東方傭兵譚 〜The Mercenary and the Sage Trail〜 作:文才の無い本の虫
作者「あぁ・・・・・メインヒロインが遠い」
エディ「どうして古代編無貌神より増やしたの??」
作者「賽子を回した結果・・・・・ちょっと短くしようと思ってる」
作者「よって、今回は内容がばがばの上に、詰め込みまくった!!」
作者&エディ「「では、どうぞ!!」」
追記:今後の展開のアンケートを載せたので宜しければ
「・・・・・此処も賑やかになったな」
窓に座っていた『黒い鳥』はぽつりと言う。
その『黒い鳥』が座っている窓を一瞥してから永琳は言った。
「ええ・・・・・で、何で此処にいるのかしら?」
「綿月姉妹から逃げてきた」
『黒い鳥』は「いざ尋常に!!」とか「覚悟してくださいね」とか言いながら刀や鉄扇で斬り掛かってくる姉妹から逃げてきたと言う。
永琳はその台詞に納得し、何時ものことね、と思いながら返す。
「あの娘達は
「永琳、言い方」
「あら、違うの?」
「・・・・・確かに小さい頃から面倒は見てきたが」
『黒い鳥』は少し目を細くし、数百年前の事を思い出す。月夜見と永琳に押し付けられて育てた二人の姉妹の事を。
『せんせい!!剣をおしえて下さい!!』
『先生、私も何か教えてくれませんか?』
その頃とは違い、今はもう立派に――永琳曰く「父親離れがまだまだね」とのことだが――軍団長をしている彼女達。懐かしいな、と『黒い鳥』は顔をほころばせる。
「あ、そうそう。あの娘達に貴方が此処に居るって連絡しておいたから」
遠くから聞き慣れた声がした。
「先生ーー!!いざ、尋常にーー!!」
「噂をすれば、ね」
「・・・・・はぁ」
「先生、妹がすいません♡」
ため息をつきながら『黒い鳥』は能力で背後に現れた亜麻色の髪の少女――綿月豊姫笑顔でが振るう
それと同時に壁が切り抜かれた。
そこから『黒い鳥』に向かって斬り掛かってきたのは薄紫色の長い髪を黄色のリボンでポニーテールにして纏めている少女――綿月依姫。
「勝負です!!先生!!」
「依姫、後で良いから壁は直して頂戴」
「はい!!師匠!!」
『黒い鳥』は、依姫が小さい頃に綿月姉妹から贈られ使い始めた木刀――銘を『頑丈くん』(依姫命名)――を抜く。
『都』の外にある空き地に豊姫に跳ばして貰い、木刀を構える。
「依姫、豊姫、コレで今日は最後だからな」
「はい!!」
「はーい」
『黒い鳥』は何時もの様に
・・・・・結局のところ、『黒い鳥』と綿月姉妹の模擬戦は夜まで続いたのであった。
「別れは近い・・・・・か」
『黒い鳥』は独り、誰にも聴こえない程の小さな声で呟いた。
◇◇◇◇
そして、歳月は流れ、転機が訪れる。
『都』の一等地に建つ永遠亭――正確には二世――に『都』のトップが訪れた。
「邪魔するぞ、『黒い鳥』」
「何だ、月夜見。綿月姉妹なら訓練中だぞ?」
「綿月姉妹に用は今のところ無い」
「じゃあ、永琳か?」
「ああ。永琳を呼んでくれ」
そして、居間に月夜見と永琳が揃う。
「要件は月移住計画についてね?」
「ああ。計画を早めたい。思ったよりも地上が穢れてきている」
「此方でも把握しているわ。早めましょう。幸い、人手には困らないわ。『黒い鳥』、仕事よ」
「・・・・・はぁ、そんなことだろうと思ったよ」
「ロケットの材料は・・・・・掻き集めればイケるわね。『都』はこのまま持っていきましょう。しょうがないから貴方が持っていってくれるかしら?」
「承知した・・・・・で、ロケットの設計図は?」
「これよ」
「ふむ・・・・・」
『黒い鳥』は永琳から渡された設計図を読んでいく。
ここ数百年、『黒い鳥』は『都』の軍団の訓練の他に工学医学薬学――他にも永琳から学べるモノ全て――を学び続けていた。その為、今や『黒い鳥』は『都』で二番目の知識量を誇っていた。
「『黒い鳥』、ロケット十機、何日で組み立てられるかしら?」
「パーツが全部整形済みならエンジン組み立て溶接その他諸々含めて十五日だな」
設計図を読み込みながら『黒い鳥』が言う。
尚、この十五日は『黒い鳥』が不眠不休で十五日、という意味である。ブラックな労働環境だね。
「じゃあ、依姫を貴方の方に回して、私と豊姫が整形を担当すれば十日で終わるわね。依姫への(徹夜作業への)説得と説明は頼むわよ」
