村の幼馴染が魔術の天才だった   作:きなかぼちゃん

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26.暗黒の落とし子

 わたしと一度話したいというゴーリー氏に連れてこられたのは公園広場沿いにあるカフェスタンドのようなお店だった。

 長い屋根の下にはたくさんのカフェテーブルが置いてあり、昼下がりの時間帯なのもあっていろんな人たちが銀のコップを片手に談笑している。屋根を支えるたくさんの黒い鉄柱はよく見ればこの地下特有の黒い樹木の幹だと知れた。

 

 ちらりと公園の方向を見れば、プララがヒマそうにふわふわと散歩しているのが見えた。

 ちょうどそれを子供連れのお母さんが物珍しそうに見ながら、隣の幼い男の子が手を伸ばしてプララを撫でているところだった。

 プララはノクステラに来てからふらりとどこか行くこともあるけれど、いつも自分で帰ってくるので最近はあまり心配してない。気づかないうちに頭の上に載って寝てたりするし、マイペースすぎてクラゲの形しただけの猫みたいだなと思う。

 

 空いている席に向かい合って座り、ゴーリー氏が手を挙げればやがて店員らしき人がやってくる。

 

「私はホットカティーを。アヤノ様もお好きなものをどうぞ」

「じゃあわたしも同じものを」

「おや、かなり苦い飲み物ですが構いませんか?」

「結構好きなので大丈夫ですよ。ノクステラに来てから何度も飲んでるので」

 

 カティーとはコーヒーに似た黒い飲み物である。かつてはインスタントコーヒーで満足できる人間だったので違いはよくわからないが、眠気覚ましに使われるのはこちらの世界でも同じなんだろうな、と、館でも仕事の休憩中にいろんな人が飲んでいるのを見かけて思う。

 

「これは失礼。年頃のお嬢さんだと、いささか侮ってしまいました」

 

 ゴーリー氏はからからと愉快そうに笑った。あら、もしかして背伸びしてると思われてる?

 

「ええと、ませてるみたいに見せたいわけじゃないです。そういう大人っぽいものが好きな変わった子供もすこしくらいはいるよってことで」

 

 半分くらい嘘である。別にわたしは美味しいからカティーを飲んでいるわけではない。迷わなくて済む、ひたすら無難な飲み物を選んでいるだけだ。

 前世の話だけれど、本当にコーヒーが好きで好きでたまらないから飲んでるなんて人がいったいどれほどいただろう?

 

「いえ、確かに貴女は大人びておりますよ。唐突に見知らぬ大人に話しかけられれば、普通子供であればもっと警戒するものです。あるいは逆に気安く態度で賢しく振る舞うか。そのどちらかだろうと。ですが貴女はどちらでもない。自然体でひどく落ち着いておられる」

 

 余裕のありそうな笑みを湛えながら、ゴーリー氏の銀色の瞳がわたしの顔を値踏みするように細まった。なぜか心の中まで観察されているような気分になる。いや、わたしが穿った見方をしているだけだ。別にわたしと話したいというだけなのだし、怪しむ必要はない。

 

「そうですか? わたし、家族からよく能天気でお気楽だって怒られるんですよ。だからかもしれません」

「地上にご家族が?」

「はい。だからわたしは地上に帰らなければいけないんです。ずっと一緒にいるって、約束しましたから」

 

 といっても、現在進行形で約束を守れてない。トリーナはきっとどうにかしてわたしの無事をみんなに伝えてくれているだろうけど、少なくともレナラはわたしのことを心配するだろう。そのくらいは自惚れていいと思ってる。

 

 どちらかというとレナラのほうが心配だけど。レナラの性格をわかっているクラリスとボルスさんがいるから大丈夫だろうと思いつつも、フォローなしで人とうまくやっていけるか不安に思わずにはいられない。うーん、過保護すぎるかしら。

 

