澄んだ記録を目指して   作:上条@そぉい!

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プレイ中言いたかった事を言ってもらいました。アリス可愛いですよね!それだけにメインストーリー中は何度も耐えられず相席食堂の如く「ちょっと待てい!」ボタン連打してましたね!


『魔王と鬼』

 さて、今日の私はミレミアムに来ている。ここの空気はゲヘナと違って新鮮さに溢れている。昔の人が感じた文明開花の風とはこういうものだったのだろうか、なんててきとーな事を思いながら今日も紫煙を空へ吐き出す。

 ぐでーっとベンチに座って吸う煙草のなんたる美味さか。最近は禁煙も増えて中々に辛いがやはり外で吸うのは一味違うぜ。人とはこんな環境の違いで簡単に気分を変えられるのだから単純なのかもしれん。

 

「暇は人を殺すと言うが案外真実か?こうも退屈だと考えを滑らせていけない」

 

 空を見上げればいつも通り、輪っかが浮かんだ青空だ。あれってなんなんだろうな。

 そんな時だ。そんな私の前を通る二人組に目がいった。馬鹿でかい銃つーか機械背負った子供と学生にはあまり見えないスーツ姿の女。

 

「親子か何か、ではなさそうだ」

 

 あまりに悲しそうというか、悲壮感たっぷりな表情をしている子供に私は何もせずスルーというのは出来なかった。

 

「おい、ちょっといいか」

 

 だから、その2人に声をかけた。それでも女の方は無視しようとするもんだから一瞬だけ殺気出して無理矢理止めた。

 

「……何かしら、忙しいのだけど」

 

「止めておいてあれだがあんたの方にはあまり用はないんだ。そこの子供に用がある」

 

 俯いていた子供はその言葉に顔をあげ、漸くこちらの顔を見た。目の端には涙の跡があり訳ありな事を分からせる。

 

「アリスにですか……?」

 

「そうそう、アリスっつーのか。私は鬼巫女。ちょいと事情聞かせてほしくてよ」

 

 ベンチから立ち上がり、アリスと名乗った子供の近くにしゃがんで目線を合わせる。

 

「ほぼ他人みてーなもんだけど、それだから話せることもあるだろ?」

 

 口を開きかけてはモゴモゴする、それを数度繰り返して。私は無言で待った。アリスが話すのを待った。

 

「アリスは……アリスは魔王だったのです。パーティと一緒に冒険をする勇者ではなかった」

 

「ほー、魔王か」

 

「アリスがモモイを、傷つけてしまった。このままではみんなを……だからその前にアリスはアリスの冒険を終わらせるのです」

 

「なるほどな。アリスはどうすんだ?」

 

「え?だからアリスは──」

 

 額にデコピンしてその言葉を止め、私は笑う。それはやりたい事ではないだろ。状況に流されて選択するしか無かったものだ。

 

「お前の望む欲はそんなものではない、だろ?魔王であった過去も。魔王とわかった現在も。それはお前の欲には何も関係がないんだよ。どんなに理不尽でも、我儘でも。望む事に間違いは一つもない」

 

 それに、アリスは一つ勘違いしてる。

 

「魔王が悪者なんてありきたりすぎるぜアリス。良いじゃねぇか勇者を目指す魔王。世の中にゃ最高最善を目指す魔王とか、どっかでバイトしてる魔王もいるんだ」

 

「──」

 

「確かに事実は変わらないし、現在のお前が魔王だったとして。そこで終わりなのか?」

 

「──え?」

 

 パチパチ、目を瞬かせ驚くアリス。くしゃっと頭を雑に撫で

 

「過去も今も変える事はできねぇ、が。未来を変える権利は誰にでもあるんだ。ずっと魔王だなんて決めつけるのは早いぜアリス」

 

 立ち上がり、女の方に顔を向ける。警戒されてるようだが別にどうもしない。アリスの事が気になったから話しただけでそこまでだ。結局他人の私がこれ以上をやる必要はない。

 それに、こんな子供放っておく訳がないよな?「先生」……

 

「ほれ、用は済んだぜ。行っていいぞ」

 

「……そう、行くわよアリス」

 

「……はい」

 

 もはや短くなった煙草を握りつぶしてアリス達が向かった方向を見つめる。

 どうにも気になって声を掛けたが、ガキの頃の自分を思い出させるような子供だったな。他人に鬼だの化け物だの言われてた昔を。

 

「気張れよアリス、お前の冒険はまだ終わってないぜ」




なお彼女がいるから暴走しても暴力的な解決はできる模様。やらないしやる必要はないけれど。
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