東方傭兵譚 〜The Mercenary and the Sage Trail〜   作:文才の無い本の虫

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『賽』「さあさあ!!お立会いお立会い!!世にも珍しい秘境、幻想郷で巻き起こる異変の数々!!解決するは博麗の巫女!!そんな織物の中に落ちた『黒い鳥』!!彼は何を成し、どう生きるのか!!いやぁー作者を脅した甲斐があったてものよ!!」



九十九「・・・・・さぁーてと、事後処理の準備しますか」

エディ「私も手伝うわ。一緒に頑張りましょう」



『賽』「ではでは!!どうぞお楽しみ下さい!!」






第参章「幻想郷」
1「はじまる」


 

 

 

幻想郷。

 

此処は(・・・)外の世界と常識と非常識で隔たれた秘境。

 

外の世界で消えた物、忘れ去られた物、存在を否定された物が辿り着く最後の理想郷。

 

人と神秘が共存し、非常識が罷り通る。

 

 

そんな異端の地を、裏で回し続けている三体の異端が居る。

 

 

妖怪の賢者、人との(共存を志した)妖怪の異端、幻想郷を設立した八雲 紫。

 

山と海の通り道、(愛に生きる月の)異端児、賢者の一人である綿月 豊姫。

 

最後に―――――妖怪の賢者の懐刀で幻想郷の(守護者)、人類種の異端、伝説の傭兵『黒い鳥』。

 

 

彼女/彼等は、今の幻想郷を見守り、何を思っているのだろう。

 

 

 

 

 

 

それはそうと(銀さん)、早く逢いに来て下さいね。

 

じゃないと(黒く塗りつぶされている)ますよ?

 

 

 

 

 

 

―――――稗田(阿一)の手記

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 

 

幻想郷の端にある博麗神社。

 

その縁側に黒い長髪に紅い大きなリボンと白紅の巫女服を身に着けた博麗の巫女――第十三代目の博麗 霊夢――が座り、自身で淹れた茶を飲み、息を吐いた。

 

 

「はー、朝のお茶が身に染みるわ・・・・・」

 

 

「呑気なものだな、霊夢」

 

 

霊夢の近くに座り、言う。

 

びくりと震えた後、彼女は俺のことを見て渋い顔で呟く。

 

 

「げ、鬼畜師匠」

 

 

「酷い言い草だな・・・・・で、見回りは良いのか?」

 

 

「うっ・・・・・行って来まーす」

 

 

渋々飛んで行く霊夢を見届け、自分で淹れた茶を飲む。

 

 

「・・・・・誰に似たのやら」

 

 

「まあ、豊姫じゃないかしら?」

 

 

右隣にスキマが開き、紫が現れる。

 

それに応える声。

 

 

「酷いですね~。否定はしませんが☆」

 

 

気付けば左隣には豊姫が茶を飲んでいた。

 

一息置いて豊姫は言う。

 

 

「まぁ、立派に育ってるんだから良いじゃないですか〜」

 

 

「そうねぇ・・・・・あの小さかった霊夢も今では立派な博麗の巫女か・・・・・」

 

 

「博麗の巫女ももう十三代目だな。そうか、幻想郷ができてから大体五百か」

 

 

「感慨深いですね☆」

 

 

「あぁ」

 

 

「えぇ」

 

 

「「・・・・・」」

 

 

「くくっ」

 

 

「ふふっ」

 

 

紫とお互いに顔を見合わせ、小さく笑う。

 

すると左袖が引っ張られる。

 

豊姫を見ると少し頬を膨らませ、言った。

 

 

「むぅ・・・・・先生、今日は屋敷でゴロゴロしましょうか」

 

 

「な?!」

 

 

「紫は仕事がありましたよね〜。頑張って下さいね☆」

 

 

「くっ・・・・・藍!!」

 

 

「はぁ、橙に嫌われてしまった・・・・・ええ、お呼びですか紫様。私、傷心中なのですが」

 

 

スキマが開き、紫の式である八雲藍が現れた。

 

藍は一昔前、紫が拾った――正確には豊姫の能力で俺が退治されそうになっている彼女を回収した――九尾の狐。

 

今では――橙という式を溺愛している(反抗期で心が折れそうらしい)という点を除けば――頼りになる仕事仲間だ。

 

 

「今週の仕事、今日中に終わらせるわよ!!」

 

 

「はぁ、橙・・・・・」

 

 

「藍、橙との仲直り手伝ってあげるからシャンとしなさい!!私の心の平穏が掛かってるのよ」

 

 

「橙との仲直り・・・・・? はい!!頑張りましょう紫様!!」

 

 

「・・・・・現金過ぎてちょっと心配よ私」

 

 

そうして立ち直る駄目九尾に少し心配顔になった紫は立ち上がり、スキマを開く。

 

 

「まぁ、諸々は後よ。行くわよ藍」

 

 

「はい。霜月様と豊姫様、失礼します」

 

 

「ああ」

 

 

藍は頭を下げた後、紫の前にスキマを潜っていった。

 

豊姫は紫へひらひらと手を振る。

 

 

「じゃあ紫、行ってらっしゃい☆」

 

 

「ええ、行ってくるわ」

 

 

「紫、何かあれば喚べよ」

 

 

「ふふ・・・・・頼りにしてるわよ。じゃあ、お昼ごはん楽しみにしてるわ」

 

 

「ああ、行って来い」

 

 