「なるほど。では一刻も早く地上へ帰還する方法を探し出さねば、と」

「まだ特に何も手掛かりはないんですけどね。これから探そうかと思ってます」

 

 銀のコップに注がれたカティーが机に運ばれてくる。口を付ければ漂う湯気から濃いめのコーヒーを思わせる香りがした。

 

 わたしはこの数週間、とにかくこの街に住む人からの信頼を得ることだけを考えて行動していた。地上に戻るためにあれこれ行動するにしても、この街の人たちの協力を得られなければ何も始まらないからだ。

 

「それはよかった。私が貴女にお話ししたかったのは、まさにそのことです。ルクス様から、貴女の助けになってほしいと。私もまた長年にわたり地上に昇る方法を探し続けてきた故、いささかお役に立てるかと」

「えっ、本当ですか? それすごく助かります! ちょうど、どうしようと思ってたところのなので。ありがとうございます。あ……でも」

「何か存念でも?」

「ええと、その」

 

 ルクスさんから聞いたことを思い出して思わず口ごもり目をそらす。かつて地上に帰る道を開くために試された手法は全て徒労に終わったのだと。

 ずっとうまくいってないんですよね、だなんて、せっかく助力してくれるという人にそんな事を持ち出すのは失礼に決まってる。

 それに、気になっていることもある。

 

「もちろん、敗北の歴史を隠すつもりはございません。始めに申し上げますが、我らノクステラが地上に還る試みは一度たりとも上手く行った試しはございません」

 

 ゴーリー氏はカティーに口をつけると、わたしの心を読むかのように明るく表情を作ってそう言った。

 

「だがそれでも、前には進んでいる。何の手掛かりも知り得ないというわけではないのですよ。たったひとり地上より迷いこまれてご不安でしょう。その気持ちはお察しします。ですが我々が協力し合えるのであれば、本懐を遂げることも不可能ではない」

「ゴーリーさん。地上から来たと言っても、わたしは特別賢いわけじゃありません」

 

 やや身を乗り出して語るゴーリー氏を押し留めるようにわたしは言葉を挟んだ。

 ノクステラの人から見れば、ただ地上から地下に落ちてきただけの珍しい子供でしかないはずだ。なのに、ルクスさんもゴーリー氏も、何かわたしの持つ力以上のものを確信的に求めているような気がしてならない。

 

「ルクスさんはわたしに期待してくれているみたいでした。でも、わたしはただの14歳の小娘です。地上に帰りたいという気持ちは本気です。そのためなら何だってしようと思ってます。ただ、期待に添えるかどうか」

「そんなことはありません。貴女は実に、聡明な女性だ。あの魔術を見ればそれが知れるというもの」

 

 ゴーリー氏はわたしの瞳を見つめながら、どこか昏い笑みを浮かべた。周囲では色々な人が話に興じているのに、銀のコップを置く音がいやに耳に響く。

 さっきからこの人はわたしの《桜吹雪》を褒めてくれているけれど、()()()()()()に少しだけ違和感がある。ただ綺麗だと言ってくれる人たちとは、どこか違う。

 

 そう、この視線、どこかで。

 

『そのくらい、ぞっとするほど美しい魔術だったから』

 

 ハッとする。山嶺でクラリスはわたしの魔術を美しいと言ってくれた。そして確かに同じような目で、わたしのことを見ていた。

 クラリスはどこか、わたしやレナラには感じ取れない何かが見えているのではないかと思う時がある。あの時も、そうだったのだろうか。そして、今目の前にいるこの人も、同じなのだろうか。

 

「話を戻しましょう」

「あ、はい」

 

 意識を引き戻されて、思わず佇まいを直す。落ち着きを取り戻すために再びカティーに口をつけた。

 

