BLOOD/EMETH   作:オンドゥル大使

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第五十七話 EGO

 

「それが“音無小夜”だって言うのか?」

 

 ルイスの論調に、オトナシの“デヴィッド”と“ルイス”が応じていた。

 

「……アマミヤの“ルイス”か」

 

 金髪で優男のイメージが先行するデヴィッドは、しかしどこか厳格に尋ねる。

 

「ジョエル長官からの命を受けている。邪魔はしないでもらいたい」

 

「邪魔? オレはアマミヤのルイスだぞ! ……足手纏いにはならないつもりだ」

 

「そりゃあ、そうだろうな。同じ“ルイス”って言っても天と地ほどの差だろうさ」

 

 オトナシのルイスは戦術ヘリの操縦席にて各種インジケーターを調整していた。

 

 乗り込む際に、ルイスは補助席に座る少女を視界に入れていた。

 

 短髪に、息を呑む美貌を誇る――これが“音無小夜”か、と。

 

 今は黒曜石のような瞳の色だが、戦闘時にこれが赤に染まるのだと想定するだけで背筋が凍る。

 

 それほどまでに、切り詰めた殺意を纏わせていた。

 

 少女と断じるのにはあまりにもその眼差しに浮かばせた哀愁は深く、狩ると決めた双眸は想定よりもずっと真っ直ぐだ。

 

「……雨宮小夜のルイスだな?」

 

 氷点下のような冷たさを伴わせる、オトナシの声にルイスは一拍遅れていた。

 

「あ、ああ……。オレは、そうだ。アマミヤの担当をしている。……何か気にかかる事でもあるのか?」

 

「アマミヤが撤退したと報告が入っている。平時、デヴィッドとルイスは作戦行動において“サヤ”へと専属であるはずだ。何故、お前だけ支部に居た?」

 

 それは別段、挑発するわけでもなければ、糾弾するでもない。

 

 真実、疑問であるかのような論調であった。

 

「……定員オーバーだったんだよ。デヴィッド見習いの実戦も兼ねていた。ルイスとしちゃ、そこそこ歴のある人間も伴わせていたから……オレは居残りになったってわけだ」

 

 事実のみを告げたはずだったが、オトナシの論調は鋭い。

 

「戦力外、という事か」

 

「……そう言ってくれるなよ。オレだって本当なら着いて行きたかったさ」

 

「アマミヤの。こっちで調整は出来てる。小夜と一緒に後部座席に乗ってくれ」

 

 オトナシの“ルイス”の先導に、少しばかり不機嫌にはなる。

 

 自分達の“サヤ”の教育さえも出来ていないのか、と言い出してもよかったが、要らぬ禍根は残すべきではない。

 

 戦術ヘリが飛び立つ間際、ルイスはオトナシが抱えている一振りの刀を目にしていた。

 

 他の小夜と同じく、特別権限を持っているわけでもないが、彼女は特殊弾頭に頼らず、最初から刀を携えている。

 

「……なぁ、聞きたいんだが」

 

「何だって?」

 

 今度は羽音に掻き消されないように、大声を発する。

 

「聞きたいんだが! ……オトナシはアマミヤを除く……最強の小夜なんだろ? それを運用するあんたらは、しかし機関じゃ滅多に見ない。その理由でもあるのか?」

 

「我々はオトナシの運用と共に、新参の“サヤ”の教育係も兼ねている。飛び回っているせいで支部には滅多な事では帰還しない」

 

「補給も受けずに、ミッションを転々と? それは……随分と……」

 

 自負でもあるのか。

 

 あるいは、オトナシの小夜を使うだけの素質があるのだろうか。

 

 いずれにせよ、この二人の在り方は自分と兄とはまるで違う。

 

 まさしく、職業として割り切っている。

 

 過度に入れ込む事のない距離感――それこそが最強の小夜をサポートするのに値するメンタリティか。

 

「……私からも一つ」

 

 オトナシからの思わぬ質問にルイスは瞠目する。

 

「……な、何か……」

 

「アマミヤが撤退したという事は、機関としてみれば敗走に近いはず。私を向かわせてどうしたい? 敵が件の上級翼手なのだとすれば、私に出来る事など到底ないだろう」

 

 それは確かな疑念だ。

 

 アマミヤの実力を知っていればいるほどに、撤退したという事実が呑み込めないだろう。

 

「……元々、新人の“サヤ”候補生の試験もあったんだ。アマミヤとて本来の性能を発揮出来ていないはず。そこに付け込まれた」

 

「だとして。私は最強などと謳われてはいるが、勝てる勝てないの議論に持っていけば、アマミヤとの差はそこまでない。敵の質次第では、私の即時撤退もあり得る」

 

「それは……! 言いっこなしだろう。あんたらだって、ちゃんとしたデヴィッドとルイス……それに小夜のはずだ」

 

