無自覚で【無属性】持ちの俺は最強みたいです~外れスキルを3年間鍛え続けていたら、ダンジョン配信中の亜人姉妹に襲い掛かるS級モンスターを偶然倒してしまいました~   作:早乙女らいか

6 / 14
第6話 スキル覚醒

「なーんか通行人が俺のことをチラチラ見てたけど、そういうことか!!」

 

「それが原因だねーアタシ達、それなりに有名な配信者だから……オトプロって知らない?」

 

「知らない……」

 

「この反応……普段からあんまりSNSとか見てなさそう」

 

「見てない……」

 

「じゃあ何も知らないのも、仕方ないか」

 

 画面をスワイプさせると、彼女達の配信チャンネルが現れた。

 登録者……140万人!?

 超大手じゃん、やばぁ。

 

「くふふ、びっくりした?」

 

「あ、あぁ……」

 

「元の影響力とSランクモンスターをソロ撃破した衝撃。それらが合わさってとんでもないバズを生み出してる」

 

「なるほどなぁ……」

 

 話題性の塊だった、というわけか。

 ダンジョン配信に疎い俺でもそれくらいはわかる。

 なんだか大事になってきたなぁ……

 

「あ、そうだ……これ渡さないと」

 

「ん?」

 

「これって……」

 

「カオスドラゴン? の魔石と素材だよ。横取りしたみたいになったから返すよ」

 

「「え?」」

 

 俺がカバンから取り出した魔石と素材にギョッと驚く二人。

 

「いやいや……アタシたち全くダメージ与えてないし、倒したのは無名くんだし」

 

「真白たちが貰う方がおかしい……」

 

「そういうものなのか?」

 

 二人とも受け取れない、と手のひらをこちらに向けて拒んでいる。

 乱入したのは俺の方なのにな……こっちが困惑してしまう。

 

「ていうか売らなかったの? こっそり売っておけば、いくらでもごまかせたのに」

 

「え? 何でそんなことする必要があるんだ? まぁ……お金は欲しいけど、狡い事をしてまで稼ぎたいとは思わないし……」

 

「な、なるほど……?」

 

「落ちこぼれの俺はダンジョンで生活できるだけで満足だよ……それ以上を望むなんてバチ当たりもいいところだ」

 

「「……」」

 

 あれ? 何かおかしいこと言った?

 ダンジョン内で盗みを働いて素材を売るやつもいるらしいけど……俺は別にやりたいと思わない。

 

 稼ぎは最低限あればいい。

 重要なのは大好きなダンジョンに潜り続けられることだ。

 

「変わってるねー無名くん」

 

「こんな人初めて見た」

 

「はぁ……なるほど?」

 

 そんなこと初めて言われたなぁ。

 別におかしいことを言ったつもりはないんだけど……

 

「……そうだ。無名くんはスキルカードの更新をしてみたら?」

 

「スキルカードの更新? あぁ、そういえば一年以上してなかったなぁ」

 

「えーもったいない!! きっと何か変わってるよ!!」

 

「そうかなあ……じゃあ後でダンジョン協会に行かないと」

 

「その必要は無い。最近のスキルカードは魔力を込めるだけで更新される」

 

「はえー便利だ」

 

「何も知らないんだね無名くん……」

 

 スキルの覚醒を信じてはいたが、正直ずっと結果は出なかった。

 なので半分くらい諦めていたのだが……いい機会か。

 

「魔力を込めるって……こうか?」

 

「ん……それでいい」

 

「おおーなんか光出した」

 

 取り出したスキルカードに魔力を込めると、カード全体から青白い光を放ち始めた。

 これが更新かー……もっと最近の知識を入れるべきだな。

 

「さーてどうなるのかなーワクワク」 

 

「どきどき」

 

「あんま期待すんなよ?」

 

 とはいえ、仮にスキルが覚醒してもだ。

 大したスキルではないだろうし、せいぜい1〜2個何かが追加されるだけだろう。

 

「お、出た」  

 

 物事のハードルは低いに越したことはない。

 半信半疑な俺のスキルカードに表示された結果は…… 

 

〜音梨無名の潜在スキル〜

 

 【無属性・極】 

 推定ランク・S

 

 パンパカパーン!!  

 おめでとう!!

 【無属性使い】は【無属性・極】に覚醒したよ!! 

 今後もよい探索者ライフを!!

 

「……」 

 

 微妙にうぜぇお祝いと共にやべぇスキルが覚醒してた。

 

「おめでとー!! やっぱすごいねー!!」

 

「バグったかなぁ……協会に言って治さねえと」

 

「? 今のスキルカードは丈夫かつ正確。誤表示は99.9%しない」

 

「その残り0.1を引いたんだよ!! 違いねぇ!!」

 

 推定Eランクだった潜在スキルがSランクになったんだぜ!?

 嘘だと思った方が自然だろ!!

 

「故障じゃないと思うけどなぁ。だってカオスドラゴン倒してたし」

 

「いえす。覚醒した潜在スキルなら、無双できてもおかしくない」

 

「ううーん……」

 

 確かにスキルカードが嘘をつくとは思えないしなぁ。

 カードの偽造って最悪探索者としての資格を失うらしいし、偽の潜在スキルを出すとは到底思えない。

 

 信じられない事実だが……

 

「とりあえずスキルの詳細を見るか……」

 

 スキルカードを手に強く念じ、詳細な文章を表示させる。

 

【無属性・極】 

無属性魔法が強化され、当てる度に固定ダメージを発生させる。

また、全ての無属性魔法を習得&覚醒させることができ、それらを組み合わせて新たな魔法を創造することも可能。

 

「「「ぶっ壊れだ……」」」

 

 タイミングを合わせたわけじゃないのに声が重なる。

 

 本当に無属性魔法を極めたスキルって感じだな。

 火力が高い上に拡張性も半端じゃない。

 やりようによっては何でもできる、そんな代物を覚醒させてしまったのか。

 

「あ……」

 

「真白? 何かわかったのか?」

 

「カオスドラゴンを倒せた理由」

 

「え?」

 

「何々!? 教えて教えて!!」

 

「姉さん落ち着いて……あんまり騒ぐと傷が開く」

 

 傷ついた身体でれなは真白に近づき、尻尾をブンブン振っている。

 元気だなぁ……

 

「Sランクモンスターは基本的に全属性耐性を持っている」

 

「あぁ……過酷な環境で生き延びて、あらゆる攻撃に耐えられる身体に成長したからだろ?」

 

「そう。だからSランクモンスター戦ではバフやデバフでステータスを変動させてから、集中的にジワジワ攻撃していくのがセオリー」

 

 ニュースで見たことがある。

 Aランクパーティーが12時間以上かけてSランクモンスターを討伐している姿を。

 陣形、攻撃や魔法のタイミング、相手の僅かな隙や自分たちの身体を休める時間など……

 あらゆる部分を徹底的に計画し、ギリギリの戦闘を続けた結果、彼らは勝利を収めていた。

 

 Sランクモンスターを一気に倒すなんて事はまずありえない。

 それぐらいの強敵。それが常識の筈……

 

「真白ちゃんは詳しいねぇ……お姉ちゃんあんまりわかんないや」

 

「姉さんは学ぼうとしないだけ……で、仮にSランクモンスターがいる下層では無属性魔法を使う者がいないとしたら」

 

「え……」

 

「まさか……」

 

「うん」

 

 真白の仮説に身震いする。

 

「上位モンスターには無属性への耐性が存在しない」

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。