「我らノクステラの民は古くから地上へ昇る道をいくつも掘り進めてきました。ですが、その全ての道は半ばで閉ざされた。尖兵たる暗黒の落とし子の手によって」

「暗黒の、落とし子?」

「我々を地下に閉じ込め続ける防衛機構、とでも言い換えても良いでしょう。我らが上に昇ろうとすればそれに反応しあの忌まわしき骸の怪物は牙を剥きます。幾人もの僧兵たちが犠牲となりました。当然、討伐が試みられた回数も数え切れないほどです」

「……倒せたんですか?」

「ええ。ですが、アレは不死身です。何度でも蘇り、しかもその数は無尽蔵。だからこそ、今なおノクステラの民はこうしてここにいるのです」

「先祖の時代からずっと、ですか」

「ええ、その通りです。ですが貴女は違う」

 

 意図がわからず思わず怪訝な顔をしてしまう。一瞬失礼かと思ったけれど、ゴーリー氏は全く気にした素振りを見せない。

 

「どのような手段をもってしても暗黒の落とし子は我らの前に現れる。そこで1つの考えに至りました。ノクステラの民は、奴に呪われているのではないかと。この地底には様々な生物が生きています。ですが、あの骸たちは我ら以外には見向きもしない。最初から見えていないかのように、ノクステラの民だけを攻撃し、追い詰める。ゆえにアヤノ様。ノクステラに連らない貴女ならば、暗黒の落とし子たちを出し抜き、地上への道を開くことができるかもしれません」

 

 まくし立てるように言うゴーリー氏の瞳には有無を言わさないような剣呑な光が宿っていた。

 

「試す価値はあるでしょう、貴女のためにも。そして我らノクステラの悲願のため、力をお貸しください」

 

 

 

 

「アヤノ殿、ゴーリーが貴殿に接触したというのは本当か!?」

 

 あれからプララと一緒に館に戻って自室で休んでいると、急にルクスさんが訪ねてきた。

 わずかに屈んでわたしの両肩を掴むないなや、どこか焦ったように声を荒げるのでびっくりする。

 

「は、はい。ついさっきお話ししたばかりですけど。わたしが地上に帰る手伝いをしてくれるみたいで。あの、ルクスさんがお願いしてくれたんですよね? ありがとうございます」

「そんなわけがあるか! アヤノ殿、奴は虚言を弄して貴殿に近づいたのだ。奴に貴殿のことをほんの少しでも話すべきではなかった。私の失態だ」

「えっえっ、どういうことですか」

『ぷいぷぷい?』

 

 ひとり頭を抱えて深刻そうな顔をするルクスさんにわたしとプララは置いてきぼりを食らって2人揃って首を傾げた。事情がまったくわからない。

 

「奴に言われたよ。地上から来たアヤノ殿ならば暗黒の落とし子に襲われることなく地上へ繋がる道を探すことができるかもしれないとな。そして貴殿がそれを承諾したことも。相違ないか?」

「はい。確かに試す価値はあると思って」

「だが危険すぎる! いいか、奴の話には何の確証もない。裏付けのない策で、一方的に危険のみを貴殿に押し付ける計画など僧兵頭として到底許可できない! 貴殿も分かっているだろう。ノクステラの外はただでさえ危険だ」

 

 当然そうだろう。あの巨大な紅い蟻を見ただけでも、それはわかる。

 

「朱い腐敗の進撃だけではない。巨大昆虫の群れに泥人、それら全てをたった1人で対処しなければならない可能性だってあるんだぞ! 百歩譲って貴殿が暗黒の落とし子に襲われなかったとしよう。だが、襲われないのは貴殿だけだ。その時、我々僧兵は同行できないし、貴殿を助けることもできない」

 

 ゴーリー氏が提案したのは、古くに掘られ廃棄された上方への道の先へ向かい、ノクステラと行き来しながら少しづつ調査しながら進んでいくプランだった。いわゆるダンジョンソロ攻略といえばわかりやすいかもしれない。

 

 確かに危険だろうけど、怖がっていても何も進まない、ような気がする。

 

