BLOOD/EMETH   作:オンドゥル大使

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第二十六話 真紅の決意

 

『音無小夜が翼手と交戦。七体が残存し、それを狩ろうとしている』

 

 デヴィッドの下に届いたのは現状最悪に転がっていると思しき報告であった。

 

 しかし、それを何故――ジュリアの口から聞く事になるのかが理解出来ない。

 

「……ジュリア。君には倉橋真那の血中Sコードの含有量に関しての報告を待っていたはずだ」

 

『ええ、その事なのだけれどね。……機関にとってしてみれば少し……不都合な事実が分かったのよ』

 

 秘匿回線に切り替えられている事を認証し、デヴィッドは問い質す。

 

「……どういう事だ?」

 

『知っての通り、“サヤ”の血中に含まれる、翼手を殺せる唯一の毒、Sコード。それは詳しい事はまだ分かっていないものの、彼女らの血を媒介にして翼手の体内に入った時点で結晶化を起こす。ここまでは、研究の成果。分かり切った理でしかなかったんだけれど……』

 

 濁したという事は、真那の結果は芳しくなかったのだろうか。

 

「……倉橋真那は……相応しくないのか?」

 

 想定していた言葉に、ジュリアは否定する。

 

『……いいえ、それどころか。通常の“SAYA”感染者のSコードを百とするのならば、彼女のSコード含有量は――その十倍に近い』

 

 驚嘆すべき事だが、同時に予測出来た事態でもあった。

 

「……やはり“音無小夜”の継承者であるためなのか」

 

『それもあるでしょうね。“オトナシ”の小夜はロンギヌス機関がモニターしてきた中でも最上に近い。そんな彼女から血分けで因子を引き継いだ真那さんは、明らかに異常……“サヤ”としての最上位と言っても過言ではないでしょう』

 

「……しかし、ならば何故……イザヨイにこの間の模擬戦で負けた?」

 

『これは推察でしかないんだけれど……』

 

 ジュリアはデータを参照させ、イザヨイのSコードと比較させる。

 

『イザヨイは戦闘経験も豊富。その上で敵の実力もはかれる戦士としてはかなり上級。……けれど、“サヤ”の戦闘能力はSコードの量に左右される。前回の訓練をモニターした解析結果で出たのは……真那さんがどこかで……“サヤ”の持つ殲滅衝動を、抑え込んでいる可能性があるという事』

 

 ジュリアの結んだ結論にデヴィッドは瞠目する。

 

「……だがそれだとすれば……倉橋真那は……」

 

 赴くところを、ジュリアは先回りして言ってのける。

 

『ええ。彼女は“サヤ”の――集合無意識の殲滅衝動を、意図的にせよ、そうでないにせよ、飼い馴らしている。これが機関に公になれば、真那さんは実験動物でしょうね……』

 

 戦闘訓練で抱いた違和感はそれか。

 

 イザヨイほどの実力者ならばもっと早く組み伏せていたはず、と言う感覚と、真那ほどの潜在的な能力があればイザヨイでも苦戦するはず、という矛盾。

 

 そこでふと、デヴィッドは戦闘訓練の映像記録を呼び出していた。

 

『……どうかした?』

 

「……いや……倉橋真那が切り込み、そしてイザヨイが返答の太刀を返す……。何も可笑しくはないはずなのだが……」

 

 纏いつく違和感は何だ?

