物語の続きを   作:みぞれ梨

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物語の終わり〜プロローグ

「はぁ〜……」

 

深いためいきを吐きながらコントローラーを机に置いた。

画面に流れるつらつらと並ぶ文字と、感傷に浸るように流れる曲を聴きながら喪失感に心が苦しくなる。

 

 

 

 

 

俺は最近ハマっているゲームがある、ファンタジーな世界を舞台にしたアクションゲームだ、グラフィックはなめらかで落ち着きのあるアンティークな色使いアクションゲームなのに別に戦わなくても楽しめるゲームという自由度の高いゲーム、クリア条件は魔王を倒すこと、そんなゲームに俺はどハマリした。

 

ちなみにストーリーは何通りもあり、魔王とも仲良くなれる、自分が悪者になって人間と敵対することもできる、選択肢を選んで自分好みにすすめることができることで、多くの人がプレイしている。

友人に勧められて半信半疑でやってみたのだが、あまりの面白さに寝る間も惜しんでプレイしてしまった、このゲームを購入してから12年が経つ、俺は宝くじを当てて、よっぽどの買い物をしない限り一生遊んで暮せる金がある、俺はこのゲームを色んなストーリーが見たかった、物語とは終わってしまう、好きなアニメなんかが終わったあと、すごい喪失感に襲われる、そして俺はこの物語を手放したくなかった、もっと味わいたかった、この世界を見ていたかった、このゲームは一人称視点で自分の容姿などは見ることが出来ない、性別を選べる他、声や職業位しかないのだが、それだけでストーリーが変わる、この声とこの職業でこの選択をすればこうストーリーが進む、あまりにも膨大な世界に飽きてしまう人もいるのだが、多くの廃プレイヤーを産んだ悪魔の名作だ。

 

それて俺はコンプリートした、してしまった、最後、女キャラで魔王と恋仲になるストリートを終えて俺は、涙を抑えられなかった。

今だ誰も見る事の出来ない物語をと、手を伸ばし続け終を迎えてしまった、大切なものが抜け落ちたようにただ時間が流れていくのを感じる、エンディングロールを終え、最後に画面が暗転する、そこにはコンプリートおめでとうと、男女が笑いながら手を握っている絵が映し出される、服や持っている道具からおそらく主人公達だろう、どちらも黒髪黒目で、茶色い冒険者用の落ち着いた上着に白いシャツ、そして黒い機能性に優れたズボンをはいている。

コンプリートしら主人公の顔が見れるという噂は本当ですかだったらしい、なんだか嬉しいような寂しいような、気持ちが定まらない、もう死んでも構わないような、満足感、悔いはない。

 

実はこのゲームがコンプリートされない理由がもう一つある、飽きるのもあるが、廃プレイヤーはクリアするため努力するだろう、まぁこのゲームいがにも積みゲーが沢山あるので多くのプレイヤーは脱落していく、このゲームはパソコンゲームだ、PCのスペックの問題もあるが、それは根本的なものだ、コンプリートされない理由に一度ゲームを止め、もう一度起動させると、2000円の接続料金がかかる、一般の人にそんな金は無い、起動させっぱなしなら問題ないと思うが、1日1回ライセンスの確認メールが届く、それにIDとパスワードを正しく入れないとセーブされ、ゲームが強制終了させられる。

ライセンス購入から十ヶ月間は無料なので多くの人はなんの問題もなく、自分好みのストーリーを終えて満足する、だがコンプリートは出来ない、だけど俺には一生遊んでも余るような金と、有り余る時間があった、その結果俺は多くの金と12年という代償のもと、コンプリートした。

 

 

 

 

いつまでも続くような世界が終を迎えた、物語の終わり、その続きはもう、無い。




ありがとうございました。
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