「でもせっかく可能性があるなら試してみないと。地上に帰る方法が分かっていないならそうするべきです。ルクスさんだってわたしにそれを期待してたんじゃ」

()はまだ子供だろう!」

 

 ルクスさんは大声で怒鳴った。そして目を隠しているヴェールを乱暴に取り去った。

 普段の固い雰囲気とは真逆の大きくてぱっちりとした、優しげな目をしていた。

 

「あ……」

 

 虚を突かれて、思わず声が漏れる。

 心配されているのだ。

 

 自分が側から見れば14歳だということはわかっているつもりだったけれど、こんな風に、大人が子供を叱るように心配されることなんて、今までどれだけあっただろう。

 

 ルクスさんの瞳が揺れる。

 

「……すまない。その、内心、地上から落ちてきた貴殿がこの停滞した現状を変えてくれるのではないかと、期待していないと言えば嘘になる。だが、それでも、無謀を許すつもりはないのだ」

「でもわたし、何もせずにこうしてお世話になってるだけだし、何もしないままじゃ肩身が狭いんです。せめてこの街のためになる何かをしたくて……」

 

 わたしがゴーリー氏の誘いに乗った理由のひとつがこれだった。ただ毎日お客さん扱いで何もせず寝食の世話をされていることに耐えられなくなってきたのである。

 ルクスさんはどこか困ったように力無く笑って肩をすくめた。

 

「そんなことは気にするな、と言いたいが、きっと貴殿は納得しないのだろうな」

「ごめんなさい。ワガママ言って」

 

 なんだか最近謝ってばかりいる気がする。

 

「いいさ、貴殿の人の良さは出会った時からわかっている。だが、焦るな。ゴーリー……奴も悪人ではないし有能だが、強引で物事を焦りすぎる男だ。奴の言う事をそのまま実行していてはいくら命があっても足りない。私も間に入って計画を見直そう。それに、仕事がしたいのであればちょうど頼みたいこともある」

「ありがとうございます」

「これからは早く相談して貰えると嬉しい。前にも言ったが、姉上の恩人に助力は惜しまない。それに、私自身も個人的にアヤノ殿のことは気に入っているからな」

 

 ポンと肩を叩かれて、身体がふわりと脱力するような錯覚があった。

 どこかノクステラに来てから、精神を張り詰めすぎていたのかもしれない。

 

 帰らなければならない。この街の人たちの信頼を得なければならない。いつまでも世話になってばかりではいけない。

 

 ここ数週間のわたしは余裕がなさすぎたのだろう。

 無意識にストンとベッドのへりに腰を下ろすと、ひどく冷静な気分になる。

 

「大丈夫か?」

「いえ、ちょっと疲れてた自分に気づかなかったというか、なんというか……」

「なら湯浴みに行くといい。疲れが取れるぞ。夕餉もとっておきのものを用意しよう」

「と、とっておき……?」

『ぷい〜?』

 

 そんな含みのある言い方されるとホタル料理を思い出しちゃうじゃん!

 わたしは恐る恐るルクスさんを見上げた。するとルクスさんはクスクスと口元に手を当てて愉快そうに笑った。

 

「フフ、心配しなくても虫の料理は出さんよ。プララにはゲッケイジュの若葉の盛り合わせだ。嬉しいだろう?」

『ぷいぷいぷーい!』

 

 いつの間にか好物を捕捉されていたプララが一瞬でルクスさんの頭の上に乗っかりぽよんぽよんと跳ねた。

 ほんの少し頭が軽くなる。……あれ、なんかちょっとモヤモヤするな。

 

「そんな嫉妬するな。貴殿らの仲を引き裂くような真似はしない」

『ぷぷぷ』

「嫉妬なんてしてないです」

「貴殿は顔に出やすいからな」

「してないったらしてないです。プララも笑わない!」

『ぷっぷぷぷ』

 

 プララはご丁寧に触手を傘の前で合わせて笑いをこらえるようなモーションをしてみせた。あとで覚えてなよ。お手玉クッションの刑!

