レッドウィンター連邦学園227特別クラスの二人にとある頼まれごとをされたシャーレの先生。
 吹雪によって道に迷った先生はなんやかんやで227特別クラスの二人とラーメンを囲むことになって…

(※食事シーンはないです)

1 / 1
味噌ラーメン、227号クラスにて

 レッドウィンター連邦学園227号特別クラス。そこは陸の孤島であり、雪も深まるこの時期では遭難の危険も高まってそこに向かうことすら難しくなる。

 

 …どうしてこんな話をしているのか、それは今私が絶賛遭難中だからだ。吹雪(ふぶ)きだしてからかれこれ1時間は山の中を彷徨っている。

 

 『先生!早く身体を休める場所を探してください!このままだと風邪引いちゃいますよ!』

 『先輩、おそらく風邪ではすまないと思われます』

 

 手元のタブレット端末(シッテムの箱)からアロナたちの声が聞こえる。彼女たちの助けがなければ既に自分はこの世にいなかっただろう。そう考えると身震いが出てくる。いやさっきから主に寒さで震えてるんだけども。

 

 寒さによって思考がまとまらなくなってきた頃、吹雪の先にようやく227号特別クラスの教室があるレッドウィンターの旧校舎が見えてきた。そこから歩いてくる人影もうっすらと見えた。それと同時にそれまで続いていた眠気がそろそろ無視出来ないくらいになってきた…。

 

 『うわー!?先生寝ちゃダメですっ!雪山で寝たら死んじゃいますよー!

 

 『バイタル低下。これ以上は命にかかわる数値です先生。

 

 アロナたちの声もおぼろげになってきたことに少しばかり危機感を覚えながらも、前に進もうとしたがそのとき足がもつれてしまい倒れてしまった。もう全身に力が入らない…、ちょっとマズくなってき、た……。

 

せんせーい、こっちだよー!

 

…もしかしてあれ、倒れてない?

 

先生!大丈夫!?眠ったらマズいよー!

 

 視界が暗転する直前、身の丈ほどもある大きな望遠鏡を背負った少女、天見ノドカが助けに来たのが見えた。アビドスでもシロコにこういう風に助けられたっけ。

 

 ………二度目は“大人”としてちょっと情けないぞ『私』。

 

 そこまで思考が至ったところで今度こそ意識が途切れた。

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

~♪ふんふん♪ふんふふ~ん♪」

 

 “――――――知らない、天井だ……” 

 

 ……なにやらおいしそうな香りと陽気な鼻歌で目が覚めたが、シッテムの箱(タブレット)が近くにあることだけ確認する。

 

「いやー即席麺とはいえ、こうも寒いとやっぱり格別だなー♪……って目が覚めたんだ先生」

 

 寝起きの寝ぼけた頭のまま周囲を見渡して匂いの先を探していると後ろの方から声をかけられた。

 

「ノドカから聞いたよ。この吹雪のなか来るって言ってたから二人で心配してたんだけど、やっぱり遭難してたんだって?」

 

 こちらに声をかけてくれたのは先ほどのノドカと共に227特別クラスに所属する間宵シグレ。そんな彼女の手元には大きなどんぶりが二つ鎮座しており、食欲をそそる匂いはそちらから漂うものだったようだ。

 

「もしかしてコレ(・・)、気になってる?」

 

 “うん、なんだかおいしそうな匂いがするなあって”

 

 “(イテテテ…、これ何時間くらい寝てたんだろう…?)”

 

 申し訳程度に敷かれた布団からバッキバキになった身体に気を遣いながら、シグレと目線を揃えるために身体を起こす。というか意識がハッキリしてから思い至ったが、シグレが食べているのって私が持ってきたアレ(・・)か。

 

 “ごめんね、シャーレ(ウチ)には特売のときにいっぱい買ったやつしかなくってさ”

 

「いやいや、全然気にしてないよ先生。私たち日頃から節約しとかないと倒れちゃうから、先生が来るときくらいはパーッと贅沢しなきゃね♪」

 

「実は今ラーメン作ったことはノドカへのサプライズなんだ。最近なんだか根を詰めてたようだったから今日くらいは息抜きしてもらおうと思って。あっ、この話ノドカには内緒ね?」

 

 “だからコレは先生にも渡せないかなあ”と笑うシグレの目は幼なじみであるノドカのことを心から心配しているようで、だからこそ教室の外で聞き耳を立てている本人にも届いているのだと思った。

 

 “ノドカ、部屋の外は寒くはない?早く入っておいで”

 

「あっ、やっ!盗み聞きなんてしてませんよっ!」

 

「ありゃりゃ、ちょっと恥ずかしいところ見られちゃった?」

 

 ガラッ!と勢いよく開いた教室の扉からノドカが転がり込んでくる。本人に聞かれているとは思っていなかったらしく、シグレもちょっと顔が赤くなっている。

 

「というか!シグレちゃん!先生が持ってきてくれた即席麺(コレ)食べちゃったらまた木の実とかになっちゃうんだよ!?もっと一袋を二人で分け合うとか…!」

 

 手に持っていた氷の入ったバケツを下ろしながらノドカが咆哮する。平和だなあ…。

 

 

ぐぅ~

 

 

 “あっ”

 

 無情にも鳴り響くお腹の音。やいのやいのしていた二人の視線が私に突き刺さる。

 

「先生もお腹空いてるみたいだしここは水に流してさ、みんなで楽しもうよ♪」

 

「シグレちゃんごまかされないからね?それはそうと先生は食べて下さい!」

 

 “私は全然気にしないからね?けど二人が分けてくれるなら喜んでいただこうかな”

 

 そんなこんなで賑やかな227特別クラスの二人と吹雪が落ち着くまでみんなでラーメンをつついて時間を潰した。

 

 おいしかったなあ…




アロナ「私たちアレで出番終わりですか~?!」

プラナ「先輩まずは先生が無事だったことを喜びましょう」

先生「ごめんね?今度みんなでラーメン食べようか」

二人「「わーい♪」」

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。