東方傭兵譚 〜The Mercenary and the Sage Trail〜   作:文才の無い本の虫

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作者役「ゆかりんと言ったら、彼女を出さない訳にはいかんだろう」

エディ「魂魄妖忌と西行妖とじゃなくて?」

作者役「それもある。あと紫への幽々子からのアドバイスっていうシュチュエーションを書きたかった。あと何故か『黒い鳥』が無愛想に・・・・・」

クランドール「此処らへんから本格的にクロスオーバーはっじまっるよー☆」



作者役&エディ「「では!どーぞ!」」




2「動き出した運命(Fate)

 

 

 

 

俺が紫に雇われからもう十年。

 

・・・・・む、いかんな。

 

時間感覚が人じゃ無くなってる。

 

まぁ、良い。

 

今日は紫の友人――紫、友人なんて居たんだな――に会いに行く事になっている・・・・・のだが。

 

 

「・・・・・紫、何時もの着流しで良いか?」

 

 

「駄目に決まってるでしょ?!・・・・・えーっと、はい」

 

 

紫がスキマから上等な着物を取り出し、俺に押し付ける。

 

それを受け取り、問う。

 

 

「これは?」

 

 

「貴方の為に用意した特別製よ。着て頂戴」

 

 

「・・・・・了解した」

 

 

渡された着物を広げる。

 

上質な灰色の着物と丈夫そうな真っ黒な羽織。

 

(着るものが紫色ばかりの)紫にしては良い組み合わせだ。

 

この羽織・・・・・香水の匂いか?

 

 

「着替え終わったぞ」

 

 

「・・・・・」

 

 

紫が扇子を開いて口元を隠す。

 

 

「どうした?」

 

 

「くっ(刺激が強いわね)・・・・・少し待って頂戴」

 

 

「?」

 

 

いきなりどうしたのだろうか?

 

 

「・・・・・ふぅ。さて、行くわよ」

 

 

暫くして、落ち着いた紫が開いたスキマを潜る。

 

 

「そろそろ着くわ」

 

 

「わかった」

 

 

スキマを潜った先には武家屋敷の庭があり、大きな枯れた桜が鎮座している。

 

いや、唯の桜では無いな。

 

 

「紫、あの桜は妖か?」

 

 

「えぇ・・・・・ごめんなさいね。近い内に貴方の力を借りることになるわ」

 

 

紫が謝るとは、きっと彼女(最強)が手を焼く程のものなのだろう。

 

だが、俺には関係無いことだ。

 

 

「いい。今の俺はお前の矛で盾だ。存分に使え」

 

 

「ふふ、そうさせてもらうわ。さて、行きましょうか」

 

 

「ああ」

 

 

武家屋敷へ向かう紫の横に並んで歩く。

 

すると紫が此方を向く。

 

何時もの様な鬼や覚に胡散臭いと嫌われる顔で。

 

・・・・・俺は嫌いでは無いが。

 

 

「ねぇ、『黒い鳥』。傘を持って下さる?」

 

 

「了解した」

 

 

差し出された傘を受け取り、何時もの――紫に言われている――様に俺と紫が入る様に(・・・・・・・・)差す。

 

 

「・・・・・ふふふ」

 

 

「どうした?」

 

 

「いえ、今から会いに行くに娘の反応が楽しみだと思ってね」

 

 

「・・・・・そうか」

 

 

「あら、連れないわねぇ」

 

 

「俺が連れないのは何時ものことだろうに」

 

 

「ふふふ、それが良いのよ」

 

 

「・・・・・お前がそれで良いなら良い」

 

 

「ええ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『クク、口角が上がっているぞ?』

 

む・・・・・俺は笑っているのか?

 

『そうだ。不器用か貴様』

 

不器用で悪かったな。

 

まぁ、そうか。

 

俺は笑っているのか。

 

・・・・・どうやら俺は案外この生活が気に入っている様だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 

 

枯れた桜が鎮座している、大きな屋敷の庭に剣戟が鳴り響く。

 

剣を交わすのは緑の袴姿の白髪の男性と紫掛かった黒の羽織姿の『黒い鳥』。

 

 

「セイッ!!」

 

 

白髪の男性は『黒い鳥』に斬り掛かるが、その斬撃は木刀に簡単に往なされてしまう。

 

 

「遅い」

 

 

「まだまだですぞ!!未来永劫斬!!」

 

 

「鋭さが足りん」

 

 

