今回は事前に告知した祥子の生誕記念回をお送りします。あとは誕生日の日付がバレンタインという事とあって、バレンタイン回も兼任してます。
ちなみに今回は、アニメ『BanG Dream! Ave Mujica』の放送が一年後いう事で、話の展開もIFとなっております。補足程度で軽く説明しますと……
・元CRYCHICのメンバー達(燈、そよ、立希と祥子、睦)が和解済み。
・MyGO!!!!!メンバーがAve Mujicaを知る事になる。
・Ave Mujicaのメンバーの正体を知ってる(少なくともマイゴだけでなくポピパやロザリアのような原作主要メンバーにも知られる可能性大のため)。
……くらいです。
それでは、生誕回兼バレンタイン回を、どうぞ。
豊川祥子生誕記念回2024 哀しき忘却少女に祝福を
バレンタインッ────!
女性が男性へチョコレートを贈って好意を伝える日である。しかし、それをしているのは日本だけであった。海外では多くは恋人や家族、友人などにメッセージカードや花束、プレゼントを贈り合っている。
そもそも、バレンタインの起源は諸説あるが、古代ローマにいたとされるキリスト教司祭が処刑された日と名前から来ているとされている。
そんなバレンタインだが、日本で始まったのは人類の長い歴史から見てもごく最近の昭和初期である。そこから数十年かけて、当時のチョコレート会社や百貨店が行った広告やイベントにより、チョコレートを贈るという日本独自の文化が定着していくのだった。
そして今日、そのバレンタインが、今始まるのであった────!
「……よし、失敗せずに出来上がった」
少しすれば春目前であるがまだ冬の気温も寒いままの今日この頃、普段は5時30分に起床している僕であるが、今日はそれより早い4時30分に起床したのであった。
そんな僕だが…お昼ご飯で食べる弁当を手早く作り終えて、今はオーブンで焼き上がったモノを取り出している最中であった。
焼き上がったモノ…チョコレートで味付けされたスポンジケーキの粗熱を取った後は、お昼ご飯を作り終えた後に真っ先作って2時間近く冷やしていたチョコ味の生クリームをハンドミキサーにかけてチョコのクリームを作った後は絞り袋に入れた。
スポンジケーキの粗熱が取れたので、3等分にカットしてスポンジケーキにチョコクリームを絞ってスポンジケーキを重ねてを2回繰り返した。そして最後に乗せたスポンジケーキにチョコクリーム絞った後は外側全体にも塗って形を整えて、残りのチョコクリームも1番上にバランスよく絞る。
そしてイチゴや刻みチョコを乗せてココアパウダーをかけて漸くチョコケーキが完成する。その後はバースデー用のチョコのプレートにチョコペンで文字を書いた後は、一旦冷蔵庫に仕舞う。
「……よし、何とか出来上がった」
ケーキも出来上がった事だし片付けた後に戸締りをして学校に向かうとしよう。そう考えて、家を出ることにした────。
「……今週末に
学校に着いた僕は、スマホを取り出して此処数日の予定を確認していた。何故かって?僕は
元は、僕はMyGO!!!!!の前身(これはバンド名がMyGO!!!!!になる前に離れたのでそう表記してる)からバンドに関わっていたんだけど、とある理由で離れてから祥子ちゃんの誘いを受けてAve Mujicaに鞍替えしたのだ。
その後は色々あったけど、最終的には燈さん達や祥子ちゃん達…元CRYCHICのメンバー達が和解して、僕もそれに連なるようにMyGO!!!!!のメンバー達と和解するのだった。それで何の因果か、MyGO!!!!!のマネージャーも兼任する事になったのだった。
何故か…というのは、また今度の機会にしましょう。
「おっはよー!れおぽーん‼︎」
「おはよう、れおくん」
「おはよう、愛音さんに燈さん」
僕がスケジュール確認をしていると、元気な声で挨拶してくるピンク色のロングヘアーと八重歯が特徴の少女と燈さんが教室に入ってきた。
燈さん一緒にいるこの子は
そんな2人だが、僕がMyGO!!!!!から距離を取っていたが和解をした事で以前と同じ関係に戻れた…が、それ以上に仲良くなった気がする。何故なら愛音さんは僕の事を『れおぽん』って呼ぶし、燈さんには『れおくん』と呼ばれる事となったんだよね。
