セシリア・オルコットとイチャラブしたいッ!!   作:シシカバブP

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サブタイの打ち切りED臭、ヨシ!
というわけで、『セシラブッ!!』最終回をご覧下さいませませ。


最終話 俺達の結婚生活はこれからだ!

 イギリス南東部ケント州、カンタベリー大聖堂。

 イングランド国教会の総本山と言われるこの大聖堂にはその日、多くの人が訪れていた。

 

「お待たせしました。これより、結婚の儀を執り行います」

 

 普段なら数年待ちどころが、そもそも一般にはお断りである結婚式。その儀式の開始を告げる声が、聖堂の奥から聞こえて来る。

 

「それでは、新郎の入場です」

 

 その声を合図に大きな木の扉が開かれると、俺はタキシード姿で入場、奥の聖壇に向かって歩き出した。

 入場してまず目に入ったのは、かつて――と言うほどでもない、数週間前の卒業式で――顔を合わせた1年1組のクラスメイト達。

 そして在学中お世話になった、ヴィッカース社の方々。最前列に、親父とお袋の姿が。

 

(新婦側は……まあそうなるな)

 

 俺から見て右側、新婦側の席には、パーティでよく見かけた人達が参列していた。つまり英国の有力貴族の方々ってことだ。

 ……そんな人達に対して『よく見かけた』という感想が出る辺り、俺もだいぶ染まってきている証拠だろう。

 

(ついに、ここまで来たんだなぁ……)

 

 歩みを進めながら、俺はこれまでの道のりを反芻していた。

 

 

 女神様の策謀で、前世でAC6のお預けを食らったあの日から、全てが始まった。

 ISの世界に転生出来るならと、セシリアとイチャラブしたいと欲望丸出しで転生特典を決めたあの時。

 IS学園入学初日で、逆にセシリアから告白されたあの時。

 これまたセシリアの方からキスされたあの時。

 セシリアと、一線を越えたあの時。

 

 それ以外にも色々あったな。

 俺の国籍が英国になったり、いつの間にか代表候補生になっていたり、半島のテロリストに爆殺されかけたり。

 

 

 そんな濃ゆい1年――あれからもう2年も経つのか――を思い出している間に、壇上に立つ牧師さんの前まで来ていた。

 

「続きまして、新婦入場です。花嫁とともに花道を歩むのは、御父上であるフィリップ・オルコット様です」

 

 司会役の人が告げると、純白のウェディングドレスに身を包んだセシリアが、フィリップさんに伴われて入場した。

 生誕パーティ等でよく来ているイブニングドレスとは違い、肩が露出したストラップレスのドレスに、俺の心拍数がガンッと上がった気がした。

 

 参列席にいたルイーザさんが近寄り、花嫁のヴェールダウンを行う。そして俺の目の前まで歩いてくると、フィリップさんからセシリアの手を添えて差し出される。

 

『娘のこと、頼んだよ』

 

 目が合った瞬間、そう言われた気がした。

 俺はフィリップさんに対して頷き、差し出されたセシリアの、白い手袋に包まれた手を取る。

 セシリアの微笑みに癒されつつ、足並みを揃えて聖壇の方を向く。

 その後、賛美歌斉唱と牧師さんの聖書朗読があり、誓いの言葉に移っていく。

 

「新郎榊悠人、あなたはここにいるセシリア・オルコットを、病める時も、健やかなる時も、富める時も、貧しき時も、妻として愛し、敬い、慈しむ事を誓いますか?」

「はい、誓います」

「新婦セシリア・オルコット、あなたはここにいる榊悠人を、病める時も、健やかなる時も、富める時も、貧しき時も、夫として愛し、敬い、慈しむ事を誓いますか?」

「はい、誓います」

 

 ある意味定型文な誓いの言葉に対して、牧師さんが頷く。

 ちらりとセシリアの方を見ると、苦笑い未満の微笑が返ってきた。

 牧師さんやみんなには悪いが、正直俺もセシリアも今更だなぁと思ってるんだよな。

 

「それでは二人の誓いの証として、誓いの口付けを」

「セシリア……」

「悠人さん……」

 

 牧師さんからキスによる愛の証明を促される。な、なんだろうな、今まで散々イチャラブしてきたが、他人から『やれ』って言われると逆に緊張が……

 だ、だが! ここで固まってたらオルコッ党員の名が廃る! えっと、確か新郎が新婦に一歩近づいて……

 

「悠人さん!」

「んんっ!?」

 

「「「「「「「「ファーッ!?」」」」」」」」

 

 ちょちょちょセシリアさん!? こういうのって新郎側がリードするものであって、新婦からハグして新郎の頭抑えてフレンチ・キスする(舌入れる)ものじゃむぐぐぐぐっ!!

