きました。
あ、続くのであればゼムナスもアンセムも出てくると思います。
続くかは知らぬ。

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ベル君はアルフィア&ザルド生存ifからのキーブレード使いということでかなり強化されております。
現在はキンハ2の魔法の初級を使えるようになってる感じですわ。


鍵の勇者な兎と闇の探求者な小人

ダンジョン上層、正規ルートから離れた広間(ルーム)に探し人はいた。

洞窟なのに空を見ているようで、または落ち込んでいるようで、それでいて悔いているようで。

ベルの前から何も盗まず、何もせず、消えた彼女はただそこにいた。

そんな彼女を見つけると無遠慮にズカズカと音を立ててベルは駆け寄る。

そんなところにいたのかと、何も考えずに怪我をしていなくてよかったと。

その音に気づくと彼女はため息をついて振り返る。

 

「……ベル様」

 

「リリ」

 

暗く、重い雰囲気。

流石にベルにもリリルカを包むものに察しがついた。

どこまでも黒い、暗い、それ以外を一切切り捨てた闇。

想像するしかないが、あれが彼女の道だったのだろう。

 

「なぜ来たんですか」

 

「決まってるでしょ」

 

そう言ってベルは腕を組んでまっすぐにリリルカを見つめる。

拒否などさせないという気迫が感じられた。

 

「嫌です。帰ってください」

 

「断る」

 

「あなたと一緒には帰りませんよ」

 

「やだ」

 

深く、深く。

リリルカはため息をついた。

数日、サポーター契約をしただけだ。

それだけの仲である。

それなのになぜここまで執着をしているのか。

換金時に金をいくらかちょろまかし、あまつさえ未遂とはいえ盗みもしている。

その告白は、10階層で逃げる時にもうした。

 

「帰ってくださいよ。盗人なんてパーティにいて欲しくないでしょう!?」

 

「関係ない」

 

「関係なくないでしょう!放っておいたらまたやりますよ!?あなたは大きくなります!そしたらいつか大きいことに」

 

「関係ないよ。多分、もう盗みは必要ないでしょ」

 

「わかったような口を……!」

 

「君の中には【闇の探求者】がいる」

 

「え…」

 

「僕の中には【狭間の指導者】がいる」

 

「どういう…」

 

「その時点で君は優しいんだ。本来は盗みなんてする子じゃない」

 

幼少の頃、ベルは心に他者を迎え入れた。

彼に特別なものがあったのかは分からないがある日声が聞こえたのだ。

ゼムナスを心に迎え入れ、義母に英雄となることを宣言した。

そして、ベルはキーブレード使いとなる。

 

「何があったかなんて聞かない。でも君を見捨てられないんだ。女の子だからとかじゃない。君とッ…!?」

 

友達になりたい。

そう言おうとした時、圧力を感じた。

さっきから感じていたものよりどす黒いものである。

 

「2度は言いません。帰れ」

 

髪色は銀、瞳は金色。

それでも姿はリリルカのまま。

 

「リリとベル様が似ている?そんなことはありえませんありえてはなりません。あなたのそばにリリはいてはならない」

 

「それは違う。いて欲しい人は僕が決める」

 

「お断りします」

 

「そっか……じゃあ、行くよ」

 

「退かないなら仕方ありませんね!」

 

交わす言葉は最低限に。

リリルカも心の底では理解しているのだ。

心根の部分では似ている。

だから何を言っても無駄だと分かった。

だから実力で追い返すことを選ぶ。

今いる場所では手狭すぎるから、フィールドを変えて。

遠くには太陽が見えて、空の上のような景色で、幻想的なそんな場所に変える。

 

「いい場所だ」

 

キーブレードを手に顕現させ、ベルは周りを見渡す。

広さは申し分なく、床は模様が凝られているが移動には支障がない。

何よりも夕日が沈むような幻想的な風景。

 

リリルカはベルの言葉には答えない。

体を浮かせて腕を組み、何かをまとったかと思えば後ろに黒い人型のナニカを出現させた。

ベルもそれに応えて戦闘態勢をとる。

語らいはこの後だ、と口角を下げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ…はぁ…」

 

「終わり?」

 

「…まだ、です!」

 

数十分。

どちらも強がりを言うくらいには疲弊しきっている。

ベルはもう精神疲弊(マインドダウン)の症状が現れ始め、リリルカは浮くことはできるが人型の維持が難しくなってきている状態だ。

 

「まだ力扱いきれてないんじゃない!?」

 

「そっちこそ!キーブレード使いのくせに魔法扱いきれてない、でしょう!」

 

「どっちも半人前ってことだね!」

 

「るっさいですよ!」

 

ベルが笑いながら突撃し、リリルカは必死の形相で迎撃をする。

周りの風景にも陰りが生まれつつある。

リリルカの現在の体力によるものだろう。

長くはもたない、それは明白だ。

 

「楽しんでない?」

 

「そんな訳、ないでしょう」

 

「じゃあなんで笑ってるの?」

 

「それを言うならベル様もです」

 

「ハハハ!こうやって喧嘩するの初めてだからね!」

 

「……リリもです」

 

「お揃いだね!!」

 

「ほんっとにうるっさいですねあなたはぁ!」

 

「よーし残り時間も短いし…続きだね!」

 

「満身創痍のはずでしょう……?楽しいですけど」

 

やがて武器すら用いずに素手の殴り合いに発展していく。

残り少ない時間で友達との殴り合い(スキンシップ)を存分に楽しんだ。

風景が変わることにも気づくことなく。

楽しい思い出はいつまでも色褪せないものだ。

 

「……あ、戻ってる」

 

「…気づかなかった」

 

周りはただの洞窟。

今は二人とも倒れ込んでいる。

先程までは完全なサシであったが今は違う。

余韻を味わうより先にダンジョンは牙を剥くだろう。

 

「やっば……動かないと」

 

「リリはまだ余力は…」

 

「僕だってまだキーブレードくらいは、使える」

 

「じゃあ前衛頼みます」

 

「フレンドリーファイアはやめてね?」

 

「保証はしません」

 

アイコンタクトをする。

二人とも笑っている。

疲れているとはいえ、満身創痍とはいえ、上層でそれも五階層であれば簡単に踏破できる。

 




キングダムハーツだから友達になるよなぁ!
当然ベル様ではなく呼び方はベルとなります。
しかも前衛後衛と役割はっきり分かれますしキーブレード使いになればリリ中衛にもなれるので万能だなこいつら。
それでもヘスティア様への対応は全く変わらなさそうである。

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