アカメが斬る好きなのですが、推しの子の小説に力入れているせいで難しいストーリーとかできなさそうだからこうなりました。
それではどうぞ
ズシン、ズシン
そう地響きがする程の勢いで暗い森を駆け抜けるのは1人の男
口からは笑い声が絶えずに喜びをそのまま表したような笑顔のまま、何処かに向かって一目散に走り続けている。
スタミナなどまるで気にせず走るその姿は蒸気機関車を彷彿とさせるが男の外見はそんなものではなかった。
サラリとした金髪に灰色の皮膚、顔や全身に巻き付けられたベルトのような拘束具で引き締められた筋肉ははち切れんばかりだ。
更に2Mを超える体躯でありながらその手には立派な
もうそろそろ冬になろうかという時期に、貧しい村を一台の馬車が通り抜ける。
窓から見えるその村はこれから冬を乗り切るには心もとない程の貧しさであり傍目から見ても不安を覚えるくらいであろう。
うっすらと見える村人達の顔からもその苦しさが見てとれた。
「この村もまたひどいな... 民あっての国だというのに。」
「そんな民を憂い、毒蛇の巣である帝都へ戻る父上は立派だと思います。」
そんな愚痴を呟いたのは帝都の元大臣であるチョウリとその娘で槍術の使い手であるスピアである。
「命欲しさに隠居している場合では無いからな、国が滅ぶ。こうなったらワシはあの大臣ととことん戦うぞ!」
と老いても全く衰えない気迫を見せながら、スピアは自信を持って答えてみせた。
「父上の身は私が守ります!」
その言葉にチョウリはホロリとなりながら
「いい娘に育ったのう... 勇ましすぎて嫁の貰い手がないのが玉に瑕じゃが...」
と言うが、図星だったのかスピアはあたふたしながら弁解した。
「それは今関係ないでしょう!」
そうは言ったものの思いの外ダメージを負ったのか、それも勇ましい程じゃなくてちょっと槍が使えるだけで私だっていい人がいればそれはもうすぐにでも結婚出来ると思う....
などとブツブツ呟く娘の姿に流石に罪悪感を覚えたのかチョウリは小声でスマン、と謝罪した。
そしてスピアが前の方を向くと、3人ほどの人影が確認できた。
このような所に3人もの人間が立っているのは常人でも怪しいと思えるが、2人は賊か何かだと認識してスピアやその護衛はすぐさま戦闘体制に移行した。
「また盗賊か⁉︎治安の乱れにも程がある!」
とチョウリはそう文句を口にするがスピアは周りに
「今までと同じように蹴散らす!油断するな!」
と指示した。
そうして全員が武器を構えて相手の動きを見ていると3人組の中の老年の男性が1人の大男をダイダラと呼ぶと返事をしたその男が前に躍り出た。
スピアは周りの護衛と共に一斉にダイダラに襲い掛かるが当の本人はゆっくりと背中に背負っていた斧を構えると真横に振るった。
ガオォォォン‼︎
そんな音が聞こえる程の大きな一撃
周りの護衛はその一撃で物言わぬ肉塊に成り果て、スピア自身も槍が真っ二つにされ腹を切り裂かれた。
身に纏っていたコートから鮮血が飛び散りじんわりと赤いシミが広がっていく。
スピアは激痛のあまりその場に倒れ込みもはや立つことすら難しい怪我を負ってしまった。腹を押さえてはいるが戦闘不能な状態になっていることは一目瞭然であった。
(う....強すぎる... 私の槍術が...)
