本編には入っていますが、その進み具合はゆっくりだったり、たまに早くなったりします。
コーラルの導きで受信する内容次第なので……
独立傭兵はACありき、そんなイメージは確かにある。
実際のところ、それは概ね正しい。
独立傭兵の独立の2文字は、単体で成立する戦力って意味もあるからだ。
だからルビコンじゃなくても、例えば木星の近辺で小競り合いしてるところにMT1機で行って「独立傭兵です」って言ったところで、誰も相手にしてくれない。
というか本気にしろ、どっかの勢力の小細工にしろ、マジで単品のMT1機だったらそのまま撃たれてもおかしくない。
ワケ分からなさ過ぎてちょっと怖いもん。
薬やってる異常者かもしれんから、一旦殺しておこうって全然なりそう。
ルビコンだとコーラルをキメキメにしたドーザーとか珍しくもない、ありふれた存在だけども。
あれがMT乗ってフラフラしてるのってルビコンの固有種族だからな。
他の戦場でも薬に頼ったヤベーのとか居なくも無いけども、ルビコンはそれが多過ぎる。
コヨーテス、お前らのことだよ。
最近、ほんと有象と無象が集合してるらしくて、統制が取れてない度合いが加速してるらしい。
誰が頭か知らんけど、何考えてるんだろうな。
と思ったけど、何も考えてないのかもしれない。
まぁ、話を戻すと自分も最初からAC乗ってたわけじゃないけどもさ。
MTで下積み……あの爺さんの下でアレコレやり……いや教えられ……叩き込まれ……
えらい目に合わされもとい、合いながら、MTとACのこと学んだもんなあ。
ちょい前にギンの妹分とかいうのが撃墜されて、あわやMT調達して出撃する寸前みたいな話あったけども。
あれ、大体はACを買う金が用意できる前に死ぬからな。
だからギンは結構真面目に焦って、自分に物の拾い方とか聞こうとしてきてた。
結局、ギンがアーキバスの新兵ACを襲って狩るという、悪魔みたいなことして解決してたが……おっかねえ。
不慣れな新兵に遭遇できる運と、それをできるだけ綺麗に狩り取る腕がね。
いやほんと、普通には戦いたくない。
ちなみに前も似たような計算したけど、BAWSで全部纏めてみたとして。
BASHO一式で449,000だろ。
中身はFCSだけファーロンにしたとして360,000で。
銃はベイラムのそうだなあ、RF-024 TURNERで55,000……合計で864,000 COAMか。
中古にしたって半額にはならないだろうし、600,000 COAMくらいは見たほうがいいかなあ。
ルビコンだと常に依頼が出てるグリッドで一暴れしてこいって仕事で大体、報酬が60,000~ にプラスで撃破報酬……100,000にはなんないかも?
そうするとMTで最低でも7-8回、達成しなきゃダメって計算になってきて。
MTはそんな、ACみたくすっ飛んで現地にいけないから地面を歩いて……うん、無理だな。
現実的じゃ無さ過ぎる。
ギンが焦りまくるわけだ。
まぁ、妹分死ぬもん、これ。
脱出レバーだって引けなきゃ終わりだからなあ。
それ以前に爆散したら脱出レバーもひったくれも無いし。
これ、何の話?っていうと、解放戦線の窓口ことラコードの代理とかいう人から連絡が来てね。
AC無くした独立傭兵をMT乗させてコキ使おう。
修理がイマイチなACでも上手いこと使おう。
そんなプロジェクトが動いてて、切羽詰まったのが若干釣れたから、依頼しようと思っていた依頼を変更したいという話をされてさ。
依頼の変更はそれだけ言えば良くて、その前提を自分に言う必要なくない?
