無自覚で【無属性】持ちの俺は最強みたいです~外れスキルを3年間鍛え続けていたら、ダンジョン配信中の亜人姉妹に襲い掛かるS級モンスターを偶然倒してしまいました~   作:早乙女らいか

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第12話 謎のモンスター

「あ、レアドロップ……」

 

「レアドロップって、この透明な爪が?」

 

「いえす。中々ドロップしないから市場相場もとんでもない。上位ランクはドロップしたら売らずに武器にしてしまうくらい」

 

「武器にした方が価値も高くなるしな……」

 

 素材を回収していると、真白が1つの素材に指を差した。

 透き通るように透明で、綺麗な輝き方をしている。

 一目見ただけで高級そうな雰囲気を感じた俺は、その透明な爪に鑑定魔法を使った。

 

「”鑑定”」

 

 ”鑑定”を使うと、目の前にブォンとウィンドウが現れ、素材の詳細が表示された。

 

 【クリスタルネイル】

 水晶のように輝く最高級のかぎ爪

 バーニングフォックスから稀にドロップする

 主にかぎ爪の素材になる

 推定ランク:S

 

 付与ボーナス

 かぎ爪で攻撃時にある程度元気なら、斬撃波を発生させる

 魔法”絶血”を取得

 魔法”召喚”を取得

 

 ”絶血”

 強力なかぎ爪の連撃を飛ばす

 攻撃を与えた相手に致命傷を与え、出血してる間追加ダメージを与える。

 

 ”召喚”

 モンスターを召喚する

 対象:フレイムフォックス×3

 推定ランク:B

 

「かぎ爪ねぇ……」

 

 うーんと頭を悩ます。

 付与ボーナスがある素材は珍しく、それが3つもある時点で流石Sランク素材と思わせる内容だった。

 ”絶血”も”召喚”も腐りにくい魔法だし、雑に使っても強いはずだ。

 

 問題は発動対象がかぎ爪である事。

 

 かぎ爪なんてあまり使ったことがないし、剣と手足で戦う俺の戦闘スタイルと長い爪というのは妙に合わない。

 Sランク武器を生成したところで、半分くらい持て余す気がするんだよな。

 でもSランク……Sランク……

 こいつが剣にも使えたらな~

 

「……売るか」

 

「いいの?」

 

「あんまり使わない武器だからな。売って今日はパーティーにしようぜ」

 

「おおー、パーティパーティ!! いいじゃん!!」

 

 いくら強いと言っても、使わないものを作ったところで意味がない。

 売った方がまだ使い道があるだろう。

 

「ちなみに値段は分かるか?」

 

「いくらだろうねー? 珍しいから100万円くらい?」

 

「100万円か……非現実的すぎて実感がわかないなぁ」

 

「少なく見積もっても1000万はいく」

 

「「へ?」」

 

 1000万……?

 真白が何気なく呟いた値段に、俺とれなは固まった。

 

「ほんと?」

 

「ほんと」

 

「「……」」

 

 改めて手にある【クリスタルネイル】を見る。

 

「税金の事考えても4~500万くらいは残るよな……」

 

「これ1個で数年は何もしなくても過ごせるって事……?」

 

「いえす」

 

 Sランク素材、やべー……

 

~コメント欄~

・相場見たけど1200万で落札されてたよ

・えぐいえぐいえぐい

・取れ高多すぎじゃない?

・えー、切り抜きよろです

・見どころ多すぎて切り抜けねえよ

 

「俺が一番驚いてるよ……Sランク素材って想像以上にやばいんだな」

 

 阿鼻叫喚で埋め尽くされていたコメントも、今では遠い目で見つめるような静観した雰囲気になっている。

 みんなはこの状況をどんな思いで見てるのだろうか。

 ちなみに俺は考えること諦めました。

 

「とりあえずさっさと帰ろう……壊したくないし」

 

「賛成」

 

「無名くん落とさないでね、絶対落とさないでね!?」

 

「この状況で怖いフリはやめてほしいかなぁ!? マジで落としそうになるから!!」

 

 とても高級品を持っていると思えない、わちゃわちゃしたやり取りをしながら、ダンジョンの入口へと向かっていた時だった。

 バーニングフォックスがいた付近に謎の影が集まり始めていた。

 

「は?」

 

「何あれ?」

 

「嫌な予感……」

 

 シュウウウウウ……と周りから集まった影が中心に集まり、人の形へと変化する。

 あの影、触れただけで妙な不快感がした……一体なんなんだ。

 やがて人型に変化すると、漆黒の鎧に身を包んだ謎の騎士が出現した。

 

『Suu……』

「っ!?」

 

 なんだこの感じ!?

 こちらをチラ見しただけなのに、とんでもない威圧を感じたぞ!?

 

「か、”鑑定”!!」

 

 すかさず鑑定を行い、ウィンドウを表示させたのだが……

 

 名前:影の騎士

 推定ランク:不明

 詳細:不明

 使用魔法:不明

 潜在スキル:不明

 

「全部不明……?」

 

 推定ランクすら出ない……?

 もしかしてこいつは、AやS以上の存在である可能性が高いのか!?

 

「取れ高もう1個できたみたいだなぁ……ははは」

 

「言ってる場合!? あいつヤバそうだし早く逃げなきゃ……」

 

 その考えには同意。明らかに未知数な存在だし、映像だけ撮ってここは素早く退散を……

 

『ッ……!!』

 

「うおっ!? 嘘だろ!?」

 

「逃げ道が影で……!!」

 

「戦いは必須……かなりヤバそう」

 

 逃げようとした方向に影が展開され、退路を防がれてしまった。

 ゲームのボス戦みたく、こいつを倒さないと突破できないということか。

 

 ……マズイな。 

 

 コメント欄

・何こいつ!?

・クリスタルナイトの亜種?

・見たことないぞ!? 

・逃げてえええええええ!!

・まずいまずいまずいまずい

 

 チラッとコメント欄から情報を収集しようとしたが、頼りになりそうな情報は1つもない。

 

「仕方ないか……」

 

 ゆっくりと剣を抜き、影の騎士へと向き直る。

 

「頑張れよ……俺の潜在スキル」

 

 突破方法はシンプルだが、難易度は激ムズ。

 理不尽とも言えるこの状況に抗おうと、俺は決心した。

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