朦朧としてきた意識の中でそんな考えが頭に浮かぶが目の前にいきなり少年ーーニャウが現れたことにより思考が無理矢理中断させられる。
そしてニャウは呑気そうにスピアを眺めてこう呟いた。
「へぇ...お姉ちゃんやるねぇ。ダイダラの攻撃で死なないなんて。」
と言って素直にスピアを称賛するがでも、と呟きながら服の中からナイフを取り出した。
「これから起こることを考えると、死んどいた方が楽だったかもね。」
そう言うニャウの顔は不気味な程の被虐的な笑みを浮かべていた。
その間にダイダラは馬車を真っ二つに叩き割るとその中にいたチョウリは吹き飛ばされてしまった。
そうしていつの間にか現れたのは先程ダイダラに指示を出した老年の男性ーーリヴァである。
チョウリは見覚えのある服を着たリヴァに対して呆然とした表情を向けたまま呟いた。
「お...お前は帝国の将兵...‼︎」
そう、本来なら元大臣である自分を守る筈の人物が牙を剥いてきた、その事実がチョウリを更に混乱させていた。
そんなチョウリを見つめながらリヴァは冷静に答える。
「はい、貴方の政治手腕は尊敬しておりました。」
それならば何故とチョウリは新たな質問を投げかける。
「な...ならば何故わたしを狙う!!!」
そんな事かと言わんばかりの視線をぶつけながらリヴァは答えた。
「主の命令はーーー 何をおいても絶対ですので。」
そうしてチョウリは死を覚悟した、しかしザクリという肉を断たれる音がするものの何秒たっても痛みはこずに聞こえるのは静寂だけだ。
うっすらと目を開いてみるとそこにはあり得ない光景が広がっていた。
灰色の肌の全身にベルトのような拘束具を巻き付けた男がチョウリを庇うようにして目の前に立っていたのだ。
「んんおぉう!」
と全く痛がる様子を見せないその男は持っていた小剣を振りかぶる。
何よりも恐ろしいのはその男がずっと笑顔でいる事だ。
その攻撃はリヴァに躱されたが3人は取り敢えず距離を取ろうと一度集合した。
様子を見ていたダイダラとスピアの顔の皮を剥ごうとしていたニャウもいきなり現れた男に対してかなりの警戒心を抱いていた。
男はお構いなしにスピアに近づくと、彼女が怯えていることなどお構いなしにお姫様抱っこの姿勢で抱き抱えるとチョウリのすぐそばでゆっくりとおろした。
すぐに3人に向き合ったその男は2人に背中を向けてしっかりと言葉を述べた。
「すぐに近くの村まで逃げて傷の治療を頼むが良い。そのままでは出血が酷すぎるゆえな。なに心配するな、この私が君たちに代わって圧政者を討ち滅ぼしてみせよう‼︎」
そう笑みを浮かべた男に2人は一瞬ポカンとなったが、すぐにチョウリはスピアに肩をかしながらゆっくりと歩いていった。
それを確認した男は剣の先を3人に向けてこう言い放つ。
「おぉ、圧政者よ!汝らの傲慢が潰え、強者としての驕りが蹴散らされる時が来たぞ!」
3人はそれぞれ混乱と怒りの感情をむき出しにするが、リヴァは2人に落ち着くように伝える。
「落ち着け2人とも、あのような者については手配書にも無ければエスデス様にも通達されなかったが処分するべき人間が1人増えただけの事、その後であの2人を始末すればよいだろう。」
それに対してニャウが
「それなら2つのチームに分けてやった方が効率良くない?わざわざ3人がかりでアイツ殺すのってかなり面倒くさいと思うんだけど。」
と返すがリヴァ曰く
・あの男の強さは未知数であり、舐めてかかるとどれ程のしっぺ返しをくらうのかが想定できないから。
・たとえあの男を始末するのに時間がかかったとて、2人を始末するのには時間もそうかからないし2人の事を考えたらその方が楽しめるだろうから。
という考えのもと3人で戦う事となった。
「じゃあまずは俺からだ。さっさと終わらせるのもアリだが、まだ仕事が終わってないんでな。」
そうにダイダラは自慢の武器である、帝具・ベルヴァークを2つに分離して男に向かって勢いよく投合した。
ブーメランのように回転しながら男に向かっていたベルヴァークは痛々しい音をたてて突き刺さった、しかしどうにも男の様子がおかしい。
男は痛がるのではなく喜びの、光悦の表情を浮かべており、素晴らしいという声がハッキリと聞こえてくる。
「...いい、いいぞぉ。もっと....もっとだぁ。」
そう言っている内に更に男の肉が迫り上がる。
最早筋肉の化け物と言っても差し支えないであろう。
「な、なんかアイツヤバいなんてレベルじゃなくなってきてない...」
と少し冷や汗を垂らしたニャウが言うが男を除くその場にいる全員が内心同じように思っていたのは言うまでもないだろう。
「だったら!ーーー
ヤバくならないように今すぐブッ殺して経験値にしてやるよ!」
とダイダラは勇猛果敢に襲いかかり、何度も攻撃するが男は避けるどころか抱擁するかのように腕を広げて待ち侘びていたように全て受け止めてみせる。
息切れを起こす程の攻撃を加えようともその全てを男は受け止め笑みを返していく。
「ぬぉう、叛逆の時...か。」
その言葉にダイダラが呆然とした表情になると男はダイダラを抱きしめ、俗に言うベアハッグの姿勢に持ち込んだ。