そしてそれを聞いた祥子ちゃんは2人…特に燈さんに対して嫉妬していた。その後は燈さんと祥子ちゃんに1日中ほぼベッタリされたのは記憶に新しいよ……。
「それでれおぽんは何してるのー?」
「スケジュールを確認してたんだよ」
「ふーん」
……コホン、話を戻します。そんな愛音さんは僕のスマホを覗き見しながら何をしているのか尋ねてきました。あのー、他人事のように返事しないでくれます?そもそもの話、僕をMyGO!!!!!のマネージャーに無理矢理任命したのは他でもない…貴女なんですよ。
その一件は勿論祥子ちゃんや立希さんは反対したけど、とある人を話の引き合いに出された事と燈さんに説得という名の上目遣いで承諾された事でMyGO!!!!!とAve Mujicaのマネージャーをやる羽目になったんです、はい……。
「あっ、そうだ。れおぽんに渡すものがあったんだー」
途中愛音さんは何かを思い出したかのように鞄の中から何かを取り出した。彼女の手に持っているのはラッピングされた包みであった。
「はい、れおぽん。ハッピーバレンタイン」
「ありがとう、愛音さん」
その包みは僕に贈るバレンタインのチョコのようだ。僕はお礼を言ってから愛音さんから受け取るが、彼女は何故かニヤニヤしていた。まさか……
「あとホワイトデーは3倍にして返してねー」
「厚かましいですよ」
ニヤニヤしていた理由ってまさかとは思ったけど、それか……。お返し目当てで催促しないで貰えませんか?露骨過ぎるんだけど……。
「……そう言うと思って家に準備したものがあります。後で寄って行きますか?」
「準備いいなー」
まあ、大方予想は出来てたから彼女の言う『3倍返し』は今日中に出来るんだよね。でも愛音さんは自らの予想が外れたからかガッカリして呟いていたけど。
「あの、れおくん。コレ……」
そんな中、今度は燈さんがモジモジしながら僕にバレンタインのプレゼントを差し出してきた。
「ありがとう、燈さん」
僕はお礼を言って燈さんのプレゼントを受け取ろうとした。しかし……
「……燈、抜け駆けは許しませんわ」
「祥ちゃん⁉︎」
「祥子ちゃん⁉︎」
そこに割り込むかのように祥子ちゃんが燈さんを睨みつけながら話に加わってきた。祥子ちゃんのその手には2人より一回りでかい包みが握られていた……けど、祥子ちゃん。わざわざ隣のクラスにまで乗り込むの……?
「燈、獅音に先に渡すのは私…昨日そう仰ったではありませんか?」
「祥ちゃんこそ、私が先に渡すって言ったよ……」
すると今度は2人が火花を散らしながら言い争いが始まった。……うん、朝早くから争い事はごめんだよ?
「れおぽんも両手に花だねー」
すると今度は愛音さんがニヤニヤしながら僕に尋ねてきた。これは流石に怒ってもいいよね……?
「じゃあ愛音さんだけお返しは無しという事で…「ごめんなさい。それは流石に勘弁して下さい」それじゃあアレを止めるの手伝って?」
「ハイ」
僕が一言言おうとすると、自分の非を認めたのか愛音さんは土下座して僕に謝ってきた。それに乗じて愛音さんと一緒に祥子ちゃんと燈さんの喧嘩の仲裁に入った。それが終わると同時に朝のSHRの始まりを告げる予鈴が鳴ったのだった。
そして、いつも通り日常が進んでいく事数時間後。昼休みに燈さんと祥子ちゃんがどちらが先にチョコを渡すかの言い争い以外、何のトラブルも無く授業も終わり放課後になった。
「それじゃあれおくん、早くれおくんの家に行こう……!」
「待って。愛音さんがまだ帰る準備が終わってないよ?」
普段は物事を率先する事は滅多に無い燈さんであるが、今回ばかり違っていた。何処か俄然張り切っており目を輝かせていた。うん、少しは落ち着こう?
「待ってれおぽん。ともりんと先に行ってて?」
「あれ?誰にそのチョコ渡すの?」
愛音さんはそう言いながら鞄の中から1つの包みを取り出しながら先に行くよう促していた。
「そのチョコ、誰に渡すの?」
「勿論きょーたん!」
僕がそう尋ねると、愛音さんはドヤ顔をしながら自信満々に胸を張って言った。うん、メタい事言っちゃうけど……『きょーたん』じゃ読者は通じないからね?