 

「やりおった……」

「セシリアにしては我慢したなーって思ってたけど……」

 

「いやはや、二人が相思相愛なのは前から知ってはいたが、ここまでとは」

「しかし、これはさすがに……」

「ミスタ・ユートもタジタジですな」

 

「あらあら、セシリアちゃんってば情熱的ねぇ♪」

「美嘉さんそれ違うから」

 

「ここまで来ると、悠人さん以外にセシリアを御せる人間はいないわね」

「いやぁ、悠人君も御せてないように見えるんだが……」

 

 参列席からも、呆れと冷やかしの声がざわざわと。

 え? ならさっさと離れればいいだろって? ……もうこの際だから、みんなの記憶に(忘却不能なぐらい)刻み付けるつもりでイチャイチャしてやろうかと。

 

 で、通常なら3~4秒ぐらいと聞かされていた誓いのキスを、俺とセシリアは20秒以上し続けた。

 あー、牧師さん申し訳ない。式を続けてください。

 

「……い、今、誓いの口づけは為されました。この時を以て、二人は生涯愛し合う夫婦となりましたことをここに宣言いたします」

 

 ドン引き声な牧師さんの宣言から一拍置いて、参列者から拍手が送られた。……一拍置いたのは、たぶん参列席もドン引きしてたからだと思う。

 

「悠人さん……」

「セシリア……」

 

 キスを終えた体勢のまま、見つめ合う俺とセシリア。

 これで俺達は正真正銘、夫婦になった。

 

「新郎、並びに新婦が退場されます。皆さま、拍手でお見送りください」

 

 司会の人(さすがプロなのか、全然ドン引き声じゃない)が告げると、皆が席から立ち上がり、手を叩いて祝福してくれた。

 

「悠人さん、あの……」

「ん?」

「実は……ゴニョゴニョ」

 

 セシリアが顔を真っ赤にして耳打ちするから何かと思ったら……全然問題なしっ!

 

「セシリア!」

「きゃんっ♪」

 

 お願い通り、セシリアをお姫様抱っこで持ち上げる。希望が叶ったセシリアは顔を綻ばせると、()()()()()()()腕を俺の首に回して抱き着く。

 

「二人とも、おめでと~!」

「お幸せにね~!」

「ゆーゆーもせっしーも爆発しろー!」

 

 俺は可愛いお姫様(セシリア)を抱いて、祝福(一部恨み)を受けながらヴァージンロードを歩み出す。

 

「悠人さん」

「ん? どした?」

「やっとわたくし達、夫婦になれましたのね……織斑さん達に先を越されたのは悔しいですが」

「他所と比べたらダメだろう」

 

 顔には出さないものの、セシリアの視線の先には、ダークカラーのスーツを着たワンサマー。そしてその隣には……

 

「式の最中、よく泣きませんでした。偉いですよ」

 

 赤ん坊を抱いた、大尉さんが。

 

 

 

 1年の3学期に発覚した、大尉さんの妊娠騒動。その当然の結果が、あの赤ん坊なわけだ。

 誰との子供かなんて、聞かなくても分かるだろう。

 

『俺が絶対責任を取る!』

『学生のお前に取れる責任とはなんだ! 言ってみろ!』

 

 その日、寮監室では凄まじい大音量で姉弟の(声による)殴り合いがあったとか。

 とはいえ、織斑先生も半ば観念していた部分もあったようで、

 

『卒業後は、必ずハルフォーフと籍を入れろ。それがお前に取れる最低限の責任だ』

 

 とのお言葉をもらい、先月行われた卒業式のその日に入籍。

 まあ、ここまでなら誰もが納得(?)したと思うんだが、さらにこの話には続きがある。

 