「はぁ・・・・・承知した」
『黒い鳥』は説明と説得のため、永琳は材料集めのため、夫々動き出す。
但し、『黒い鳥』の背中は煤けて見えた。
その十日後、無事ロケット十機は完成した。
・・・・・依姫を犠牲に。
因みに『黒い鳥』と依姫は何方も人外であるが『黒い鳥』は体力が無尽蔵であるのに対し、依姫は十徹は流石に無理だった様で三日間寝込んだという。(『黒い鳥』の看病付き。本人的には久しぶりに
「依姫の事をよろしくお願いしますね?パパさん?」
「豊姫、誤解を招くからその言い方は止めろ」
「嫌です♡」
◇◇◇◇
『都』が永琳と『黒い鳥』のに依って月の裏側に移されて『月の都』と名を改めてから数多の歳月が流れた。
綿月姉妹は無事に軍団長に就任し、『月の都』は軍事力も技術力も高度に発達した。
『黒い鳥』は軍団長補佐――綿月姉妹がでっち上げた名誉職――に就任し、偶に軍団に顔を出したり、永遠亭で永琳に技術を学んだりしなから過ごしていた。
「『黒い鳥』、仕事よ」
「内容は?」
「『月の都』を現世から隔離するための結界を張るための手伝いをしてもらうわ。報酬に依姫をあげるわ」
「いらん。何処に娘を貰う父親が居るんだ」
「冗談よ」
「冗談なら真顔で言うの止めてくれ。報酬は
「わかったわ。じゃあ、着いてきて頂戴」
『黒い鳥』は永琳のあとに着いて歩く。
暫くして『月の都』の外で月夜見が待っていた。
「久しいな、『黒い鳥』」
「月夜見、お前と会う機会なんざ無いほうが良い。大抵面倒事だ」
「酷い言い草だな。否定はせんが」
「で、永琳。俺は何をすれば良い?」
「海から『月の都』を囲む様に水を引いて頂戴」
はい、設計図よ。と永琳から渡された設計図を読み込む。
「了解した」
『黒い鳥』は月の海まで移動し、場所を確認する。
その後、
「よし、あとは残った上の土を"内側"に仕舞えば終わりだな」
『黒い鳥』は残った土を"内側"に収納し、水路を完成させる。工事時間、僅か一分。
「相変わらず仕事が早いわね・・・・・月夜見、やるわよ」
「ああ」
その後、月夜見と永琳に依って水路を利用した結界――月都大結界と命名された――が張られたのだった。
因みに、訓練中に豊姫から永琳の言った冗談によって揶揄われた依姫は小さい頃の戯言――良くある「大きくなったらお父さんのお嫁さんになる」という類のもの――を思い出し、恥ずかしさのあまり悶絶して一日寝込んだという。
尚、『黒い鳥』は依姫の「愛宕様の火!!」という照れ隠し(?)により家が全焼した。
◇◇◇◇
「よし、これで契約期間は満了だ」
『黒い鳥』の手に持っていた契約書が燃えて消える。
その様子を見守っていた永琳は頷き、柔らかく微笑む。
「ええ、此れ迄とても愉しかったわ『黒い鳥』。で、何時行くの?」
「今直ぐ。大結界は俺に効果はないからな」
「そう。じゃああの娘達には上手く言っておくわ」
「ああ。じゃあな、永琳。また何時か」
「ええ、また何時か『黒い鳥』」
「・・・・・次会う時は
そう告げて、『黒い鳥』は青い星に向かって月から翔び立った。
・・・・・出会いと別れ。ソレは表裏一体。別れがあれば、出会いがあると言う事だ。
▷Material
・綿月豊姫(Character)
『月の都』の二人の軍団長の一人。綿月姉妹の姉。仕事を基本的に依姫に丸投げしている・・・・・が、有事にはとても頼りになる。育ての親である『黒い鳥』を良く揶揄う(が、好意の裏返し)。師匠である永琳のことを尊敬している。地味に言動が過激だったりする。
・綿月依姫(Character)
『月の都』の二人の軍団長の一人。綿月姉妹の妹。しっかりものだが、バトルジャンキーな節がある。育ての親である『黒い鳥』のことが大好き(甘えられる相手が居ない為、親愛)。永琳曰く「父親離れがまだまだね」とのこと。『黒い鳥』に恋愛感情は無い。
・木刀(Weapon)
銘を「頑丈くん」(依姫命名)。幼い豊姫と依姫が永琳の協力を経て作成したひたすら頑丈な木刀。材料は永琳が合成したひたすら硬くて粘り強い木材に月夜見の加護が掛かっているもの。コレを貰ったのを切っ掛けに『黒い鳥』は剣術を修練する様になったとか。持ち手にデカデカと『頑丈くん、作、豊姫、依姫』と刻まれている。『黒い鳥』はコレが擦り切れてしまわない様に特殊な布を巻いて使っている。