 

 この戦いがどこかで、異常であるという事だけが明瞭となっている。

 

 通常ならばまだ日が浅く、そして戦闘のトラウマがある真那が劣勢なのは疑いようもない。

 

 デヴィッドは交わされる刃の火花を何度か巻き戻したその時、この戦いの異様さにようやく勘付く。

 

「……倉橋真那が手加減をしている事を、イザヨイは感覚している?」

 

 あり得ない話だ。

 

 戦闘訓練とは言え、それは真剣での立会、少しの気の緩みでも命取りなのに。

 

「それなのに、刃を交わしながら、相手の技量を見る? だが、それは……」

 

『ええ、容易くはないわ。しかも、自分と相手の力量がかけ離れているのならば、なおの事……』

 

 ジュリアの困惑にルイスが通信を割り込んでいた。

 

『デヴィッド、悪いニュースと都合の悪いニュースが飛び込んできたが、どっちから聞きたい?』

 

「……失礼。何だ、ルイス。それはどっちもバッドニュースなんじゃないか?」

 

 ジュリアとの秘匿回線の形跡を打ち消し、ルイスとの直通に集中する。

 

『……じゃあ前者から言わせてもらうぜ。まず……このセクションに隠れ潜んでいた翼手を逃がした、との報告がおれ達の小夜から上がったのが、つい三分前だ』

 

 デヴィッドは腕時計に視線を落とし、ポップアップ情報を同期する。

 

 ルイスへと、確かに真那が翼手の逃亡を許したと報告したログが上がっていた。

 

「……やはり時期尚早だったか。それで、都合の悪いニュースとやらは?」

 

『そっちなんだがな……。イザヨイのルイスが拷問の果てに証言したらしいんだが――』

 

「待て、拷問? 何故、イザヨイのルイスが? 彼に情報漏えいの疑いでも?」

 

『まさしくビンゴらしくってな。一分前に機関の本部より、イザヨイのルイスは継続的に誰かへと情報を横流ししていたらしいとの事だ』

 

「……イザヨイほどの“サヤ”のルイスが、だと?」

 

『おれも信じられないんだがな。どうやら確定らしい。……ジョエルからのビデオメッセージ、開くか?』

 

 端末に届いているビデオメッセージへと、デヴィッドは接続していた。

 

「……こちらで確認する。ルイス、どうやら手をこまねいている時間はないようだ。翼手を確実に刈り取るために、我々は出撃する。車を回しておいて欲しい。このセクションでヘリを飛ばすのは逆に危険だ。陸路を取る」

 

『分かってるよ、それくらい。もう三十秒前に、ハンドルを握ったところだ』

 

 位置情報にアクセスすると、確かにルイスは自分を迎えるためにホテルを出たところのようであった。

 

「……頼むぞ。俺達の“サヤ”をここで死なせるわけにはいかない」

 

『五分ほどで到着する。だが……街の中央まで翼手が飛び立って行ったという情報も掴んでいる。もし、その通りなら市街戦になるぞ。覚悟は出来ているな?』

 

「市街地の封鎖を先んじて行わなければ、アシッドに全部燃やされてしまうだろう。機関の者達を信じる」

 

『……ったく、初ミッションでこれってのは、始末が悪い……!』

 

 ルイスとの通話を切り、デヴィッドはジョエルの直通ビデオメッセージを開いていた。

 

『……これを開いているという事は、既にイザヨイのルイスの所業は明るみになっている、という事だろう。現場監督の役職がある、オトナシのデヴィッドとルイスには、先んじてこの情報を公開している。……だが、正直信じられないが半分くらいの気持ちだ』

 

 ジョエルは眉間に皺を寄せ、平時のように飄々とする余裕もないらしい。

 

「……一体何が……起ころうとしている……?」

 

 デヴィッドはホテルの窓辺から、斜陽の空を睨む。

 

 夜が、訪れようとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 街の中心地まで、まるで息切れも起こさなかったのが不思議なほどだった。

 

 真実、この肉体は別種のものになってしまった――その感慨を噛み締める前に、真那は中心街の人波を眺めていた。

 

 スクランブル交差点で、人々が行き交う。

 

「……翼手なんて、どこにも居ない……」

 

「上手く隠れたわね。擬態して、もう顔も変えている事でしょう」

 

「じゃあ……どうしようもないんじゃ……」

 

 イザヨイは刀を翻し、真紅の眼差しを投げる。

 