「善処する、としか言いようがない。俺達は確定路線なんて踏めない」

 

 デヴィッドの言い分には諦めのような論調も伴わせている。

 

 それもそう、アマミヤの敗北は機関にしてみれば痛手だ。

 

 これまで駆逐してきた翼手相手に、一度の敗走は色濃い。

 

 だがそれもこれも、イレギュラーな事態が重なり続けている。

 

 自分はせめて、兄の生存だけを信じるほかない。

 

「……生きていてくれよ……」

 

「ポイントの直上に出た。オトナシ、行けるか?」

 

 その言葉を確かめる前に、キャノピーを開きオトナシは刀を携えて直下を睨む。

 

「……敵は、28号だけの気配だ。David、もしもの時には特殊弾頭を躊躇うな」

 

「了承した」

 

 彼らの言葉繰りは少ない。

 

 だからこそ、信用が窺える。

 

 直後、オトナシは身を躍らせ、水鳥のように軽やかに着地していた。

 

「おい、やれるのか? 特殊弾頭の判断は小夜に投げられているはずだろう? こんなじゃ、後れを取る可能性も……」

 

「アマミヤの“ルイス”、心配には及ばない。オトナシは、この程度では負けない」

 

 確証めいた声に反論する前にルイスは刃が舞ったのを視野に留めていた。

 

 28号翼手の群れの中心に落とされたはずのオトナシは、赤い太刀を奔らせ翼手の胴体を寸断していく。

 

 膂力、そして状況判断――どれもこれもアマミヤに比肩する。

 

 加えて素早さも段違いだ。

 

 青い加速を帯びながら、その剣筋は的確に急所を引き裂いていく。

 

 迸る血潮。

 

 断末魔の絶叫が劈く中で、身を翻したオトナシは前方の翼手を蹴り上げ、そのついでのように空中で敵の首を刈る。

 

「……あれが、音無小夜……最強の“小夜”の力か……」

 

 アマミヤの戦い方に慣れていたつもりだったが、まるで別種。

 

 オトナシは自らに内包した本能を隠しもせず、赤く染まる戦局を踏みしめて、そうして滴る雫を切り裂く。

 

 結晶化した翼手を足掛かりにして飛び立ち、頭蓋を割って脳しょうの弾けた相手へと顎に切っ先を突き刺す。

 

 そのまま両断された翼手に頓着せず、体術と肉体の躍動だけでオトナシは28号の群れを無力化していた。

 

『……David、こいつらは雑魚だ。本命から引き剥がされた可能性が高い』

 

「そのようだな。敵も戦意自体はあるようだが、どうやらこの夜は“サヤ”同士の連携を断つ事を目的としているようだ。“声”が無数の個所から浮かび上がっている。恐らく、援軍を加味した動きだろう」

 

「ちょっと待ってくれ……。28号の……下級翼手にそんな作戦を講じるような頭脳は……」

 

「だから、下級ではないのだろう。恐らくは上級翼手以上が作戦を統括している。アマミヤはそれに負けた」

 

 冷徹なデヴィッドの物言いにルイスは反論していた。

 

「……あのな、いくら最強の小夜を運用しているからって横柄過ぎるんじゃないか? どれもこれも可能性だろうに。その上、上級翼手? それって何かの冗談か? 上級翼手程度にオレの小夜が負けるって?」

 

「そう考えると、ただの上級翼手じゃない。……書面でしか見た事はないため確証は薄いが……シュヴァリエの出現」

 

 放たれた言葉にルイスは目を見開く。

 

「……あり得ない……」

 

「何故言い切れる?」

 

「シュヴァリエは……確かに存在だけはまことしやかに語られてきた。だが、データはまるでないんだ! そんなものが出て来たとすれば……帰結する先は一つだろう」

 

「機関の小夜の皆殺しか」

 

 そこまで分かっていて、この目の前のデヴィッドは落ち着き払っているのだ。

 

 その状況に自ずと苛立ちが募っていく。

 

「……あんたらはいいよな。最強の小夜に、ミッションの連続……。それで偉くなったつもりかよ」

 

「おい、揉めている場合じゃないぞ! ……デヴィッド、オトナシの回収と同時に、28号の呼び声を解析するが……波長がこれまでのサンプルとどれも違う。何だかこれは……判断を乞うているかのようだ」

 

 ヘッドセットを借りたデヴィッドは、なるほどと結ぶ。

 

「翼手同士のコミュニティはこれまで、群れのハーレムに集約されると思っていたが……上位存在に対しては一時的とは言え、そのルールが適応されないのか? いずれにせよ、このままでは翼手同士の策に溺れるばかりだ。オトナシ、アマミヤが撤退した場所に向かう。そこでもし……シュヴァリエ相当に会敵すれば……」

 

『問題ない。David、頼む』

 

