ツカツカと倒れ伏すベアトリーチェに歩き寄る鬼巫女だが、その前にその足を止める。
それは胸に遺影のような写真を抱き、首のないコート姿の異形が何処からか現れたからだ。私の前に立ち塞がるように立つ異形は口がどこにあるのかも分からないのに、どこからか話し出す。
「ここで、この話は終わりのようです。突然の介入申し訳ありません。私は『ゲマトリア』のゴルコンダ……挨拶は省略するとしましょう。もしやすると以前お会いしたかもしれませんね」
「なんだ、仲間を助けにきたのか」
そいつから聞きたいこともあったんだ、この際全て吐いてもらう気でいた。
「戦いに来たわけではありませんよ。私はそこのマダムを連れ戻しに来たのです。戦闘で勝てる自信もありません、『ゲマトリア』が全員あのような怪物に変われるわけではありませんので」
「だから素直に見逃せと?そりゃ難しいな」
内心の感情の揺れを表すように大幣で肩でトントンと叩く彼女は顰めっ面だ。
「そうですね……ならばこう提案しましょう。今回の件に関して何らかの形で責任をマダムに取らせます。貴女の言い方を借りるなら、ケジメ、でしょうか。それで溜飲を下げてはいただけないでしょうか?」
「…………まあ処遇はそれでいいか。それと一つ聞かせろ」
少し悩んだ末、彼女はその提案を飲む。『先生』の考えを聞くことなく了承してしまったが、まあ許せ。しかし、これだけは必ず明らかにしなくてはならない。その為に質問を投げる。
「──ベアトリーチェがこんな大掛かりな事をして呼び出そうとしてる奴について」
この儀式の場には奴、呼び香とも言えるヤツの匂いがごく僅かだが存在している。それだけは看過できない。もしアイツがキヴォトスに現れるとするなら、間違いなく今あるキヴォトスの形は滅ぶ。
「──『色彩』私たちゲマトリアはそれをそう呼称します。全てが未知に包まれた我々ゲマトリアの敵対者。マダムはその力を我が物とすることで崇高へと至ろうとしたようですが」
「その為の儀式だったわけか」
あっぶねー……こうしてアリウス自治区にまで来たから気づけたが、普段通りなら私も気づかなかった。ある意味先に知れたのはラッキーたった。
「ご質問は以上で?ならこれで失礼致します。またいずれ」
──待って……!
ベアトリーチェを肩で支える形で連れて行こうとするゴルコンダを呼び止めるのは『先生』だ。
「先生、私を止めようと思わないでください。確かに戦闘能力はありませんが私は様々なものを生産できます。例えば……あなたが持っているような『ヘイローを破壊する爆弾』も私の作品ですので。想定した使われ方はしなかったようですが」
そう言いながらこちらに視線を向けるゴルコンダ。はて、何処かで私に使われたか?私には心当たりがない。
「それでは、失礼しました、『先生』そして『特異点』。それではまた」
そう言って、今度こそベアトリーチェを連れて彼らは消えた。
「……終わったか」
私はそこでようやく体の力を抜くように大きく息を吐く。大幣を何処かへ消し、そのままどしゃりと投げ出すように背中から倒れ込む。
「ゲホッゲホッ!!……あー、しんどかった」
口から大きく血を吐きながら浅い呼吸を繰り返す。
エデン条約からほぼ休みなしで動きっぱなしで流石に私の体力は尽きた。先程まで立っていたのも実を言えばハッタリなところが大きい。実際の私の体力はベアトリーチェに技を放った時点で底を付いていたのである。それに加えて、力の行使はそのまま私の体の負担になる。乱用しすぎは体の毒だった。
──鬼巫女!?
「待て待て先生、私は良いから生徒をどうにかしな。傷は治しておいたからよ」
慌てて駆け寄る『先生』に待ったを掛ける。気を失っていたサオリ達の傷は治しておいた。ついでに磔にされていた生贄の生徒、姫と呼ばれていた生徒も。それに……まだあのクソガキが残ってる。本当なら私が戻らにゃならんが、この体たらくでは無理だ。だから。
「あのクソガキについては任せたぜ、先生。あとあの図太い生徒に伝えておいてくれ。報酬は便利屋68まで、ってな。──流石にちょ……っと……寝る……」
話しながらどんどん重くなっていく瞼に逆らえず、私は眠りについた。良い加減、酒かタバコが欲しい。願わくば起きたらすぐに。
ようやくこれで一段楽、です。ストーリーを追う形で書くと文章量も何もかもが増えて大変ですね、はい。
しかし書いてる私は楽しかったのでヨシ!
今後この形を定期的にやるかは評判次第になります。
ゲーム本編ストーリーの話これからも見たいですか?
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見たい
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前の方がいい。
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消えろ、ぶっ飛ばされんうちにな