愛音さんから説明が無いから僕の方でさせてもらうと、『きょーたん』というのは、
「でも愛音さん。今日学校に京介先輩が来てるとは限らないよ?」
そう。この時期は受験真っ只中である。京介先輩も受験生だからそのうちの1人であるが、確かあの人推薦で年が変わる前に合格貰ってたな……。で、今の3年生の大半は自由登校だから先輩もそのうちの1人だろう。
「チッ、チッ、チッー……甘いねぇれおぽん。きょーたんは現生徒会長だから、学校に来てるハズだよ!」
……そうだ。確か先輩は生徒会長…それに加えて1ヶ月後には卒業式もあるから、生徒会の引き継ぎや卒業式の段取りもあるから、学校に来るのは必然的だ。そこは気づかなかった、盲点だったよ……。
「愛音さん。きょーたんではなく京介様ですわ」
しかしそこに割り込むかのように、自分のクラスのSHRが終わったであろう祥子ちゃんが眉間に皺を寄せながら話に加わってきた。しかもその手には今日渡すであろうラッピング用の包みが握られていた。
……というより祥子ちゃん。先輩だから『様』じゃなくて『先輩』じゃないの……と言いたかったけど、確か彼女は『Morfonicaの熱狂的なファン』だと言う事をそよさんから聞いていたんだった。そういえば先輩もMorfonicaのメンバーだったな……。
祥子ちゃんが月ノ森の中等部に在籍していた頃に音楽祭でMorfonicaに感銘を受けてCRYCHICを立ち上げたのは知ってるけど、京介先輩はMorfonicaのメンバーとはいえマネージャーだからね?せめてファンになるなら楽器の演奏者にしない……?と考えてるうちに祥子ちゃんと愛音さん、今両者が睨み合ってた。
「貴女みたいなミーハーが京介様に近づこうとしないで貰えますか?」
「ミーハーじゃないですー。ただきょーたんに日頃お世話になってるからその恩返しですー」
……って、もう言い争いを始めたよ⁉︎被害が拡大する前に僕は2人を宥める事が出来たが、その後は何故かこの後僕や燈さんも含めた4人で京介先輩の元に訪れる事となった。
「おそらく此処にいるね」
「自信満々に言わなくてもいいからね?」
僕らがその後向かう事となったのは、生徒会室であった。生徒会長の京介先輩ならおそらく此処にだろうけど、いるかな……?居ない場合もあるからね。
「この際考えても仕方ないから入ろうよ。 失礼しまーす!」
まどろっこしいと感じたのか、愛音さんは有無をを言わせずに一言声を掛けて生徒会室の扉を開けたのだった。まあ、もしいなかったら電話して聞けばいいんだけどね……。
「…………」
扉を開けたその先には、室内の机に座っている京介先輩の姿が見えた。しかし、仕事をしている訳でなく、どちらかといえば考え事をしているようだ。その姿勢が何処ぞの司令官のポーズをしているのだから無理もないよ……。
「あの、会長さん……何か困り事、ですか……?」
しかしそこに意外にも燈さんが真っ先に京介先輩に声を掛けた。祥子ちゃんも愛音さんも意外そうにしているけど、僕もだよ。こういうのっておそらく愛音さんが最初に口を開きそうだからね。
「嗚呼、君たちか。すまない、考え事をしていてな……」
「考え事、ですか……?」
燈さんに声を掛けられて我に返った京介先輩は漸く僕たちの事に気づいた。
「考え事とはなんでしょうか?」
そこで祥子ちゃんが本来の目的の前に、何を考えてきたのか尋ねた。まずは様子を見るのは大事だからね。
「考え事か。それはだな……」
京介先輩が何を言うか気になったのか、僕たちは黙って固唾を呑んだ。そして……
「……誰からのチョコを受け取った方がいいかな?」
………
『はい?』
全員が口を揃ってそう言った。うん、まずその一言が出ると思うよ。
「まずこう言うのは幼馴染のレイか、俺に最初に自分の好意を示してきた瑠唯か、はたまた俺がはっきりと好意を気づいたましろか、まず誰のチョコを受け取ればいいか考えてだな……」