「おお、圧制者よ!汝を抱擁せん!」
その声と共にダイダラの体は締め付けられ抵抗虚しく、一瞬のうちに鯖折りとなって潰れたトマトの如く血やペースト状になった臓物が飛び散った。
それを見ていたリヴァとニャウは相手が自分達と同等かそれ以上の実力の持ち主だということを再認識すると今度は2人がかりで挑む事にした。
ニャウは帝具・スクリームで男の弱体化とリヴァの強化を、リヴァは帝具・ブラックマリンによる攻撃と自身の体術で男を相手どる事となった。
ブラックマリンの能力は触れた液体を操作する能力、つまり使用者の血液すら操れる帝具だ。
それを活用してリヴァは血液を硬化させた槍を何本も突き刺すが、やはり男には効果がなく、こちらへと走ってくる。
そしてタックルやパンチを絶え間なく繰り出してくるものの2人はそれをヒラリと躱して尚、打開策を考えていた。
「ニャウ!笛の音はコイツにしっかりと効いているのか⁉︎衰える様子が全く見えんぞ!」
「うるっさいなぁ!!コッチだってやってるってば!何でかコイツ...笛の音の効果を受けてるハズなのに...本当に何___」
リヴァの方に一瞬だけ視線を向けた
ただそれだけだった
ニャウは目の前を向くと、そこには男がまるで大樹のように太く肥大化して、目や牙が生えた腕を大きく振りかぶっている。まるで神話に出てくる巨人の拳の如き肉の塊は無慈悲にニャウに向かって振り下ろされた。
咄嗟にニャウは両腕をクロスさせて防御の姿勢をとってみせるが、それは人間の反射神経による行為でしかなく帝具を使った防御でも何でもない。故に一瞬だけ呆然とした表情を浮かべてニャウは呻き声ひとつ上げずに呆気なく叩き潰された。
リヴァは怒りの形相を露わにして、怒鳴るような声で男に問い掛けた。
「なんと...なんというザマだ!貴様みたいな奴1人に3獣士の内2人がやられるなど!お前は、お前という男は一体何者だ‼︎」
それに対して剣を構えたままの男は高らかに答えてみせた。
「バーサーカー、スパルタクス!貴様ら圧政者を討ち滅ぼすべくこの世界に現界した。」
そうしてまた男ーー スパルタクスは高らかな笑い声を響かせる。
「...主の命を果たす事の出来なかったこの償いは、貴様と私の命で賄うとしよう!」
そう言ってリヴァは自身の体に何らかの液体を注射すると狙いをスパルタクスに定めた。
そう、リヴァが体に注入したのは強力な毒であり相打ちでも構わぬと、この男だけでもという覚悟の表れであった。
「ー 血刀殺‼︎ー」
ブラックマリンの必殺技でありほぼ確実に相手を死に至らしめるリヴァの中でもトップクラスの強さを誇る技はかのナイトレイドのブラートでさえ死は避けられない程ではあるがそれは彼の宝具がアレでなければの話だ。
それをモロに受けたスパルタクスは悶えるも、しっかりと二本の足で立ち上がりゆっくりと深く息を吐いた。
しかしながら体の至る所が光り、別の場所は小さな稲妻のような光も走っている。
リヴァ自身、もう限界が近づいてきている。
そのせいかスパルタクスの言葉が妙に嫌な予感がしたのは気のせいだと信じたかった。
「ぬはははは!爆発で、ある!」
爆発という単語から想定されるのは火薬などが引火したことにより周りが消し飛び、焦土とかす光景だ。
そこでリヴァはハッ、とある種の結論にたどり着いた。
コイツは私たちの攻撃を避けられなかったのではなく、
そしてリヴァの口からは素直な賞賛の言葉が送られた。
「見事だ。スパルタクス、誇り高き叛逆者よ__」
「叛逆こそが我が人生!おお彼方の圧制者よ!刃を持って汝を打ち砕かん!」
そしてスパルタクスの宝具・
(ブラート、一足先にあの世で待っているぞ。)
もう会えないであろうかつての部下に誰も知ることのない言葉を残してリヴァは跡形もなくこの世界から消え去った。
そして、膨らんだ筋肉が萎み元の大きさに戻ったスパルタクスは3人の戦士たちに想いを馳せる。
「素晴らしき戦士たちよ、貴殿らの事を胸に刻み私はこれからも叛逆者として圧政者を討ち滅ぼそう。」
次に狙うはリヴァが主と言っていた人物、恐らくソイツこそ更なる圧政者であろう事は目に見えている。
それが誰なのかはこの私は知らない。
だが、それがどうした?弱き者たちを苦しめ、それを良しとするような者などこのスパルタクスが全て薙ぎ倒してみせよう。
そう決意したスパルタクスはまた走り始めた。
彼はこれからも叛逆者であり続けどのような状況でも笑い、抗い続けるであろう。
彼が叛逆し、願い続ける限りは。
いやぁ、2部3章のスパルタクスの活躍が凄かったですね。
個人的にあのシーンだけで泣きました。(ガチ)
あとコヤンスカヤの拷問されていたシーンで内心スカッとしたのは私だけじゃないハズ。
推しの子の小説の続きができない間はこんな短編ばかりになるかもしれませんが何卒ご容赦ください‼︎
なんというか自分の文章力が圧倒的に不足していてあんまりいい感じの文にならなかったり作者のスケジュールがヤバいのが理由です。
こんな作者の小説を読んでいただき、ありがとうございました。
それでは753101938315でした。