「……確かに、普通の人間ならば欺けるでしょうけれど」

 

 そう口にするや否や、イザヨイは刀を下段に構え、群衆へと突き抜ける。

 

 刃を振り翳し、子連れの母親へと斬りかかっていた。

 

 悲鳴が上がる。

 

 ぐっと切っ先を押し込み、そのまま母親を両断していた。

 

 人垣が割れ、そこいらでパニックの声が連鎖する。

 

「イザヨイ……さん! 何を……! だって、それは人間じゃ――!」

 

「まだ変異してないだけよ、騒がないで」

 

 斬り伏せられた母親へと子供が何回も肩を揺さぶる。

 

 何度も母親を呼ぶ懸命な声に、真那は耳を塞いでいた。

 

 イザヨイが身を翻した途端、人波を縫うようにして青年が飛びかかる。

 

「通り魔だ! みんな、気を付けろ!」

 

 茫然とする真那に、イザヨイは青年を突き飛ばして、こちらを凝視するサラリーマン風の男へと刃を突きつけていた。

 

 相手が思考するよりも先に一閃が肩口を捉える。

 

「何をやっているの! イザヨイさん!」

 

「黙っていなさい。これで、少しは――!」

 

 そこから先の言葉を斬りかかられた男の口から発せられた“声”の情報が掻き消す。

 

 翼手の放つ高周波の“声”に、人々は縫い止められたかのように動きを止めていた。

 

 イザヨイが次の獲物を探し出す前に、変異を果たした翼手が通行人をその異形の腕で抱え込み、人波へと没する。

 

「……翼手……? ……けれど、この人波じゃ……!」

 

「追い切れないって? ……あまり馬鹿にしないで。――そこ!」

 

 真紅の眼光が狙いを定め、投擲した刀が対象を射抜く。

 

 翼手がよろめき、人質を手離したところで真那は呼気を詰めていた。

 

 ――体内で血液が沸騰する。

 

 ――皮膚が粟立ち、翼手を捉えた瞬間に肉体と精神を赤い旋風が塗り替えようとしていた。

 

 調子を取り戻そうとした翼手へと、真那は刀を掲げ、その肉体へと一撃を浴びせる。

 

 血が迸り、一般人が絶叫していた。

 

 翼手は近場のレストランの装飾物であった横断幕を身に纏い、傷口を隠して跳躍する。

 

 真那は射程を逃れた翼手が次の標的を探すべく、こちらを挑発しているのを感じ取っていた。

 

「……これじゃ、狙いなんて……」

 

「落ち着いて。……相手はこれで六体……数が減ったのなら、少しは戦術も絞られてくるはず」

 

 イザヨイは刀を拾い上げ、夜のとばりが降りようとしていた交差点で自分と背中を合わせる。

 

「……落ち着いてって言ったって……早く、倒さないと……!」

 

「だから、今は落ち着くべきなのよ。もう一撃を浴びせたんなら、余計にね」

 

「イザヨイさん? ……けれど、逃げるつもりかも……」

 

「逃げおおせるわけがない。私達に一度でも目を付けられたのなら、セクションから完全に逃亡する事は出来ない。それだけじゃ、ないんでしょうけれど」

 

 イザヨイは片手で刀を構え、視線の端に跳躍した翼手を見出していた。

 

 真那を突き飛ばし、逆手に握り締めた太刀で踊るように舞い降りた翼手の翼を引き裂く。

 

 皮膜を断ち割られ、吼え立てた翼手の頭蓋へと、迷いのない一閃が入っていた。

 

 刀身に浮かぶ「emeth」の血文字のうち、「e」が剥がれる。

 

 結晶化した翼手の遺骸を蹴飛ばし、イザヨイは次手を講じていた。

 

 群衆をその膂力で吹き飛ばし、こちらへと猪突してきた翼手に、真那は真正面から薙ぎ払う太刀筋を見舞う。

 