 ルクスさんの頭の上にいるプララを軽く睨んでみせると、ルクスさんが優しい目線でわたしを見下ろしているのに気づく。

 

 今まで目を隠していたから気づかなかったけれど、こんな柔らかい雰囲気の顔立ちの人だったんだな、なんて意外に思う。

 

「似合わない目だと思うだろう?」

「えっ」

「いいんだ。怒ってるわけじゃない」

 

 ぎくりとしたわたしを見て、ルクスさんは薄い笑みを浮かべた。

 

「わたしはこの目が嫌いなんだ。だからいつも隠している。優しそうな瞳、なんて言う人間もいるが、僧兵にそんなものはいらない。舐められるだけだからな。昔は覇気が無いだのとずいぶん言いがかりをつけられたよ」

 

 わたしはただ頷いて答えた。そんな隠すようなものじゃないです、なんて言うのはきっと気休めにもならない。

 

「だが昔、母上に言われたのだ。己の思いを伝えたい時は、相手の瞳をよく見ろと。そうしなければ、心のままに言葉を唱えても伝わらない。良くも悪くも。だから今、そうした。つまり、その、私なりの誠意だ。貴殿を子供だと見下しているわけじゃない」

「わかってます。わたしも、焦りすぎてたかもしれません」

 

 ルクスさんは椅子に座ると、ベッドに座るわたしに同じ目線で向き直った。

 

「姉上は、人の目を見るのが得意だった。そして誰をも慈しみ、共感し、冷え切った心を温められる優しさをお持ちだ」

「わたしもそう思います」

「アヤノ殿も同じだ。ノクステラの民は、すでにその大半が貴殿の事を受け入れている。だから焦らなくていい。共に探そう。地上に帰る方法をな」

「……はい!」

『ぷいぷい!』

 

 プララがわたしの頭の上に戻ってきた。

 耳飾りに指を触れる。もどかしいけれど、焦らず、少しづつできることをやっていく。それでいいと思う。

 そして、ノクステラの人たちに協力してもらって、みんなの元へ帰る。絶対に諦めない。

 

 そしてふと、メアリーに言われたことを思い出す。

 

「あ、そういえばメアリー……友達の銀職人なんですけど、銀が回ってこなくて新しい仕事ができないって言ってました。その原因がわからなくて不安みたいで、ルクスさん何か知りませんか?」

 

 ルクスさんは少し逡巡すると「誠意と言った手前嘘はつけないな」と苦笑いした。

 

「……銀鉱の奥の道が崩落して一旦採掘を停止したと聞いている。本来は廃坑にするんだが、現状流通している銀の大半を賄っている良質の鉱脈だったこともありそうも行かなくなった。復旧作業を急がせてはいるが、()()()()()()作業が難航しているところだ」

「なら、復旧すれば銀はまた職人たちに行き渡るってことですよね」

「そうなるが、いつになるかは約束できない。だから商工会も原因を開示しなかったんだろう。ただでさえノクステラは朱い腐敗の進撃で緊張状態にあるからな」

「でもメアリーは原因がわからないから余計に不安って言ってましたよ」

「それでも、坑道が崩落して機能を失ったと言うよりはな。愚痴るわけじゃないが、かなり不味い状況だ」

 

 そう言ってため息をつくルクスさんを見ながら、わたしはちょっとワクワクした気分になっていた。

 かつて宝探しのようにレアな鍛石を掘りまくっていた楽しい記憶が蘇る。それに、おあつらえ向きの魔術だって覚えている。

 

 坑道から落ちて死にかけた思い出もあるけれど、だからといって嫌いにはならない。

 

「ルクスさん、その坑道の復旧、わたしにも手伝わせてもらえませんか?」

 

 自分でも口角が緩んでいるのがわかった。これ、どこからどう見ても、わたし向きの仕事でしょ!

 

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