って突っ込んだら あ って声が聞こえたから、代理はきっと急遽窓口にさせられた新人だと思う。
書類かファイルにあるのそのまま読んだんじゃないだろうかって疑惑がね。
ラコードはどうしたの?って聞いたら、胃潰瘍が急激に悪化して入院したとか言ってたから、多分引継ぎとか研修が無かったんじゃないかな。
戦争中に先任とか上官が軒並み吹っ飛んで、自分が指揮しなきゃいけなくなった新人尉官みたいな感じ。
良く分かってないから全部言っちゃう、やっちゃう、みたいな……
仕事内容の変更自体はちょっと嫌だったが、どうしてもNOって言うほどじゃないので、軽くゴネた後に受けることにした。
ストライダーへの補給部隊?補給地点?のどっちなのかは説明がイマイチ下手で分からなかったけど……
どうも誰かに襲われて軒並み吹き飛ばされたそうで。
ストライダーそのものへの補給はヘリで行かないとどうにもならないので、無理だとして。
それは自分達でどうにか都合つけるから、周辺の護衛部隊への補給品を運んで欲しいんだそうな。
といっても、自分のAC1機で背負えるコンテナって、当たり前だけど1個なわけで。
そんな部隊の補給を全部賄えるような量は入らないんだけど、それでもいいからって押し込まれた。
ストライダーってコーラル掘ってる時以外、大体歩いてるから、追従して歩くMT部隊って結構その……稼働が高いらしい。
そりゃあね。
ストライダーの1歩 = MTで何歩?って考えたら、置いてかれないように大分、頑張らないといけない気はするよ。
うっかり踏まれたら絶対死ぬから、緊張感もありそうだしなあ。
で。
護衛部隊はどうにかシフトにしてるので、休んでるところへ細かい交換パーツとか、整備用の道具とか届けて欲しいってお仕事になりました。
コンテナ詰んだままストライダーの上っていけない?って聞かれたけど、ふざけんなって返しておいた。
飛べるわけねーだろ、
途中でひっくり返って墜落するわ。
ガッシャンガッシャン。
というわけで、コンテナ担いでやってきましたベリウス西部のボナ・デア砂丘。
そろそろRaDにも顔出さないとなあとか思いつつ、指定された合流ポイントへと進んでる。
すごい遠くに何かが動いているような……ゆっくり動いてるのがストライダーかなあ……ほんとデカいなあ、あれ。
あんなもんが遠くから青白い、超高威力のレーザーぶちまけてくるとかヤバすぎるわ。
しかもあのレーザーって、最初からあったわけじゃないらしんだよな。
誰なんだよ、物騒なもん取り付けたのは……
あと、この辺歩いてると今でも夢に見る全自動ACスクラップにする兵器、ヘリアンサス思い出す……あー、段々テンション下がってきた。
あわや引き裂かれてミンチにされるところだったんだよなあ……
隔壁の構造パージして地下道に閉じ込めたけど、そういえば、あの施設どうなったんだろうなあ。
オールマインドに聞いたら何か分かるかな……でも依頼人の事に突っ込むのもなあ。
自分としては、ヘリアンサスは処分したって言ってくれればそれでいいんだけども……
駄目だ、ここに居るとほんとにテンションが下がる。
急いで荷物届けて帰るか。
えーと……
「COM、指定チャンネルで呼び出しかけてくれ。ちょっと遠いけど、届くかもだし」
《はい、通信を開始します》
「…… ?いやいい」
COMって最近、ファームウェアアップデートとかあったかな。
微妙に反応早いような気がしたけど、まあいいや。
たまたまかもしれないし。
《指定チャンネルからの応答なし、呼びかけに返答がありませんでした》
「あー……まだ遠いのかな、しょうがないなあ……」
実際、遠いかもなって思ってたからしょうがないわ。
もっと近づいたら反応あるだろう。
テンションが上がらないまま、指定座標に向かってガッシャンガッシャン、ACを進ませていく。
この仕事終わったらドーザー狩りとか、グリッド掃討とかの仕事でも考えようかなあ。
前にギンとやってたACにぜーんぜん、当たらなかったもんなあ……ライフルもミサイルも。
知らない名前だったけど、ああいうのがきっとランカーになって行くんだろうなあ。
お前が下手なだけだろって話はそれはそうなんですけど。
あれは流石に、自分でもちょっとまずいんじゃないかと思ったしなあ。
ただでさえイマイチなのに、これ以上、下手になると……またあんなのに1人で遭遇したら撃墜されかねない。
……あ、RaDに聞いて……聞いてみるのはやめよう、なんか背筋がゾクっとした、今。
結局、届け先の部隊は1回も通信に応答しなかった。
流石におかしいと思って、解放戦線の窓口の方へ
「これチャンネル間違ってない?大丈夫?」
って聞いたら回答は
「あってるし、こっちからも連絡が取れないので兎に角行ってみて」
とかでね。
届け先でなんかあっても知らんぞ、対応は追加料金だよって言っといたけど、確認するとしか言わなかったので、期待できそうにない。
ちょっとラコード呼んでって言いそうになった。
緊急入院したラコード、一刻も早い復帰して欲しいな。
あの新人ではアクシデントを捌けそうにない。
「で、これかぁ……」
指定ポイントに到着したら、あの……
MTとかトラックとか、全部スクラップにされて転がってんですけど。
何て言えばいいんだろう、すごいこう……グシャグシャのボロボロなんだけども。
生存者居なさそうー……大分、念入りに潰されてるなあ、これ。
「COM、一応スキャンしてくれ。マトモな形してるのがあれば教えてくれ」
《はい、スキャンを開始します》
「コンテナはパージして戦闘モード起動してくれ。待ち伏せとか、まさかとは思うけど」
《はい、メインシステム 戦闘モード起動します》
背中のコンテナが外れて、足が伸びると言うか、楽になって……スクリーンにはスキャンの結果が広がっていくけど。
待ち伏せならとっくに撃ってきてるだろうし、なんでまあ居ないだろうが、それっぽいのは見つからない。
同時に分かるけどこれ駄目そう……原型とどめたMTもトラックも無さそうだわ……
独立傭兵はこんな念入りにやんないよなあ、とすると、ベイラムか……?