 唸り声が至近距離で弾け、爆ぜるように“声”による風圧がセーラー服を嬲る。

 

 骨身を軋ませる音叉を受けながら、真那は雄叫びを張り上げて一文字に翼手の腹腔を引き裂いていた。

 

「emeth」の血の刻印が照り輝き、「meth」となる。

 

「……これで、残りは……」

 

 ぜいぜいと息を切らす。

 

 心臓が早鐘を打ち、血を全身に駆け巡らせていた。

 

 イザヨイは背中合わせになって再び構え直す。

 

「……四体、か。でも、まだ上級翼手を叩いていないわ」

 

「……上級翼手? けれど、全部28号なんじゃ……」

 

「ハーレムの頭が居ない。そんな群れは存在しないの。恐らく、最初に音無さんに接触したあれが、上級のはず」

 

「……イルムが?」

 

「まだ言っているの? イルムなんて娘は最初から存在しないのよ。あれは擬態した翼手。あなたを惑わせるのにちょうどいい姿かたちを取っていただけ」

 

 それが真実だとしても、真那にとっては辛い宣告であった。

 

「……それでも……だとしても……っ」

 

「無駄は排除しなさい。そうじゃないと、死ぬわ」

 

 何故なのか、その言葉は今ほど自分の中へと重く沈殿する。

 

「……呼吸三つで、私は感覚出来る敵へと飛び込む。私は血の臭いがよく分かる。索敵に秀でた“サヤ”だから。……翼手は三体。音無さんはハーレムの頭を叩いて。いい? 三、二……」

 

「ま、待って……待ってください……。私、私の手で……イルムを……」

 

「迷っている暇はないわ。……一……行くわよ」

 

 そのカウントで弾けるようにしてイザヨイは人垣をかき分け、翼手へと向かう。

 

 真那はよろめいた形で、遠巻きに見守る群衆の中でふと、肩口を抑えた人影を見つけ出す。

 

「……イルム?」

 

 誰かの制止がかかった気がした。

 

 誰かの呼び声が自分に何かを言い置いた気がした。

 

 しかし、それは今だけはどうでもいい。

 

 駆け出した真那は思ったよりも早く、イルムの形を取る影へと追いついていた。

 

 裏通りにて、イルムは夜の商売をする店の前で倒れ込む。

 

「……イルム……あなたは……」

 

「音無さん……お願い、助けて……。私、病気なの。分かるでしょう? こんなの……望んでいるはずがないのにぃ……っ!」

 

 イルムを助け出したい――その願いを抱いたまま、真那は歩み出していた。

 

「うん……うん、そうだよね……! だって、イルムが……翼手だなんて……」

 

「お願い、こっちへ来て……。音無さん……私を助けて……」

 

 思わず刀を取り落とし、真那はイルムを抱き締める。

 

「うん……分かってる、分かってるよ……。だって、こんな運命、誰も望んじゃいない……そのはずなんだから。だから……」

 

 イルムの骨格が変異する。

 

 瞼を閉じていても分かる。

 

 それは“サヤ”としての超感覚か。

 

 あるいは、既に――分かり切っている事実の反芻か。

 

 その爪が、牙が、皮膚を引き裂き、血を啜り、肉を貪ろうとするのが、誰よりも雄弁に理解出来てしまう。

 

 これが翼手の――悪魔の囁きだと言うのならば。

 

 ならば、自分はもう――。

 

「ごめんね……イルム。私は、もう逃げない」

 

「……音無さぁん……助け、てぇ……」

 

 見開いた虹彩が赤く蠢動し、真那は己の内奥から迸る衝動に身を任せていた。

 

 イルムの爪を掻い潜り、牙を抜け、その体躯を蹴り飛ばして跳躍。

 

 空中での一回転を経て、真那は地面に転がっていた刀を握り締める。

 

 一瞬の交錯。

 

 黒い獣と化したイルムの躯体へと、赤い血の残光が貫く。

 