『俺、クラリッサさんと一緒にドイツに住む! ついでに国籍も変える!』

『お、織斑君!?』

『いいだろう』

『先ぱっ! 織斑先生!?』

 

 ワンサマー、まさかのドイツへの帰化宣言である。しかも姉のお墨付き。これにはまーやんも絶句するしかない。

 もちろん、日本政府は猛反対。

 

『君は日本の代表候補生だろう? しかもその白式のコアは、日本政府から貸与されていることを忘れていないかね?』

 

 肩書とISを盾に、奴さんを自国に縛り付けようとしたんだが……

 

『代表候補生? 俺なりたくてなったわけじゃないんで辞めます。それと白式はお返しします』

『ファーッ!?』

 

 いとも簡単に、白いガントレット(待機状態の白式)を返却されたそうだ。

 しかもどこかのうさ耳博士の仕業か、その時の映像が全世界に流出し、結果ワンサマーのドイツ行きは確定した。

 さらにさらに

 

『一夏が日本にいないなら、私もここにいる理由は無いな』

『ファーッ!?』

 

 姉の織斑先生もが、ちゃっかり自由国籍を取得。IS学園の教員を辞めて、日本を出て行ってしまったのだ。日本政府ザマァ。

 聞いた話では、ドイツ軍IS配備特殊部隊『シュヴァルツェ・ハーゼ』で戦技教官をしているらしい。つまり前々職に戻ったわけだ。ボーデヴィッヒ大歓喜である。

 

 

 

「悠人さん」

「お、おう」

 

 セシリアの声で、過去の回想から意識が戻って来た。

 

「織斑さんとクラリッサさん、幸せそうですわね」

「ああ、そうだな」

 

 ここから見ている分には、新婚生活も順調っぽいしな。

 

「わたくし達も、お二人のように幸せな生活を歩みたいですわね」

「セシリア……えい」

「むぎゅっ」

 

 お姫様抱っこの状態から、セシリアの鼻を指で押した。

 

「な、ななな……!」

「"二人のように"? ナンセンスだ。もっともっと幸せになるに決まってんだろう。なぜなら俺はまだまだセシリアとイチャラブし足りないからだ」

「ゆ、悠人さん……」

「だからハネムーンもその先も、今まで以上にイチャラブしまくるからな。やっと夫婦になって、大手を振ってイチャラブ出来るようになったんだし」

「悠人さん……はい……はいっ!」

 

 ああもうっ、嬉し泣きするセシリアも可愛いなチクショウメェ!

 けどなセシリア、俺達は夫婦になったが、ここでゴールじゃないんだぜ?

 そう――

 

 俺達の結婚生活はこれからだ!

 

 

――セシラブッ!! 完――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こんなものですか。とりあえず、外史が安定(話が完結)して何よりです」

「ねーねークロトちゃーん、次は一夏様ageageな世界を作ろーよー! ほら、一夏様が各国の専用機持ちからチヤホヤされる世界とか!」

「ダメですスクルド先輩、それただのISABです」

「ちぇ―」

「……まぁ、もしかしたら私以外の(作者)画策している(プロット書いてる)かもしれませんが」

「ホント!?」

「あくまで"もしかしたら"、です。ですが、可能性は0ではありません。想像の数、夢想の数だけ外史(2次創作)生み出(投稿)されます。そしてその外史は次々に蓄積されて行く、それがここ――

 

 

 

 

 

 

『ハーメルン』なのですから」

 




二人のイチャラブが世界を救うと信じて……! ご愛読ありがとうございました!


……というわけで、シシカバブ作品3本目、完結でございます。
今回は反省点も含め、書きたい(話したい)ことがゴロゴロあります。その辺は後日活動報告に書くとして、ここでは手短かに。

お気に入り登録や高評価を付けて下さった皆さま、ありがとうございます。
次回作はどうするかですが……それも活動報告で書こうと思います。
一つ言えることは、『見切り発車ダメ、絶対』ってことですね。(ゴール決めないで書き続けるのって地獄なんだと、今回身に沁みました……)


それでは改めまして、ここまで『セシリア・オルコットとイチャラブしたいッ!!』を読んでいただき、ありがとうございました。
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