 まるで人間的な意思など一ミリも感じさせない、真冬の月のような声音であった。

 

 オトナシを回収すると、彼女は“声”に集中しているようであった。

 

「……索敵にも秀でているって言うのは……」

 

「そこまででもない。索敵ならば、他の“サヤ”のほうがよっぽどだろう」

 

 その証左でもないのだろうが、確かにアマミヤに比べれば時間がかかっているように感じる。

 

 ルイスにしてみれば、一刻も早く事態の解明を急ぎたい。

 

「……おい、あまり時間はかけられないんだ。頼むぞ、“オトナシ”の。このままじゃジリ貧だってんだからな」

 

「それは承知しているが、……音無小夜、この状況をどう見る?」

 

「シュヴァリエ相当の攪乱が入っている。“声”を28号の下級翼手で残響させ、自分達の位置を把握させないつもりだろう」

 

「それって……つまるところ、シュヴァリエがどこに居るのかってのも、まるで分らないって事だろうが……! 虎の子の音無小夜もこの程度かよ……!」

 

 忌々しげに放った自分に、デヴィッドは語調を荒らげる事もしない。

 

「分からなくとも、綻びはあるはずだ。28号翼手はどこに集中している?」

 

 マッピングの投射映像を差し出したデヴィッドに、オトナシは迷わず指差す。

 

「ここだ。僅かに28号翼手の“声”の中に、別の波長が入り混じっている。ここが作戦指揮の本丸なのだとすれば」

 

「押さえれば、少しはこの夜を砕けるか。……アマミヤのルイス、構わないな?」

 

 独断専行に近い判定であったが、自分が頷かなくとも彼らは遂行するに違いない。

 

 半ばやけっぱちに、ルイスは応じていた。

 

「……ああ、身勝手にしろよ。その代わり! ……兄さんやアマミヤが死んでいるなんて事だけは許さないからな……!」

 

 自分なりの譲れない線を描いたつもりであったが、彼らはどこまでも冷徹だ。

 

「善処しよう。オトナシ、目標地点まで陸路で行けるか?」

 

 その提言にルイスは思わず瞠目する。

 

「……ま、待てよ! オレは確かに……あんたらがどうなろうが知ったこっちゃないが、そこまでサヤに無理をさせるってのは想定外だ! ……今の地上は翼手の縄張りだぞ……」

 

「だとして、最適解を導き出す。オトナシ、やれるな? 俺達は空から特殊弾頭を狙い澄ます。目標地点に到達すれば、お互いに挟撃……シュヴァリエを仕留める」

 

「了承している。David、案内を頼む。血の臭気が濃いせいで、感覚器の一部は役に立たない。常に情報を同期してくれ」

 

「分かった。……アマミヤのルイスもヘリで現着。いいな?」

 

「……抗いようもないだろうに。お前ら、一体何なんだ? 他のサヤを使うデヴィッドとルイスとは……まるで違うオペレーションだ」

 

「意外だったかい? まぁ、基本的には、おれ達は局地戦闘を主に担当している。他のルイスじゃ、信じ難いかもな」

 

 オトナシの“ルイス”の軽口に、これが彼らの日常なのだと思い知る。

 

 自分達は所詮、ぬくぬくとした戦場を駆けずり回っていただけ。

 

 本物の戦場があるとすれば、きっと――音無小夜。

 

 麗しいかんばせを誇る彼女だけが経験してきたのだろう。

 

 オトナシは帯刀し、それから作戦通り地上を疾走せんとして、牙を軋らせる28号翼手が少しずつ集まりつつあるのを感じ取っていた。

 

「……出してくれ」

 

 デヴィッドの言葉で戦術ヘリが舞い上がる。

 

 それとモニターされるオトナシが躍動したのは同時。

 

 28号翼手が如何に下級翼手とは言え、突き抜ける速度で刃を奔らせ、相手を一網打尽にしていく。

 

 彼女に行き遭った翼手はあまさず結晶化し、血飛沫が壁に迸る。

 

「……こんなデータ……初めて見るぞ……。雨宮小夜が最強の小夜だって言うんじゃ……」

 

「我々と本部の見解は少し異なる。音無小夜は間違いなく、実戦経験で言えばアマミヤを凌駕するだろう。しかし、彼女は他人とのチームプレイには向かない。完全なスタンドプレーの小夜だ。だから、本部はあまり使いたがらないのだろう。俺達も、本部にしてみれば鼻つまみものさ。音無小夜と、そして未熟なサヤ候補生を運用するだけの、そういった機微に慣れている。それそのものが、ある意味では汚点なのだろう」

 

 デヴィッドは別段、屁理屈を言っている様子でもない。

 

 心底、自分達の役割はそれに集約されるとでも言うように。

 

 だが、ルイスにしてみればその在り方は苛烈だ。

 