 互いに駆け出して刺突を心の臓へと突き立てる。

 

 イルムの呻き声を発する翼手へと、真那は最後の懇願を発していた。

 

「……もう、友達を守れないのは……嫌なの。だから……謝るのは、これで最後……っ!」

 

 両断の太刀筋が閃き、イルムの姿を取っていた上級翼手の胴体が生き別れになる。

 

 血の雨が降る中で、真那は後ずさっていた。

 

 既に他の下級翼手は始末したのか、イザヨイが歩み寄ってくる。

 

「……イザヨイ、さん……。私……私ぃ……っ!」

 

 嗚咽を漏らしてイザヨイへと歩き出す。

 

 彼女は自分の弱さを受け入れてくれていた。

 

 咽び泣くしかない自分の肩を何度か叩き、イザヨイは言い含める。

 

「……しっかりして。後悔しない道を選んだんでしょう?」

 

「うん……うん……っ」

 

「だったら、やる事は一つよね?」

 

 涙ながらに頷き、真那はイザヨイに導かれるようにして、裏通りへと歩を進める。

 

「……音無さん。このセクションに翼手を招いた存在が居る。それこそが……翼手人類の組織、アシッド。全ての元凶は彼らなのよ」

 

「デヴィッドさんから……聞きました。けれど、それ……どうしても信じられなくって……」

 

「彼らの幹部は白いスーツを好んで纏っている。そして……アシッドの幹部は誰しもシュヴァリエを引き連れている」

 

「シュヴァリエ……」

 

 前回の――“隔離病棟”の敗北が浮かび上がる。

 

 あのような無様な敗走、二度と繰り広げるわけにはいかないはずだ。

 

「……私……、もうなくしたくない……! もう、これ以上自分の目の前で消えて行くのは……」

 

 イザヨイが何度も背中をさすり、こちらの痛みに寄り添ってくれる。

 

「そう……。あなたはいい“サヤ”に成るわ。私が保証する。……そろそろ、ね」

 

 イザヨイが足を止める。

 

 涙に濡れていた相貌を上げて、真那は前方に佇む人物を視野に入れていた。

 

 その姿は白いスーツの貴人だった。

 

「遅いじゃないの、十六夜小夜」

 

「……白スーツ……それに、小夜って……」

 

「アシッドの幹部。名前は、事前情報通りならば……」

 

「ジャンヌ。エメトピア中央庁の役人の一人」

 

「……中央庁……ッ! イザヨイさん、構えないと……!」

 

 刀を構えようとして、真那はイザヨイの声を聞いていた。

 

「そうね。けれどでも……その必要もないみたい」

 

「どこかにシュヴァリエを潜ませているのかも……! いつでも戦えるようにしないと……勝てるものも――」

 

「音無小夜さん」

 

 名前を呼ばれ、真那は頷いた、その刹那であった。

 

「――ごめんなさいね」

 

 臓腑を貫いたのは真紅の切っ先。

 

 あ、と声が漏れる。

 

 断末魔でも、ましてや何かに勘付いたわけでもない。

 

 ただ、意味が分からないまま、真那は振り返り、イザヨイの怜悧な瞳を見返していた。

 

「ごめんなさい」

 

 再三告げられ、ようやく現実認識が追いつく。

 

 背後からイザヨイの持つ刀が自分を斬ったのだと、認識した時には全てが遅く――。

 

「……う、そ……」

 

 脱力した肉体へと、さらに二の太刀、三の太刀が閃き、両腕を落とす。

 

 血飛沫を発した肉体へと、追い打ちのような一撃が食い込み、真那の身体は地面へと縫い止められていた。

 

「危ない橋を渡るわね、十六夜小夜」

 

「……ルイスの情報通りだとすれば」

 

「ええ、歓迎しましょう、十六夜小夜。あなたの情報で今回、私達はロンギヌス機関に勝てる」

 

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