東方傭兵譚 〜The Mercenary and the Sage Trail〜 作:文才の無い本の虫
作者「書けぬなら、書くしかあるまい、傭兵譚」
エディ(後期型)「・・・・・仕事忙しいんでしょ?休んだら?」
作者「エディが優しい・・・・・よし、今度オリジナル書こう」
エディ(後期型)「オリジナル?」
作者「普通のラブコメ」
作者「ヒロインがエディ(後期型)のやつでも書こうかなと」
エディ(後期型)「嬉しいけど・・・・・(きっと書く暇ないと思うなって言うのは酷かな?)」
作者「仕事忙しいぃ」
「
永琳が仁王立ちして言う。『黒い鳥』が永琳と契約してから数年が経った。
初めの頃よりも永琳は
「修行?」
「ええ。強くなっておいて損は無いわ。それに・・・・・武術を極めれば『
・・・・・勘とはまた、永琳らしくない。
『黒い鳥』は何と無く既視感に襲われながらも声を発する。
「・・・・・どうしよう、永琳が壊れた」
「失礼ね」
「自分の発言を振り返ってみてみな?」
と、云うやり取りがあったのが三日前。
そして、『黒い鳥』は盛大に混乱していた。
「『黒い鳥』、どうしたのかしら?」
「・・・・・部屋が片付いてる?!本当に永琳が片付けたのか?!もしかして偽物か?!」
『黒い鳥』の前には――つい二日前までは汚部屋以下だったのに――汚れ一つ無い永琳の部屋。
「本当に失礼ね?!修行に邪魔だから必死に片付けたのよ」
「そうか。で、修行はどうだったんだ?」
「勿論、到達したわ・・・・・根源に」
ゼルレッチから聞いたことがあるな、と『黒い鳥』は記憶を辿る。
「・・・・・根源、『
「あら、知ってたの?いえ、魔法使いに聞いたのね」
永琳が一人で自己解決する。
『黒い鳥』はそれに頷き、永琳に確認する。
「その通り・・・・・と、いうことは永琳は『根源接続者』?」
「ええ。昨日成ったとも言えるし、遠い未来で成ったから辻褄合わせで成ったとも言えるわね・・・・・取り敢えず、もう二度と未来は見ないわ」
げっそりとした顔で永琳が云う。『黒い鳥』はゼルレッチから聞いたことがある話――未来視などは開眼時に一気に未来の情報が叩き込まれる時がある――から永琳に掛かった負担を予測し、労いの言葉をかける。
「・・・・・お疲れ様と、言っておく」
「ええ・・・・・少し、疲れたわ。寝るから昼ぐらいに起こして頂戴」
「了解した。おやすみ、永琳」
「おやすみ、『黒い鳥』・・・・・」
ぱたり、と永琳が倒れる。
だが、『黒い鳥』は永琳が床に打つかる前に受け止めて、持ち上げた。
「はぁ・・・・・せめて自室で寝ろよ」
因みに、永琳は
故に『黒い鳥』は女性に対する免疫が大幅に強化されたのだった。・・・・・まぁ、『黒い鳥』が相手にしていた怪異の中には淫魔もいた為そう云うのに元から耐性はあったのだが。
◇◇◇◇
そうして、『黒い鳥』が永琳の
『黒い鳥』は基本的に午前中は――
「・・・・・遅い」
幾ら人間として鍛えられる限界まで鍛えた『黒い鳥』とは言え生身・・・・・生物が出せる速度には限界がある。幾ら魔術や仙術で怪異と渡り合える程度まで速度や力、耐久性を引き上げられると言っても、強化、上乗せには限度がある。
実際、『黒い鳥』は『朱い月』に身体能力だけでは届かず、勝つために強い反動が出るほどの魔術を使用している。
「強く・・・・・?」
『黒い鳥』は『朱い月』との戦闘の事を思い出し、ふと疑問に思う。
生物としての限界はどうやって定義されているのか?と。
『朱い月』は吸血鬼であり、怪異であるが、歴とした生物だ。彼女は、『黒い鳥』よりも速く、強かった。・・・・・そう、
