ライザのアトリエ。黄昏の錬金実と秘密の歴史。 作:好きなことして生きたい
「ぶぺら!?」
アルトはライザにビンタされて張り倒された。なぜそんな事をしたかと言うとアルトが素っ裸で飛び出して来たのが理由だ。お互いがお互い状況を理解できてなかった。
ライザはただ顔を手で覆い隠して恥ずかしそうにしていた。アルトはいまいち状況が飲み込めずに周りをキョロキョロと見渡す。するとここは錬金術のアトリエだと言う事がわかった。
「もしかして俺はまだ死んでないのか?おいお前どこの部署の錬金術師だ!?戦況は今どうなっている?」
「わぁ!ちょ!何か着てください」
「あ?そんな事より戦況はどうなってるんだ!?フィルクサの野郎はどこまで来ている!?」
「そんな事よりもって…って、今フィルクサって言いました?」
「何ボケてるんだ!?そんなボケてる暇はないぞ!今もフィルクサの大群が!」
「ボケてません!それより。あなた今フィル…。っ!?だからそんな格好で近づかないで!」
そしてアルトは再びライザにビンタされた。そして、それでようやく落ち着いたのか、アルトとりあえずタオルで体を隠した。そして、改めて話を聞いた。そして、ライザから真実を聞かされてアルトは驚愕する。すでにクリント王国は大昔に滅んで、今は王国が滅んで何百年も時間が経ったと説明するが、アルトは突拍子もない話に信じられなかった。
「そんなバカな話があるか!」
「ちょっ!どこいくの!?」
そしてアルトはライザのアトリエを勢いよく飛び出した。飛び出したアルトは道行く人々に話を聞いたが、誰に聞いてもライザに言われてようにクリント王国はすでに滅んだと言う。人に聞けば聞くほど、自分の認識が壊れていく。そして、日が沈むころにようやく落ち着いてというより。諦めて、アルトはただただ沈みゆく夕日を見つめて座り込んでいた。アルトはもう自分が生まれ育った故郷と、かけがえのない仲間も敬愛する国王もいなくなり。寂しい思いと国を滅ぼした絶望の虚無感に襲われて何も考えられなくなっていた。そこでようやくライザがアルトに追いついた。ライザは息を上げながら倒れこむ勢いでアルトの隣に座った。
「はぁ、はぁ、はぁ…。やっと追いついた。早すぎ」
「…君は」
「ライザです。ライザリィン・シュタウト。それで、お兄さん結局誰なんですか?いきなり窯から出てくるん何て、泥棒ですか?」
「泥棒か…。泥棒の方が良かったかもしれないな」
「どう言う意味ですか?」
「俺は泥棒以上の極悪人ってことだよ」
「ご、極悪人?」
「信じられないかもしれないが、俺はクリント王国の宮廷錬金術師。アルト・エルメスだ」
「はぁ?」
ライザは予期せぬ斜め横の回答に思わず頭をかしげる。
「嘘みたいな話だろうが本当なんだ。わざわざ自分が歴史の極悪人ですって、笑えない冗談は言わないさ」
「…いったんアトリエに帰りましようか。次はそちらの話を聞かせてください」
アルトのひきつった表情にライザもおふざけで言っているわけじゃないと思い。二人はアトリエに戻って詳しく話を聞いた。そしてアルトはライザに自分の過ちの過去を淡々と話した。当時の詳しい内容を語られて、当時の心情やらその場にいないとわからないような内容まで事細かに話した。
「…正直言って信じられない話だけど、すくなくともアルトがふざけて言っているわけじゃないのは分かったけど、それじゃ今目の前にいるアルトは何なの?話によれば最後はフィルクサとの戦いで命を落としたって言ってたけど、不死の研究でもしてた?」
「理論上できると言うまでできたが、現実的にそれをする技術がなかったからそれは無理だ」
「理論上できるところまで持って行ったんだ。さすが黄金時代の錬金術師のトップ。それじゃ、何でアルトは今生きてるの?まさかよみがえったでも言うの?」
「…それに近いかもな」
「えっ?…マジ?」
「今チラッと素材を見させてもらったんだけど、そこの骨なんだけど魔物の遺骨じゃなくて、俺の骨だね」
「…えぇえええええ!?」
アルトの思わぬ発言にビックリしたライザだった。まさか魔物の骨だと思ってた物がアルトの遺骨の一部だったのだ。だからだろう。いつもなら失敗しない簡単な錬金術も久しぶりに大爆発して失敗して偶然にもアルトを作ってしまったのだ。
「ライザは意図せずホムンクルスを作ったみたいだね。でもホムンクルスで実際にいた人の姿形記憶までも同じに再現するなんて聞いたことない。これはホムンクルスとはちょっと違う。いわばクローン人間みたいな感じかな」