紫はひらひらと手を振り、スキマの中に消えて行った。

 

それを見送り、俺は豊姫の方を向く。

 

 

「豊姫、屋敷に戻ろうか」

 

 

「はい、先生☆」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で、手を繋ぐ必要はあるのか?」

 

 

「気分です♡」

 

 

「そうか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 

 

妖怪の山と博麗神社の丁度中間地点。

 

其処に俺の屋敷はある。

 

幻想郷ができた時に建て、マヨヒガとは別の拠点としての役割も持つ。

 

まぁ、基本的には俺達の家としての役割が強いが。

 

 

「む?」

 

 

「どうしたんですか、先生?」

 

 

俺は膝に頭を乗せて寝転んでいる豊姫の頭を撫でるのを止め、湖の方向を向く。

 

 

「風が変わった。何か起きるかもな」

 

 

確か、向こうには吸血鬼の館があった筈。

 

少し警戒しておこう。

 

 

「先生」

 

 

「豊姫?」

 

 

そうやって考えていると豊姫に袖を引っ張られた。

 

 

「考えるのは後にして取り敢えず今はゴロゴロしましょ☆」

 

 

「ふ・・・・・そうだな。そうしようか」

 

 

するといつの間にか俺と豊姫は寝室の中に居た。

 

豊姫の能力でのノーモーション転移か。

 

そして彼女はいたずらっぽくはにかむ。

 

 

「じゃあ、お昼寝ですね♡」

 

 

「ああ、久しぶりにそれも良いかな」

 

 

少し意趣返しとして豊姫を抱き締めて俺が下になるように寝転ぶ。

 

 

「ひゃっ・・・・・」

 

 

「こうしていると、あの頃を思い出す」

 

 

「・・・・・そうですね」

 

 

「豊姫・・・・・寂しくは無いか?」

 

 

「・・・・・はい、あったかいです・・・・・先生、おやすみなさい」

 

 

「ああ、おやすみ」

 

 

俺は寝息を立て始めた豊姫を優しく撫でる。

 

―――どうか、いい夢を。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふふ・・・・・・・・・・せんせー、大好きです〜」

 

 

「・・・・・」

 

 

「んぅ・・・・・せんせー・・・・・破廉恥ですよ〜・・・・・♡」

 

 

「・・・・・(一体どんな夢を見ているのやら)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆◆

 

 

 

 

 

ぐあああああ?!

 

 

どうした?!

 

 

現在任務中の一柱が消失

 

現在再生中

 

 

呪詛返し?!

 

いや、違うだと?!

 

 

原因:イレギュラーと断定

 

対象への警戒レベルを最高へ引き上げる

 

 

くっ・・・・・イレギュラーが二体など、認められるものか!!

 

『観測者』の腑抜けどもやイレギュラーが介入を始める前に人理焼却を急ぐべきだ!!

 

 

肯定

 

 

賛成

 

 

賛成

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆◆

 

 

 

 

 

「ったく・・・・・輪廻の輪から外れた結果、別の世界まで転生するとか・・・・・まぁ、阿礼を転生させてくれた事には感謝するが」

 

 

「うん・・・・・ルインの為に頑張ってみた。でも、良いの?」

 

 

「うん?」

 

 

「あの娘、ルインが居ないから騒ぎを起こそうとしてるけど」

 

 

「は?!龍神、場所は?!」

 

 

「幻想郷」

 

 

「この世界はもうそこまで進んでんのか?!・・・・・っつー事はもうこの世界での転生も九回目か。これは俺が悪りいな。行くか」

 

 

「送る・・・・・出口は、あっち」

 

 

「助かる!!じゃ、また来る!!」

 

 

「うん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そうそう、ルインの親戚?みたいなのが幻想郷に居るよ」

 

 

「は?!親戚ぃ?!」

 

 

「八雲霜月っていって、ルインより強いかも?」

 

 

「ゑ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ、銀さん・・・・・まだかなぁ・・・・・そろそろ縄で繋いじゃうべきかしら?・・・・・ううん、銀さんには縄なんて意味ないわ・・・・・取り敢えず逢うことが先決ね。騒ぎでも起こすべき?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 







・・・・・ごめん、ごめんやで・・・・・ゆかりんの出番は次回な



▷Material


・八雲 藍(Character)
八雲紫の式。九尾の狐で霜月の仕事仲間。主に雑務(各方面への連絡、中級以下の妖怪同士のトラブルの仲裁、博麗の巫女の手伝い、他)を藍が、戦力が必要な場面(大妖怪や神との対談の護衛、大妖怪や神の討伐、他)を霜月が担当している。橙という式を溺愛している部分を除けば優秀。橙に関すると途端に駄目狐。

・ルイン/神式銀(Character)
元『観測者』で元『黒い鳥』。別の世界の『黒い鳥』。『黒い鳥』は正確には称号、呼び名であり、『到達者』の霜月とは別の人物。東方無貌神の主人公。小傘は暇な時に出てくるそう。ルーミア?寝てるよ。

・稗田阿求(Character)
遥か遠くから転生を繰り返す人の賢者。やけに物分りの良い稗田の当主の生まれ変わり。やけに幻想郷縁起の執筆が速い。目的は神式銀に再会すること。東方無貌神のヒロイン。

作者「もし良ければ東方無貌神もよろしくお願いします」
↓URL
https://syosetu.org/novel/321920/

※龍神は同一神仏。




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