白髪の男性――魂魄妖忌は掛け声と共に斬り掛かる。

 

『黒い鳥』は木刀でその霊力を纏った斬撃を軽く弾き、的確に斬り返す。

 

 

「ふぅ・・・・・長閑ね〜」

 

 

「剣戟の音が鳴り響くのも風流なのかしら・・・・・?」

 

 

紫はちらりと横で山程積んであった団子を瞬く間に半分程にしてしまったおっとりとした女性を見て疑問符を浮かべる。

 

 

「紫、お団子食べないの?」

 

 

「ええ。私はお茶だけで十分・・・・・ってあんなにあった団子がもう無いじゃない?!」

 

 

「手が勝手に動いちゃうのよね」

 

 

「はぁ、幽々子のご飯を用意している妖忌は大変ね」

 

 

すると、ぐうぅ、と幽々子――紫の隣に座っている女性――の腹が鳴り響く。

 

 

「うーん、お腹が空いて来ちゃったわ。そろそろご飯にしましょうか」

 

 

「・・・・・もう何も言わないわよ」

 

 

「妖忌〜ご飯〜」

 

 

幽々子が自身の従者――正確には従者兼庭師兼剣術指南役――である魂魄妖忌を呼ぶ。

 

その声を聞き、『黒い鳥』は木刀を腰に差し(納刀)、戦闘態勢を解く。

 

 

「・・・・・取り敢えず此処までだ」

 

 

「手合わせ、有難うございました、『黒い鳥』殿」

 

 

妖忌は同じく剣を収め、『黒い鳥』に礼をする。

 

『黒い鳥』は屋敷の方に向かいながら言う。

 

 

「妖忌、飯の用意をするのだろう?俺も手伝おう」

 

 

「忝い」

 

 

妖忌はそう言って軽く会釈し、『黒い鳥』に続いて屋敷の方に足を向けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇ、紫」

 

 

「何よ幽々子」

 

 

「貴女のところの『黒い鳥』、ちょっと(一ヶ月位)貸してくれないかしら?」

 

 

「嫌よ。絶対に駄目・・・・・3日ぐらいなら良いわよ」

 

 

「ちぇ〜・・・・・やっぱり大切なのね」

 

 

「なっ?!」

 

 

「何時もの態度や羽織からする香りでバレバレよ・・・・・紫、きっと大変よ?」

 

 

「・・・・・ええ。わかってるわ」

 

 

「(『黒い鳥』、紫の相手は物凄く大変よ〜)頑張ってね〜」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇◆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

契約に関係無く(・・・・・・・)、俺が紫と行動を共にするようになってから十一年が経った頃の話だ。

 

 

―――――?

 

 

む?

 

 

俺が紫と行動を共にするようになった理由?

 

 

簡単なことだ。

 

 

俺は紫のことが気に入った。

 

 

それだけのことだ。

 

 

満足か?

 

 

――。

 

 

続きを話すぞ。

 

 

む、言うのを忘れていた。

 

 

良いか?

 

 

稗田阿求(・・・・)

 

 

これから話すこと・・・・・正確には『聖杯』と『人理』、そして細かい部分は絶対に口外するな。

 

 

徒人が知らないほうが良いことは五万とある。

 

 

―――――――――。

 

 

・・・・・よし。

 

 

そうだな。

 

 

幽々子が死んだ時に、運命(Fate)は動き始めた。

 

 

少し長くなるが、寝るなよ?

 

 

――。

 

 

俺は早く帰りたいんだ。

 

 

では、話すとしよう。

 

 

 

 

 







・・・・・仕事忙しいぃ・・・・・。



▷Material

・黒い羽織(Item)
紫が『黒い鳥』の為に用意した(創り上げた)羽織り。紫を知っている妖怪は(一部を除いて)この羽織に近付こうとしない。『黒い鳥』曰く花の様な香りがするらしい。(何時も身に着けているせいで『黒い鳥』はその香りが布団に残っていても気付けない)

・西行寺幽々子(Character)
紫の数少ない友人。一目で紫が『黒い鳥』へ抱いている思いの本質を見抜いた。何処ぞのピンクの悪魔並に大食い。

・八雲紫(Character)■頁目
妖怪の賢者。だが、彼女はそれ以前に理解者を求める一人の女性である・・・・・。(最近の楽しみは『黒い鳥』の寝顔を至近距離で(・・・・・)眺める事。因みに紫は気配遮断が凄く上達した)


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