「ほ、ホムンクルス?く、クローン。ちょっと待って、私てばとんでもないことしてない?」
「今の時代がホムンクルスがどう言う扱いをされてるかわからないけど、俺の時代だとポピュラーなものだから気にしなくていいじゃない?」
「そんなのんきな話じゃないですよ!ホムンクルスなんて伝承でしか聞いたことない存在ですよ!」
「それじゃ、ライザは失った技術を蘇らせた大発明者だね。しかもホムンクルスの亜種ともよべるクローンクルスを」
「勝手になずけないでください!あわわ!ど、どうしょう!?」
「…なら処分した方がいいじゃないか」
「アンペルさん達に相談…、えっ」
大変なことをしでかしたとライザがパニックになっていたが、アルトの一言にライザは一瞬で冷静になる。
「見たところライザは目立つのが好きじゃないみたいだ。そんな君が失われた技術を蘇らせたとしたら注目の的になってしまう。だから今のうちに処分すれば…」
「ふざけないで…」
言葉をつづけようとするアルトの言葉を遮るようにライザの冷たく低い声が響いた。
「処分とか自分を物みたいに言わないで」
「ホムンクルスは物だ。何も気に病む必要はないんだぞ」
「貴方の時代ではそうだったかもしれないけど、私は違う。命を粗末にしないで」
「…悪い」
命を粗末に扱うアルトに対して、ライザは静かに怒りをこめていた。そんなライザにアルトは謝罪をして、そう短く答える。それ以来二人の話が終わった。ピリピリとした険悪な雰囲気なかで一日終えて寝床につく二人だったが、ライザが寝ている最中だった。真夜中だと言うのにアルトが外に出ていくのを気がついたライザはそっと、後を追いかけた。
「も〜、どこまで行ったの?」
アルトを後を追いかけるライザであったが、どこに行ったのか分からず森をずっとさまよっていたら、ようやくアルトを見つけた。先ほどの件で気まずいがこんな夜中で1人でいるのは危ないのでライザは呼ぼうとした。だけどライザは途中でやめた。
「すまない…。本当にすまない…」
アルトがえずきながら大号泣していた。何度も何度もすまないと誤っていた。いったい何にあやまっているのであろうか、それは言うまでもなく自分の過去の過ちだろう。自分達のせいで国が滅びオーレン族が壊滅的な被害を受けて、仲間も親友も何もかも失って、後悔と今生きている罪悪感で負の感情が溢れ出ているのであろう。先ほどまでは気丈に振る舞っていたが、やはり彼も人の子だ。自分がやらかした罪の重さに耐えれなくなって爆発してしまった。
「うっ…うっ…お、俺は、うっ…うぉおおおっ…」
「…」
そんな彼にライザが今できることはなかった。何度も声をかようとしたが、何で声をかけていいか分からなかった。今思えば彼が処分してくれと言ったのは、彼にとってそれが一番早く楽になれる方法だったのかもしれない。そうすれば罪悪感に押しつぶされて嗚咽を吐きながら泣くことはなかったかもしれない。彼は過ちをおかした対罪人だ。だけど死んだ彼が今更蘇って、クリント王国が犯した罪をたった一人の人間にのしかかっている。いったいどれほどの重圧がのしかかっているのか想像もできない。
そんな彼を見ているとライザは胸が締め付けられる。意図せずに蘇らせてしまったが、それでも生き返らせたのは自分だ。自分が彼を蘇らせてしまっあせいで彼はこんなにも苦しんでいる。他の人が聞けば自業自得で国が滅んで苦しんでいる。なんて冷たい言葉を言うかもしれないが、だけどたった一人で背負うには重く苦しすぎる。
自分で生み出した以上は、自分にも責任がある。だけど彼の抱えてる物が余りにも大きすぎるため彼になんて言葉をかけていいのかわからないし。自分一人が一緒に背負った所できっと変わりはしないし。一緒に背負わせてなんて、そんな軽いセリフは言えない。きっと本来ならほっといてあげるのがいいのだろうが、それでもライザは彼の隣に立つために静かに歩み寄る。特に何ができるわけではないけど、それでも彼の隣に立つ。このままほっといていたら、泣き崩れる彼の背中から崩れ壊れそうだから。
ユミアのおかげで熱が入りました。自分のペースでやっていきますのでよろしくお願いします。
またYouTubeの方で基本的にはゲーム配信などしてますが、これから先小説を書いてる配信とかしてみたいな~って思ってますので、時間があれば遊びに来てください。やる時はなにかしれでおしらせしますので。
それでは長くなってしまいましたが、次回も楽しみに待ってくだされば嬉しいです。