吸血鬼自体の強度が強いというのもわかる。だが、あの筋肉の細さで出せる力ではない。
「神秘・・・・・じゃない。音、速さ・・・・・法則、か?」
『黒い鳥』は考える。法則が違うのでは無いかと。
「・・・・・そうか、それは、当に万能だ」
そう、法則――理を創り、定義した存在ならばその理を自由に創り変える事ができる。故に万能。永琳が言った「大体何でも出来る」というのはその通りなのだろう・・・・・この世界の中では。
「『朱い月』は己の中に独自の理を内包していた。それが原理血戒。なら根源とは渦だ。法則を絶えず更新し続ける情報の渦。ならば、俺が渦に成れば良い」
『黒い鳥』の導き出した答えは間違いで、正解だった。
通常なら、自身の中に理を創り、流れを創ることなど不可能に近い。
だが、運命の悪戯か、唯のイレギュラーか。『黒い鳥』にはこの世界に流れ着く前に、あるモノが混ざり込んでいた。それは『朱い月』の原理血戒の因子。彼女だけの固有の理。
「あとは・・・・・辿り着くだけだ」
幸い、『黒い鳥』は無数の試行錯誤を苦としない。
そして、時間は余るほどある。
それから数百年後、『黒い鳥』は求道の極致へ到達した。
それは、永琳をして"天災"と言わしめる代物だった。
『フフフ〜。合ー格!!』
『良いよ、良いね、良いんじゃない?!すっっごく良いよ!!』
『予想以上だよイレギュラー君!!おめでとう!!君は今日から『到達者』だよ☆』
何処かに、
◇◇◇◇
ある日の日常。
珍しく早く起きてきて寝惚けた永琳が机に突っ伏しながら口を開く。
「『黒い鳥』、何か美味しいものを作って頂戴」
「は?」
『黒い鳥』はまた無茶振りか、とため息をつき、永琳の言った「美味しいもの」のレシピを考え始めた。
暫くして、そうだ、甘いものを作ろう。と『黒い鳥』は考える。因みに、この時代に甘いものといえば果実か『黒い鳥』の作る
「さて、洗った甜菜(モドキ)の根の部分を刻み、温水に浸して糖分を抽出させる。その水を煮立たさせて・・・・・」
暫くして小さな鍋に少量の砂糖が製造される。
因みにこの時代にさとうきび等はまだ無いので甜菜に似た植物から一々砂糖を精製する必要がある。
「出来た砂糖(大匙2)に前作った
『黒い鳥』は朝飯分として炊いてあった米を潰してこねる。どちらかと言うと餅だろうか。
それに出来上がったタレ(みたらし)をかける。
「よし、出来上がり」
永琳が箸でそのみたらし餅(仮名)を食べる。
「へぇ、美味しい。相変わらず器用ねえ・・・・・」
永琳はほわほわとした空気を出しながら美味しそうに食べる。
『黒い鳥』は満足そうに頷いた。
「それは良かった。俺も食べるとするか」
『黒い鳥』も箸を持った。
――――今日も永遠亭は平和です。
・・・・・みたらし餅、作ってみた。我ながら結構美味くできるもんですね
▷Material
・『到達者』(Word)
求道の極致へ到達した者。自身の中に根源と似た渦を持つ。外の理から影響を受けないが、自身の中の理が外に影響を及ぼすことも無い。
・『根源接続者』(Word)
始まりの渦である根源に接続した者。根源によって生み出されたものの中では全知全能。永琳曰く「大体何でも出来る」とのこと。
・永遠亭(Building)
永琳の住んでいる屋敷の名前。数百年前に『黒い鳥』に「この屋敷って何て言うんだ?」と言われて永琳が適当に付けた。結構気に入っているらしい。
・みたらし餅(Food)
材料は(現代社会で)砂糖大匙2、醤油大匙2、片栗粉少々。あと好きな餅。普通に美味い。