「いやいや、真剣に考えてたのがチョコの受け取りですか⁉︎」
呆れて何も言えないとはこの事だ……。てっきり卒業式関連で忙しいか生徒会の後任が決まらないかで悩んでいたと思ってたけど、まさかのバレンタイン関連で悩んでいたとは……。
「それなら全員同時に受け取ればいいんじゃないですか?」
「去年やっちったからなぁ……」
えぇ……去年やったのに今年はダメなの……いや、この先輩の事だ。おそらく『去年やった事をまたやるのは流石に……』と思ったから今年は控えるんだ……。
「京介先輩、失礼します」
「どうしたロック?」
「京介先輩にお客様です」
「客だと?」
…と、そこに生徒会室に1人の生徒が入ってきた。女子生徒のようだが、ネクタイとスカートの色が青を基調としたチェック柄だから僕達上で京介先輩より下…詰まる所2年生の生徒だ。
あと特徴らしい特徴は、青髪のセミロングをシュシュで纏めた人だが、一際目立つのが黒縁眼鏡をかけているくらいだ。確かこの人は
そんなロック先輩が来たという事は生徒会の仕事か…と思いきや、彼女の口振りからして京介先輩のお客様を連れて来ただけのようだ。
「やあ♪」
「どうも♪」
「エ……?」
ロック先輩が入ってきた後に、2人の女性が生徒会室に入ってきた。1人はそよさんと同じお嬢様学校の月ノ森の制服を着ている長身の人で、もう1人は私服で月ノ森の制服の人より少し背が高い人であった。
そんな2人……月ノ森の制服を着ている人は、メンバーのほぼ全員が月ノ森の生徒で構成されたガールズバンド…
「どうしたんだ、レイに瑠唯?何故此処に来たんだ?」
京介先輩、声が若干裏返ってて平静を保てていませんよ?でも最低限として用件を聞くのは忘れてない。パニックになって何も行動しない人達とは大きな違いだ。
「ルカくんが私達の本命のチョコを誰から受け取るか悩んで此処にいるんじゃあないかと思って、こっちから出向いてきた♪」
そこでレイヤさんが笑いながら経緯を説明してくれたけど、目が笑ってないので説得力が皆無なんですけど……。
レイヤさんが説明を終えた次の瞬間、瑠唯さんと一緒に京介先輩の腕を掴んで逃がさないようにしていた。
「じゃあルカくん。校門前でましろちゃんを待たせてるから早く行こうね?」
「待て、行くってどこにぃぃぃぃぃぃ⁉︎」
京介先輩が何処に行くのか尋ねようとするも、有無を言わさずにそのまま2人に引き摺られる形で生徒会室を後にするのだった。
「まるで嵐のようだったね……」
「ホントに……」
この光景を見ていた愛音さんと祥子ちゃんは苦笑いしていた。でも結局チョコを渡しそびれたので、そこは仕方ないとして翌日渡す事にして、本来の目的でも僕の家に向かう事となった(僕の場合は『帰る』が正解なんだけどね……)。
学校を出て数十分後、自宅に着いた僕たちが最初に行なった事は、パーティの飾り付けであった。飾り付けに使う道具も数が少なかったので作業に取り掛かった時間はそんなにかからなかった。
パーティの飾り付けを終えると同時に、MyGO!!!!!と初華さん以外のAve Mujicaのメンバー全員が到着した。その後は朝のうちに作ったケーキを取り出して準備する訳だが……
「「こんにちにゃむにゃむ〜!」」
「海鈴、頭にチョコ置かないでくれない?」
「おや、毎日やっているので問題無いのでは?」
「お前が勝手にやるからだろ」
「それ、なに?」
「きゅうり。いる?」
「いらない」
……薄い紫色の髪を切り揃えた女性…
セミロングの黒髪を外はねにした少女…
薄黄緑色のロングヘアの少女…
祥子ちゃんや燈さん以外で手伝ってくれているのは、今の光景をため息をつきながら見ている、黄土色の髪をロングにした少女…