いやぁ、わーって押し寄せて引き潰したって感じじゃないなあ、そうなるとアーキバスかなあ?
スキャンだけじゃなく、AC動かして自分の目でも見て回ってるが、こりゃ酷い。
「敵影、待ち伏せ無し……はいいけど、相手も分かんない……か。うっかりRaDだったらもう笑ういや笑えないが」
RaDの痕跡があった日には、今すぐ飛んで帰るけどな。
そうでなくても、風が強くなってきて視界も悪化してきたから、長居はしたく無いな。
解放戦線に報告だけ入れて帰るか……正直、コンテナはここで捨てていいから、もう離脱したい。
チャンネル変えて、さっき連絡してた窓口をもう一回呼び出す。
「……こちら運び屋。現地に来たけど、全滅してる。相手は分からないが、受取人不在でもう帰るぞ」
「 こちら、かいほ……ああ!今、それどころじゃない、ストライダーが襲撃されている!」
「はぁ?」
思わず、ぐるっと見回す。
この辺からストライダーって見えるか?いや無理だな。
さっきから砂が舞い上がってて、視界の悪化が酷い。
超長距離なんかとても無理だ。
護衛の交代部隊が潰されてるのはストライダーを襲撃するから、邪魔が入らないようにするためか?
とすると、ベイラムかアーキバスか分からないけど、かなり本気だな。
襲撃したのが残ってないのは、潰した後に本命に向かったのかもしれない。
《高エネルギー反応を検知しました、表示します》
慌ててスクリーンにされた方角を見ると、かなーり高い位置にすっごい小さい、青色の光が見えた。
それが斜め下、地上に向かって青い線になって伸びたのも。
あれ、ストライダーのレーザーだよな……映像データじゃないのは初めて見る、が、すごいな。
大分長い時間、照射してるぞ。
そりゃACが食らったらジュってなるわなあ……じゃなかった。
「今、ストライダーっぽい青いレーザーを見えたぞ、確かに戦闘中らしいな」
「何を悠長な!今すぐ援護に向かえ!」
「冗談だろ、完全に依頼外だ。行かせたいなら、何と戦ってるのか、数と、幾ら出るのか言え」
「貴様!ストライダーの重要性が分からないのか!!」
「解放戦線の一員になった覚えはないぞ。依頼に無いことをさせたいなら、まず金の話に決まってるだろ」
「―――!!―――――!!」
なんかすごいキレてるから、ボリューム絞っちゃった。
解放戦線の事情として、ストライダー絶対死守なのは分かるよ。
分かるけど、それは自分の事情じゃないからなあ。
ここでさくっと、幾ら出すから見に行ってくれ、後は報告次第って言えないのが悪いと思う。
ラコードならそんな話にしたと思うけどなあ。
まぁ、通信には嫌ですって言いながら、実は少しずつ近付いてはいるんだけどな。
金の話が纏まればもっとぐいっと見に行くし、どう混じるかは見てから考えるとしても、自分としても状況は気になるからな。
定期的に青いレーザーがぶっ放されてるからまだ戦闘中なのは、そうなんだろうなあ。
その方向に何か居るのは分かる。
「COM、状況って拾える?」
《高エネルギー反応が断続的に発生している以外、判別できません》
「戦闘音とかも無理かあ」
《はい、距離と砂嵐の影響はノイズ処理では対応しきれません》
ブースタ吹かせてちょっとずつジャンプする形で距離詰めてるが、状況はあんまり分からない。
でも調べるぞーって突っ込んでいく気は無い。
何が居るか分からない上に、ストライダーに誤射でもされた日には、こっちが溶けたチーズみたいにされてしまう。
あ、そうだ。
近くの円柱みたいな建物の上まで登れば、多少は見えるかもしれないな。
「というわけだから、別のヤツに代わるか、仕事の話をする気になったらメールくれ」
「――――!!傭兵が――戦士としての誇り―――!!」
受付の人はすごいヒートアップしてて駄目そう。
通信は切ったので、メールが来たら確認する形にしよう。
多分、来ないだろうけど。
これで解放戦線と手切れにする気は無いけど、これラコードが復帰したら、また入院するんじゃないかなあ……
っと、そこそこ高そうな建物見つけたから、登ってみるか。
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お仕事はお仕事なので、契約にないことをやれって言われても困りますよね。
ラコードはその辺を理解しているので、臨機応変に窓口を回せていたのですが……
血気盛んな新人には難しかったようです。