澄んだ記録を目指して   作:上条@そぉい!

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『キラキラ』

 鬼巫女は今困惑、いや混乱していた。あれだけカッコつけた言い方をしておいてアレだが、いかんせん敵が多い。いや的か?

 

「うわちょ──」

 

 視界を埋め尽くす勢いでこちらに迫るのはネズミ二人組が放つ大玉とニヤニヤ猫が放つ小さな猫である。その数が膨大で私は蹴りや殴りで弾きながらも押され、派手にコーヒーカップがくるくる回るアトラクションに突っ込んだ。

 

「いってぇ……」

 

 後頭部をぶつけて呻くが、相手はそれを待つ事はない。普段ならこのままコーヒーカップの中でくるくる回るのも悪くはないかもしれないが、そんな余裕がないので今は即座にコーヒーカップを降り、まだ回転するコーヒーカップを蹴り、こちらに迫る団体様目掛けて吹き飛ばす。

 

 猫と大玉が大きく弾けて、宙を舞う。しかしそれでも数は一向に減らない。むしろ数をいまだに増やしている。迂闊に触れれば爆発する猫に、何が出てくるかもわからない大玉。

 

「このまま逃げ回っても不利になるだけだな」

 

 そう判断し、狙うなら本体と考える。これを生み出す本体を叩けばこいつらを相手にする必要はなくなる。しかしだ。

 

「あいつら、この数に紛れて姿隠してやがるな?」

 

 あれだけ大きい体なら分かる筈だが、見渡す限り同じ大玉と猫だけだ。

 

(あー、くそ!めんどくせぇ!前に見たアビドスの蛇と違って搦め手を好むタイプだこいつら!)

 

 こう言った時の解決方法は二択だ。一つ一つ丁寧に潰して本体を探す事。これのいい所は確実かつ堅実であること。しかし、時間と体力に限りがある今回において、これが正解かと言われれば微妙である。

 なので、今回鬼巫女が取るのはもう一つの選択肢である。纏めて一度に相手にする。これは一見無茶に見えるが、シンプル故に何も考えることがないのがいい所である。実際の難易度が高い事が難点だろうか。

 

(体力を消耗したくないのは確かだが、こいつらに付き合ってた方が余計に消耗しそうだ。必要経費と割り切ってブッパした方がかえって楽だろ)

 

 ここまで数秒で思考を完了させ、即座に行動に移す。こんな時にピッタリの解決法(他人の技)を彼女は若い頃に経験済みである。

 

 ──模倣遊戯(なんちゃって必殺技)その3!

 

 鬼巫女はその場で大きく息を吸い込む。

 

(そういやあいつも、(オーガ)なんて呼ばれてたな)

 

 ガキの頃挑んだ男の凶悪な顔を思い出しながら、ただ純粋に拳に力を込め、上半身を捻り、戻す反動で体全体で拳を地面に叩きつけた。

 その衝撃は遊園地中を伝わり、地面を派手に破壊しながら、その場にいた猫も大玉も全て宙へと吹き飛ばした。

 

「何処だ?」

 

 宙を舞う猫達の間に見える本体を探す。四方八方に目を向け、驚く顔で跳ね飛ぶ猫とネズミ二人組が見えた。

 

「見つけたぞ」

 

 陸上選手がするような前傾姿勢のクラウチングスタートで一気に地面を蹴り空を飛ぶ。飛び石を渡る子供のように、分身の猫や大玉を足場にし、爆発する前に飛びながら鬼巫女は、能力を使う時に出てくる赤黒い霧を手元に生成。その形は身の丈を大きく超え、数十メートルはあるであろう巨大な斧へ。

 

「ハイタッチは省略だ」

 

 ──模倣遊戯(なんちゃって必殺技)その4!

 

 猫とネズミ二人組を纏めて、頭上から一気に振り下ろした斧で地面ごと一刀両断した。




元ネタは……分かる人いるのかな……
総力戦ボスをあっさり、とは自分でも思いましたが、自重をやめたこの人なら普通かな、と判断した結果こうなりました。
多分ゲーム本編でやろうとすると処理落ちするレベルで範囲攻撃の雨です。
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