というより、愛音さんは動画投稿者であるにゃむさんのファンなのは前々から知ってはいたけど、一緒に撮影中の動画に映り込まないでね?あと海鈴さんのそれは毎日やってるの⁉︎まあ毎日やられたらうんざりもしたくなるよ……それと睦さん、楽奈さんはそれじゃ釣れないよ。抹茶系統の物を出さないと……って言ってる場合じゃないか。この人達をどうにかしないといけなかったね。
さて、どうしたものか……
「皆んな、何してるのかな?」
するとそこに冷酷さを漂わせる一言が聞こえたと同時にその場にいた全員が凍りつくように止まった。此処にいるほぼ全員が声のした方を向くと、そこには黒髪の青年…
「さて皆んな…獅音やそよが準備してる最中に何もせずに寛いでいるとはね……。特に獅音は朝早くから準備してたから少し労って貰わないと」
颯樹さんはニッコリと笑いながら(しかし目は笑ってなかった)棘のある言葉で指摘してきた。しかも全員何も言い返せなかった。
「いや、それなら祥子だって「祥子は今日の主役だから手伝わせるのは論外だ。それに立希、先日の一件忘れたとは言わせないよ?」ごめんなさい……」
しかし1人だけ…立希さんが食らいついてきたが、颯樹さんに完全論破されてそのまま黙ってしまった。あ、あと颯樹さんが言ってた
「さて…軽くお説教しようか。初華、到着して間もない所悪いけど、獅音とそよの手伝いをお願いできるかな?燈、そのまま祥子の相手をお願いね」
「「分かりました」」
「あと颯樹さん、千歌さんは?」
「千歌ならパスパレの監視をお願いしてるよ」
そう言うと颯樹さんは僕と祥子ちゃん、初華さんと燈さんとそよさんを残して他全員を廊下に連れ出して説教を開始した。残った僕たちは何も考えずに、まだ終わってない準備を手早く済ませるのであった。
ちなみに颯樹さんと説教を受けてる人達全員が解放されたのは準備が終わって約数十分後の事で、後片付けは彼女達が引き受けてくれる事で事は済んだのだった────。
全員が揃って暫くすると、リビングに大きなクラッカーの音が鳴り響いた。リビングのテーブルには朝僕が作ったケーキやバレンタインを象徴するチョコが置かれていたのだ。そしてケーキの上に置いてあるチョコでできたプレートには『祥子ちゃん、お誕生日おめでとう』と書かれていたのだ。
『祥(子)(ちゃん)、お誕生日おめでとう(!)』
「「おめでとう、祥子(ちゃん)」」
「おめでとうございます、豊川さん」
「おめでとう、さきこ〜♪」
「「おめでとう、さき(ちゃん)」」
「皆さま、ありがとうございます」
この場のほぼ全員が祥子ちゃんに祝福の言葉を贈るのだった。そう、今日は祥子ちゃんの誕生日で、今日僕が朝早くからケーキを作ったのはその為であった。
祝福の言葉を贈った後は、全員が祥子にプレゼントを渡した後は全員がパーティを楽しんだり、このタイミングで友チョコを贈ったりしていた。
だけど……
「燈、私が先に渡すと何度言えば分かるのですか?今日は私の誕生日だから先に渡す権利は、私にあります」
「祥ちゃん、誕生日だからって限度はあるよ?」
祥子ちゃんと燈さんが未だに争っていた。ちなみに朝に渡しそびれた後も、お互いチョコを渡せずにいたのだった。しかも2人とも先に自分が渡すと譲らないからそれに困った僕は颯樹さんに助けを求めた。
「初華ちゃん、颯樹さんにチョコを受け取って貰うのは私なんだから、大人しく手を引いてくれないかな?」
「それは私の台詞だよ。さきちゃんや颯樹先輩に散々迷惑をかけておきながら、そんな甘いお誘いができる立場だと本気で思ってる?」
しかし、颯樹さんの方も僕のところと負けず劣らずでそよさんと初華さんが修羅場を起こしてるんだけど⁉︎しかも颯樹さんも気まずそうにしてるから!
「私と一緒に、堕ちて行きませんか。暗く深い闇の底……戻りたくても戻れないくらいに」
「面倒臭い私でも良いって言ったよね?じゃあ、とことん貴方に対して執着しても大丈夫……と言う事で良いんだよね?」
初華さん、此処でAve Mujica…ドロリスモードに入らないで。そよさんも途中で敬語忘れてるから!