 自分はこれまでアマミヤの圧倒的な強さに頼りっきりであった。その功罪がこのような形で現れるとは思いも寄らない。

 

「……なぁ。もし相手がシュヴァリエ……現時点で想定する限り最悪のケースだとして、あんた達はどう思っている? シュヴァリエのデータはないも同然なんだぞ」

 

 抗弁を発したかったのは、彼らにも恐怖があるのだと信じたかったからだ。

 

 ここで少しでも退く様子を見せれば、まだ人間味があるのだと。

 

 しかし、デヴィッドはその青い瞳に疑いさえも挟まない。

 

「だとして、今日がその最初のデータ採取となる。音無小夜が会敵すれば、少しは本部もデータに困らないだろう」

 

「……勝つって言うのか? あのサヤが?」

 

「負ける気ならば、最初からこの仕事には向いていないな」

 

 ルイスは投射画面に表示されるオトナシの侵攻スピードがまるで衰えないのを目の当たりにする。

 

 刃に血を充填し、そして「emeth」の名の下に翼手を狩り続ける――それが小夜の宿業だとしても、ここまで戦闘に特化したサヤもいたであろうか。

 

 彼女に足を止めるという選択肢はない。刃が朽ち果てるまで、振るい続けるのだろう。

 

 重戦車のように、オトナシの旋風は止まらない。

 

 空を舞うヘリとそん色ない速度で突き進むその立ち振る舞いを、一度でも目にしてしまえば自分は射竦められてしまうだろうというのは想像に難くない。

 

 そうでなくとも、アマミヤ以外の小夜を見るのはほとんど初めてだ。

 

「……そう言えば、ノノ……彼女のシグナルは?」

 

「何だって? ノノ、と言うのは誰だ」

 

 デヴィッドの問いかけにルイスは面を上げる。

 

「サヤ候補生で……今日の試験に、出ているはずだ。もしかすると、そっちに兄さんは向かっているのかも……」

 

「どうする。今のオトナシの進行方向では、余計な事に関わっている時間もない」

 

 シュヴァリエを目指して翼手を蹴散らしているオトナシ相手に、サヤ未満を救えと命令出来るだけの立場でもない。

 

 しかし、ルイスはここでの決定を促されていた。

 

 拳を膝の上で握り締め、悔恨を噛み締める。

 

「……頼む。アマミヤなら、自力でも離脱出来るかもしれないが……彼女は別だ。サヤ候補生でしかない、ノノは恐らく、この獣達の夜に耐えられない」

 

 如何にアマミヤに血分けを施されたとは言え、サヤとしての力の真骨頂に目覚めているとは思えない。

 

 ある意味ではアマミヤの強さを信じての決断であったが、金髪のデヴィッドは操縦席のルイスへと尋ねる。

 

「……行けるか?」

 

「まさか、シュヴァリエをむざむざ逃がすってのか? それとも……そのサヤ候補生がどれほどか大事だって?」

 

 ルイスにとってしてみれば、ノノは別段、重要な少女でもない。

 

 ただ――兄がこだわっているとなれば話は別だ。

 

「……兄さんを死なせるわけにはいかない。オレからの命令、という風に報告書には綴ってくれてもいい」

 

 これは最大限の譲歩。そして最大の過ちとなる可能性すら孕んでいる。

 

 だが、兄を見殺しには出来ない。

 

 デヴィッドはインカムへと声を吹き込む。

 

「聞こえているな、オトナシ。“声”の集積点であるシュヴァリエへの追撃を一度、中断。これより指示するルートを辿り、サヤ候補生を助け出せ」

 

『だが、David。ここでシュヴァリエを取り逃せば禍根になる』

 

 切り詰めた声音に、オトナシでさえもこの事態の趨勢くらいは理解しているのだと、ルイスは突きつけられる。

 

 それでも、と首肯した自分にデヴィッドは重ねる。

 

「命令だ。任務はサヤ候補生の救出。それに尽力しろ」

 

『……了解した』

 

 オトナシの血の旋風が切り替わる。

 

 投射画面上に表示されたオトナシの針路が、ここに来て身を翻したのを逃さないような獣達でもあるまい。

 

 一斉に赤い円が収束し、オトナシを殺し尽くさんと迫る。

 

 その速力を凌駕する殺戮が、今地上で巻き起こっているのがポインタだけでも窺える。

 

「……分かっていると思うが、シュヴァリエを逃がし、そして担当ではないサヤへの通告……後々、ワイズマンの追及は逃れられない」

 

「……構わない。オレは……兄さんの居ない人生が、想像出来ていないだけだ」

 

 拳が震え出す。

 

 ともすれば、永劫の過ちかもしれない。

 

 それでも、自分にとって兄だけは――欠けてはならないピースの一つのはずだ。

 

「……頼むぞ。兄さんだけは死なせないでくれ……」

 

 

 

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