そんなそよさんと初華さんは、お互いが火花を散らして睨み合っているので、コッソリと抜け出している事に気づかずに口論を始めたのだった。
「獅音、お互いに苦労するな…」
「……全くです」
そう愚痴を零しながらため息をつく僕と颯樹さんであった────。
祥子ちゃんの誕生日パーティも終わって、説教を受けた組全員で後片付け(颯樹さんの見張り付き)を終わらせて全員が帰宅した……が、祥子ちゃんだけは帰らずに僕とティータイムをしていた。
燈さんも残ろうとしたけど、立希さんとそよさんと颯樹さんに引っ張られて帰らされたのは、また別の話である。
「今日はありがとうございます、獅音」
「別に大した事じゃないよ。それに、昔の約束を果たしただけだよ」
「昔?……嗚呼、私の誕生日にチョコケーキをご馳走する。でしたわね」
祥子ちゃんが思い出したかのように口に出す。そう、僕がまだ8〜9歳だったかな。僕が祥子ちゃんの誕生日がバレンタインだと知った時に、誕生日にチョコケーキをご馳走すると宣言したのだ。だから僕はこの日のためにチョコケーキを作ったのだ。
「貴方は相変わらず、律儀ですわね……」
「約束したからね」
祥子ちゃんは呆れているが、微笑を浮かべていたので満更でもないのがよく伝わるのだった。
「そうでしたわ、獅音。私から貴方にバレンタインのプレゼントですわ」
そう言うと、祥子ちゃんは自分の鞄からチョコの入った箱を取り出した。そして蓋を開けると中にはトリュフ型のチョコが6つほど入っていたのだ。
「美味しそう……食べてもいい?」
「もちろん。貴方のために用意したものなので、その権利はありますわ」
僕はそう言うと、チョコを1つ手に取ってそれを口に入れる。……うん、美味しい。しかも見た目からして手作りだから、祥子ちゃんの本気が窺えるよ。
しかし僕はまだ気づいていなかった、祥子ちゃんが勝ち誇った笑みを浮かべていた事に……。
そして僕の身体の変化が起きたのはチョコを1つ食べて間もなくの事であった。何故か僕の身体中熱くなるのを感じたのだ。
「……祥子ちゃん、チョコに何を入れたの?」
「あら、効き目が早いですわね。いいでしょう、貴方にお教えします」
僕は呼吸が荒くなりながらも祥子ちゃんに何をしたのか尋ねると、彼女は制服のポケットから1つの小瓶を取り出して僕に見せた。
「もしかして……媚薬?」
「正解ですわ♪ちなみにどのチョコの中にも媚薬が入ってますので、どれを手に取っても貴方の運命は変わりませんわ♪」
祥子ちゃんのネタばらしが終わると、自分が持ってきたチョコを1つ手に取って口に頬張った。すると間もなくすると、顔が赤くなって、呼吸が荒くなったのだ。
ちなみに余談だけど、この媚薬は睦さんが取り揃えた事を知るのは、また別の話である。
「さぁ獅音、ベッドに行きますわよ。今夜は寝かせませんわ。もちろん貴方に拒否権はございませんわ♪」
「……仰せのままに」
祥子ちゃんがそういうと僕の手を引っ張りリビングを出ると、僕の部屋まで連れてこられた。その後は祥子ちゃんにキスをされた事を機に、濃密な一晩を過ごす事となったのだった────。
まずは最新話の読了とお気に入り登録をしてくれた皆様、ありがとうございます。こんな拙作にお付き合いいただいた事に感謝感激です。
今回は、迷仮初の番外編という事でメインヒロインの祥子の生誕記念回とバレンタイン回をお送りしました。
あと今回は私と今親交の深い作者さん…『咲野 皐月』様の新規小説… 『仮面と彩りの狂騒曲』に獅音が登場した事をお伝えします。ちなみに獅音の初登場回は「EPISODE3」からの登場となります。それも踏まえて今回は皐月様のオリキャラである『
今回、獅音が登場した事で、今一度獅音が登場する皐月様の作品のURLも記載しますので、此方も併せて読んで下さいと嬉しいです。
ちなみに次回はまた本編を投稿しようと思います。あとは19日に白き蝶でましろの生誕記念回を予定しておりますので今暫くお待ち下さい。予定では3月を目標としてます。
それでは、また次回!
【咲野 皐月様の新作】
『仮面と彩りの狂騒曲』
→ https://syosetu.org/novel/334571/
獅音の女装回を……
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書いて下さい!
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書かなくていいです